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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代のリテラシーを中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、
電車が好きな子は賢くなるらしい、というものです。
火曜日は地図と時刻表の話をしています。今回は時刻表の話です。
僕は子供の頃から時刻表を読むのが好きでした。
なぜ好きなのかは今でも明確には説明できないのですが、
なんとなく感じているのは、システマティックに動いているものが面白いってことのような気がします。
で、たまたま見つけた本がありました。
広田陽介著
電車が好きな子は賢くなる。鉄道で育児・教育のすすめ。交通新聞写真書。
こういう本です。
実はまだこの本を読んではいないのですが、この著者へのインタビュー記事を見つけて、
ああ、そうかもなあと思ったのです。
この記事のタイトルは、時刻表・妄想旅もおすすめ。
電車が好きな子は賢くなる。著者に聞く。鉄ちゃんの伸ばし方。
というものなんですね。
URLを概要欄に貼っておきますね。
この記事の冒頭に鉄道に関する興味が、
似ているけど違うものを区別しながら認識する、認知能力を育てるということが書かれているのです。
僕はこれに心当たりがあるのですね。
似ているけど違うものを区別するという能力は、
裏返しにすると、一見違うものから似ている部分を見つけるということではないかと思うのです。
これを言い換えると、抽象化能力だと思うのですね。
抽象化したものは手で触ることができないので、
頭の中だけで扱わざるを得ないものになります。
こういう概念的なものを人に伝えるには、
何らかの形で、具体化したものとして表現する必要があります。
例えば、概念に名前を付けて扱うというのはその表現の一つです。
コードに抽象化された概念に名前を付けて、
それを使って話すことができるようになると、
さらに高度な概念構築が可能になります。
これ、大学などの高等教育機関では必須の能力なのですよね。
鉄道の世界は、目の前にある銀色の車両がどういう形式で、
他の似ているけど違う色の車両もひっくるめて電車という言い方ができて、
それらはどの線区を走ることを表していて、
それはどこの鉄道会社で、というような感じで複雑な多重構造の概念理解が必要です。
時刻表には無意味簡素な数字が並んでいるように見えますが、
それら一行一行は意味が違っているし、
それは実際に走る電車を表しているけれど、
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具体的な電車を見なくても頭の中のイメージだけで旅行気分になることもできるわけですね。
このような抽象思考が、僕の場合はコンピューターの世界の概念理解にも役立っていました。
僕の世代は手元にコンピューターがなかった世代なので、
プログラミングはほとんど頭の中のイメージだけで学ばざるを得なかったのですが、
その時の思考方法は、鉄道の概念や時刻表を読む時に行っていたこととよく似ていたのですね。
それだけでなく、鉄道を企業とか社会システムとして捉えることは、
現実の仕事の中で組織と自分の関係や業務の仕組みを考え直したりするのにものすごく役立っているのです。
これ、鉄道好きが先にあったわけではなくて、もともとそういうシステマティックなものに興味があったのでしょうけど、
鉄道や時刻表に触れることによってその感覚を磨くことができたかもしれないとも思うのですね。
別に好きでもないのに時刻表を読む必要はないですけど、
もしも鉄道や時刻表に興味を持つ子がいたら、この子は賢く育つかもと考えるのもありかもしれないなと思うのです。
現代ならゲームをやっている子がこの手の思考パターンが得意な気がします。
抽象思考は外からは分かりにくいものです。
特に子供の頃は表現が拙い分何を考えているか分からないと思うのですね。
それでもあまり否定せずに見守ることがとても大事だと思うんです。
今回は電車が好きな子は賢くなるらしい、という話をしました。
今日はここまで。
読書と編集ではITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ふとわかでITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。