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2022-09-05 49:53

第92回 満州のある都市、夢と戦争の半世紀「地図と拳」(前編)小川 哲 著

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【今回の紹介本】

 ■『地図と拳』小川 哲 著 集英社 

ひとつの都市が現われ、そして消えた 

日露戦争から第二次大戦までの半世紀を怒涛の展開を描く、600ページ越えの大作「地図と拳」 今回はこの濃厚な物語を前後編にわけてお届けします!

 【番組内で紹介したトピック】 

■『地図と拳』小川 哲 著 集英社 

https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/chizutokobushi/ 


【ゲスト出演しました!】

K-BOOKらじお #11

https://open.spotify.com/episode/3y1Ks3uqLpIAZpDymRaoCq?si=810d18e6e04542dd 

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硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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00:01
文学ラジオ 空飛び猫たち
日露戦争前夜から第二次大戦までの半世紀の間、満州に作られた都市があった。その都市はなぜ現れ、そして消えたのか。
マジックリアリズムを取り入れ、怒涛の展開で描かれる。600ページを超える超大作
小川 哲 の 地図と拳。今回は2回に分け、前後編で紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きな岡井のダイチと、羊を巡るカフェのミエの2人でお送りします。文学のプロではない2人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方などそちらを見ていただけるとありがたいです。
今回紹介するのは小川さとしさんの地図と拳になります。終影者から2022年6月に出版された本です。
どんきぼんと言われる分厚い本で、630ページくらいの本です。厚みと重みが凄い本ですね。
本屋さんで見ると厚が凄いと思うので、最近本屋さんに行って詰まっているのを見たら、凄い本が出たなと思っている人もいるかもしれません。
ラジオでたまにこのクラス紹介させていただきますけれども、おそらく前回がヘビの言葉を話した男以来かなと思っております。
その前は、2年前はボンクロックスという、これもどんきぼんを紹介したんですけど、毎年秋にエンタメ作品のどんきぼんを紹介するっていう流れがこのラジオでできていて。
3年目の今回はこの地図と拳ですね。
そうですね。小川さとしさんの。
これもね、読むのすごい大変だったんですけど、でも凄い100年の孤独を思い起こすような壮大さがあって、名置記書をとって欲しいなって思いましたね。
この後いろいろ話すけど、結構時間かけて書いてらっしゃって、2018年から連載されていて、2022年か。
だからだいぶ小川さとしさんこれにかけてきてる時間すごいと思うんで、この労力からすると取ってもらいたいですよね。
来年の1月になるのかなこれ。
で、小川さとしさんについて少し補足というか紹介させていただきます。
03:05
ゲームの王国という小説が有名なのかな。
読んでなくて非常に読みたい一冊なんですけれども、それで有名なイメージがあります。
若手のSF作家として知られてますね。
まだ30代の方で、これからたくさん作品を書いてくれるんだろうなと期待している作家の一人でございます。
今回の地図と拳、タイトルの由来なんですけれども、この本の中で地図と拳についてはいろんな話が出てきます。
ずっと定義されたりもするし、登場人物たちがそれに対していろんな思いを話したりすることもありますが、
基本的に地図というのは国とか歴史みたいな形ですね。
あと計画かなとかも入ってくるのかなと思います。
戦争の話にもなるので、戦略というかところも出てくるのかなと思います。
あと未来予測か、いろんな文脈で語られるんですけれども、
当たり前ですけど、この話の中で地図というものはすごく重要なファクターになってきます。
もう一つの拳の方なんですけど、これが暴力、武力、戦争みたいなイメージですね。
なので、この話は国とか歴史とその形成に関わった暴力とか武力、戦争みたいなことを語るという作品でございますね。
作中でもいろんな人物がこの地図と拳に関して述べているんですけども、
それぞれの話、定義があるので、それを読んでいくだけでもすごいこの作品の重厚感が現れていると思いますし、
日本側の話であったり、中国側というか外国人の人からの話があったりとかですね、
そういうのがいろいろ混ざり合っていて、地図と拳というちょっとシンプルなタイトルなんですけども、
作中ではすごくそれが面白く、幅広く書かれているなと思いましたね。
さっきも話した通り、この作品なんですけども、2018年から出品が始まっていて、
2022年6月に出版された時にはですね、結構雑誌連載の時からはかなり削られているようでして、
だいぶシェイプアップというかこの再構築まではいかないかもしれないですけど、
かなり書籍化するにあたってまた気合を入れて書いているようです。
なのでちょっとこれから本当に詳しく話していきますけど、
本当この濃厚で展開もですね、無駄がなく。
なのでこの600ページあるから無駄がないっていうのはね、結構相当読むのに大変なんですけども、
あっという間に話が進んでいくんで、これは本当にすごい小説だなと思いましたね。
そうですね。ではその作品をこれから紹介していきましょうか。
いきましょうか。
ではまずですね、周囲者のウェブサイトからあらすじを引用させてもらいますと、
06:00
君は満州という白紙の地図に夢を書き込む日本からの密定に帯同し通訳として満州に渡った細川、
ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ、
おじに騙され無謀の土地へと移住したソンウーコ、
地図に描かれた存在しない島を探し海を渡った巣の宝天の東にあるリージャジェンへと呼び寄せられた男たち、
燃える土地をめぐり殺戮の反省期を生きる一つの都市が現れそして消えた、
日露戦争前夜から第二次大戦までの反省期、
満州の名もない都市で繰り広げられる地略と殺戮、
日本SF界の神聖が放つ歴史空想小説とありまして、
日露戦争前夜から第二次世界大戦までの反省期というかなり長い期間の出来事が語られると、
それも満州に実在しない架空の都市ですね。
架空の都市の歴史が語られるというすごく壮大なお話ですね。
この日露戦争から第二次世界大戦までの50年間というのは、
日本にとっておそらくものすごい激動の時代だったと思うんですけれども、
我々やっぱりその歴史勉強してるんで、
ある程度こういうことがあったんだなっていうのはわかってると思うんですけれども、
結構これを読むと、もちろんこれフィクションなんで、
史実に基づいている部分もあるんですけど、
フィクションなのであるんですけど、
だいぶこの戦争というものを立体的に捉えることができたので、
言い方あれなんですけど、今ちょっといろいろやっぱり世界もいろんなことがあるので、
戦争というものに関して一つの理解というか、
一つの在り方みたいなのを見ることができたので、
そういう意味でもすごくいい書説だったなと思います。
ちょっとそんな重たい話から入っちゃってあれなんですけど、
ちょっとこの本、これからいろいろ話していく前にですね、
前編後編で分ける予定なので、
最初にちょっと我々の感想を伝えたいと思います。
ストーリーの前では話しますけど、
どのタイミングでラジオを切って読むか読まないか決めるとかっていう人もいると思うので、
まずは最初にちょっと感想を伝えていきたいなと思います。
さっきも言った通り、50年という時間の流れがあって、
登場人物がすごく多いんですよ。
日本側と中国側と、ロシアの選挙主なんかも出てくるので、
その中で結構いろんな人物が出て、
時間の流れとともに複雑に絡み合っていき、
ストーリー展開が複雑なんですけど、
結構理解しやすい部分もあって、
読んでると結構ちゃんと入ってきて楽しめるので、
後半は本当に止まらなくなります。
ここは本当にすごい小川さんのすごい力があるなと、
小説を書く力がすごいなと思いました。
日露戦争のあたりの知識、
マンシュとかの知識がなくても全然楽しめますし、
さっきも話した通り、フィクションの部分っていうのは多いんだと思うんですけど、
戦争というものはやっぱり止められなくなるものなんだなということが分かる一冊でもあるので、
09:01
そのあたりも楽しめますね。
ちょっと前に古典ラジオで日露戦争のことやってたんで、
ちゃんとそこ聞いてればもっと楽しめるだろうかなと思って、
最近ちょっとそこ古典ラジオに細かく聞いてなくて、
タイミングよくそういう古典ラジオをやってるんで、
そのあたりも合わせて聞くと面白いかもしれないですね。
そうですね、僕は聞けてなかったんですけど、
聞いておけばよかったですね。
確かに確かに。
僕の感想としては、すごく大地さんと近くて、
本当に小川さとしさんはストーリーテーラーだと思いますし、
すごい読ませるんですよね。
序盤から面白いし、重厚感のある話なんですけども、
日本側の視点と中国側の視点と、
それぞれの主要人物の視点で語られるんですけども、
そこがいろいろ混じり合って、
すごく面白い物語になっていってるっていう、
もう本当に結構僕は600ページ一気にっていうのは難しかったんですけども、
やっぱり読み始めると100ページ、200ページ、
ちょっと止まらずに読んでしまって、
意外とスムーズに読んでいけましたね。
あとはやっぱり架空の都市が舞台なんですけども、
その都市にすごく理想の姿を求めていてですね、
その主人公たち、それは日本の人たちもそうだし、
中国の人たちもそうだし、
そういったところすごく光が見えるようなところもあるし、
一方でこの舞台の繁盛期っていうのはずっともう戦時中であるので、
そうはさせないというので、
この辺りの流れっていうのを本当に終始読ませるので、
とにかくやっぱり面白いなと思いました。
大地さんが言ってたみたいな歴史的な知識がなくても、
スムーズに読んでいけたので、
本当に詰まるとこなく一気に面白く読みましたね。
歴史的なところで言うと、
満州って私は歴史を勉強しているときに、
中学・高校の歴史の教科書レベルの知識で言うと、
なんでこんな満州って大事なのか、
みんなで争ってたんだろうってちょっと思ってたんですけど、
これを読んで、すごく重要な国が交差するところだったんだなって感じましたね。
そういうのも結構読んでるとわかってくるんで、面白かったです。
じゃあ、具体的にいきますが、
まず全体的な魅力について話させていただきたいと思います。
全体的な魅力なんですけど、まず1点目は構成ですね。
構成がすごいです、これ。
さっきから話してた通り50年間っていう時間を描くので、
この50年間っていう時間を600ページにまとめてるんですけど、
その構成が練り方とか、あと状況が複雑に絡み合っていくんですけれども、
伏線回収なんかもすごくちゃんとしていて、
しかもその仕方が結構気持ちよかったりするんで、
よくこんな構成を本当に練れたなって思うぐらい驚きの構成です。
これ、マジどこを起点に考えてたんだろうっていうのは、
12:00
すごいちょっと気になるところではあります。
読んですぐ思ったのは、この分厚さの小説って読むときって、
結構描写がですね、細かかったり風景を描いたりするときも、
結構文章を割いたりとかするものが多いイメージがあるんですけど、
この小説はですね、なんか短編小説を読んでるんじゃないかとか思うぐらいですね、
展開がめっちゃ早くて、あっという間に話が進んでいくんで、
このペースで展開してってどこまでいくのみたいな、
ちょっと戸惑いが最初正直ありましたね。
で、あ、いい意味ですごい面白くて。
結構最初ちょっと面食らったのを覚えてますね。
分かりますね。確かにその章ごとに、
なんかその手前の話と、なんか違う切り口から話が始まってきたりして、
本当に短編みたいな形で、違う物語が語られるんですけど、
それがまた本筋に合流していったりとかですね、
そういうすごく面白い構成で作られているのが結構あってですね。
で、小川さとしさんのインタビューをちょっと見ていたらですね、
これをプロットなしで書いていたというのを言っていてですね、
それすごい驚いたんですね。
いや、これはもうめっちゃ緻密な計算というか、
下書きがあって書かれたんじゃないかって思っていたら全然そうじゃなかったっていう。
そうなんですね。
そうなんです。それでびっくりして、小川さとしさんにもう一個騙されたのが、
この作品、結構建築というのもテーマとして、
面白いですよね。
そうなんですよ。で、いろんな建築論の話があったり、
主人公も建築を学んでいる人なんですけども、主人公の一人が。
っていうので、もうてっきり小川さんそっちの業界の建築の勉強とかしてた人かなと思ったら、
それも全然違っていてですね、もうこの作品を書くために勉強したって言ってですね、
いや、やっぱこの作家ってほんとすごいんだなって思いましたね。
てっきり小川さんのベースに建築っていうのがあって、
だからこういう緻密な構成のものがちゃんと設計図みたいなのを作って書けるんだっててっきり思っていたらね、
もう全然そうじゃなかったっていうところが、
いやいや、これはね。
そう驚いてしまうぐらい、やっぱこの構成がすごく良かったっていうのは思いましたね。
いやちょっと今、衝撃的ですよ。
ちょっとこれ、嘘でしょ?プロットなしで書いたの?
そのインタビュー後で読みますわ。嘘。
すごいな。
これ、プロットなしに書けないって思うけどな。
ちょっとなんかよくわからなくなってきた。
そうそう。
いやでもこれやっぱなんか、作家の想像力というか、発想力というか、やっぱそういうのがすごいんだと思いますね。
いや、そうですね。
これだって、この状況の絡まり合い方が半端ないじゃないですか。
あっちの要素がこっちに繋がってみたいな。
どんどん展開していくからすげえなって思ったのに。
15:00
これ、ちょっとすごいっすね。
なんかやばいな。
ちょっと素で驚いてしまっている、今。
ちょっと話を先に進めますか。
あと、全体的な魅力でちょっとお話したいのは、登場人物でございますね。
登場人物なんですけど、とにかく登場人物が多いんですよ。
日本側と中国側の人間で大枠は分かれてるんですけど、
その日本側でも中国側の中でもいろんな思いがあって、ぶつかり合ったりもしてるし、
日本側と中国側は基本ぶつかるしっていう状況になっていて、
話が進むにつれて登場人物もどんどん増えていくので、
物語がどんどん広がっていっている感じも読み進めていくうちにするし、
この時間のスパンがあるんで、登場人物たちにも子供が生まれて、
それが時間が経つにつれてキーパーソンになっていくっていう作りにもなっているので、
この辺りの濃厚さっていうのはすごいありますね。
読んでて楽しかったです。
基本的には三人称で語られるので、
視点というのは一応三人称の視点なんですけども、
主にパートごとというか文章ごとに一人の視点が定まっていて、
その人が見た形で語られるという形になります。
なのでこれ場面が切り替わった時に、
今これ誰の視点なんだろうなっていうのはちょっと把握する必要が少し出てきますね。
ただこれも多分小川さん結構計算されてるんじゃないかなと思うのは、
1ページ分くらい読まないと、
これ誰の視点なんだろうってわからないような書き方をしてるパートとか部分もあって、
この辺りは効果的な書き方をされてるなと思いました。
あとですね、ただ登場人物がかなり多いので、把握するのが結構大変で、
中国側は読み方もちょっと違うので、
頭に入ってこない人物なんかもいて、
登場人物早見表みたいなのが結構欲しいなって思いましたね。
それは確かに。
メモを取りながらやっぱり読んでましたね、その人物名は。
たまにこいつ誰だっけみたいなことをちょっと考えてしまう人もいましたね。
そうですよね。
急に脇っぽかった人が急にメインになったりするじゃないですか。
そうなると、あ、こいつだったかみたいな。
そういうのはいろいろありますね。
ちょっとね、戻って確かめないといけなかったりってあったんで。
でもこれは登場人物すごく魅力的な人物多かったんですけども、
やっぱり一つ思ったのは、脇役でもちゃんと背景が書かれていて、
すごく感情移入させられることが多かったし、
人物の魅力が感じられたりっていうのもありました。
例えば途中で作品の中で泥棒が出てきたりするんですけども、
それも最初、誰だこれはと。
なんでこんなタイミングで泥棒が出てくるんだって思ったら、
それが意外とキーパーソンになっていったりとかですね。
その辺がすごく、やっぱりこれも書き方が上手いというか、
人物の見せ方が本当に上手いなって思いましたね。
18:00
最後お話ししたいのは、設定の面白さです。
端的に言うとですね、話を作っている要素が多いんですよ。
それがこの小説の濃厚さみたいなのを作っていて、
非常に面白いポイントだなと思ってます。
まずそもそも、架空の満州の都市というのを舞台にしている点が面白いですし、
それに対して結構緻密に描かれているので、
本当に実在したんじゃないかと思うくらい、
この都市について知った気になってしまう描き方をしています。
戦争なので侵略側である日本人の残酷さとか、
そもそも戦国の残酷さみたいなのも結構ストレートに描かれている部分もあります。
これが当事者となってしまった時の気持ちの動き方なんかも書いているので、
この辺りもすごく面白いですし、
あとですね、マジックリアリズムみたいなのが結構入ってきていて、
この現実的というか、戦争も非現実的にちょっと見えてしまう部分があるんですけど、
でもやっぱりなんとなく戦争っていうのは自分たちの今までの歴史によって事実的だなという部分があって、
イメージできる部分とかあるんですけど、
そこにですね、マジックリアリズムのファンタジー要素みたいなのがグッと入ってくるので、
この辺りがですね、結構私はすごい面白くて、
この要素の多さっていうのは非常にこの小説の魅力の大きな魅力だなと思いましたね。
いや、確かにそうだと思います。
要素がたくさんあるから面白く読んでいけたと思いますし、
戦争やマジックリアリズムもそうですし、
あとやっぱり建築とか地図とかですね。
そうだね。建築もすごく面白いですね。
そうですね。ところも本当にテーマとしてこの作中で述べられているんで、
本当に建築好きな人とか地図が好きな人とか、
そういう人も本当にハマるんじゃないかなと思いますね。
そうですね。建築は結構ね、建築論みたいなのが結構飛び交うからちょっと面白いよね。
建築における建物を見れば歴史がわかるとか、誰が建てたかわかるとか、
そういう話とか結構あって面白いですよね。
さて、じゃあここからストーリーについて話していきたいと思います。
今回なんですけど、実は前後編に分けようと思ってまして、
来週もこの長い話をお話ししていきたいと思います。
前半はですね、前編である今回はですね、
大体半分ぐらいかな、まで話そうかなと思っております。
この後聞くにあたって留意点というか注意していただきたいことをお話ししてから入っていきたいと思います。
この小説なんですけど、後々最初に出てきた脇役の方とかが重要な人物になったり、
なんか些細なことかなと思った出来事が後々大きなファクターになったりするので、
真っ新な気持ちで読みたいっていう人はちょっとここで止めてもいいのかなと思います。
この小説ですね、やっぱりなんか知らないで読み進める楽しさっていうのが間違いなくある一冊で、
ネタバレとはまたちょっと違う要素で、この楽しみっていうのがあるなと思ってます。
ちょっとうまく言えるか自信はないんですけど、この物語は史実に基づいて取り入れている部分っていうのは結構あるので、
21:05
読んでるとですね、自分が知ってるなと思う事実が出てきます。
で、それがこのフィクションである物語の展開の部分と絡み合っていくのがすごく面白くて、
そのフィクションの部分が入っていくタイミングとか、登場人物の出し方とかが結構ネタバレとは違う意味合いで、
いい感じに並べられてて入ってくるんで、どんどんどんどん膨らんでいく感じがするんですよ。
で、これはですね、多分初読の楽しみであるのは間違いないので、物語を知ってしまおうともしかしたら損なわれてしまう部分かもしれないので、
ストーリーを知る前にお伝えしておきます。
で、話す通り1回ここでちょっとそういうのを楽しみたいって人は止めてもいいのかなと。
読んでから聞いてもらってもいいのかなと思います。
そうですね。もう読もうと思ってる方は、読んでからラジオを聞かれる方がいいのかなと思いますね。
ただすごいボリュームのある小説なので、このラジオを聞いてみて、それからしばらくして、
しばらくするとだいぶ忘れてると思うんで、その状態で読むと本当に真っ新たな状態で楽しめるんじゃないかなと思いますので、
ここはもう人それぞれ好みでお願いできたらなと思います。
あと、今めいさんが言った通りなんですけど、たぶん私がさっきダバッと話したことが読み終わった後なんとなくわかると思います。
なのでちょっと1回聞いて、あとちょっと忘れて読んで、
あ、私が言ったことってこういうことだったなみたいな感じになるんじゃないかなって思うので、
ぜひ読みたいと思っている人はストーリー聞くならば、ちょっと後で時間を置いてから、確かにめいさんの言う通りですね。
そうですね。あともう一点ですね、これからストーリーの話をしていくときに、
中国の都市とか人物の読み方ですね、これを正確な読み方とか発音っていうところが間違ってるかもしれないんですけども、
ちょっと合ってるかどうかわからないまま言ってしまうと思うんですけど、
そのあたりはご愛嬌にしてもらえたらなと思いますね。
特にイントネーションとかマジでわかんないもんね。
そうなんですよね。さっきからソンウーコンとかリージャジェンとか言ってたんですけど、それが合ってるかどうかちょっと自信がないんですよね。
リージャジェン。
そうですね。そこはもう仕方ないので、ご愛嬌ということでいきましょう。
じゃあ前半のストーリーをちょっとお話ししていきたいと思います。
これはまずですね、1899年ロシアとの間で緊張感が高まっていた日本は、
ロシアとの海戦の可能性を探るべく中国のハルビンという場所にタカギという若い兵士を派遣していました。
その時に通訳と同行していた大学生細川とタカギはハルビンに向かう船の中で、
燃える土と燃えない土の話を聞きます。物語はここから始まっていきます。
もうすでにいろんな話をここでしちゃうと、この通訳で同行した細川というのがですね、
最初もう本当何でもない人物で描かれるんですけど、
ちなみにこの最初序章というところで始まるんですけど、序章の中でも最後結構オッと思うような行動が出たりとかして、
24:04
最初結構頼りない通訳だなみたいな感じで出てくるんですけれども、
この最初の30ページくらいの展開の中でもちょっとこいつ一体何者なんだみたいな変臨を見せますし、
このストーリー通してだいぶ超重要人物になってきます。
これがですね、細川のこの物語の中での膨らみ方が本当に面白くて、
これがさっき私が言った書読での面白みだなと思うので、
でもこの話を語る時にどうしても細川は話さなくてはいけないので、
もうちょっとここで話してしまいますけど、細川というのは本当に超重要人物になってきます。
なのでもう要所要所に出てくる人物になってますね。
時がちょっと過ぎて1901年、満州のリージャジェンという街が舞台になってきます。
ここでキリスト教を布教神、ロシアから来てた神父クラスニコフという人物がいるんですけれども、
彼はですね、この満州の地で西洋人が危険な目に遭うという状況の中、
その中でキリスト教というものを信じながら生きているという状況ですね。
この時ですね、このクラスニコフは銃で撃たれても死なない中国人の男と出会います。
これが後に孫悟空と名乗る男で、ある特殊な訓練をした結果、
肌が銃を通さないほどの力を得ているという不思議な男です。
この辺りはマジックリアリズムが入ってくるんですけど。
でも撃たれてもですね、全く無傷というわけでもなくて、
ちょっと負傷していてダメージを負っていました。
クラスニコフは彼がですね、その孫悟空が自分の敵側にいるだろうなということは分かっていたとしても、
彼を助けるという行動に出ます。
その結果、クラスニコフはちょっと危険な目にもあったりもしますね。
この孫悟空なんですけれども、この時満州を支配していた人物、
リーダーガンか、リーダーガンという男がいるんですけれども、
彼からですね、未来というものを見通す方法を教わります。
この結果ですね、孫悟空はですね、このリーダーガンを超えるぐらいの戦慄感を手に入れて、
未来がわかるようになり、リーダーガンを殺害して、殺して、
代わりに自分がこの満州の支配者となろうとします。
でまた、ちょっと時間は少し過ぎて1905年、日露戦争を回った中の中、
一番最初に出てきた高木はですね、ロシア軍と法天で交戦することになりました。
この時、通訳でいた細川は引き続きですね、日本軍の通訳として重宝されており、
満州義軍総統本部というところにいて、通訳の仕事をしています。
高木はですね、このロシア軍との交戦で亡くなってしまいます。
細川は高木が法天で戦死したということを知れます。
そうですね、ここまでで大体もう150ページぐらい、本書の4分の1ぐらい進んでいて、
27:00
実はですね、今大地さんが話していた以外でもすごい細かいエピソードがいっぱいあって、
本当に面白いんですけどね、そういうの語ってしまうと本当に時間がいくらあっても足りないので、
流れはこんな感じなんですけど、やっぱり細川が最初からかっこいいですよね。
細川ってすごい謎めいたかっこよさがあって、
なんか序章で出てきた時はもう誰だこいつはっていう、ちょっと頼りない感じがあったんですけど、
だんだんその才能がどんどん溢れていくっていうのがどんどん描かれていくんですが、
この辺はやっぱり読んでてすごい気持ちがいいところですね、この細川のかっこよさ。
本当は一回読み通してから序章っていう、さっき言った1099年のパートを読むと、
この細川がね、この時こんな船の上で這いてた細川がすごい人物になっていくなみたいなのが、
ちょっとなんか感慨深くなりました。
そうそうそう、だんだん細川も権力を持っていくんですけど、
あともう一個前半ですごい好きなのがやっぱりこの孫悟空ですね。
どんどん成り上がっていくんですけども、少年時代に修行しているくだりがあるんですね。
それは道場で宗派みたいなのがあって、
そこで修行が第一の修行、第二の修行みたいな感じでやっていくんですけども、
第一の修行とかもう誰もクリアできなくて、
自分の体で岩を壊すかな、そういうのをやるんですけども、
ただこの孫悟空だけは真面目にそれをやって、本当にそれを実現してしまうっていうね、
他のみんなはもう嘘ついてクリアできましたって自己申告していくんですけども、
この辺のこだりがすごい面白くて、バトル漫画とかちょっと読んでるような、そんな面白さがありましたし、
本当この辺すごいマジックリアリズム感がめっちゃ出ていて、
確かに中国のこういうところってちょっとラテンアメリカとかと通じるような、
わけわかんないけども物事が進んでいったり、不思議な力で実現してしまったりみたいな、
この辺の前半の部分面白かったですね。
ちなみにこれなんで孫悟空って書いて孫悟空って読むんですけど、
その孫悟空が修行した宗派というか何とか界か、
神賢界かな、に方々は自分たちのことを過去の偉人の名前で呼んだってしてたんですよ。
劉備とか関羽か、みたいな、
そう言ったんですけど、孫悟空は孫悟空と名乗ったというところですね。
もともと全く違う名前があります。
ではですね、ちょっとここから話を続けていこうと思います。
そうですね、少し時が流れて1909年で、
舞台はちょっとこの時は日本になります。
スノという人物ですね、大学で気象学を研究する研究者、若手の研究者がいたんですけども、
30:01
そのスノという人が満州鉄道の会社からの依頼で、
黄海にある、黄海というのは黄色い海ですね、
黄海にあるとされる青龍島、青い龍の島という青龍島という小さな島があるかどうかの調査をしてほしいと、
そういう依頼を受けます。
そのとしては専門気象学で、
そういう地理的なところは専門外だったんですけども、
ちょっと興味があってそれを引き受けて調査をするんですけども、
結論としてその青龍島という島は地図には描かれているんですけども、
実在はしないということがスノは結論として出します。
ただですね、その依頼主の南満州鉄道の人から、
その島が本当にないことを証明してほしいと言われて、
で、スノはその存在しないことの証明ってすごく難しくて、
受け負ったものの存在しないということが証明できるのかって、
考えるとちょっと泥沼にはまってしまうんですけども、
でもその仕事にちょっとやみつきになってしまうんですよね。
ちょっと取り憑かれてしまうと。
で、そんな中ですね、このスノという人物を細川が見つけるというかですね、
ちょっと細川はその時はもう結構ね、権力を持っていたい。
南満州鉄道の会社に細川も入社していたんですけども、
ちょっとそのスノのその才能に目をつけて、
この2人の出会いというのが後にスノの人生を変えていくことになります。
で、細川がスノに目をつけたというのが、
このスノが作成した調査書をですね、これに興味を持って、
細川としてはこのスノの仕事ぶりというのはすごく面白いので、
個人的に調査費というのを負担して、
引き続き情勢によって清流島という島が存在しない理由というのをですね、
なんかその証明というのを最初は言われてたんですけども、
後にその証明というのは不要になるんですけども、
ただ細川はそのスノに続けてその調査を依頼します。
で、月に1回ぐらい2人は会う中になっていって、
細川が最終的にはこのスノも南満州鉄道に満鉄ですね、
満鉄に入社しないかと誘うようになります。
で、細川が何して欲しいかって言ったらですね、
スノがすごい地図に取り憑かれた男なので、
満州の地図を描いて欲しいと、その仕事をして欲しいというのを細川はスノに頼みます。
で、それは満州という土地を日本が支配して、
ここに新しい都市ですね、どのように作るべきかっていうのをやっぱり検討していかないといけないという時に、
このスノという人物がもう適任だと判断して、
で、スノは細川と一緒に働くことになるんですけども、
そこでですね、ちょっともう一つ、スノが細川を訪ねてきた女性ですね、
これは高木恵子という名前の人なんですけども、と知り合うようになります。
33:00
で、この高木恵子という人は一番最初、序章で出ていた細川と一緒に、
当時ハルピンを目指していた軍人の高木ですね、の奥さんになります。
ただちょっとね、高木が戦争で亡くなってしまったので、
今はもう未亡人として、一人息子と暮らしているという状況で、
ただですね、このスノが高木恵子に惚れて、いろいろ迂回曲折はあったんですが、
最終的には結婚するというんですね。
そういうふうにちょっとスノも幸せな家庭に築いていきます。
で、その後も満州に渡ってしまって、その都市の地図を作るという仕事に取り掛かって、
で、一方でその奥さんの恵子は日本にいて、
そこでスノとの間に子供ですね、もともと高木との間に長男がいたんですけども、
その次男となるアケオという子供を出産します。
で、そこからですね、結構時が流れて1923年、アケオが生まれてから11歳ですね。
11歳になった時の話なんですけども、
結構ですね、このアケオというのが変わった子供で、
すごい時間にこだわって、完璧な体内時計というのを持っていると、
今何秒経った、何分経ったかというのをすごい正確に測ることができて、
時計をなくても時刻を言い当てることができて、
で、ちょっとね、そのお母さんの恵子ですね、
ちょっとね、変わった子供なんで心配して時計を取り上げたりするんですけども、
そうしたら今度温度計に興味を持ったりして、
で、体感温度の誤差ですね。
今ここは何度かというのを当てたりするんですけど、
条件によっては誤差が生まれたりするんで、
そういうのはね、すごい、なんでそんな誤差が生じるのかという要因を探ったりすると、
夢中になる、すごいですね、変わった子なんですけども、
すごく理系の頭のいい子供として育っていきます。
そういうアケオの成長がありつつ、
さらにですね、ちょっと時が少し流れて、1928年ですね、
ここでちょっと細川の話になります。
細川というか、満州で細川がの日華青年和合の会という、
満州にいる有識者たちで議論、選挙であったりですね、
これから先どうするかみたいな話をするんですね。
その都市計画についての議論をする、そういう会を発足するんですけども、
そこで細川が虹色の都市計画というですね、
その細川の中にある案というか、計画を説明します。
それはですね、満州という地で理解が一致しない日本人、中国人、ロシア人など、
そういうですね、日本人だけじゃなくて、
他の国の人たちとも単行都市というのを形成することで、
手を取り合うことが目指そうというですね、
36:01
そういうのを目的とした都市計画というですね、
非常に有名なあるそういった話をして、
そのね、じゃあその先満州はどうなっていくのかというところでですね、
ちょっと一旦ここで区切りたいなと思います。
もうですね、ここでもう300ページくらい行ってる?
あ、そんなに行ってます?
1920…
どうだっけ?ちょっと待ってたかな。
200ページくらいですね。
200ページくらいですね。ちょっと言い過ぎましたね。
で、ちょっと先にこの細川のこの計画の話のところのパートなんですけど、
結構こういろんな立場の人たちが参加してて、
この時にビジネスやる側としては、
この中国人相手にビジネスをやる側の人たちは、
あの細川さんの考えはちょっとうまくいかないと思いますみたいな、
なんかそういう議論があって、
結構この時のこのパートの議論は読んでてすごく面白かったですね。
で、あの虹色ということで、
色が7色かな?あるんですけど、
で、細川が満州民族、漢民族、
で、日本人、ロシア人、朝鮮人、モンゴル人っていう、
まあそういう民族たちがね、
もうみんな共存していくっていう話で、
そしたらね、それで6色なんですね。
で、あと1色足りませんって言われたんですけども、
あと1色はね、〇〇だっていうね、
こういうことが結構読んでると思ってね、
ちょっと驚いたところで、
でもすごい面白い話を細川がして、
こういうことがね、ぜひちょっと読んでほしいところです。
確かに、今伏せました、伏せたんだ。
面白い、なるほどね。
いいと思います。
あとはこのアケオという人物が出てくるんですけど、
まあアケオがこの小説の中で主人公を描くみたいな何人かいるんですけど、
まあうちの1人になりますね。
このアケオというのはちょっと変わった子供なんですけど、
これからどんどん成長していって、
いろんな子供の方に強く関わるようになってきますね。
そうですよね。
最初はね、なんか変わった子供で心配されたりするんですけども、
やっぱ面白いのが細川とかは、
アケオを見て、これはもう天才だって言ってね。
特殊能力もそうだし、頭の良さもそうだし、
アケオとかお父さんのそのですね、
まあもうね、その辺に気づいて、
もうどんどんこのアケオの成長に期待が膨らんでいくっていう、
なんかそこのね、描き方もすごい面白くて。
あと個人的にやっぱり好きなのは、
このアケオのお父さんのスノーのキャラですね。
地図を作るのに最初は夢中になっていてなんですけども、
結構ひねくれ者で、
なんかちょっと自己中なところがあって、
自分が最初は清流島という島が実在しないのに、
なんで地図に描かれているかっていうのを調べるのに取り憑かれてしまって、
まあそこでその仕事に没頭したり、
で、あと奥さんとのいろんな戦いがあって、
最終的には結婚するんですけども、
そこに至るまでで結構ね、やっぱ性格がひねくれてるんで、
自分は無理だって引きこもってしまったりとか、
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結構面白いところがあって、
すごい人間味のある良いキャラですね。
そうですね。
じゃあちょっと話を先に進めます。
また時は流れですね。
1932年、リー・ジャゼンか。
リー・ジャゼンは名前を変えてですね、
シセンタオチョンという都市に変わり、
急速に発展していました。
で、シセンタオチョンっていうのは、
千人の線と桃と城と書いて読みます。
シセンタオチョンですね。
で、この時は日本人がですね、
やっぱりすごい幅を利かせている状況でして、
元々これ流れで言うと日露戦争の対価として、
満州をもらったという意識が日本人の中には強いので、
満州は自分たちのものだという意識が日本人には強いんですね。
それに対して、
中国と現地の中国人と反発しあっているんですけれども、
中国人はですね、
自分たちを奴隷のように扱う日本人と、
あとその日本人と組んでというか、
利益を得ている孫悟空というのを、
もうちょっと敵視しています。
で、排除したいという中国人たちがいて、
彼らはいろんな計画を立てているんですね。
で、日本人たちが今この満州国というのを設立してばかりか、
設立したばかりです。
その慶祝の時、お祝いの時を狙って、
みんなが浮かれて酒飲んでいる時に襲撃してしまおうということを計画しておりました。
で、その計画に参加する人物の中で、
結構後々重要人物になるんですけれども、
孫悟空の娘である孫春麟かなという人物もいて、
この人物が作戦の立案に大きく関わっていました。
で、この春麟なんですけれども、
自分の父である孫悟空というのをすごく恨んでいます。
というのは、孫悟空が108人かな、
自分の子供を作ろうとして、
町にいる女性全員と交わったんですね。
で、それが妊娠してようが誰の妻なのか全く関係ないという流れになっていて、
春麟の母が、春麟がもうすでにお腹の中にいるという状況なのに、
孫悟空は母を侵して、生まれてきた春麟を自分の娘としたという流れがあって、
そんなひどいことをした孫悟空というのを春麟は非常に恨んでいます。
時を同じくしてですね、この時大学生になっていた昭雄、
その昭雄もですね、この慎太郎町に来ていました。
建築学科に入学した昭雄は、大学教授がですね、
この慎太郎町でという企画というのを取り組むことになっていたので、
昭雄も学生随範囲として選ばれてきていました。
この図有計画というのは、都市に農村を組み合わせるという、
ちょっと新しい計画で、これに関して教授が、
昭雄の大学の教授が担当することになっていたんですけれども、
この教授が学生にも案を提出するようにと言っていて、
この時昭雄一年生だったのでその提出には参加できないという決まりになったんですけれども、
もう自主的に教授に自分の案を出して、その案が良かったので、
一部採用になったりしている部分もあって、
学生随範囲に選ばれて満州に渡ったという形になります。
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この時、昭雄と張麟は、ひょんなことからこの慎太郎町で出会います。
これが後々彼らの運命に関わってくる部分でもあるんですけれども、
張麟は日本人が浮かれているお祝いの夜に計画を実行にします。
日本人が作っている石炭を貯蔵している倉庫を燃やすということを実行にします。
けれどもその結果、日本人たちはすぐに中国人たちに往復をします。
この慎太郎町の近くの村一つを住民含めて滅ぼすと、残酷な行動に出ます。
この辺りまでにちょっとしていて、
昭雄と張麟の運命がどうなっていくかというのは後半に譲ろうかなと思います。
そうですね。ちょうどここまでが前半部分なんですけども、
最後はやっぱり昭雄と張麟がダンスホールで出会うんですけども、
そこのシーンとかすごい印象的で、すごくこの二人どうなるんだろうって。
ダンスホールで出会うのって本当に短い時間なんですけども、
この先もこの二人はまたどこかで関わることになるんだろうなっていう、
なんかすごいね、そういう期待を持たせるようないい描き方がされていて。
このダンスホールで出会うんだけど、すぐ二人は外に出て、
二人とも帰りたいので、張麟は計画があるから帰りたい。
昭雄はダンスホールが嫌いで、これちょっと付き合いで昭雄は来てたので、
すぐ出たいってなって、二人で出て、ちょっと話しながらアカシアの並木をちょっと歩くんですけど、
そこで昭雄がこの建築っていう、自分が理想とする建築を思いを巡らすシーンがあって、
それで自分の中である形ができていくっていうシーンがあるんですけど、
その張麟との会話の中で。ここが結構私好きですね。
そうですね。これもね、そこも後々また関わってくるところですし。
いいですよね、そこのシーン。
こうなると昭雄最初は変わった少年っていう感じだったんですけど、
11歳頃。大学生になって描かれてる昭雄は完全に主人公描くのめっちゃかっこいいね。
あんまり人物ではない。
そうそう、それまで変わった少年は何だったんだろう。
めっちゃしっかりしてね、いいやつなんですよね。
うん、そうですよね。正義感というか、自分の考えをしっかり持って動いてますもんね。
そこはもう既に早熟してる感じはする。
でね、やっぱり偏見とかもほんとなくて、日本人も中国人も、
昭雄はね、ほんとすごくフラットに見ていますし、
やっぱりあれでしたね、写真を撮りに行くんですけど、
昭雄がその集落、一つ山奥の集落に行って、
そこですごいいい笑顔を見せる少年の写真を撮るんですけど、
その後ね、その写真機を日本軍に募集されてしまって、
その少年に写真を渡すって約束したんですけど、ちょっと渡せなくて、
渡さないままちょっとね、昭雄が引き上げていって、
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なんかそんな下りとかもあったんですけども、すごくね、
昭雄は格好ある人だと、やっぱちゃんとすごい優しい気持ちを持ってる人物で、
この辺のね、ちょっと写真を撮る下りとかもすごいね、
なんか印象的で、なんか良かったですよね。
そうですね。ここはちょっとね、大きく物語に関わる分なんで、
ちょっと後半に話そうかなとは思います。
前半の締めじゃないんですけど、ちょっとですね、細川について話して、
前半を終わりたいなと思ってまして、というのは、細川がですね、
私個人的な考えなんですけど、この物語の主人公は誰だって言われたら間違いなく細川だと思うんですよ。
この小説面白いのは、こんだけいろんな人物が出てくるんですけど、
細川の視点になって物語が進むってことはほぼないんです。
だいたいいつも細川は誰かから語られる。
誰かの視点からが細川が語られていて、細川の視点からこの物語が語られるってことはないけれども、
常に要所要所出てきてこの物語を動かしてるっていう人物で、
なかなかかっこいい人物だなと思ってます。
そうですね。細川に関しては、ちょっとね、謎がかなり多いですよね。
この小説で人物の背景が描かれるんですけど、細川だけは描かれてなくて、
どういう生まれで、どういう経緯でこんな人物になっていったのか、みたいなものが全然語られてなくて。
でもいろんな人から語られる、彼の言動からはどういう人間で何を信じていて、
人となりってのはすごいわかって浮き彫りになってくるから、そのあたりの作りが本当に面白いなと思いますね。
やっぱりちょっとこの後半の部分になると思うんですけど、
この物語の中で細川は時間が進むにつれて、
戦争構造学科、研究所みたいなのをちょっと立ち上げて、
この満州という地とか、日本がこの後戦争でどうなっていくかっていうのを予測すると。
10年後を予測するという機関を立ち上げて、そこで集めたメンバーと議論していくんですけども、
そういう未来を見ようとする力。そういうことは違う形ですね。
この理論で未来を見つめようっていう。細川はすごい面白くてかっこいいし、
結構名言も数多く残しているので、出てくるので、そのあたりも本当にいいなと思いますね。
そうですね。特に後編で話しますけど、
細川がすごい作中の中で重要な講演ですね。
地図と拳というタイトルの講演を作中で行うんですけども、
名言もそうですしね。すごく大事なことを細川は作品の中で語っているという。
あと細川の名言だと、
10年後を考えるには10年前を知る必要があるみたいな。
未来を知るには過去を知る必要があるみたいな。そういう話とかも確かあって、
そのあたりも本当にかっこいいなと思いましたし、
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細川だけというかあれじゃないですけど、細川がやっぱり信じていたものがあって、
可能性を感じたものがあって、それがついでてしまった時があるんですけど、
それで細川は非常に怒りを抱えるシーンがあるんですけど、
でもそれでも何ていうか、やれることをやるみたいなスタンスが彼にはあって、
そこは本当、どんどんどんどん細川がやってきたことっていうのは最後の方は明かされていくんですけど、
結構そのあたりはだいぶ痺れましたね。
そうですね、細川は常に冷静で先を見通しているっていう、そこがぶれないっていうのがかっこいいのかもしれないですよね。
じゃあちょっと前半こんなところにしておきましょうか。
細川のその後半の活躍もちょっと期待していただきて。
じゃあ次回予告して終わりたいと思います。
次回は小川さとしさんの地図と拳、後編になります。楽しみにしていただければなと思います。
番組の最後になりますが、メルマガ会員を募集しております。
無料版と有料版とあり、詳細は番組情報欄に書かせていただいておりますが、
無料版の方はですね、毎回エピソードが長すぎてカットしまった音源を、
ちょっとまたYouTube限定公開してお届けしております。
有料版については、ちょっとサポーターみたいな位置づけでして、
我々のちょっと日記のような編集工期をお届けしておりますので、
そちらもお楽しみにしていただければなと思います。
そしてこの番組ですね、気に入っていただいたりとか、紹介された本を読みました、読み返しましたのでございましたら、
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ではまた来週。ありがとうございました。
49:53

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