感情は体から生まれる
みなさんこんにちは、こなやです。
あの、悲しくて泣いてしまうことってありますよね。
でも、なんか逆も聞いたことないですか?
だから、悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいんだっていう、そういうやつです。
つまり、物を考えている脳から感情が来るのではなくて、体の方から感情が来るっていう、そういう話もあるわけなんですよ。
似たようなやつとしては、楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しくなるんだ、とか、山があるから登るのではない、登るから山になるんだ、とか、そういうやつですね。
いや、もちろん最後のやつは違うんだけど、でもその感情はどこから来るのかっていうのは、長い間議論があるんですよ。
いや、もちろん悲しいから泣くっていう、その思考の方から感情が来るっていうのはもちろんあるんですよ。
なんだけど、逆もあるんではないかって考えられていて、でもこれに関しては、いまいちちゃんと結論が出てないんですね。
釣り橋効果ってあるじゃないですか。有名な実験で、すごく高いところにかかっている釣り橋を男女で歩かせるんですね。
そうすると怖くてドキドキするんだけど、でもこのドキドキしているのを恋してドキドキしているんだと認識して恋心が生まれるっていう、そういうのがあるんです。
だから、体で起こっていることが感情を生み出すっていう、つまり心臓の方から脳へ伝わって感情が生まれるみたいのがあるんじゃないかって考えられているわけなんです。
このドキドキするのでいくとですね、不安な時ってドキドキするわけなんですよ。だからこれも脳の方から心臓へっていうのがあるわけなんだけど、
でも逆にドキドキしているから不安になるっていうのもあるんじゃないかと考えられているんだけど、これに関しても結論が出ていないわけなんです。
光遺伝学による研究
今回はですね、光遺伝学っていう割と新しい技術で厳密な実験をすることによってこの古くからある問題を明らかにしたっていう、そういう論文があってその話をしていこうと思うんです。
この研究はですね、マウスを使って調べた研究で、最近ネイチャーに載っていた論文なんですね。
シュエっていう人たちによって行われた研究なんですけれども、いつものように論文は小ノートの方にリンクを載せておきます。
不安な時にドキドキするっていうのはよくわかるんですよ。脳からですね、心臓を調節する機能があるんですね。
交換神経っていうやつです。交換神経自体は末症にある神経なんですけれども、脳の方からそれをコントロールするようにできているわけなんですよ。
逆にですね、ドキドキすると不安感が増えるのかっていうのはよくわかっていないんです。
それを調べようと思ったら、人工的に心臓をドキドキさせて、つまり心拍数を上げて、その結果不安が増えているかどうかっていうのを調べてやればいいっていうことになるわけなんです。
でもこういうのって簡単そうに見えて意外と難しくてですね、マウスであってもそう簡単にできないんですね。
心拍数を上げる薬っていうのは色々あるんです。
でも薬っていうのは色んな場所に作用して、こういうタイプの薬って脳の中でも作用するんですよ。
だからそういう薬を与えて心臓ドキドキさせて不安になったとしても、それが直接脳の中にも作用しているっていう可能性を否定できないっていうところなんです。
それでですね、この論文では心臓だけをコントロールするシステムっていうのを作り上げているんです。
そのために利用したのが光遺伝学と呼ばれる手法です。
光に反応して細胞を活動させるタンパク質っていうのがあるんですね。
目で物が見えるわけなんだけれども、それっていうのは目の中に入ってくる光に細胞の中にあるタンパク質が反応しているからなんですよ。
だからそういうタイプのタンパク質を使ってやれば光でもって細胞を活動させることができるわけなんです。
遺伝子操作でもってそういうタンパク質を体の中の細胞で作らせるっていうのが光遺伝学っていう手法なんですね。
ここでは遺伝子操作をして、こういうタンパク質を心臓の筋肉だけで作らせているんです。
さらにですね、その心臓の近くにライトを埋め込んだんですよ。
光るタイミングをコントロールできるようなライトを埋め込んでやることによって、好きなタイミングでライトをオンにしてやって、そのライトがオンになったときに心臓の筋肉が活動するっていう、そういう仕組みをマウスの体の中に作ったんです。
これを使えば好きな周期で心臓をドキドキさせることができて、しかも薬を使った場合みたいに他の場所に作用することがないっていう、そういうシステムになります。
これを使って実験してみたんですね。
でもマウスの場合はですね、不安に感じてますかって聞いて答えてくれるわけではないんですよ。
なんだけど、マウスで不安のレベルを測るシステムっていうのがすでにあるんです。
マウスが不安に感じているときにはこんな行動をするっていうのがわかっていて、それでもって不安のレベルを測ることができるんですね。
身体から感情が作られることが明らかになる
安全な場所とちょっと危ない場所っていうのを準備しておくとですね、不安を感じているマウスっていうのはより安全な場所を好むようになるんです。
そういう行動実験をした結果でもって不安のレベルっていうのを評価することができるわけなんです。
実験の結果なんですけれども、まず4割ぐらい普段よりも心拍数を上げてやったんですね。
その状態で行動実験をすると明らかに不安のレベルが上がっているっていう結果になりました。
他にもたくさん実験をしてこういうふうに不安のレベルが上がっているっていうのを確認したんです。
だからこの結果から少なくともマウスでは心拍数を上げてやれば不安が増えるっていうことがわかったんです。
つまり純粋に身体の方、心臓の方から感情が作られるっていうことが明らかになったわけなんです。
上がり症ってあるじゃないですか。
誰でも少しはそうだと思うんですけれども、人前で話す時とか試験の時なんかに心臓がすごくドキドキしたり、手が震えたりするっていうのがあるわけなんです。
その治療としてですね、プロプラノロールっていう薬が使われることがあるんですね。
この薬っていうのは交換神経の働きを弱めるような作用があって、心臓のドキドキをゆっくりにするっていう作用があるんです。
この薬を使うと不安も減ることが多いんですよ。
でもこれってなんでかよくわかってなくて、ドキドキが減るから不安が減るのか、それとも脳へ直接の作用があって減るのかっていうのがよくわかってなかったんだけれども、
今回の結果を考えると少なくとも一部は心臓のドキドキするのが減って不安が減るっていう、その可能性があるわけなんです。
今回の研究なんですけれども、感情はどこからくるのかっていう、人間が古くから疑問に思っていた問題があったんですけど、
それを最新の遺伝学的な技術を使うことによって、
その研究のために使えるような新しい技術ってどんどん生まれているんですね。
そういうものによってどんどん科学っていうのは進歩していくわけなんだけど、それで、
ような新しい技術ってどんどん生まれているんですね でそういうものによってどんどん高価格っていうのを進歩していくわけなんだけれどもそういう技術
がひょっとしたらこういう問題を解決するのに使えるんじゃないかって まあそういう着眼点の優れた面白い研究だったんです
あのこの番組なんですけれども 一応お便りを出すことができるんですね
あの番組の説明欄のところには google フォームとメールアドレスがありますので もしですね番組の感想とかなんか質問とか
あるいはこうなんかこんな風に言ってたけど間違ってんじゃないみたいな指摘とかが あればですねあのぜひお送りいただければと思います
もうすでに20何回やってるんですけれどもちょっとこのこと言うの完全に忘れてて で当然まだ一度もメールが来たことはないのでもし気が向いたらそんなメールも出して
いただけると嬉しいなと思います じゃあ今日はこの辺で終わりにしたいと思います最後までお付き合いありがとうござい
ました
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