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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT自体のリテラシーを中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、ITは編集可能性を拡大するもの、というものです。
水曜日は、ITを中心とした技術的な話をしています。
いきなりですが、なぜIT化を進める必要があるのかについて話してみます。
今時、オフィスワークをやっている現場で、パソコンを使っていないなんてことはほとんどないですよね。
どんな職場でも、机の上にはパソコンがあって、何らかの形でそれを使って仕事をしているでしょう。
もうパソコンが触れないなんていう人もあまりいないし、パソコンを使うのが苦手なんて、ちょっと言いにくい雰囲気になっていると思います。
そういう様子を見ると、IT化は結構進んでいる感じがしてきます。
ただ、ITの愛である情報に着目すると、ちょっと怪しいなと思うこともよくあります。
本来やる必要があることは、情報を活用することだからです。
職場で情報活用がうまくいっているかどうかをざっくり探るには、シュレッダーのゴミの量を測ってみるのがいいかもしれません。
要するに、どれくらい文章を印刷しているかということです。
紙は便利なので、つい印刷しがちなんです。
今あなたが印刷した文章、本当に印刷が必要なものだったでしょうか。
これ、慣例に縛られていると見極めにくくなります。
慣例に縛られているものを洗い出すには、キングファイルが納められているキャビネットをよく調べてみる必要があります。
今あなたがファイルに閉じ込んだ文章、何のために閉じておいてありますか。
閉じておく根源的な理由は、だいたい後で検索する必要があるからですが、それって効率的ですか。
パソコンで検索した方が早くないですか。
現場の事情でこんな風にシンプルにはいかないものですが、まずはこの辺りをチェックすると、IT化の進み具合をある程度評価することができそうです。
情報の活用という観点にはもう一つの側面があります。
それが今回のタイトルになっている編集可能性というものです。
印刷した文章を編集するとしたらどうしますか。
ペンで書き込むという方法がありますけど、いかがですか。
大抵は、うーんと考えてしまうと思います。
考えてしまう理由の筆頭は、パッコ悪いかもしれませんが、本質はそこではありません。
紙に書き込んだものは一手で検索するしかなくなってしまうし、それを後で利用するのが難しくなります。
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書き込む量が多くなったら、最初から作り直そうということになるでしょう。
その時、オリジナルが紙しかなかったとしたら、まあ同じように打ち直すという手間がかかります。
もしも印刷する前のデータが残っていたとしたら、それをちゃちゃっと編集するだけで済むかもしれません。
だったら、そのデータをオリジナルと考えてしまった方が良くないですか。
データがオリジナルになっていると、その文書の編集可能性が高くなるのです。
IT科の本質はそこにあります。
もうちょっと違う観点の話をしてみましょう。
小学校で修辞ってやりましたか。
昔はペン修辞なんていうものもありました。
これは要するに字をきれいに書けるようにすることが目標です。
美しい字が書ける人って素敵ですよね。
でも今は素敵っていう以上の価値はありますかね。
昔はありました。
事務員なら字がきれいに書けなければならなかったからです。
誰もが読める字で書かれたものを記録として残す必要があったからですね。
今はあまりそういうことは言わなくなりました。
実際漫画雑誌に載っていた日ペンの美子ちゃん。
懐かしい人もいると思いますが、ITが本格的に使われるようになった1990年代には雑誌広告から撤退しています。
今は修辞は書道ということが多いですね。
それはなぜかというとアートの世界のものになったからです。
ということは日常のお仕事とはちょっと関係ない世界のものになったってことです。
アートはオリジナリティが重要ですが、仕事ではオリジナリティはあまり必要ありません。
むしろ誰でもできるようにすることの方が重要です。
誰でもできるようにすることには、誰でも編集可能にするという側面もあります。
誰かが文章のひな形を作ってくれたら、それを使って新しい文章を作るのが簡単になるし、
すでに作られた文章を修正するのも容易になります。
そこで字がきれいな属性は不要です。
テンプレートという話をしましたが、今は一つのテンプレートを使うのではなくて、
複数のテンプレートを組み合わせて新しいものを作ることができるようになっています。
最近LINEでスタンプを組み合わせて絵を作る機能がリリースされました。
あのスタンプのように、文章に必要な要素を部品としていろいろ用意しておいて、
組み合わせて文章を作るのです。
そして、必要ならそれを後で編集するのです。
そんなの当たり前じゃない?と思う方も多いでしょう。
でも今はそれを動画でやることもできるのですね。
動く文章ってことになったら、紙の上で実現することは不可能になりますね。
実はPowerPointが使えるようになってから、動画チックなプレゼンを普通に作れるようになりましたが、
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相変わらず印刷することを前提に作ってしまう人が多いのです。
PowerPointのスライドの印刷なんてご丁寧にとっておく人はあまりいないのですから、
もっと効果的に見せられる方法を使えばいいのです。
でもそうはしない人が案外多いので、そういう人はWordとExcelとPowerPointの使い分けができていません。
それは暗黙のうちに印刷することを前提にしているから。
そしてこの使い分けができていないと、編集可能性が小さくなります。
編集可能性を高めるには、作る文章の要素の独立性を高める必要があるのです。
文章、表、画像、動画、音声、
これらの要素を作るためにそれぞれの編集がやりやすいツールを使い、
全体を組み立てるツールで組み合わせるのです。
これが編集可能性を高めるということのものですね。
こういうことがある程度自由自在にできるようになっているとしたら、
あなたや所属組織のIT活用は結構いい線いっていると言っていいでしょう。
いかがですか?
いけてると思いますか?
今回は、ITは編集可能性を拡大するもの、という話をしました。
今日はここまで。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
トワカーで、ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については、概要欄のリンクから見に行くことができます。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。