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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てメタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
さて、お散歩の際には、ラッキーゾーンで歩く快適さと、リードが張った時の不快さを同時に教えていくということを前回お話ししました。
今回は、このラッキーゾーンで快適に歩くには、具体的にどのようなトレーニングをしていくのかということをお話ししていきます。
ラッキーゾーンというのは、リードが張らない程度の距離ということです。
通常のリードは120cmのものが多く、長くて180cm、短いと100cmくらいのものがほとんどです。
120cmのリードのうち、持ち手の部分が輪っか状になっているものがほとんどですので、
その部分を手首にかけ、小指が犬の方につながるようにリード本体を軽く握るということをお勧めします。
鉄棒でいうところの、いわゆる順手というものですね。
リードの持ち手は、高手で持っている方、すなわち親指側が犬に向かっている方が多いのですが、
これですと、リードはズルズルズルと手の中からすり抜けていきやすく、知らないうちにリードが目一杯で引き伸ばされて、そのまま引っ張られてしまっているということが少なくありません。
手首にリードを一度通すのは、パッと手から離れてしまわないようにということです。
私は普段は2メートルから3メートルのリードで散歩に出ているのですが、必ず持ち手の輪っか部分を手首にかけています。
また道路を歩いている時には1メートルくらいの長さにして、他の部分は手元にまとめて持っているという感じです。
公園などに着いたら、リードを状況に応じてまとめている部分を少しずつ伸ばしています。
長くしていても、自転車や人、犬連れの方が見えたら、そっとリードをたぐって1.2メートルくらいの長さに近づきます。
このように状況や場所によって2メートル、3メートルのリードの長さを変えています。
この時と場合によりリードの長さを変えるということは、犬が自由に歩ける範囲を状況によって変えるということにつながります。
これがラッキーゾーンで歩く快適さにもつながっていきます。
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120センチのリードを毎日、毎回、いっぱいいっぱい使って歩いているワンちゃんは、110センチも100センチも許容できないという範囲です。
ですから、そうはいくもんかと全力で抵抗する犬も少なくありません。
どんな長さにしてもリードを引かずに歩くことができるようになるためには、実はお散歩に行く前からの習慣が肝心です。
お散歩に行くと言うと興奮したり、ジャンプしたり、吠えたり、そわそわしたり、もしくは逃げたり、隠れたり、震えたり、そんなワンちゃんいませんか?
そのままのテンションで、「ほらほらいくよ!」とリードをつけて外に連れ出しても、ワンちゃんは心身ともにフラッとな状態でしょうか。
興奮したワンちゃんは興奮状態のまま、ちょっと萎縮したワンちゃんは萎縮状態のまま、
リードを張らずに歩くことが難しかったら、まずは歩くことをやめましょう。
特にパピーちゃんや若いワンちゃんは、出だしと同時に引っ張ったり、左右前後をうろうろしてしまうことが多く、
シニアになると、「行かない!」とストライキし始める子も多いです。
また、怖がりなワンちゃんや保護犬さんも立ち止まったり、「もう行かない!」と言って立ち止まってしまうことが多いです。
そんな時にリードをぐいぐい引っ張ったまま歩いてしまうと、リードを引っ張っていることが通常のお散歩状態になってしまいます。
興奮で引っ張っている場合も、萎縮で口じこまってしまっている場合も、まずは玄関ドアをくぐる前、リードをつけるところからスタートしましょう。
リードをつける前、つけた後にフラット、これは平常心ですけれども、フラットでいられないワンちゃんには少なくともリードをつけたその時から15分はそのまま放置しておいてください。
リードをつけても大して何も起こらないということが犬に伝わったら、リードを持って静かに外に出ます。
この時も注意が必要です。
飼い主さんがワンちゃんのペースに合わせて焦ったり急かされたりするのではなく、服まで落ち着いた様子で靴を履いたり、扉を閉めたり、鍵をかけたりしましょう。
動きが悪い飼い主さんに飛びついたり吠えたりして、早く早く行こうよって急かすワンちゃんもいるかもしれません。
その場合には、「あれ?どうしたらお散歩に行けるんだったっけ?」と、じっとワンちゃんのお顔を見て聞いてみてくださいね。
目を逸らさずにじーっとお顔を見ていると、ワンちゃんは次第に、「今、飼い主さんは何かを望んでいるんだな。」と気がついて、「なんだろう?今、僕は何を望まれているんだろう?」と飼い主さんの方に意識を向けてくれます。
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それができたら、「よし、行こっか。」とお散歩をスタートしていきます。
早く行きたくて引っ張ってしまうというワンちゃんは、とにかくリードの持ち手がトーンダウンすることが大切です。
同じペースで引っ張られてしまい、後ろに重心をかけて歩き続けると、四つ足のワンちゃんはさらに重心を落として前に前に引っ張っていきます。
引っ張るワンちゃんの場合には、飼い主さんはリードを引っ張り返すということは必要ありません。
その場に立ち止まり、リードがいるまで少し待ってみましょう。
引っ張るからリードを短くして引っ張り返しながら歩いているというワンちゃんをよく見ますが、この歩き方だと良くなるということはちょっと期待ができません。
なぜなら引っ張ることは、引っ張るということで筋性が取れてしまうからなんですね。
リードがフラットになったら歩き始めること、そして歩いている場合に少しずつ犬の足取りが速くなって、少しリードが張り気味になってきたら立ち止まる前にやっていただきたいことがあります。
それはリードの持ち手が歩調を落としてゆっくり歩くということです。
今までの歩調と違ったペースになるとワンちゃんはあれ?と思います。これが狙いです。
場合によっては方向転換をしていただいてもいいと思います。
行きたくないよと抵抗する、それで止まってしまうというワンちゃんに関しては、私は無理やりずるずると引っ張って連れて行くのはお互いの心身ともに良い影響を与えないということは確実なので、その時は無理に行かなくてもいいと思います。
時間を空けて今度は行ってみる?と聞いてみて、行きたそうなら行きましょう。
小型犬の場合やカート利用をされている子であれば、抱っこやカートである程度のところまで連れて行き、目的地から家に帰るということをお散歩にすればいいと思います。
怖がったり萎縮しているワンちゃんは、環境に安心できること、引っ張られないことで安心して歩き出す場合があるんです。
知らない、慣れていないところに住み慣れたホームから出て行くというよりも、知らないところからホームに帰る方が安心ができるんです。
その過程で少し立ち止まり、匂いを嗅いだり股間を刺激する出来事を体験させていくと良いでしょう。
リードを引っ張られて、引っ張られ慣れているというワンちゃんは、私はすぐに分かります。
リードに圧力がかかる前、もしくはほんの少し圧力がかかっただけで体を固くして身を低くし、
私はそっちに行かないんだから、絶対引っ張られないんだからねと重心をリードと逆方向に向けて、引っ張られるものかと前進で抵抗します。
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こういう仕草紙についている子は、引っ張られ慣れているし、引っ張り慣れているので、
新しい習慣をつけるために、お部屋やお庭でリードをつけて、縦横無尽に歩く私に、まるでリードがないようについてくるという練習を行います。
子犬は特にこのプロレス・プロセスが大事です。
リードをつけて、歩くことに慣れないうちにいきなり外に連れて行くと、リードを意識して歩くことができません。
リードをつけて人と歩くということが、慣れているお家の中でできるようになってから、お外で本番の方が便利にかなっていると思いませんか?
ですが多くの飼い主さんは、初めてお散歩に行ったら、犬が固まって動かなかったとか、リードや足元にじゃれついて、まっすぐ進めませんとおっしゃいます。
お散歩問題は、飼い主さんが毎日、ワンちゃんとどのように向き合ってきたかが如実に分かるものです。
お散歩の問題は犬が作り出すのではなく、日々の習慣が思ってたのと違うという形で現れてくるものなんです。
飼い主さんが心がける、落ち着く、引っ張り返さない、せかさないことだけで、犬の散歩の様子は劇的に変わりますよ。
嘘だと思ったらぜひやってみてくださいね。
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最後まで聞いていただきありがとうございました。