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それでは、今日の本題に入りたいと思います。
今日、話したいのは、「初めての自立学習」ということですね。
この言葉を聞いたことがないぐらいの人にもわかるように話してみたいと思います。
まず、これを話そうと思ったのは、一斉授業という、みんなが同じ内容を同じスピードで勉強する、
そういう一斉授業しかないというふうに思っている先生が実は結構多いからなんですね。
でも、実はその一斉授業というのは、いろいろな教え方の中の本当にごく一つにすぎません。
それ以外にもいろいろな教え方というか教室の在り方があります。
今日ご紹介する自立学習のほかにも、自由進路学習というのもありますね。
これは内容は同じだけど、スピードはみんなが自分のスピードで勉強するというものです。
今日ご紹介する自立学習というのは、勉強する内容も自分で決めるというパターンのものです。
少しずつリスナーの方も増えているので、皆さんにお伺いしてみたいんですけど、
一斉授業、つまり教科書でも何でも使って同じ内容を同じスピードで勉強するのが一斉授業ですね。
一斉授業ではない授業に参加したり、あるいは企画したりしたことがありますか?
そういう方はハートマークでリアクションをお願いします。
そういう経験がないという方は涙のマークでリアクションをお願いします。
どうでしょうか?
自立学習というのは、よくインディペンデント、涙のマークの方が多いですね。
ハートマークないのかな?
分かりました。今日はそういうつもりで話してみたいと思います。
まず、自立の立の感じですけど、自分で立つという感じの自立ではありません。
これはインディペンデントという意味ですね。
だけど、自立学習の立は法律の立という感じですね。
自立学習というのは実は意味がすごく広いので、もうちょっと狭く言うと、
自己調整学習というそういう言葉もあります。
これと今日僕が話す自立学習というのは大体同じだと思っていいと思います。
英語ではセルフダイレクティブラーニング、ダイレクション、命令するとかの方ですよね。
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あとオートノマスラーニングとか、セルフレギュレイティブラーニングとかね、そういう言い方もあります。
こういう教え方の、教え方という言葉もちょっと変なんですけど、
こういう授業の方法の目的はですね、2つあります。
1つは、もう皆さんご想像の通りだと思いますけど、
すでに自立性が高い学習者にとっては、
自分に合った効率的で効果的な学習を進めることができるわけですね。
だけどそれが1つの目的、自分のやりたいように勉強するということですね。
あともう1つの目的は、まだそれほど自立性がない学習者ですね。
そういう学習者に、自立性を高めてもらうことです。
特に、あまり民主的ではない国から来た留学生とかの皆さんはですね、
本当に先生に言われるように勉強することにしか、そういう経験しかないことがあります。
そういう場合は、自分で考えてもいい、自分で決めてもいいという、
そういうことを思いつくこともできない、そういう発想もできないということもありますね。
そういうところからだんだん、最初は2つとか3つの選択肢から選ぶとかですね、
そういうところからだんだん自立性を上げていくという、
そういうことによって自分の自立性を高めていくことができます。
よくある誤解で、自立性、本人の自立性というのは、
生まれつきのもので、学校とか教育の介入によって、
自立性を高めることができないというふうに思っている人がいるんですけど、
それは明らかに違います。それはとても本当に誤解ですね。
学習者の自立性というのは高めることができますので、
そういう意味でこの自立学習というのは、
ただ単にすでに自立性の高い学習者のための授業の方法ではありません。
それからもう一つは独習という方法もありますけど、
独習と自立学習も違います。
独習の独は孤独の独とか、一人という意味ですよね。
独習というのは基本的に自分で勉強するのが独習。
だけど学校でやる自立学習というのはコミュニティですね。
先生とかクラスとか、そういう他の人とのネットワークも使いながら勉強する方法ですね。
ですので独習と自立学習も違います。
だけどもちろん人によって、特に内向的な人は独習の方が向いていることもあるので、
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別に独習が悪くて自立学習が良いというわけでもありません。
今日ご紹介する自立学習のパターンにも実は二つあります。
一つは特に日本の国内でやるのに適しているんですけど、
最初にまずかなり詳しい計画を立てるわけですね。
計画を立てるのにも、
例えば授業が始まって、学習のコースが始まって一番最初にやるのが、
まず自分はどうして日本語を勉強したいのかを考えるということですね。
これが意識化というプロセスなんですけど、
これが自立学習ではないコースの場合はニーズ分析にあたる部分ですね。
そこで自分はどうして日本語を勉強したいのかをよく考えて、
自分はこういう業界で働きたいから日本語を勉強したいんだとか、
あるいはJLPTに合格したいから勉強したいんだとかですね。
そういうことを考えるわけですね。
普通は自立学習ではないときは、
こういうことは普通は学校とか先生がこういうことをやりますね。
ニーズ分析ということですね。
その次の段階が学習計画を作るということです。
これも普通の自立学習ではないコースではコースデザインなので、
授業の前に先生とか学校がやることになりますけど、
自立学習のコースではコースが始まってから最初に意識化、
つまりニーズ分析をやって、
その後にこのコースデザインを学習者が自分でやるということになっていますね。
いつ、どこで、どういうふうに勉強するか、
誰と勉強するか、そういうことを全部計画するわけですね。
コースの最後にどういうふうに評価するか、
そういうこともこの学習計画を作るときに、
この学習計画に含めます。
逆に言うと、バックワードデザインの考え方だと、
まず最初に意識化の後に評価を考えて、
その後に学習計画を作るとか、
そういうやり方もあってはいいと思いますけどね。
その後で学習計画、それから最後の評価計画も考えた後で、
実際の学習期間に入るわけですね。
この学習期間も毎日、もし授業が毎日あるんだったら毎日記録をして、
その進捗状況とか、あるいはうまくいってないからこういうふうに変えることにしましたとか、
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そういうことも教員とか同級生との間で情報交換するわけですね。
それからもちろん、学習計画を作るときに一人でやる必要は全部ないので、
会話の練習を同級生とやるとかね、
そういうときはもちろん他の同級生と相談して、
この部分一緒にやりませんかとか決めるわけですけどね。
なので、自立学習の間はみんながみんな静かに自分で自分の机で自習しているというわけではないです。
いろいろ立ち歩く人もいるし、そうやって会話の輪を作っている人もいるので、
かなりアクティブな感じになりますね。
もちろん、映画を見るとかそういう勉強の仕方をしている人もいます。
コースの最後に当初の計画で評価計画というのを作っていますから、
その評価軸に沿って自分で評価するということになりますね。
この評価もいろんな種類があって、何かができるようになりたいという目的の人はパフォーマンス評価というのがありますよね。
あるいはポートフォリオ評価というのをやる人もいます。
例えば映画を10本見るとか、あるいは小説を2冊読むとか、そういうのがポートフォリオ評価に向いています。
あと、向いていないのは逆に言うと、一般の一斉授業ですね。
みんなで同じ内容を同じスピードでやる一斉授業のテストですよね。
そういう時の期末テストとか、そういうのはあまり向いていないですね。
だけどそれに近いものとしては、日本語能力試験に合格したいとか、そういうニーズを持っている人は、
例えば問題集で合格の点数を取るとか、そういうのを目的に勉強する人もいますから、そういうのは実際にあります。
そういうのはある意味一斉授業のテストに似ているかもしれませんね。
でも、実は一学期とか決めて勉強すると、自立学習をするとニーズとか意識がその間に変わっていくということがよくあります。
その場合はもちろん学習計画も柔軟に変えていいと思いますし、
変えていいですね、実際いいです。
学習計画は途中でも変えていいです。
もちろんその評価も、評価の計画ももちろん変えてもいいので、最初とは全然違うことを評価するということになっても構いません。
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これは本当に何ヶ月も勉強していると、自分の新しいニーズに気が付いたりすることもあるし、
あるいは他の人の勉強の方法を見て、もっといい勉強の方法に気が付くということもよくあるんですね。
なので最初の学習計画とか評価計画にこだわる必要は全くないです。
こういうやり方、さっき日本の国内ではこういうのに向いていますと言いましたけど、
そういうやり方については、こういうタイプの自律学習については、
オービリン大学が作っている本があります。
自律を目指す言葉の学習という本です。
自律の律はもちろん法律の律ですけど、
自律を目指す言葉の学習という本があって、
この本は意識化の時に使う書式とか、
学習計画を立てるための書式とか、
印刷すればいい紙が準備されているので、
すごく実践的ですぐに使える本です。
あまり難しい理論的な話とか、
そういうことはあまり書いていないので、
こういう方法をすぐにやり始めるんだったら、
この自律を目指す言葉の学習というオービリン大学の本はすごくいいと思います。
オービリン大学の自律学習に関わっていた先生のうちの、
何人かは今、慶応大学の方に移られていて、
最近は慶応大学でもかなりこういう自律学習のような授業も行われているようです。
それまでは昔は日本語教育の中の自律学習というと、
すごくオービリン大学が有名で、
皆さんがオービリン大学を真似してやっているというパターンが多かったと思います。
僕も最初にやったのは、
オービリン大学の事例を真似してそのままやったというパターンですね。
ただし、これはさっきも言いましたけど、
日本の国内ではこれでもいいんですよ。
なぜかというと、留学している人とか、
あるいは日本語を第二言語で生きている人にしても、
日本に住んでいるわけですから、
いろんなニーズとかがかなりはっきりしたニーズを持っているわけですね。
動機づけ、モチベーションもすごく高い。
海外に比べるとね。
そういう例なので、これをそのまま海外でやろうとすると、
あんまりうまくいかないです。
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なぜかというと、海外は本当にいろんなモチベーションのレベルがあるんですよね。
本当にね、たまたま道を歩いていたら、
文化センターみたいなところで日本語教室をやっていると聞いて、
ちょっと時間もあるから、
じゃあやってみようかなと思ってフラッと入ってみたとかですね。
そういう感じの人も実は結構いるんですよね。
そういう人は特にニーズとかないので、
だから学習計画作りましょうとか評価計画作りましょうとか言っても、
そもそもニーズがないんだからそういうものを作れないんですね。
かつまずめんどくさい。
別に日本語を勉強してみたいと思ってきたのに、
学習計画自分で作れって言われてもめんどくさいから嫌ですとかね、
そういうこともあります。
そういう人はですね、まず教員がいくつかパターンを提示してあげるといいんですけど、
パターンを提示した上で手当たり次第にやるというのがいいと思います。
僕がこういう時によく提案するのは3つのパターンですね。
1つは日本語という言語、日本語に限らず言語そのものが好きな人というのがいるんですね。
そういう言語オタク的な人には、
もし手元にいくつか教科書があったらそれを実際に見てもらって、
その教科書通りに勉強してみるというものですね。
これは本当に一斉授業のやり方にかなり近いです。
それを自分のスペースでやるので、
そういう意味では自由振動学習にちょっと似ていますね。
2番目のタイプは結構コンテンツに色々興味がある。
日本語のコンテンツにね。
そういう人には日本の映画とかドラマとかアニメとか、
そういうものをどんどん見てもらって、
その時に字幕とかを見ながら日本語も勉強するというパターンですね。
こうやって動画で勉強するのとは別に、
小説もね、もう本当に村上春樹がすごく好きですとか、
そういう人がいたらその対訳をゼロの段階でも大丈夫です。
例えば英語とかね、そういう他の言語で村上春樹の本を読んで、
それが大好きという人はもう内容わかっているので、
それを最初から対訳を見ながら読み進めていくというパターンも、
そういうパターンの人もいますね。
でももちろんこれは好きな小説とかない人には全然向いていないので、
もちろんみんなに合うという方法ではありません。
あと3番目はですね、もっと社交的な人なんですけど、
ソーシャルメディアで有名人とかね、
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自分の好きなサッカーが好きな人だったら、
最近だったら誰がいるのかな、ちょっとパッと出ませんけど、
日本人の有名なサッカー選手のツイッターをフォローして、
特にツイッターとかは自動翻訳の機能がもうついてますからね。
それでそういう人の書いていることをどんどん読んでいく、
日本語と自動翻訳を比べながら対訳で読んでいくというパターンもあります。
なので言語がとても好きな人なのか、
それともコンテンツが好きな人なのか、
それとも社交的で友達をソーシャルメディアでも作りたいとか、
そういう人なのかということを考えて、
こういう三つの方法がありますということをご紹介して、
その上でどういう人をフォローするかとか、
どういう映画を見るかとかですね、
そういうのは全部本人に任せてみるとか、
そういうパターンも結構海外では有効です。
ですのでその場合は本当に今日の気分次第でどうするかということですね。
今日はこのアニメを見たいと思いますとかそういう感じであります。
さっきコース全体のスケジュールの話をしましたけど、
その日1日の授業の方法としては最初に、
例えば1週間に1回の場合は、
この1週間で自分はどういう勉強をしたか、
あるいは全然できなかったかということを共有して、
それから今日はこういう勉強をしたいと思いますとか、
会話をやりたい人は一緒にいませんかとかそういう話をして、
その真ん中に勉強の期間をとって、
最後に今日はこういう勉強をしましたとか、
それももちろん最初に言ったことと違っていることもよくあります。
自分で変えてもいいのでね。
それからこれからの1週間でこういう風に勉強したいと思いますというようなことを言って、
その1日が終わるというそういう感じですね。
特に海外でのやり方とかそういうことについて、
僕の冒険家メソッドの本の第4章に、
こういう授業の実際の方法については詳しく書いてありますので、
ぜひ読んでいただければと思います。
第1章から第3章は何が書いてあるのかというと、
もうこういう授業、つまり学校に来ないで、
それをソーシャルメディアで他の人とつながりながらやるというパターンですね。
そういうパターンについて実際の例とか、
実際の学習方法とかそういうことについて詳しく書いてあります。
本当にそういう人たちは実際にいるんですね。
本当に自律的な学習者というのはすでに教室も学校も必要としていないんですね。
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必要としていないという事実があります。
教室の代わりにソーシャルメディアとか、
あるいは地域のネットワークとかそういうものがあるわけですね。
そういう教育機関がなくても自分で勉強できるようにすることというのが、
教育者の究極的な目的ではないのかというふうに僕は今思っております。
それでは今日のムラスペでお話ししたいのはここまでになるんですけど、
もしリスナーの皆さんで一斉授業、つまり同じ内容を同じスピードでやる勉強、
その一斉授業以外のやり方にチャレンジしてみたい、
挑戦してみたいという方がいらっしゃいますか。
もしそう思う方はハートのリアクションを頂ければと思います。
自分にはちょっとまだ無理かなという方は涙のリアクションを頂ければと思いますが、
いかがでしょうか。
それでは今日もムラスペにご参加くださいまして、
ありがとうございます。
ハートマーク頂いております。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
たくさんハートマーク頂きました。
ありがとうございます。
今日の初めての自立学習という音声配信につきまして、
ご感想とかコメントとか質問とかありましたら、
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご共有頂ければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。