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冒険家の皆さん、今日も落雷に揺られて灼熱の砂漠を横断していらっしゃいますでしょうか。
本日は2023年10月4日です。インドでは午前8時45分を回ったところです。
今日もTwitterの音声配信、むらスペを始めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
今日はですね、タイパによって使い分ける学習と習得というタイトルでお話をしたいと思うんですけど、
リスナーの方が集まる間にですね、最初にいくつかお知らせをしておきたいと思います。
まず、ズームで鼻筋なんですが、今週はですね、若おばちゃまという名前で書いていらっしゃってた方の乾杯ノンドですね、
はい、言語学が好きになったわけについてお話ししてくださるそうです。
はい、今パワポで準備してるとかね、そういうこともTwitterで書いていらっしゃいますね。
はい、それからQFTで日本語教師の働き方についても、QFTなので良い問いを作る、そういう活動なんですけどね、そういうのをしたいと思います。
それから今ね、急に思いついたというか、気がついたんですけど、
実は今月の日本語教師ブッククラブもですね、ビジネス日本語教え方&働き方ガイドなので、
これと合わせて考えてみるのも面白いかもしれませんね。
はい、この日本語教師ブッククラブのビジネス日本語教え方&働き方ガイドについてはですね、
ベトナムにお住まいのエイトップさんが、今までつんどくだったけどこれを機に読んでみたいというようなことを書いていらっしゃいますし、
リュンマルさんですよね、リュンマルさんがブログで長い書評というか感想のようなものを書いていらっしゃいます。
あとミニアンさんはもう読んだというふうに書いていらっしゃいましたし、
あと経調コーチの吉田よみさんもね、この本についてツイートしていらっしゃいました。
はい、皆さん今とても注目している本だと思いますので、ぜひお手にとって感想をその日本語教師ブッククラブのハッシュタグ付きで投稿していただければと思います。
僕もね、昨日ダウンロードしてこれから読むところですね。
はい、それから日本語教師映画パーティーは今のところパッチギっていうね、
在日コリアンの映画が今のところ一番になっていますが、まだ投票期間ありますので皆さん投票してない方はぜひご投票ください。
パッチギのほかにはですね、ザリガニの泣くところっていうミステリーなのかな、それと、
あと彼女っていう母ですね、世界で一つの彼女っていうそういう映画も提案されています。
これはですね、人工知能のAIに恋をしてしまう男性の話で、これ作られたのも10年以上前なんで、その時はですね、まだ現在進行形の話ではなかったんですけども、
すでに2日前にもこの村スペで話しましたけど、大規模言語モデルにそういう社会的な交流の意味を求めて使っている人がユーザーの9%もいるっていう、
そういう研究もあるぐらいですから、もうこれ本当に完全に今の時代の映画だなというふうに思いますね、僕もね。
それではですね、本日の本題に入ってみたいと思います。
タイパによる学習と習得
今日お話ししたいのはタイパ、タイパっていうのは要するにタイムパフォーマンスですよね。
それにかかる時間と、そこから得られるリターンですよね。それをタイムパフォーマンスって言いますけど、タイパによって使い分ける学習と習得ということなんですね。
これを話そうと思ったのは、これ2日ぐらい前でしたかね、スティーブ・コーフマンさんというユーチューバーで、ユーチューバーだけではなくて言語習得についていろいろ情報を発信されている方でね、
この人のYouTubeで英語の基本を勉強するなっていうね、そういう動画があったんですね。
スティーブ・コーフマンさんはもう本当に20カ国語を操ることができるという方で、この動画でも日本語で話していらっしゃいますので、
もし興味のある方はぜひこの動画も見てみていただければと思います。確か5分から6分の間の動画だったと思いますね。
このスティーブ・コーフマンさんの動画の中では、言っていることは全くその通りで、僕も反対することはないんですけど、
だけどコーフマンさん自身もちゃんと話している通り、それができる人とできない人がいると思うんですよ。
なので、できない人が無理に英語の基本を勉強しないようにしてしまうと、
できないというのはスティーブ・コーフマンさんが提案しているやり方ができない人ですね。
その条件に合わない人が英語の基本を勉強しないようにしてしまうと、かえってその基本もできなくなってしまうような、
そういう懸念がありますので、それについてちょっと今話をしてみたいと思いますね。
この動画の中でスティーブ・コーフマンさん自身も、最初に第2言語の習得にはとても時間がかかるということをご自分でおっしゃっています。
なので、まず最初に時間をかけることができない人は、このコーフマンさん式のやり方はちょっと合わないということですね。
スティーブ・コーフマンさんが提案しているのは、要するにたくさん聞いてたくさん読むというやり方です。
第2言語習得の基本ですよね。大量のインプットというのは。
それに非常に忠実なやり方なので、特に木をてらったとか、そういうやり方ではない基本的な話だと思います。
それから勉強するよりも慣れるものだと、それから覚える努力はしなくていいということも、この動画の中でスティーブ・コーフマンさんは主張していらっしゃいます。
ここからは僕の個人的な意見なんですね。
スティーブ・コーフマンさん自身が言っているように、第2言語の習得というのは本当に時間がかかるんですよね。
もう一長一短で話せるようになるわけではないわけです。
だけどですね、習得とは別に学習というような感じで、そういうことを考えると短い時間で基本的なコミュニケーションができるようになる場合もあると思います。
それは本当に言語を習得してそれを使うというのとは別に、まず文法と単語を記憶してから、まず言いたいことを思い出して、この意味を伝えるにはこの文法とこの単語を使ってこういうふうに文を組み立てればいいということを論理的に頭の中で行って、それでその文を話すというようなね。
そういう感じなわけです。これは要するに自分の脳の中で翻訳しているような感じなんですよね。これは第2言語の習得とはかなり違うもので、僕はあえて違う言葉を使うとしたら学習に近いものだと思います。
要するに算数ですよね。算数の公式を覚えて、その公式の使い方も覚えて、その公式の変数の中にその時にふさわしい数字を入れて、それで計算するとこの数値が出てきます。そういうものにかなり近い感じだと思います。あるいはパズルを解いたり、そういうのも近いかもしれませんね。
学習のレベルとワーキングメモリー
これはですね、これも僕の個人的な意見ですけど、どちらかというとワーキングメモリーが広い人に向いていると思うんですね。
なんでかというと、こういうね、まず自分の言いたいことがあって、それにふさわしい文法と単語を思い出して、それで頭の中で文を作って、もちろん発音も日本語とは、自分の母語とか第1言語とは違うわけですから、そういうことにも注意しながら発音するというのは、それだけでものすごいワーキングメモリーを消費してしまうんですよね。
なので、その内容について考える部分がワーキングメモリーが圧迫されてしまって、あまり高いレベルのコミュニケーションをすることはできないわけなんですね。これは僕自身も常々感じているところで、
日本語だったらまず言いたいことがあったら、それにどんな文法とか、どんな言葉を使えばいいかというのはほぼ自動的に出てきますから、内容に集中して話すことができるわけですよね。だけどヒンディ語とかに関しては、まずそれに言いたい単語を僕が知っているのかどうかというところからわからないわけですよ。
なので、必死に思い出して、でもこの場合は二人称の複数だからとか、いや相手は一人だけどでもやっぱり複数形を使わなきゃいけないからとか、そういうこともいろいろ考えながら話さなければいけないので、なのでレベルの高い話なんて全くできないわけですよ。
英語に関して言うと、それよりは日本語にかなり近い方にありますけど、でもまだ、やっぱり英語でブレインストーミングとかをすると、僕が日本語でブレインストーミングをするよりもあまり良いアイデアが出ないというのはすごくはっきりわかるんですね、僕の場合もですね。
なので、こういう学習のレベルだと、学習してその文法と語彙を使ってコミュニケーションするような、そういうときにはあまりハイレベルな使い方はできないわけなんですね。
ですけど、少なくとも買い物をしたりとか、これはいくらですかとか、あるいは道を聞いたりすることにも使えるわけです。
そして何より、これが素晴らしいことには、スティーブ・コークマンさんが言っているような大量のインプットに時間をかけなくて済むわけですよね。
本当に単語と文法だけ覚えて、パズルみたいにそれで文章を作って、それを言えばいいわけなので、大量の本を読んだり、あるいは大量の映画を見たり、そういうことをしなくても済むわけです。
繰り返しますけど、これは第二言語の学習であって習得ではないというふうに僕は感じています。
本当はその間にビシッと線を引いて区別できるようなものではなくて、グラデーションがあってだんだん変わっていくようなものだとは思うんですけどね。
ただ、やっぱり時間のかけ方によってこの2つの考え方を使い分けなければいけないというのは実際その通りだと思うんですよ。
なので、例えば日本の大学でフランス語とかスペイン語とか第二外国語でやるときは週に2時間とかそんなもんですよね。
あるいは日本の小学校とか中学校でも英語をやるのは週2時間ぐらいですよね。
そういうときにはあんまりそのときに多読みたいなたくさんのものをインプットして、それで習得しましょうという方向は間に合わないと思うんですよ。
それだと結局何もできないまま終わってしまう可能性があると思います。
なので、本当に時間は取れない。
それほど高いレベルのコミュニケーションはしなくてもいいけど、かつ大量の時間も割くことができない。
そういう場合には文法と単語を覚えて、それで算数の公式に変数を当てはめるような形の使い方しかできないのではないかと思います。
でも、その一方で日本に留学している人とか、あるいは日本人と結婚した人とか、そういう人はもっとレベルの高いコミュニケーションが必要されると思いますし、逆にそれだけの動機もあると思うんですよ。
その場合は、スティーブ・コーフマンさんが言っているように、勉強とか学習よりもたくさんのインプットを通して、もっと自然な形で習得する方がいいのではないかと思います。
これはそれなりに時間がかけられるわけですけど、読んだり聞いたりするのが好きな人ですよね。
そのためには、今僕もやっているんですけど、映画を見て、2つの言語の字幕を同時に表示できるGoogle Chromeの拡張機能があるんですね、Language Reactorというのを。
こういうのを使って鑑賞したりする方法も僕はお勧めだと思います。
この場合は好きな映画を見ているだけなので、あまり勉強しているという感覚もなくて、長時間その言語のインプットをすることができます。
それから、ただ単にその言語を聞いているだけではあまり効率的ではないということは最初にも言いましたけど、
Language Reactorの場合は字幕から簡単に辞書を引くこともできるんですよね。
なので、漠然に聞き流しているだけではなくて、言語形式に注目しながら、
だけど物語なので、ちゃんとその文脈とかもあって、その意味のあるコミュニケーションの文を、
その意味とかつ言語形式の両方に注目しながらインプットがたくさんできるわけです。
なので、これはかなり自然な習得に近いので、
頭の中で文法とか単語を思い出して、算数の公式に当てはめるような、
そういう作業をしなくても済むような、そういうコミュニケーションができるようになると思います。
ですので、こういう勉強の仕方、こういう習得の方法をしておくと、
その辺でワーキングメモリーをあまり大量に消費しないので、
逆に高度な内容を話したり聞いたりすることの方に、内容の方にワーキングメモリーを大量に使うことができるわけです。
他の学習者には適用しにくい言語学習方法
その言語で高いレベルを目指すんだったら、こうした方法が必要だと思います。
例えば日本人が外資系の企業で働くとか、あるいは海外で働くとか、
そういうときには、いわゆる文法と単語を暗記して公式に当てはめるような、文型に当てはめるようなやり方ではなくて、
こうした意味のあるかつ言語形式にも注目できる形の大量のインプットですね。
そういうものが必要だと思います。
高いレベルを目指すのに、その一方ででも時間がかけられないというのは、それは正直無理なんですよね。
時間をかけないででも高いレベルを目指すというのは、聞こえはいいし、
実際に怪しい英会話学校とかでそういう宣伝をしている人もいますけど、
でもそれは実際には実現は不可能だと思いますね。
なので、時間がかけられない場合には、あまり高いレベルは目指せないけど、
習得ではなくて学習として文法や言葉を覚えて、
それを算数のように文型に当てはめてコミュニケーションするという方法以外にはないのかもしれないと思っています。
ただしその場合も、文型とか語彙を順番に暗記していくという形ではなくて、
ちゃんと意味のある文脈とか、そういうところを使った方がタイムパフォーマンスは非常に高いと思いますし、
またもし時間がないんだったら、その学習者に必要な行動をとるためだけに必要な文法とか語彙を教えるという、
そういう行動中心アプローチ的な考え方の方がタイムパフォーマンスも高くなるのではないかと思っています。
それでは本日の村ログはここまでになります。
今リスナーで聞いていらっしゃる方も、ご自分の学習者によって教え方を変えてみたいと思うかどうか、
あるいはご自分が学習している第二言語のどのくらい時間をかけられるかによって、
その勉強方法を変えてみたいと思うかどうかを、それを皆さんでご自分で考えてみていただければと思います。
それでは本日も村スペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
今日のタイパによって使い分ける学習と習得について、
ご感想とかコメントがありましたら、ぜひ村スペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。そして冒険は続きます。