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2020-09-28 28:09

第15回「黄色い雨」フリオ・リャマサーレス著 ~秋、すべてが黄色に染まる~

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【今回の紹介本】 

■『黄色い雨』フリオ・リャマサーレス著 木村榮一訳  

今回第15回目でご紹介するのはスペインの作家フリオ・リャマサーレスの『黄色い雨』です。

 スペインの滅びゆく田舎の村。 

そこで一人生きる男の孤独を描いたフリオ・リャマサーレスの代表作について語ります。 

【番組内で紹介したトピック】 

■『黄色い雨』フリオ・リャマサーレス著 木村榮一訳 河出文庫 

https://honto.jp/netstore/pd-book_28271903.html 

■『狼たちの月』フリオ・リャマサーレス著 木村榮一訳 ウイーヴ

 https://www.amazon.co.jp/dp/4863325916 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、小説が好きの回の私、ダイチと通常巡るカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回の紹介に関しては、第0回で話しているのでそちらをお聞きください。
今回はですね、フリオ・リャマサーレスの黄色い雨を紹介します。
これですね、個人的にはちょっと好きなんですけど、話しにくいというか紹介しにくいさで言ったら今まで話してきた中で一番トップクラスだなと思って。
そうですよね。結構懐かしい小説で、10年ぐらい前に一回読んだことがあったんですけども、今回改めて読み直して、何ともちょっと説明しづらい小説だなと思いましたね。
うまく話せるか不安ではあるんですが、うまく話す必要もないのかなっていう。
そうですよね。こんな本があるっていうその存在を話せたらいいのかもしれないですけど。
じゃあちょっと言ってみましょうか。
今回紹介する本がスペインの作家のフリオ・リャマサーレスが書いた黄色い雨になります。
文庫は川出文庫から、パードカバーはソニーマガジン2から出版されていて、役は木村英一さんになります。
文庫が2017年に出てますね。参考本が何年でしたっけ?
2005年です。
表紙一緒なんですよね。
そうですね、表紙は。
なんかちょっと印象的な黄色い絵なんですけど。
綺麗な表紙です。
じゃあちょっと私の方からあらすじをお伝えしたいと思います。
沈黙が砂のように私を埋め尽くすだろう。スペイン山奥の廃村で、いつもおる市の漁町を前に男は一人身を潜める。一人また一人と去りゆく村人たち、朽ちゆく家屋。
そしてあらゆるものの喪失が圧倒的な孤独と閉塞の市場を描き出し、奇跡的な美しさと評された代表作となってます。
なんかこれだけでいつもと違うんですけど、何のことかわからないと思うので、多少補足しながら話を進めたいと思います。
最初に言っちゃうとですね、黄色い雨っていうのは何?
ちょっといろんなことをこの小説の中では象徴はされてるんですけど、基本的にはポプラの枯れ葉が降ってくることを黄色い雨と指していることになりますね。
この黄色い雨というのが一年の中で秋になると降るという枯れ葉なので、そういう一年の流れの中で黄色い雨というのが出てきたりするんですよね。
なんでちょっと秋に紹介したいなと思って入れ込んでるところもあるんですか?
確か秋らしいですよね、この小説って。
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この作者のフリオ・ヤマサーレスは代表作は黄色い雨だと思うんですけども、他にも狼たちの月という小説や無性映画のシーンという小説も日本で翻訳されていて読むことができます。
この黄色い雨の文庫版には短編小説があと2つ収録されているとなってます。
僕は狼たちの月というのは読んだことあるんですけども、黄色い雨とは全然違ったテイストで、狼たちの月のほうがおそらく読みやすくて、ちょっと面白さもあるかなとは思うんですけども、
黄色い雨は黄色い雨で、また作家としてすごいものを書いてあるので、全然違ったものを書いているという部分では面白い作家だなと思っています。
大地さんは短編も読んでいますか?
そうです。私は文庫本でカード文庫のやつを持っているので、短編2本読んでいるんですけど、
なんか遮断機のない踏切っていうやつが15ページぐらいの小説が入っているんですけど、黄色い雨は約60ページあるかなぐらいのあれだから、10分の1ぐらいの長さの小説なんですけど、
割と関心もあるんですけど、扱っているテーマは結構似ているんで、なんだろうな、この黄色い雨結構最初入りづらいなって思ったら、こっち先読んじゃってもいいのかなってちょっと思っていますね。
確かに。
最初に話すこういうようなことじゃないんですけど。
そうですね。作者がもともと詩人として文壇に登場されている人なので、すごい小説ではあるんですけども、詩を書いているように読めるというような特徴もあって、
一応原書、スペインでは1988年に出版されていると、そういった本になります。
じゃあですね、ちょっと最初の印象としてというか、全体的な雰囲気の話をちょっとしたいんですけど、
これはタイトルが黄色い雨、枯葉が落ちてくる、黄色い枯葉が落ちてくるっていう印象を私ちょっと持ってしまったせいで読んでしまったからだと思うんですけど、
ずっと孤独感が降り続けているような印象を持っていました。
なんか読んでいるときに、これもどんどん話の流れでいうと、主人公の男性はどんどん村から人がいなくなって、妻と飼っている犬と2人と1匹で村に取り残されるというか、
村に居続けるんですけど、途中で妻も死んでしまうので、1人残ってただただ村が朽ちていく、自分の命が終わっていくっていうのをあっているだけの話といえばそれまでなんですけど、
そういう設定もあるので、孤独感がずっと降り続けているような印象が読んでてありました。なんか深く深く埋もれていくような印象が。
これをなんか積浪感という言葉で表現していいのかわかんないんですけど、寂しさとか悲しさというようなものがすごく感じながら読んだのを覚えてますね。
06:07
そうですね、この全体的な雰囲気としては、本当に孤独感というのがすごい強い話で、村自体最後に取り残されたのが主人公の男の人1人だけになってしまうので、
朽ち果てようとしている村というかその世界というのが描かれているんですけども、これがやっぱり小説として成り立っているところの一つに、結構この主人公の男の人のある意味、
執着と言いますか、なんか人間らしい部分というか、この小説の特徴で亡霊が出てくるんですよね。
出てきますよね。
それは家族であったりするんですけども、結構その主人公の人が、ある意味過去に見てきたものとか、もしくは自分が望んでいるものかもしれないんですけども、
そういったものたちが現れて、そこで現在としては孤独で朽ち果てようとしているんですけど、過去の物語というか、そんなのもあったりして。
確かに。なんかこの亡霊が出てくるっていう状況なのかな、なんだろう、なんて言いたいかうまく言えないんですけど、亡霊が出てくるんですけど、怖いんじゃ怖いんですけど、
なんかどう捉えていいのか、状況としては、個人的にもうこれ、主人公の男が家族の亡霊とかが後半ぐらいから、特にお母さんですよね、自分のお母さんが台所にいたりとかするんですけど、
そういうのが見えてきて、なんか生徒としての境界線が曖昧になっているっていうのはわかるんですよ、なんとなく。この男は、なんか好意的に受け止めているのか、否定的に受け止めているのかがすごくわからなくて、
もう風景の一つになってくるじゃないですか、その亡霊が。この感情をなかなか読み取れないなってちょっと思ってました。結構ガタンによっちゃめちゃめちゃ怖いですよね。
そうですよね、これ実写か映画かとかしたら、普通にホラー映画になりそうですもんね。
そうですね、ホラー映画、そうですよね。
なんかね、原作も結構シリアスに、それを綺麗に描いているんですけど、映像化しちゃうと普通のシリアスなホラーになっちゃいそうですよね。
ちゃいそうですよね。だからどういう風に受け止めたらいいのかなって思ってました。
なんかあんまり、なんとなくそういう状況になっているっていうだけなのかなと思ってはいるんで。
あれなんですかね、この亡霊たちが出てくるのっていうのは、死にしまった人たちが出てくるっていうのは、やっぱり主人公がそれを求めているんですかね。
その辺はいろんな解釈がありそうですよね。
わかりそうですよね。
確かにね、主人公が狂っているようにも思えるし、何か本当に死にかけていて、相馬刀のようにそういう亡霊が現れているのかもしれないし。
主人公というのが結局は最後、一人村に取り残されるという状況になるんですけども、
09:02
これをね、小説を読んでて思ったのは、この二つあって、一つが主人公って何者なんだろうという。
わかる、ちょっと。
ずっとこの村にいる人間で、村の外で生きたことがないというか。
息子が、この夫婦何人か子供がいるんですけど、結局この男は村に執着しているのか、何なのかあれなんですけど、
次男だっけ、長男は戦争で死んじゃったんですけど、
アンドリアスが出てくる時の描写がすごいですよね。
息子との別れに、最後別れを言わないという。
そうですね。
回想が途中で入ってて。
主人公は家族の旦那さんなんですけど、息子は村に出て行ったら絶縁すると。
でも奥さんはそんな厳しいことはないで、いつでも手紙頂戴ねと言ったりして。
でも結構、主人公の旦那さんからすると、この村から出て行くということは見捨てられたと思うような。
互戦したんだけど、ありましたね。置いていくのかみたいなぐらいのテンションですよね。
どちらかというと被害者的な感じの物言でしたね。
それも主人公の旦那さんで、自分と奥さんだけじゃなくて、亡くなった子どもたちもまだ村にはいてというか、
村を出ていくというのは、亡くなった人間たちも捨てていくことだ、みたいなことを言ってて。
この辺はちょっと、なかなか厳しいことを言うなと思いながら。
主人公の男の村に対する執着というのがすごくあるんだなというのは感じますよね。
主人公の、なんでそこまでその村に執着を持つのかと。
結構周りが子どもだけじゃなくて、他の住人たちも出ていく中、ずっと村に居続けるというのはどうしてだろうというのは結構小説で読んでいると思うところではありますよね。
それを表現したかったのかなと思いますけどね、この小説をどうして。
そうですね。それで読んでいて、村から出ないという、自分で出ていこうとしないというのと、
あともう一つ、もしかしたら村に閉じ込められているような、そういうふうにはちょっと思えたんです。
確かに。
一応、死の瞬間というのは最後の方、描かれるっちゃ描かれるんですけど、途中から死んでいる感じがしますもんね。
そうそうそう。結構曖昧な描き方をしているんですよね。
自分はあと何ヶ月後にはこうなっているだろう、だろうという。
何々だろうを結構延々と書いていて。
最後の章と最初の章が全部だろうで閉じてなかったっけな。
12:03
何ヶ月後、何年後はこうだろうみたいな。
それってもう死んでいるってことなのかなと思わせるような描き方なんですよね。
面白いですよね、ここね。難定しないっていう。
主人公のところで一番思ったのは、一人称で書かれているんですけども、
その私がすごい詩人のような言葉遣いで、人生についてであったり、この村についてであったりを語っているんですけども、
それが語れるってことはこの人は何者なのかなって。
確かに。
すごい教養のあるような教育を受けたとか、仕事をやってたとか、そういうわけでは決してなくて、
普通のスペインの片田舎で生まれ育って、そこで仕事をしているっていう人なので。
自然に対する眼差しなのか、何と言ったらいいのか。
人とか村に対する描写とかもすごい。
そうですね、そういったところでやっぱりかなり作者の意図というか、
ただの一人物を描いているだけじゃなくて、その人物としての作者の心の声みたいなのが、
やっぱりバンバン出ている小説なのかなとは思いましたね。
無料売山サーレスが語ってますよね。
そうそうそう。
村を。
それはめちゃめちゃ思いましたね。
そういったところで読んでいると、ある意味そこの面白さは感じれるかなと思います。
私これ最初読んだとき、今回2回目なんですけど、最初読んだとき、
すごく日本の感覚とかけ離れたところで書かれている感じはすごくしたんです。
なんかこのアベレティック村の感じとか海外特有なのかなとか思ったりもしたんですけど、
でも日本にもあるのかなと思ってこういう、やっぱりどうしても人がいなくなってしまってみたいな土地は。
いろんなイメージは浮かぶんですけど。
そうですね、日本の村を舞台にこういう小説があってもおかしくはないなとは思いましたね。
もしかするとね、あるんだろうなとは思うんですけどね。
結構近い雰囲気の小説。
そうですよね。
そういったところでは確かにそうですよね。
スペインの片田舎の話ですけど、
なんかこの日本にいる自分にも何かありそうだなと思わせるところがありますよね。
そういう意味では、もしかしてこの小説に惹かれちゃうのはそういう共通の、
合集って言っていいのかわかんないけど、感情っていうのは日本人の中にもあるのかなと思いましたね。
終わっていくものに対する、なんていうのかな。
やりきれない感じっていうか。
でもこの文章の表現とか記憶のあたりはあんまりやっぱり日本人的な感覚ではないですよね。
そうですね、なんか。
上手い例がないんですけど。
でも見てみたら意外と感覚的には日本人でも書けるのかな?どうなんだろう。
まあ、どうなのかな。書けるのかもしれないですけど。
15:02
訳上手いからな、これ。
これ、木村さんの役がめっちゃ多いですよね。
すごい文章力だなと思うんですよね。
でも確かにこの文章ってすごい、本当に詩を書いているような感覚の小説かなと思うんですけど、
そういったところで比喩とかもたくさん出てくるし、でもやっぱり淡々と書いてますよね。
劇的に書こうとしないというか、落ち着いたテンポで書いていて、
そういったところではすごい読み心地がいいというか。
どこから読んでも結構なんていうか、話の流れはあるからあれなんですけど、
割と途中から、一回読んじゃった後だったらどこから読んでもなんかいいなって思います。
文章を味わうっていう意味では。
私みたいだから、途中どっか開いて読んでもなんとなくこの黄色闇の中に浸れるような感じがしますよね。
そうですね。本当にその情景がすごく綺麗に描かれてはいますし、
あとはこの文章というところでは、やっぱり主人公の人の思想というのは結構一人称で語られているなと思っていて、
自分にとっての死とはどういうことかとか、
孤独について主人公が考えていることとかっていうのがところどころに書かれていて、
特に後半、そういったところではすごい美学というのも描かれている小説かなと思う。
そうですね。美学はわかるな。確かにユーリアム・サーレスさんの美学でしょうね。
そうですね。主人公も村も亡くなって消えてしまうというのは目に見えていて、
その中で誰でもいいから思い出してほしいというか、そういう思いを持って述べられている小説だなというのは結構最後の方を読んでいくと思ったりするんで。
賞は当たってるんですけど、その中でもなんかちょっと自分は読んでて結構混乱するところもあったんですけど、
時系列みたいなのが見方あれだけどめちゃくちゃになっちゃったりとかもあって。
そうですよね。
なんかそれもまあ面白いっちゃ面白いんだけど、結局結構わかんなくなるのが、
サビーナって妻がいるんだけど、この妻が結局途中で死ぬんですけど、
生きてた時と死んだ後の時、亡霊になって出てきた時とか、結構ごちゃごちゃになってきますよね、途中で。
時間もなんか、主人公の私の時間の感覚が狂っていくっていうか、なくなっていく。
どっかの夜からもう一切時間経ってないんじゃないかみたいな。
だから難しくて、それでなんかそこで主人公は死んだのかみたいな。
その後のことは魂が感じたことなんじゃないかみたいな、捉えることもできるから、
18:03
頭の中で整理しきれなかったんですけど私は。
そうですね、そこを全部整理できていなくてもできる一つってあるんですけど、確かにね。
僕はメモしながら読んでたんですけど、それでなんとか読めたっていうのがあるんですけども、
ちょっとどこがどの時代なのかって分かりづらいところはあるかなと思います。
最初と最後に彼らっていうのが出てくるんですね。
最初は彼らって出てくるんですけど、最後までそんな出てこないって結構最後、
主人公がもう死ぬかもしれないみたいな話のところで、彼らがやってくるだろうと。
この彼らって誰だろうと思って、彼らっていうのは何かの象徴なのかなと思いきや、
メモを見直すと最初に彼らってあって、最初に戻ってきたんだっていう。
なるほど、そういうとか。
そうですね。
もちろんそこ整理できてなくても読めるものかなと思うんですけども、
結構そういうふうに繋がって。
確かに。
遠いところと遠いところが繋がっている感じっていうのはあるかなと思うんですけども。
最初の1ページ見て気づきましたけど、彼らって出てきてるんですね、ここで。
そうですね。
名前全員名を入れるような。
そうそうそう。
最後の2回読んでるのに気づかなかったけど、最後の彼らって一番最初に出てきた彼らじゃなくて、
なんかもっと大きい何かだと思ってました。
そうそうそう。僕は最初はそう思ったんですよね。
これ、黄色い雨っていうタイトルついてる通りで、黄色い雨って単語結構頻繁に出てくるんですよね。
それが枯葉を指してるときもあれば、いや多分違うだろうっていうところもあって、
これは何かを象徴はしてるんだろうなと思うんですけど、
これは何だろうな、忘却なのか死なのかみたいな、そんな感じなのかなとはちょっと思ったりはしてますね。
そもそも黄色っていう色も頻繁に出てくる。
例えば、妻のサビーナをリンゴの木の下に埋めるんですけど枯れてた。
そしたら埋めたら、そのリンゴの木が久しぶりに実をならすんですけど、そのリンゴが黄色かったりとか、
ある朝ペットから湧き上がって窓を開けると村全体が黄色く染まっていたとか、
これは黄色い雨が降ったのもあるだろうけど、なんか象徴的な意味合いも含めてるんだろうなみたいなのはちょっと感じてて、
個人的にはこの黄色は終わっていく瞬間なのかなっていう、終わりじゃなくて終わりに向かうこのサインみたいな、
私は枯れ果てるのもそういう意味なのかなと思ったんですけど。
そうですね、僕もそれは思いますね。
21:00
この小説の中に出てくる黄色って哀愁を感じるような文脈で思えてしまうんですよね。
この辺すごく上手いし、明治喚起のところで言うとね。
そうですね、そういったところではある意味世界観がしっかりしている小説だなと思いますよね。
そうですね、狙わそうなことになっちゃうからだけど完成度が高いですよね。
そうそう、それはめっちゃ思いますね。
そうですね、たぶんこのラジオで取り上げたっていうところもそこの要素が大きいかなと思うんですよね。
物語性とかってあんまりなくて、小説として荒筋だけとか紹介するとこれどうかなって思っちゃうんですけど、
やっぱり完成度のところではすごい敷かれるものがあるし、
今回ラジオで取り上げるっていうのって2回目読んでメモとか取って読むと、
作者のすべてを終わろうとしているものだけども、それを言葉にしてこういうのが世の中に存在していたんだっていうのを、
そういう声というか、そんなのが聞こえてくるような気がして、
やっぱりいい小説だなって最終的には思いましたね。
そうですね、やっぱり誰かにこれっていい小説だよねって言いたくなるような。
ちょっと思ったより上手く話さなかったなっていう感じがあるんですけど。
じゃあちょっと全体的な感想を言って終わりにしましょうか。
はい。
じゃあちょっと私からいきますか。
今話してきてなんとなくこの終わりに向かっていく小説あって、
これなんだろうな、今日ラジオで話す前までは独特の悲しさがあるなと思ってたんですけど、
今話してみて多分これって結構いろんなことに共通する悲しみなのかなとちょっと思いましたね。
だからなんか結構自分の中で響いたのかなって、今改めて思いました。
そういうことを感じることができる小説。
死とか終わりに関して思いを馳せることができる、読むと思いを馳せることができる小説だなと思います。
ちょっと話しづらさにもつながってたのかもしれないんですけど、
なんかね、自分はこの私っていう主人公、感情移入があんまりできなかったんですね。
僕も一緒ですね。
うん、ですよね。
そうですね。
ちょっと私の読書スタイルだと思うんですけど、基本的には割と感情移入をして読むタイプの人間だと思ってるんですよ。
だからちょっと読みにくさはすごく最初ありました。
だからちょっと苦労はしたとこはあるんですけど、
でもそれでも読んでいくとやっぱりこの詩的な表現とか、
雰囲気とか全体を漂う雰囲気とか、
なんか主人公っていうよりは村とか、
この状況とか、空気感っていうのを味わうことができたので、
24:05
すごくそういう力を持った人だと思ってるので、
感情移入するタイプの人でも読めると思います。
逆に私とは違う、感情移入しないタイプの人って言い方、
どういうタイプだって言い方ちょっと難しいんですけど、
少し読んでる時に距離を持って読める人っていうか、
そういう読み方ができる人というか、
そういう読み方をしてる人がいると思うんですよ。
こういう読書スタイルの人がいると思うんですけど、
多分そういう人にはめちゃくちゃ合うというか、
好きな小説なんじゃないかなと思います。
ちょっと話さなかったんですけど、
私の感想とお勧めのポイントはそのところですね。
はい、そうですね。
僕も本を読んだ感想としては結構近い部分があって、
やっぱり孤独感がすごい強い小説で、
村も家も主人公そのものも朽ちていくという話なんですけど、
そこにすごい美しさというのを感じましたね。
あ、そうですね。
文章もそうだし、美学っていうところも感じましたし、
そういったのが感じ取ることができたというところでは良かったなと思っています。
じゃあこの小説をどういう人に読んでもらえたらなと、
ちょっと考えてみたんですけども、
結構いろんな小説がある中でも、
その中でも不要不急の読書になっちゃうんじゃないかなと。
不要不急面白いですね、確かにそうですね。
そうなんですね。
だからそんなに慌てて読む必要もなくない本かなと思っていて、
娯楽で読む本でもないなと思っていて。
そうですね。
そういったところでは何か目的意識を持って読書をしたいですというニーズには向かないと思うんですけども、
途中で何度か話していたと思うんですけども、
やっぱり消え去ろうという世界を描いている小説で、
主人公にしても村にしても、
その主人公にとっての世界にしても、
もう間もなくこの世から消え去ろうとしていると。
そういったものを書き残している小説かなと思っていて、
それが良い悪いは別にして、
今は存在していなくてもかつてはこういうのが存在していたんだという、
その一つの世界が描かれているなと思うんで、
そんなのを読んでみたいなと思った人が読んでみてもいいかもしれないなと思います。
そうですね。
なんかそういう意味で言うと、
これ多分読むときに環境結構重要だと思いますね。
それは思いますね、確かに。
通勤とか電車の移動とかなんだろうな、
こういうときに読むとあんま入ってこない気がしますね。
そうですね。
ちょっと眠くなるかもしれないですね。
せかすかしているときに読むものでもないかなと思うんですが、
なんとなく160ページぐらいの小説なので、
なるべく1日である程度集中できる時間を確保して読んだ方が良いかなと思います。
27:04
ひとつで贅沢な読書体験だなと思います。
じゃあそんなところで、次回予告いきましょうか。
はい。
次回は休憩会また挟ませさせていただきます。
休憩会では番外編らしい今回次のテーマなんですけど、
次は調節以外のフォームをお互い1冊ぐらいか2冊か紹介したいなと思っております。
よろしくお願いします。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介されているフォームを読みました、
読み返しましたなどありましたら、
ハッシュタグ空飛び猫たちをつけて教えていただけると嬉しいです。
Twitterやインスタなどで投稿などしていただければ、
私たちもちょっとエゴサしてるんで、
ちょっと抜けちゃうときもあるんですけど、
見つけて喜んだりしてますんで、よろしくお願いします。
この番組面白いなと思ったら積極的に拡散共有していただけると助かります。
次回休憩会になりますが、お楽しみにしていただければと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
28:09

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