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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
今回も世界一周の船旅にお付き合いいただき、ありがとうございます。
前回は出港より83日目、7月23日、メキシコが誇る国立人類学博物館の様子をお伝えいたしました。
今回はその続き、テオティワカン遺跡の模様をお伝えいたします。
圧巻の人類学博物館を名残惜しいが後にして早くも昼食時間、本場のメキシコ料理が食べられるとウキウキしていた。
タコスやフィータスを想像していたけれど、巨大な青唐辛子の中にチーズを入れてクリーム煮にしたものや、
スパイシーで甘辛い味のチキンの煮込みなど、これまで見たことないような料理が出てきてとても美味しかった。
ここで食用サボテンの初めて食べた。アロエのような見た目で味はほとんどなく、あっさりしていて美味しかった。
食後、いよいよテオティワカン遺跡、やっとだ。
ウキの空は曇っていて決して暑くはない。
木々がまばらな林の中を抜けてバスが走ると開けた平野に出た。
すぐに月の神殿のてっぺんが見え始めると思わず腰が浮く。
ついに来たぞ。現在の姿はほぼ完全な修復と復元によるものだけれど、
それでも死者の道という約2キロを挟んで広がる石造りの荘厳な建造物、
明治を司る月のピラミッドと、テオティワカンにおける最重要の宗教を司る太陽のピラミッドの広がる空奥には遠まきに見ていても圧巻だった。
それが自分の目の前に少しずつ広がっていき、ついに一歩ずつその異空間に足を踏み入れるとき、
鈍いをするような感動が静かに足元から頭上まで駆け抜けていったようだ。
テオティワカンに関するパンフレットを事前に購入していたので、そこに掲載されていないことだけ日記には書くことにしよう。
私たちのツアー一行は月の神殿から入り、はじめに当時の貴族である神官とその一族の住居の典礼であるジャガーの館、
地下に埋もれたインコの館、数ある天文学研究所の一つであったといわれるケサルパトトルの宮殿を巡る。
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当時の建築は垂直と斜面の繰り返しのタブウロ様式で、サボテンについた貝殻や虫の赤、
草木の黄色からなる色彩をされた石灰岩と小石を、内はサボテンをすりつぶしたペーストをセメント代わりに粘土に混ぜて固めた、
色鮮やかで美しいレンガで作られている。よく見てみるととてもその模様が可愛い。
この都市文明もまたよく天文学を発展させ、正確な星の位置や季節の変化を知っていた。
そのうちの一つ、ケサルパパトルの宮殿では中庭の真ん中に穴が開いていて、雨水が集まるように、そしてその雨水の測定ができるようになっている。
黄色の屋根の円形と三角の組み合わさったモニュメントが目に留まる。おそらくこの画は、星の位置を示していると言われている。
柱には天空を司る神が、足の頭と蝶の体で描かれていた。
そこから月のピラミッド前の広場へ、月は陰、太陽は陽の相対する性質のために、両者は少し離れて建てられている。
月のピラミッドには登らず、下から眺めるだけにした。死者の道の最後にあり、左右対称で美しい。
住居の一つに登ってみると少し風景が変わった。心なしか風も変わったように感じる。
風が強く雲が風に飛ばされていく。雲の隙間を突いて太陽の光が差し込んでくると風景は一変する。
さーっと太陽の光が当たると建物たちは途端に生き返ったような輝きを取り戻し、ふっと日が陰ると突然過去の世界に引きずり込まれるような不思議な感覚がする。
その遺跡の影に、ほらそこの物陰に、アステカの人々や神官たちがこちらをうかがっているような気配さえ覚えてくる。
この遺跡を渡る風と雲、太陽の光は当時から変わらないからそんな気がしてくるんだろうか。
高さ65メートルの太陽のピラミッドには登ることに挑戦した。
メキシコシティは標高2200メートル以上の高度にあり、この遺跡はさらにちょっとだけ高いので石の階段を登ると普段にはない激しい息切れが、
やっぱり高所なんだなと実感した。
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石段のピラミッドは3層に分かれていて、休み休みしながら登った。
下を見ないようにして頂上まで一気に登る。
曇ってはいたものの段下には大パノラマが広がる。
手を手分かん遺跡の全景が見渡せるのだ。
ピラミッドの頂上の中心にはかつて台座が据えられていたが、今はなく中心を示す小さな銀のプレートが埋められている。
そこに手を置いて願い事をするとかなうと言われているらしい。
私もそっと手を合わせてみた。
ここは手を手分かんの人々の宗教、信仰、政治の中心地であり、
地理的にもとても重要な場所で、太陽の力を最大に生かし、
死者の魂を地下の水の溜まっている洞窟、雨のトラロックの世界から天上海へ送るための神聖な聖なる場所であった。
そのため強い躍動、パワーが今でも出ているという、
確かになんとなく手をかざすとそこから暖かい気が出ているような、
ピラミッドを降りていくと途端にまた肌寒く感じられ、
まながち錯覚ではないのかもしれないと思った。
古代の人の文明は、自然の大いなる力を利用し、理解し、恐れ、敬い、
その力を少しでも自分たちに恵んでもらおうとする意志が見られるため、
科学的には解明されないパワーや気というものが大きく影響しているんだと思う。
太陽のピラミッドはまさしく立地条件だろう。
どうしてピラミッドが三角錐なのではなく緩やかな傾斜の奇妙な形なのかは諸説があるものの、
一つには後ろに見える山の稜線をかたどったものと言われている。
人の手で自然の山を作ろうとした結果だ。
そう言われると古代人の自然との融合、少しでも自然に近づこうとした憧れに思えてきて、
さらに神秘的に思えてくる。
月の神殿は政治を、太陽の神殿は宗教を、そしてその先のケツアルパパトルの神殿は農業を司るものだったという。
この後、変な土産物市場に連れて行かれたけれど全く欲しいものがなくて、もっともっと遺跡にいたかったな。
メキシコにはまだまだたくさんの神秘的な遺跡がある。
公開されているだけでもその数300。
メソアメリカ文明に利用されたら面白くて病みつきになりそうだ。
まさにインディー・ジョーンズの世界。
18時前にはホテルに戻り、19時半からホテルのレストランで食事と言われたんだけれど、
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3回も同じレストランで食べるなんてもったいない。
友達とメキシコシティを歩いて屋台のタコスを食べようということになった。
ツアーコンタクトの業種を得て街へ出た。
ホテルで10ドルを交換してもらい、部屋にあった地図を片手に、ワンズはホテル周辺からグログロ。
うーん、屋台っぽいのは見つからないなと思っていたら、手お手は会員席でもあった。
ピースボートの乗船客で、こちらはツアーではなく二人旅を満喫している男の子たちに会った。
彼らと話をしていたら、屋台のある場所だと、そこまでのメトロの乗り方、
地球の歩き方のコピーをくれた。ラッキー。
ぐるぐる回って、ホテルの周りのメトロの乗り場を見つけた。
メトロはどこまで行っても2ペソ。 本数も多くて色分けしてあってとてもわかりやすい。
教えてくれた男の子2人も一緒にニガルゴまで。 一旦別れて屋台を探した。
昼間来た。 アメルダ公園の中を通って中央広場まで歩いていく。
ニガルゴ駅の近くでトウモロコシの屋台が出ていて、 茹でたものと唐辛子入りのコーンスープを売っていた。
と言ってもスープはプツギリのコーンが入っているだけ。 コーンたっぷりのスープに、
チーズとマヨネーズ、チリをふりかけてもらって友達と一緒に食べた。 おいしい。
コーンは日本のスイートコーンと違って甘くはないけれど、 食感がもっちりとしていて程よく塩味、チリが効いていて辛味がある。
立ち食いしていると目の前を猫ぐらいありそうな飛ぶネズミが走っていった。 タコス屋台はなかなか見つからない。
走行しているうちに私のセンサーが久しぶりにピピピピッと鳴った。 あれはやっぱりパン屋さん。
ケーキ屋さんも兼ねているようで広々とした店内は明るく、パンやケーキの種類も豊富だ。 しかもこれも大きくて安い。
タコスもその場で作ってくれてイートインもできるようだ。 0.15分前ぐらいだったので早く注文しなくちゃと思うもののまたしても立ちはだかるスペイン語のカフェ。
うーん全くわからない。 隣にいた現地の女の人が助け舟を出してくれたのだが、これもわからず、もうこれでいいと原始的な指差し方法で注文する。
ドリンクは?と聞かれたのでついているのかと思いきや、 ついてはおらず別料金だった。
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歩き疲れて中央広場の露店の横の段差に座ってタコスを広げて食べる。 こんなことしている日本人観光客は私たちだけなんだろうな。
タコスはチーズと牛肉入りのもので、ボリュームたっぷり。 別添えのハラペーニョを挟んだら、美味しさ倍増。辛さがしみる。
キャーキャー言いながら食べていると、スケボーを持った少年が2人。 対面の段差に腰掛け、こちらをニコニコ見ていることに気がついた。
タコスについてきたポテトを食べる?というジェスチャーをしたら近づいてきて、 おそるおそる英語で話しかけると、彼らも片言の英語で返してきてくれた。
この2人は兄弟で、22歳と20歳と言うけれど、10代にしか見えないな。 私も年齢を伝えたら、
彼らの妹と同じ年の14歳かと思ったと言われた。 そんなわけがあるかい。 彼らは日本のテレビゲームに憧れていて、いつか日本に行ってみたいと言っていた。
少し漢字を教えてあげるととても盛り上がった。 中央広場の一部にはこうした屋台が出ていた。
食べ終えて、調味しながら歩いて、 スカーフを買ったり、ドリンクの屋台を冷やかしたりしながら、ネドロの入り口を探す。
走行していると、発見した!沿岸のタコス屋台。 お腹がいっぱいだけど本当に美味しそうということで、結局一つ買うことに。
この時、とにかく注文の仕方で大いに盛り上がったことを今でも覚えています。 屋台ということで、どう注文したらいいのか全くわからない。
メニュー表もないし、暗くて何を焼いているのか、トッピングの種類もわからない。 英語がわかる人もいなくて、えーい、何としてでも私は食べるんだい!と気合を入れてジェスチャーで伝えることにした。
中身の具材とサイズとトッピングを選ぶようなのだが、これはもうサボテンが入っているか、辛いかを確認する2点に絞った。
屋台には焼き手のおじさんと会計の奥さん、そして周りに常連客らしき人たちが2、3人いて、みんなでジェスチャーゲームに大盛り上がり。
サボテンのジェスチャーは、友達がサボテンのように手を挙げて立ち、通りすがりの私が触って、いたたたたと手を振って、ふんふんふんと息を吹きかけるというもの。
これはすぐにわかってもらえたらしい。サボテンならこれだ、タコスの中に入れるかい?というようなことをおそらく聞かれたので、お願い!とこれもジェスチャー。
おじさんはニコニコしながら、目の前の鉄板で焼いたサボテンを入れてくれた。
難しかったのは、タコスに入れる3種類あるトッピングソース、どれを選ぶ?と聞かれたとき、これは辛いのか?と聞きたかったのだ。
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私は口の中から火が出てくる、火を吐くような、手を口の前でひらひらとさせるようなジェスチャーで、
少し辛いの?というときは少しひらひらさせて、とっても辛いの?というときは首を押さえて手を大げさにひらひらさせる。
店主やお客さんたちに大げで、こっちは辛くないよ、こっちはちょっと辛い、こっちは全然辛くないよ、と教えてくれた。
手を渡された熱々のタコスは、サボテンと玉ねぎ、牛肉、チーズが入り、辛すぎないスパイスとソースが効いていて、とってもとっても美味しい。
まあ心なしか口の周りがヒリヒリしたけどね。
自由行動を終えてホテルに帰ったのは23時近く。身も心も大満足な一日となりました。
次回は、早くもメキシコシティを離れ、アメリカを飛行機で飛び出して、そのままカナダへ入ります。
このカナダが最後から2番目の国になっています。
そして、来月で早くも1周年を迎えてしまう、この世界一周船旅配信もですね、残り10回程度となっています。
なんと早いですね。いや、早くはないですね。
ということでですね、残り10回程度になりました、この世界一周船旅配信ですが、残りもどうぞお楽しみいただければと思います。
最後の方になりましたら、打ち上げライブをさせていただきたいと思います。
その前に皆さんに、どこの気候地のお話、どこの回が一番印象に残ったかをアンケートを取らせていただきたいと思いますので、
ぜひそれも念頭に入れながら聞いていただけるといいなと思っています。
それでは次回のお眺めまで、またしばらくお待ちください。
今回もご乗船いただきありがとうございました。