ゲームの王国という小説が有名なのかな。
読んでなくて非常に読みたい一冊なんですけれども、それで有名なイメージがあります。
若手のSF作家として知られてますね。
まだ30代の方で、これからたくさん作品を書いてくれるんだろうなと期待している作家の一人でございます。
今回の地図と拳、タイトルの由来なんですけれども、この本の中で地図と拳についてはいろんな話が出てきます。
ずっと定義されたりもするし、登場人物たちがそれに対していろんな思いを話したりすることもありますが、
基本的に地図というのは国とか歴史みたいな形ですね。
あと計画かなとかも入ってくるのかなと思います。
戦争の話にもなるので、戦略というかところも出てくるのかなと思います。
あと未来予測か、いろんな文脈で語られるんですけれども、
当たり前ですけど、この話の中で地図というものはすごく重要なファクターになってきます。
もう一つの拳の方なんですけど、これが暴力、武力、戦争みたいなイメージですね。
なので、この話は国とか歴史とその形成に関わった暴力とか武力、戦争みたいなことを語るという作品でございますね。
作中でもいろんな人物がこの地図と拳に関して述べているんですけども、
それぞれの話、定義があるので、それを読んでいくだけでもすごいこの作品の重厚感が現れていると思いますし、
日本側の話であったり、中国側というか外国人の人からの話があったりとかですね、
そういうのがいろいろ混ざり合っていて、地図と拳というちょっとシンプルなタイトルなんですけども、
作中ではすごくそれが面白く、幅広く書かれているなと思いましたね。
さっきも話した通り、この作品なんですけども、2018年から出品が始まっていて、
2022年6月に出版された時にはですね、結構雑誌連載の時からはかなり削られているようでして、
だいぶシェイプアップというかこの再構築まではいかないかもしれないですけど、
かなり書籍化するにあたってまた気合を入れて書いているようです。
なのでちょっとこれから本当に詳しく話していきますけど、
本当この濃厚で展開もですね、無駄がなく。
なのでこの600ページあるから無駄がないっていうのはね、結構相当読むのに大変なんですけども、
あっという間に話が進んでいくんで、これは本当にすごい小説だなと思いましたね。
そうですね。ではその作品をこれから紹介していきましょうか。
いきましょうか。
ではまずですね、周囲者のウェブサイトからあらすじを引用させてもらいますと、
すごいちょっと気になるところではあります。
読んですぐ思ったのは、この分厚さの小説って読むときって、
結構描写がですね、細かかったり風景を描いたりするときも、
結構文章を割いたりとかするものが多いイメージがあるんですけど、
この小説はですね、なんか短編小説を読んでるんじゃないかとか思うぐらいですね、
展開がめっちゃ早くて、あっという間に話が進んでいくんで、
このペースで展開してってどこまでいくのみたいな、
ちょっと戸惑いが最初正直ありましたね。
で、あ、いい意味ですごい面白くて。
結構最初ちょっと面食らったのを覚えてますね。
分かりますね。確かにその章ごとに、
なんかその手前の話と、なんか違う切り口から話が始まってきたりして、
本当に短編みたいな形で、違う物語が語られるんですけど、
それがまた本筋に合流していったりとかですね、
そういうすごく面白い構成で作られているのが結構あってですね。
で、小川さとしさんのインタビューをちょっと見ていたらですね、
これをプロットなしで書いていたというのを言っていてですね、
それすごい驚いたんですね。
いや、これはもうめっちゃ緻密な計算というか、
下書きがあって書かれたんじゃないかって思っていたら全然そうじゃなかったっていう。
そうなんですね。
そうなんです。それでびっくりして、小川さとしさんにもう一個騙されたのが、
この作品、結構建築というのもテーマとして、
面白いですよね。
そうなんですよ。で、いろんな建築論の話があったり、
主人公も建築を学んでいる人なんですけども、主人公の一人が。
っていうので、もうてっきり小川さんそっちの業界の建築の勉強とかしてた人かなと思ったら、
それも全然違っていてですね、もうこの作品を書くために勉強したって言ってですね、
いや、やっぱこの作家ってほんとすごいんだなって思いましたね。
てっきり小川さんのベースに建築っていうのがあって、
だからこういう緻密な構成のものがちゃんと設計図みたいなのを作って書けるんだっててっきり思っていたらね、
もう全然そうじゃなかったっていうところが、
いやいや、これはね。
そう驚いてしまうぐらい、やっぱこの構成がすごく良かったっていうのは思いましたね。
いやちょっと今、衝撃的ですよ。
ちょっとこれ、嘘でしょ?プロットなしで書いたの?
そのインタビュー後で読みますわ。嘘。
すごいな。
これ、プロットなしに書けないって思うけどな。
ちょっとなんかよくわからなくなってきた。
そうそう。
いやでもこれやっぱなんか、作家の想像力というか、発想力というか、やっぱそういうのがすごいんだと思いますね。
いや、そうですね。
これだって、この状況の絡まり合い方が半端ないじゃないですか。
あっちの要素がこっちに繋がってみたいな。
どんどん展開していくからすげえなって思ったのに。
これ、ちょっとすごいっすね。
なんかやばいな。
ちょっと素で驚いてしまっている、今。
ちょっと話を先に進めますか。
あと、全体的な魅力でちょっとお話したいのは、登場人物でございますね。
登場人物なんですけど、とにかく登場人物が多いんですよ。
日本側と中国側の人間で大枠は分かれてるんですけど、
その日本側でも中国側の中でもいろんな思いがあって、ぶつかり合ったりもしてるし、
日本側と中国側は基本ぶつかるしっていう状況になっていて、
話が進むにつれて登場人物もどんどん増えていくので、
物語がどんどん広がっていっている感じも読み進めていくうちにするし、
この時間のスパンがあるんで、登場人物たちにも子供が生まれて、
それが時間が経つにつれてキーパーソンになっていくっていう作りにもなっているので、
この辺りの濃厚さっていうのはすごいありますね。
読んでて楽しかったです。
基本的には三人称で語られるので、
視点というのは一応三人称の視点なんですけども、
主にパートごとというか文章ごとに一人の視点が定まっていて、
その人が見た形で語られるという形になります。
なのでこれ場面が切り替わった時に、
今これ誰の視点なんだろうなっていうのはちょっと把握する必要が少し出てきますね。
ただこれも多分小川さん結構計算されてるんじゃないかなと思うのは、
1ページ分くらい読まないと、
これ誰の視点なんだろうってわからないような書き方をしてるパートとか部分もあって、
この辺りは効果的な書き方をされてるなと思いました。
あとですね、ただ登場人物がかなり多いので、把握するのが結構大変で、
中国側は読み方もちょっと違うので、
頭に入ってこない人物なんかもいて、
登場人物早見表みたいなのが結構欲しいなって思いましたね。
それは確かに。
メモを取りながらやっぱり読んでましたね、その人物名は。
たまにこいつ誰だっけみたいなことをちょっと考えてしまう人もいましたね。
そうですよね。
急に脇っぽかった人が急にメインになったりするじゃないですか。
そうなると、あ、こいつだったかみたいな。
そういうのはいろいろありますね。
ちょっとね、戻って確かめないといけなかったりってあったんで。
でもこれは登場人物すごく魅力的な人物多かったんですけども、
やっぱり一つ思ったのは、脇役でもちゃんと背景が書かれていて、
すごく感情移入させられることが多かったし、
人物の魅力が感じられたりっていうのもありました。
例えば途中で作品の中で泥棒が出てきたりするんですけども、
それも最初、誰だこれはと。
なんでこんなタイミングで泥棒が出てくるんだって思ったら、
それが意外とキーパーソンになっていったりとかですね。
その辺がすごく、やっぱりこれも書き方が上手いというか、
人物の見せ方が本当に上手いなって思いましたね。
最後お話ししたいのは、設定の面白さです。
端的に言うとですね、話を作っている要素が多いんですよ。
それがこの小説の濃厚さみたいなのを作っていて、
非常に面白いポイントだなと思ってます。
まずそもそも、架空の満州の都市というのを舞台にしている点が面白いですし、
それに対して結構緻密に描かれているので、
本当に実在したんじゃないかと思うくらい、
この都市について知った気になってしまう描き方をしています。
戦争なので侵略側である日本人の残酷さとか、
そもそも戦国の残酷さみたいなのも結構ストレートに描かれている部分もあります。
これが当事者となってしまった時の気持ちの動き方なんかも書いているので、
この辺りもすごく面白いですし、
あとですね、マジックリアリズムみたいなのが結構入ってきていて、
この現実的というか、戦争も非現実的にちょっと見えてしまう部分があるんですけど、
でもやっぱりなんとなく戦争っていうのは自分たちの今までの歴史によって事実的だなという部分があって、
イメージできる部分とかあるんですけど、
そこにですね、マジックリアリズムのファンタジー要素みたいなのがグッと入ってくるので、
この辺りがですね、結構私はすごい面白くて、
この要素の多さっていうのは非常にこの小説の魅力の大きな魅力だなと思いましたね。
いや、確かにそうだと思います。
要素がたくさんあるから面白く読んでいけたと思いますし、
戦争やマジックリアリズムもそうですし、
あとやっぱり建築とか地図とかですね。
そうだね。建築もすごく面白いですね。
そうですね。ところも本当にテーマとしてこの作中で述べられているんで、
本当に建築好きな人とか地図が好きな人とか、
そういう人も本当にハマるんじゃないかなと思いますね。
そうですね。建築は結構ね、建築論みたいなのが結構飛び交うからちょっと面白いよね。
建築における建物を見れば歴史がわかるとか、誰が建てたかわかるとか、
そういう話とか結構あって面白いですよね。
さて、じゃあここからストーリーについて話していきたいと思います。
今回なんですけど、実は前後編に分けようと思ってまして、
来週もこの長い話をお話ししていきたいと思います。
前半はですね、前編である今回はですね、
大体半分ぐらいかな、まで話そうかなと思っております。
この後聞くにあたって留意点というか注意していただきたいことをお話ししてから入っていきたいと思います。
この小説なんですけど、後々最初に出てきた脇役の方とかが重要な人物になったり、
なんか些細なことかなと思った出来事が後々大きなファクターになったりするので、
真っ新な気持ちで読みたいっていう人はちょっとここで止めてもいいのかなと思います。
この小説ですね、やっぱりなんか知らないで読み進める楽しさっていうのが間違いなくある一冊で、
ネタバレとはまたちょっと違う要素で、この楽しみっていうのがあるなと思ってます。
ちょっとうまく言えるか自信はないんですけど、この物語は史実に基づいて取り入れている部分っていうのは結構あるので、
読んでるとですね、自分が知ってるなと思う事実が出てきます。
で、それがこのフィクションである物語の展開の部分と絡み合っていくのがすごく面白くて、
そのフィクションの部分が入っていくタイミングとか、登場人物の出し方とかが結構ネタバレとは違う意味合いで、
いい感じに並べられてて入ってくるんで、どんどんどんどん膨らんでいく感じがするんですよ。
で、これはですね、多分初読の楽しみであるのは間違いないので、物語を知ってしまおうともしかしたら損なわれてしまう部分かもしれないので、
ストーリーを知る前にお伝えしておきます。
で、話す通り1回ここでちょっとそういうのを楽しみたいって人は止めてもいいのかなと。
読んでから聞いてもらってもいいのかなと思います。
そうですね。もう読もうと思ってる方は、読んでからラジオを聞かれる方がいいのかなと思いますね。
ただすごいボリュームのある小説なので、このラジオを聞いてみて、それからしばらくして、
しばらくするとだいぶ忘れてると思うんで、その状態で読むと本当に真っ新たな状態で楽しめるんじゃないかなと思いますので、
ここはもう人それぞれ好みでお願いできたらなと思います。
あと、今めいさんが言った通りなんですけど、たぶん私がさっきダバッと話したことが読み終わった後なんとなくわかると思います。
なのでちょっと1回聞いて、あとちょっと忘れて読んで、
あ、私が言ったことってこういうことだったなみたいな感じになるんじゃないかなって思うので、
ぜひ読みたいと思っている人はストーリー聞くならば、ちょっと後で時間を置いてから、確かにめいさんの言う通りですね。
そうですね。あともう一点ですね、これからストーリーの話をしていくときに、
中国の都市とか人物の読み方ですね、これを正確な読み方とか発音っていうところが間違ってるかもしれないんですけども、
ちょっと合ってるかどうかわからないまま言ってしまうと思うんですけど、
そのあたりはご愛嬌にしてもらえたらなと思いますね。
特にイントネーションとかマジでわかんないもんね。
そうなんですよね。さっきからソンウーコンとかリージャジェンとか言ってたんですけど、それが合ってるかどうかちょっと自信がないんですよね。
リージャジェン。
そうですね。そこはもう仕方ないので、ご愛嬌ということでいきましょう。
じゃあ前半のストーリーをちょっとお話ししていきたいと思います。
これはまずですね、1899年ロシアとの間で緊張感が高まっていた日本は、
ロシアとの海戦の可能性を探るべく中国のハルビンという場所にタカギという若い兵士を派遣していました。
その時に通訳と同行していた大学生細川とタカギはハルビンに向かう船の中で、
燃える土と燃えない土の話を聞きます。物語はここから始まっていきます。
もうすでにいろんな話をここでしちゃうと、この通訳で同行した細川というのがですね、
最初もう本当何でもない人物で描かれるんですけど、
ちなみにこの最初序章というところで始まるんですけど、序章の中でも最後結構オッと思うような行動が出たりとかして、
最初結構頼りない通訳だなみたいな感じで出てくるんですけれども、
この最初の30ページくらいの展開の中でもちょっとこいつ一体何者なんだみたいな変臨を見せますし、
このストーリー通してだいぶ超重要人物になってきます。
これがですね、細川のこの物語の中での膨らみ方が本当に面白くて、
これがさっき私が言った書読での面白みだなと思うので、
でもこの話を語る時にどうしても細川は話さなくてはいけないので、
もうちょっとここで話してしまいますけど、細川というのは本当に超重要人物になってきます。
なのでもう要所要所に出てくる人物になってますね。
時がちょっと過ぎて1901年、満州のリージャジェンという街が舞台になってきます。
ここでキリスト教を布教神、ロシアから来てた神父クラスニコフという人物がいるんですけれども、
彼はですね、この満州の地で西洋人が危険な目に遭うという状況の中、
その中でキリスト教というものを信じながら生きているという状況ですね。
この時ですね、このクラスニコフは銃で撃たれても死なない中国人の男と出会います。
これが後に孫悟空と名乗る男で、ある特殊な訓練をした結果、
肌が銃を通さないほどの力を得ているという不思議な男です。
この辺りはマジックリアリズムが入ってくるんですけど。
でも撃たれてもですね、全く無傷というわけでもなくて、
ちょっと負傷していてダメージを負っていました。
クラスニコフは彼がですね、その孫悟空が自分の敵側にいるだろうなということは分かっていたとしても、
彼を助けるという行動に出ます。
その結果、クラスニコフはちょっと危険な目にもあったりもしますね。
この孫悟空なんですけれども、この時満州を支配していた人物、
リーダーガンか、リーダーガンという男がいるんですけれども、
彼からですね、未来というものを見通す方法を教わります。
この結果ですね、孫悟空はですね、このリーダーガンを超えるぐらいの戦慄感を手に入れて、
未来がわかるようになり、リーダーガンを殺害して、殺して、
代わりに自分がこの満州の支配者となろうとします。
でまた、ちょっと時間は少し過ぎて1905年、日露戦争を回った中の中、
一番最初に出てきた高木はですね、ロシア軍と法天で交戦することになりました。
この時、通訳でいた細川は引き続きですね、日本軍の通訳として重宝されており、
満州義軍総統本部というところにいて、通訳の仕事をしています。
高木はですね、このロシア軍との交戦で亡くなってしまいます。
細川は高木が法天で戦死したということを知れます。
そうですね、ここまでで大体もう150ページぐらい、本書の4分の1ぐらい進んでいて、
実はですね、今大地さんが話していた以外でもすごい細かいエピソードがいっぱいあって、
本当に面白いんですけどね、そういうの語ってしまうと本当に時間がいくらあっても足りないので、
流れはこんな感じなんですけど、やっぱり細川が最初からかっこいいですよね。
細川ってすごい謎めいたかっこよさがあって、
なんか序章で出てきた時はもう誰だこいつはっていう、ちょっと頼りない感じがあったんですけど、
だんだんその才能がどんどん溢れていくっていうのがどんどん描かれていくんですが、
この辺はやっぱり読んでてすごい気持ちがいいところですね、この細川のかっこよさ。
本当は一回読み通してから序章っていう、さっき言った1099年のパートを読むと、
この細川がね、この時こんな船の上で這いてた細川がすごい人物になっていくなみたいなのが、
ちょっとなんか感慨深くなりました。
そうそうそう、だんだん細川も権力を持っていくんですけど、
あともう一個前半ですごい好きなのがやっぱりこの孫悟空ですね。
どんどん成り上がっていくんですけども、少年時代に修行しているくだりがあるんですね。
それは道場で宗派みたいなのがあって、
そこで修行が第一の修行、第二の修行みたいな感じでやっていくんですけども、
第一の修行とかもう誰もクリアできなくて、
自分の体で岩を壊すかな、そういうのをやるんですけども、
ただこの孫悟空だけは真面目にそれをやって、本当にそれを実現してしまうっていうね、
他のみんなはもう嘘ついてクリアできましたって自己申告していくんですけども、
この辺のこだりがすごい面白くて、バトル漫画とかちょっと読んでるような、そんな面白さがありましたし、
本当この辺すごいマジックリアリズム感がめっちゃ出ていて、
確かに中国のこういうところってちょっとラテンアメリカとかと通じるような、
わけわかんないけども物事が進んでいったり、不思議な力で実現してしまったりみたいな、
この辺の前半の部分面白かったですね。
ちなみにこれなんで孫悟空って書いて孫悟空って読むんですけど、
その孫悟空が修行した宗派というか何とか界か、
神賢界かな、に方々は自分たちのことを過去の偉人の名前で呼んだってしてたんですよ。
劉備とか関羽か、みたいな、
そう言ったんですけど、孫悟空は孫悟空と名乗ったというところですね。
もともと全く違う名前があります。
ではですね、ちょっとここから話を続けていこうと思います。
そうですね、少し時が流れて1909年で、
舞台はちょっとこの時は日本になります。
スノという人物ですね、大学で気象学を研究する研究者、若手の研究者がいたんですけども、
そのスノという人が満州鉄道の会社からの依頼で、
黄海にある、黄海というのは黄色い海ですね、
黄海にあるとされる青龍島、青い龍の島という青龍島という小さな島があるかどうかの調査をしてほしいと、
そういう依頼を受けます。
そのとしては専門気象学で、
そういう地理的なところは専門外だったんですけども、
ちょっと興味があってそれを引き受けて調査をするんですけども、
結論としてその青龍島という島は地図には描かれているんですけども、
実在はしないということがスノは結論として出します。
ただですね、その依頼主の南満州鉄道の人から、
その島が本当にないことを証明してほしいと言われて、
で、スノはその存在しないことの証明ってすごく難しくて、
受け負ったものの存在しないということが証明できるのかって、
考えるとちょっと泥沼にはまってしまうんですけども、
でもその仕事にちょっとやみつきになってしまうんですよね。
ちょっと取り憑かれてしまうと。
で、そんな中ですね、このスノという人物を細川が見つけるというかですね、
ちょっと細川はその時はもう結構ね、権力を持っていたい。
南満州鉄道の会社に細川も入社していたんですけども、
ちょっとそのスノのその才能に目をつけて、
この2人の出会いというのが後にスノの人生を変えていくことになります。
で、細川がスノに目をつけたというのが、
このスノが作成した調査書をですね、これに興味を持って、
細川としてはこのスノの仕事ぶりというのはすごく面白いので、
個人的に調査費というのを負担して、
引き続き情勢によって清流島という島が存在しない理由というのをですね、
なんかその証明というのを最初は言われてたんですけども、
後にその証明というのは不要になるんですけども、
ただ細川はそのスノに続けてその調査を依頼します。
で、月に1回ぐらい2人は会う中になっていって、
細川が最終的にはこのスノも南満州鉄道に満鉄ですね、
満鉄に入社しないかと誘うようになります。
で、細川が何して欲しいかって言ったらですね、
スノがすごい地図に取り憑かれた男なので、
満州の地図を描いて欲しいと、その仕事をして欲しいというのを細川はスノに頼みます。
で、それは満州という土地を日本が支配して、
ここに新しい都市ですね、どのように作るべきかっていうのをやっぱり検討していかないといけないという時に、
このスノという人物がもう適任だと判断して、
で、スノは細川と一緒に働くことになるんですけども、
そこでですね、ちょっともう一つ、スノが細川を訪ねてきた女性ですね、
これは高木恵子という名前の人なんですけども、と知り合うようになります。
この時、昭雄と張麟は、ひょんなことからこの慎太郎町で出会います。
これが後々彼らの運命に関わってくる部分でもあるんですけれども、
張麟は日本人が浮かれているお祝いの夜に計画を実行にします。
日本人が作っている石炭を貯蔵している倉庫を燃やすということを実行にします。
けれどもその結果、日本人たちはすぐに中国人たちに往復をします。
この慎太郎町の近くの村一つを住民含めて滅ぼすと、残酷な行動に出ます。
この辺りまでにちょっとしていて、
昭雄と張麟の運命がどうなっていくかというのは後半に譲ろうかなと思います。
そうですね。ちょうどここまでが前半部分なんですけども、
最後はやっぱり昭雄と張麟がダンスホールで出会うんですけども、
そこのシーンとかすごい印象的で、すごくこの二人どうなるんだろうって。
ダンスホールで出会うのって本当に短い時間なんですけども、
この先もこの二人はまたどこかで関わることになるんだろうなっていう、
なんかすごいね、そういう期待を持たせるようないい描き方がされていて。
このダンスホールで出会うんだけど、すぐ二人は外に出て、
二人とも帰りたいので、張麟は計画があるから帰りたい。
昭雄はダンスホールが嫌いで、これちょっと付き合いで昭雄は来てたので、
すぐ出たいってなって、二人で出て、ちょっと話しながらアカシアの並木をちょっと歩くんですけど、
そこで昭雄がこの建築っていう、自分が理想とする建築を思いを巡らすシーンがあって、
それで自分の中である形ができていくっていうシーンがあるんですけど、
その張麟との会話の中で。ここが結構私好きですね。
そうですね。これもね、そこも後々また関わってくるところですし。
いいですよね、そこのシーン。
こうなると昭雄最初は変わった少年っていう感じだったんですけど、
11歳頃。大学生になって描かれてる昭雄は完全に主人公描くのめっちゃかっこいいね。
あんまり人物ではない。
そうそう、それまで変わった少年は何だったんだろう。
めっちゃしっかりしてね、いいやつなんですよね。
うん、そうですよね。正義感というか、自分の考えをしっかり持って動いてますもんね。
そこはもう既に早熟してる感じはする。
でね、やっぱり偏見とかもほんとなくて、日本人も中国人も、
昭雄はね、ほんとすごくフラットに見ていますし、
やっぱりあれでしたね、写真を撮りに行くんですけど、
昭雄がその集落、一つ山奥の集落に行って、
そこですごいいい笑顔を見せる少年の写真を撮るんですけど、
その後ね、その写真機を日本軍に募集されてしまって、
その少年に写真を渡すって約束したんですけど、ちょっと渡せなくて、
渡さないままちょっとね、昭雄が引き上げていって、
なんかそんな下りとかもあったんですけども、すごくね、
昭雄は格好ある人だと、やっぱちゃんとすごい優しい気持ちを持ってる人物で、
この辺のね、ちょっと写真を撮る下りとかもすごいね、
なんか印象的で、なんか良かったですよね。
そうですね。ここはちょっとね、大きく物語に関わる分なんで、
ちょっと後半に話そうかなとは思います。
前半の締めじゃないんですけど、ちょっとですね、細川について話して、
前半を終わりたいなと思ってまして、というのは、細川がですね、
私個人的な考えなんですけど、この物語の主人公は誰だって言われたら間違いなく細川だと思うんですよ。
この小説面白いのは、こんだけいろんな人物が出てくるんですけど、
細川の視点になって物語が進むってことはほぼないんです。
だいたいいつも細川は誰かから語られる。
誰かの視点からが細川が語られていて、細川の視点からこの物語が語られるってことはないけれども、
常に要所要所出てきてこの物語を動かしてるっていう人物で、
なかなかかっこいい人物だなと思ってます。
そうですね。細川に関しては、ちょっとね、謎がかなり多いですよね。
この小説で人物の背景が描かれるんですけど、細川だけは描かれてなくて、
どういう生まれで、どういう経緯でこんな人物になっていったのか、みたいなものが全然語られてなくて。
でもいろんな人から語られる、彼の言動からはどういう人間で何を信じていて、
人となりってのはすごいわかって浮き彫りになってくるから、そのあたりの作りが本当に面白いなと思いますね。
やっぱりちょっとこの後半の部分になると思うんですけど、
この物語の中で細川は時間が進むにつれて、
戦争構造学科、研究所みたいなのをちょっと立ち上げて、
この満州という地とか、日本がこの後戦争でどうなっていくかっていうのを予測すると。
10年後を予測するという機関を立ち上げて、そこで集めたメンバーと議論していくんですけども、
そういう未来を見ようとする力。そういうことは違う形ですね。
この理論で未来を見つめようっていう。細川はすごい面白くてかっこいいし、
結構名言も数多く残しているので、出てくるので、そのあたりも本当にいいなと思いますね。
そうですね。特に後編で話しますけど、
細川がすごい作中の中で重要な講演ですね。
地図と拳というタイトルの講演を作中で行うんですけども、
名言もそうですしね。すごく大事なことを細川は作品の中で語っているという。
あと細川の名言だと、
10年後を考えるには10年前を知る必要があるみたいな。
未来を知るには過去を知る必要があるみたいな。そういう話とかも確かあって、
そのあたりも本当にかっこいいなと思いましたし、