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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい私が、犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちの話などを、マイペースにお届けしています。
明日、5月23日、木曜日、午後4時30分頃から、なおちゃん先生と犬のあれこれ、お話ししませんか?のライブを行います。
こちら、30分から1時間程度のライブを予定しております。
こちらの内容なんですけれども、ご質問がもしあるようであれば、そちらにお答えをしていきたいと思います。
アーカイブはおそらくメンバーシップ入りになりますので、ご質問のある方、ぜひお越しください。
今日は、その明日のライブに先駆けて、師匠のセミナーに参加してきました、という内容でお話ししていきたいと思います。
私は先週土日にかけて長野県に行ってきました。
昨年も来日セミナーを行ったイギリス人師匠を招いて、私の次に師匠の下で修行してきたトレーナーさんが、
今年も師匠を招いて特別来日セミナーを企画したので、私も参加をさせていただきました。
このセミナー自体は、4日間、朝の9時半から午後3時半までの間、すべて屋外、スキー場の敷地をひっかりで行われました。
一体何のセミナーなのかな、と思った方。
はい、正解です。
こちらのセミナーは、ガンドックとガンドックのジャッジのためのセミナーでした。
ガンドックのことをご存知ない方のために、この究極のドックスポーツのことを前半で解説します。
日本でも大型犬の中で大変人気のあるラブラドール、ゴールデン、フラットコーテットなどのレトリバー種、
皆さんは、これらの犬種のワンちゃんたちは、アイガン犬だと思いますか?
いえ、彼らはもともと猟犬なんですね。
猟犬と一口に言っても、量の対象により犬を使い分ける、そのためのたくさんの犬種が生み出されたのがヨーロッパなのですが、
レトリバー種の狩猟でのお仕事は、回収にあたります。
この回収はレトリーブという意味、つまりレトリバーの語源にあたるものですね。
ちなみに回収のほかに、実量において犬の担う仕事はどんなものがあるかというと、
鳥を飛び立たせるスプラッシュや、獲物を見たら片手を上げて止まるポイント、立ち止まるセットなど、
これらもそのままスパニエル、ポインター、セッターなどの犬の名前になっていますね。
また、皆さんよくご存知のテリアやハウンドなども、そのお仕事をそのまま犬種の名前にしているものです。
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テリアはテラ、大地に潜り込んでいる小動物を追い立て、時に狩るもの。
ハウンドはサイドハウンドなど、目や耳、鼻のどれかを使って獲物を追跡するという犬になります。
さて、話を戻しましょう。
レトリバー種は、羊犬といっても直接獲物に飛びかかったり、息の根を止めたり戦ったりする犬ではなくて、
あくまでも人間が靴で歩み、そして時代が進むと鉄砲や銃で撃った獲物を主人の手元まで運んでくるという役割なんですね。
だからこそ、狩猟の場であっても主人の指示が出るまではその側を離れない、
また獲物をその場で食べてしまったり持ち去ってしまうということよりも、
持って帰りたいという気質、本能が精雷に備わっているので、
常に人と歩みを揃え、意思疎通をして二人三脚で仕事に当たることを目的とされて繁殖されてきました。
その精雷の気質は家庭犬向きでもあるので、大型犬の中でも懐きやすく、
人の側で仕事をすることを好む傾向があるため、飼育犬や盲導犬に適しているんですね。
そんな彼らの精雷のお仕事、打ち落とされたいものを主人のもとまで持って帰る、
というこの実量でのお仕事そのものが、いつしか人と犬の絆をつくる究極のドッグスポーツ競技になりました。
それがガンドッグです。
本来なら猟がメインのガンドッグ、猟抜きでいかに飼い主やハンドラーとのコミュニケーションを取りながら、
時に遠く、時に隠れている指定された対象物を一生懸命に探し、見つけ、飼い主のもとに運んでくる。
それを競うのがガンドッグの競技ということです。
実はこのガンドッグはレトリーバーの飼い主さんでもほとんど知る人はいないと思います。
イギリスでも名前は知っているけど、いまいちどんな競技なのかわからない。
まあとにかく持ってこいでしょ、という方も多かったです。
私の師匠は一般的な家庭園のトレーニングはもちろん、
いまでも一番力を入れているのがこのガンドッグ競技のための犬のトレーニングです。
彼女の情熱は1、ハンドラーや1、トレーナーとして良い成績を収めるということだけでは飽きたらず、
栄養学からこの競技にふさわしい犬の選別とブリーディング、これは繁殖ですね、
競技のジャッジ、審判の育成と守備範囲の広さは半端ではありません。
このガンドッグを普及させたいというのが私の後輩のトレーナーさんの意思なんですね。
そして師匠を呼んで今回は前2日間はガンドッグ、ハンドラーのためのセミナー、
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後半2日間はガンドッグ、ジャッジ、審判を育てるためのセミナーが行われたということになります。
まあなんともマニアックでニッチなセミナーですよね。
私は審判、ジャッジのためのセミナーに参加したんですが、
これは私がガンドッグのジャッジになりたいからというわけではありません。
ガンドッグというのはかなりマニアックな人と犬のための競技だと思いますが、
これは例えば毎日のストレッチから筋トレに移行する、
そしてその運動習慣を積み上げていった先にボディビル大会がある、
そんなイメージで犬と人とのコミュニケーションのトレーニング、
一つのすべての先にある究極の競技、それがガンドッグだと私はガンドッグの競技を見るたびに思っています。
犬と行うドッグスポーツというのはもろん、すべてが地道なコミュニケーションとトレーニングの賜物なんですが、
ガンドッグは飼い主であるハンドラーと犬が一番遠いところで行われる特殊な競技です。
シープドッグ競技も遠いですが、ガンドッグ競技との違いというのは歴然です。
ガンドッグ競技が単なる持ってこいと違う部分、それは打ち落とされた鳥を回収するという部分で、
それはたとえ本物の鳥ではなくダミーだったとしても、投げる人と持ってこいの指示を出す人というのは異なるんですね。
本物の鳥を使った実量スタイルのコンペティションもありますが、
ワーキングテストなどではやはりダミーと呼ばれる、だいたい水鳥や獲物となる鳥と同じくらいの重さのある円柱状の布の重りを使うことが多いです。
実量のスタイルでは、ガンと呼ばれる鉄砲を持った人たちが犬を連れたハンドラーの前に立ち、鳥を打ち、その後ジャッジが落ちた鳥の位置を把握し、
レトリーバーを連れたハンドラーにどの位置のどの鳥を回収するかを指示いたします。
ダミーを使う競技会やテストでは、スロワーというダミーを投げる専門の人がいて、
だいたいこの人たちは木の影に隠れていたり目立たないところにいることが多いです。
マークという掛け声や実際に鉄砲音を鳴らしてからジャッジの指示した方向にダミーを投げるというのがスロワーの仕事です。
このダミーの投げ方もテストのレベルによって投げる瞬間をハンドラーと犬が見ることができるのか、もしくは見ることができないのかが異なります。
当然、ハンドラーも犬もダミーが投げられているところを見ていない方が難易度が高いですよね。
テストのレベルが上がっていくと、こういった投げる瞬間を犬やハンドラーに見せないという投げ方になっていく。
そういったとてもニッチな競技になっていきます。
ジャッジと呼ばれる審判は、歩け、止まれ、振り返れなどの指示をハンドラーに出すとともに、どの方面にダミーが投げられ、どれを取りに行くのかを指示します。
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ジャッジの指示への反応性の全ては点数に響きます。
スコアは減点方式で、今回のテストでは20点満点から減点をされていくものでした。
最終スコアの一番高いハンドラーと犬が優勝で、レベル別の競技内容となっていました。
何が減点に響くのかというポイントは実にたくさんありますし、反対に加点のポイントもあります。
この減点・加点のポイント、どこを審査基準とするかというのはあらかじめ決まっていますが、
ジャッジによって審査するもの、減点に加えるもの、加点に加えるものがあるため、
競技を審査するジャッジは複数名で行います。
それぞれのスコアを見比べ、競技をして点数がつけられる方式になっているんですね。
私が参加したジャッジセミナーでは、この犬とハンドラーの動きにいくつスコアをつけるのか、
なぜそのスコアになったのか、イギリス人首相のジャッジは何点になるのかということを学ぶセミナーでした。
いろいろ細かいスコアをつけるためのポイントがあるのですが、どんな基準でスコアをつけられるのか、少しだけご紹介しましょう。
実量、つまりリアルな狩猟の場合では、獲物となる鳥を傷つける行為というのは一発アウトです。
食べたり、遊んでしまったり、ハンドラーに渡さずに持って帰ってしまったり、どこかに持って行ってしまったり、激しく噛んだりするのも同じです。
また、複数の犬と一緒に行われるのが多いこの競技ですが、自分の犬に指示された以外の獲物を持ち帰ってしまうことも一発アウトです。
ガンドックの競技では、ハンドラーから100メートル以上離れた場所で犬が獲物を探すということは珍しくありませんし、
その途中に傾斜や、ヤブ、林、池、大きな障害物があることも十分にあり得ます。
ハンドラーから犬が見えない位置を探させるということもありますので、声が届かない、姿が見えない場所での指示には笛を使うということが主流です。
ですが、笛の指示を聞かないということは犬の中ではとてもよくあるんですね。
これも原点の対象になります。数回の無視でスコアがゼロになるということもあります。
特に重要なのは、犬を止めるストップとリコール、呼び戻しの笛になります。
離れれば離れるほど犬が集中したり、犬自身の楽しみに浸ってしまったりと、笛の合図を無視することが多くなってしまうことが多々あるんですよね。
いくら最終的に獲物を見つけて持ち帰ることができたとしても、途中のハンドラーや笛の指示に正確に、すぐに反応しているのか、
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真剣に集中し、熱意を持って探しているのか、持って帰ってきているのか、匂いかぎやマーキング、背弁などレトリーブ以外のことに意識を向けていないか、などは全て採点基準になります。
また、自分の番を待っている間も鼻を鳴らす、競技中に人が犬を触る、犬に声をかけ続けるなどもNG行為になります。
これ聞いているだけでかなり難しそうじゃないですか。
これらがすべてクリアになっていることは当然ですが、さらに犬のスピード感や探している間の熱意、ハンドラーとのコミュニケーション、コース取りの無駄のない美しさ、
ハンドラーの指示を出すタイミングや的確さというのが採点基準になります。
このセミナーの最中にガンドッグの競技を通して気がついたこと、見直すこと、これから自身のトレーニングの中に取り入れてみたいこと、感動したことなどについては、
明日の5月23日16時30分頃から、なおちゃん先生と犬のあれこれお話ししませんか、ライブでお話ししたいと思います。
もちろんご質問も大募集しております。
よかったらお越しいただければと思います。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。