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2025-02-26 18:07

vol.21 イノベーションに不可欠な「ナイキスト効果」が生まれる環境とは?

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「イノベーションと聴く」をテーマに、対話しながら講演で話すことを組み立ててみようという試み、第2弾は、イノベーションが生まれるのに不可欠な環境とは何か、について。「問いが大事」という話をしながら「でも、じゃあ良い問いを教えてください、みたいになっちゃうのは違うでしょう?」と日頃思っている篠田さんが、途中で急に思い出したのは、イノベーションを連発していたアメリカのベル研究所の「ナイキスト効果」のお話でした。

ナイキストさんという存在の何がチームにイノベーションを生み出したのか? こういう、具体的な話から何かが抽出され、日常に持ち歩けそうな視点や視座になっていくところこそ、篠田さんと山田さんの対話の真骨頂。「この話と聴くってつながりそうなんだけど、よくわからないのでしゃべってみてほしい」というお題を思いつかれた方、メッセージお待ちしています。

■お話に出てきた本

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法

サマリー

ポッドキャストでは、組織やイノベーションに関するテーマが取り上げられ、問いの重要性や聴くことの効果について考察されています。特に、問いを設けることがイノベーションにつながることやナイキスト効果について紹介され、リスナーに新たな視点を提供します。穏やかな人柄と好奇心から生まれるコミュニケーションや問いかけの重要性が、良いアイデアを生むプロセスの中で強調されます。また、エール代表の櫻井さんの著作を通じて、聴き上手や人柄の価値が語られています。

組織とイノベーションの問い
組織を考えるメディア、オーガナイズ。このポートキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える、捉え直す上で、我々が面白いと思った視点・観点を深めていこうという番組です。
では、篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回も、探索的にイノベーションと聴くって何だろうかっていうところで話しましたが、なんか、続きと言えば続き、違うと言えば違うという感じで。
ちょっとね、重なる気は、重なるところでちょっと次、もう一回このパターンやってみましょうか。
かつては、このポッドキャストの初めの10回ぐらいは、私がすでに考えて講演で話していることをよりディープに話すだったけど、今回は未来の講演に向けて、考えきれてない材料を一緒に作るっていうトライアルで。
しかもイノベーションとちょっと重なる気がして、このテーマを考えているんですよね。
いい問い大事っていう議論がいっぱいあるじゃないですか。
それこそイノベーションという文脈でも、要は筋のいい問いが設定されると、それに向かっていろんな人がああでもない、こうでもないって答えを出そうとするんで、
やっぱりその創発的集合的なイノベーションが進むのであるっていう。
こういう話は、実際問いは大事ってのはそうだと思うんですけど、やっぱり問いだけじゃないというか、そこにその問いかけた側に聴くっていう姿勢がないとダメなんじゃないのかなとか、
むしろ問いを生むのにまず聴くっていうのが前段でないと、筋のいい問いって発生しないんじゃないのかなとか。
だからやっぱりその問い至上主義みたいなのが、仮にあるとするとそこに対して私はいやいや、どっちかというと聴くの方が大事ですよって言いたいみたいな。
ちょっとそういうふわっとした仮説を持ってるんですよね。
問い大事っていう話は、今言ったようにイノベーションっていう大きなテーマに対して、やっぱり筋のいい問いが立つと答えを出そうという人がいっぱい現れてくるから良いのですっていう話。
もう一個、もうちょっと職場の関係の中に引き寄せた時にも、
例えば1on1で上司の人が部下の人のパフォーマンスを上げるのを支援したいですと。
当然そこには創意工夫とか小さなイノベーションを部下が起こすことをサポートしたいっていう文脈が必ずあるわけじゃないですか。
特にこういう時にどういう問いかけをすればいいんですかって聴かれるんですよね。
聴くって結局何を質問すればいいのみたいな。
特に収斂させたがる。私が講演とかをさせていただくと参加者の方が結局最後に出てくる質問で、
どういう質問をすると部下に自分は良い聴き手として支援できるのかっていう質問にフワーッと収斂していくんですよ。
そのお気持ちはめちゃくちゃわかるものの、
仮に私が何かこういうね、例えばなぜってあんまりやっちゃうとちょっと問い詰めてる感じになるから、
なんで、何っていうのに変えるといいんですよねみたいなことをお伝えしたとて、
その方に本当の意味で聴く姿勢がないとか、その関係性によって聴くっていうのが発動しづらかったら、
なぜって聴こうが何って聴こうが詰めてる感じがすることに変わりはないでしょって内心思いながら答えてるんです。
私、なんでこんなに白が好きなんでしたっけ?
こんなちょっと今断片をいくつか申し上げたんですけど、
問い大事なのはまあそうなんだけど、
問い大事から出発しちゃうと何か間違える、何かイノベーションっていうものに、
必ずしも何か行き着かないんじゃないかと思ってる。
前回のその「学習とは知識が増えることではなく、物の見方が変わることである」っていう話と、
僕は何かどっかで繋がってるのかなと思っていて、その山口周さんの本でいう学習という話って、
プロセスにおける変化の話をしていて、学習という言葉は、
貯蓄が、貯蔵されている何かが増える量の話ではなく、動的なプロセスの方ですよねって話をされてるじゃないですか、
っていうことだなって思った時に、
このイノベーションという話にどこまであるかわからないんですが、
問いが明確にあることによって、その見方が変わるとか、
考える流れが変わるみたいなことは確かに起こるよねとか、
スタートの一本目が違ったら違ったプロセスで、
見方が変わることってあるよねっていうことは当然ありそうっていう話があった上で、
そこが至上主義で、そこが第一義っていうことに偏りすぎることへの違和感を
篠田さんが語ってるんだろうなって感じで聴いていたんですね。
その前段で問いがシャープになるために聴いてもらうこともあるかもしれないし、
一度出された問いに対して、しゃべりながら聴いてもらいながら、
さらに深まることもあるよねっていうのが最終的なことだと思うので、
その問いの前後の過程まで含めた時に、
いろいろあるじゃんっていうことを。
いろいろを生むのは聴くっていう姿勢ではないかって言ってるんだと思います。
今の聴いてて思ったんですけど、問いが別になくてもですよ。
初期段階では。
場合によっては問いなくてもじっくり聴いてもらって、
自分の中の何らかモヤモヤしてるものをしゃべってると、
整理されて、ああそういうことかってなる。
自分自身に対する発見とか、自分の考えに対する発見って起きるじゃないですか。
私、最近聴くってどういう効果があるかっていうことを、
人にご説明する時の一つのメタファーで、
みなさん考えたり感じてること大量にあるんだけど、
それってもう整理整頓せず闇雲にクローゼットにガーって押し込んでるような状態。
何が大事かとか、どういうグルーピングができるかとか全然わかんないんだけど、
聴いてもらうっていうことって、それを一個一個取り出して見るような作業で、
取り出して眺めてみるような作業で、全部一気には出せないんだけど、
一旦こうやって出して並べてみたら、
私、何でこんな白いシャツいっぱい持ってんだろうみたいに。
それとちょっと似てる。
そこで、「私、何でこんな白が好きなんでしたっけ?」から始まる問いが生まれる。
その問いが生まれるプロセスの始めって、
問いがない状態で聴いてもらうっていうことが絶対あるんだと思うんですよ。
ナイキスト効果の重要性
あれもう今喋ってて思い出した。すごいイノベーションにつながる、
いい話思い出したぞ。
ありがとうございます。先にお礼言っちゃう。
ナイキスト効果っていうやつで、
私がこれを知ったのは、
やばい、本の名前忘れた。
本の名前はちょっと後で思い出したら言いますけど、
カルチャーコード。本の名前はカルチャーコードです。
カルチャーコードで紹介されてた話で、
このナイキストっていうのは人の名前なんですね。
昔、アメリカであったベル研究所って、
日本で言うとNTT研究所みたいな立ち位置の研究所で、
そこからもノーベル賞級の発見が大量になされたんですけども、
そこで非常に高い業績を挙げた研究者。
要はもっとそういう研究者を生みたいわけだから、
この研究者はどうやって生まれたのかっていう共通点を見出そうっていう
メタな研究がなされたんですって。
そこでみんな専門分野だとか経歴だとか全部バラバラで、
一個あった共通点が、みんな時々ナイキストさんとご飯食べてた。
このナイキストさんは研究者としては、
ベル研の人ですからめちゃくちゃ優秀ですけど、
研究者としてはそれほど突出した業績を出している人ではないんだけれども、
よく人の話を聴くのと、
そういう人だからみんなが彼とランチしたがるので、
結構人脈が広いと。
いろいろふんふんふんふんって聴いた上で、
あ、なんかそれと似た話をあそこの何々さんがしてたから聴いてみたらとか、
なんか波長合うかもしれないから紹介しますよとか言ってやってた。
それがベル研をベル研たらしめる研究成果につながってたっていう、
こういう話なんですよね。
だから出発点はやっぱり聴いてもらってたんですよ。
それほど優秀な方々がもともと集まっている研究所の中では。
だから筋のいい問いに行き着くとか、
あるいはその問いを解明する途中でも当然問いってどんどん分解されて、
新しい問いが生成されるんだけど、
その過程において、ちゃんと聴いてくれる人がいた
人たちが高い成果を出してましたっていう。
こういう話なんだよね。
すごいね、ど真ん中じゃないですか。
ど真ん中じゃないですか。
私この話好きなのに忘れてたわ。
なんかあの、僕もナイキスト効果という名前は知らなかったですが、
10年前とかに人のネットワークによって知恵が生まれるみたいな話の文脈で、
その時はゲートキーパー的な、
繋ぐ人の存在が大事であるみたいな文脈でよく語られてたのを聴いてた印象があって、
10年か15年前とかに似たような話が。
多分それはそれで大事だよねって話しだと思うんですけど、
その人がなぜゲートキーパーたり得るかとか、
結節点たり得るかっていう中の、
その人の振る舞いとして良い問いを投げかけ、
聴くという姿勢でいろんな人に関わることができているからだよね、
ということなんだなっていうと、
なんかより解像度高くその存在がどういう意味があるかとか、
何をしてるかっていうのの解釈ができるんだなっていうのが、
なんかネットワーク論みたいな話じゃなく、
捉えたのが初めてだったので、この話が。
なるほどって思いましたよ。
良い問いが生まれる環境とプロセスに必要なもの
やった。面白いですね。
こういう捉え方か、なるほどな。
これ本当にすごい話ですよね。
今もうちょっと手元にカルチャーコードあるから、
見ちゃおう。
今私は、
ナイキスト・メソッドっていう名前の章がありますもんね。
そのまんまですね。すごいですね。
彼らはみんなベル研のカフェテリアで、
物静かなスウェーデン人エンジニアのハリー・ナイキストと一緒にランチを食べていたと。
そのまんまですね、すごいね。
うん、って書いてある。
これは当然かなりの驚きの結果だったと。
なんだけど、
要は他の研究者みんなエキセントリックなんだけど、
ここの今本をただ読んで、ページ見て言ってるんですけどね。
物腰が柔らかくていつも穏やかな笑みを浮かべている。
要は信頼できる常識人みたいな感じ。
全然イノベーティブじゃない感じの人だったんですって。
みんなが彼がいいなって言ってるのは2点あって、
一つはなんかすごい人柄が温かいと。
周りの人を安心させる感じがあって、
なんか気にしてもらってんだなって思うと。
そういう人柄と、もう一個はやっぱり好奇心旺盛。
ここの2つ目はさっきの山田さんのネットワークっていうところにつながるんだと、
好奇心が旺盛なんで、いろんな知識を身につけたり、
全く違う分野を結びつけるっていうことが割と好き。
なんかナイキストがいろんなアイディアも持ってて、
よく質問してくれたっていうコメントが紹介されてますね。
彼と話してると、こちらもいろんな考えを引き出されるんだと。
人柄と好奇心。
礼儀正しく控えめで聴き上手である。
って書いてある。
なんか、
人柄が良いとか聴き上手であるみたいなことを、
エールの代表の櫻井さんは自分で本に書いている中で、
聴くという振る舞いを起点にものを書いているから、
聴き上手とは何かみたいなことが、それがスキルであったり、
あり方であったり、コンディションであったり、
いろんな要素分解しますよねっていうのを、
その方がやってたことを、
違った切り札をめっちゃ細かく書いているのが櫻井さんの本の
一要素なんだなって感じがして。
なんでこう言ったかというと、そんなに解像度高く、
そこの振る舞いのことをみんな掘り下げて書かないだろうなって思って。
そうなんですよね。
そうなんだよね。
櫻井さんの解像度の高さは、
常軌を逸していると言ってもいいぐらい、
その恩恵を私たちは受けているわけなんだけど。
そうですね。
前回からあったのにも引き続きですけど、
今回、
人がたくさんいる中で、
より良いものが生まれていくっていう中で、
良い問いかけをしてくれる、
投げかけ聴いてくれる存在がいるということによって、
いろんな知恵が引き出されつながることもあるよね。
そこで筋の良い問いが生まれてくる。
なるほど。
筋の良い問いを集団の中で生むというプロセスの中で
聴くという振る舞いがすごく活きているってことなんですね。
なるほど。
今日のこの始めに戻ると、
問いが大事っていうことは別に否定しないんだけども、
そうすると、じゃあ良い問いを教えてくださいみたいになっちゃうのが、
違うでしょって思っていて、
その良い問いが生まれる背景、
前回した話はその良い問いに対して答える姿勢みたいな話を
なんかしてた気がするんですけど、
今回はその問い自体が生まれるという環境とかプロセスの中に聴くっていう要素が
欠かせないんじゃないのっていう話ですね。
「◯◯と聴くについて喋ってみてほしい」ーーお題を募集!
途中で言われてて、
講演の後によく聴きに来られる、
部下に僕は何て質問すればいいんですかっていうのは、問いだけ教えてくれっていうモードでやってるのは、
問い自体に意味があるんじゃなくて、
それがどう生成されるかとか、
その問いをどう扱うかということとセットで、
集団の中で良いアイデアがされるってことですね。
なるほど。
すごいな。自分で言っちゃう。
すごい整理がされた。
すごいですね。
探索しながら僕らも喋ってみた前回と今回という中で。
すごい。いいですね。
何のテーマを喋ると良さそうかというテーマが
欲しいですね。
お題をこれ聴いた方もし、
このお題について、これと聴くについて
関係があるかどうか分からないから喋ってみてっていうのを
絶賛募集しちゃおうかな。
やたら遠そうなやつとかお題いただけると、
これは考えたことなかったみたいなことできる。
お題を聴いている皆さんに
委ねるという
新しいパターンです。
よろしくお願いします。
ということで、この辺りで終わりたいと思います。
今回もありがとうございました。
ありがとうございました。
18:07

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