本日のお知らせ
冒険家のみなさん、おはようございます。
今日も、落雷に揺られて灼熱の砂漠を横断していらっしゃいますでしょうか。
本日は、2023年の9月27日です。インドでは午前8時45分を回ったところです。
今日も、Twitterの音声配信、むらスペを始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今日は、言いたいことを言う練習の例というタイトルでお話ししたいと思うんですけど、
リスナーの方が集まる間に、最初にいくつかお知らせをしておきたいと思います。
まず、今日水曜日なので、もうあさってズームでハナキンですね。
今週のハナキンの乾杯の音頭は、元オランダの大学教員の井上文子さんですね。
その他に、今部屋が2つありますね。
1つが、イタリアの泉茂さんが作ってくれていますが、キャンバ、ライブをみんなで試す部屋というのがメインの時間にありますね。
それから、最後デザートの時間にですね、Googleアシスタントの通訳モードで第2言語の学習というね、
これは僕がホストになっているんですけど、
皆さんに体験、僕が最初にデモンストレーションを前半にやって、後半に皆さんにやっていただくようなね、
そういうことを考えています。
それから日本語教師ブッククラブなんですけど、今投票中です。
今のところ1番がですね、ビジネス日本語教え方&働き方ガイドという本ですね。
でもね、これまだ4つある選択肢のうちで36.4%だけなんですね。
なので、もしかしたらまだ変わるかもしれません。
あとまだ投票期間は5日間残っていますね。
しかも投票している人は11人だけなので、まだまだこれからちょっと変わったりする可能性はあります。
それではですね、今日の本題に入ってみたいと思うんですけど、
今日お話ししたいのは言いたいことを言う練習の例ということなんですね。
これを話そうと思ったのはですね、
昨日の音声配信でもちょっと話したんですけど、
一人言を練習するといいんですよというふうに僕はよく言います。
何でかというと、人と相手を見つけて話したりするのはその調整にも時間がかかるし、
だいたい話し相手がいないということも結構ありますよね。
なので、音読とかするよりは一人言を話した方が、話せるようになるためには
その音読よりは一人言の方がいいですよということを僕はよく言うんですよね。
そういうことを言うと、でもね、何を言えばいいかわからないとかね、
何も言えることなんかないですっていう、そういう反応をもらうことが結構あるんですよ。
それでね、ちょっと今これ聞いてる方にもちょっと聞いてみたいんですけど、
言いたいことがないというふうに思ったことってあるんですかね。
僕はね、ちょっとあんまりそういう感覚がちょっとピンとこないんですよね。
なのでちょっと今日はこれを話してみたいというふうに思っているんですけど、
スピーチ・プロダクションモデルとは
まずですね、その前に具体的な事実としてね、
皆さんに知っておいてほしいのはスピーチプロダクションモデルというものです。
これは昨日の音声配信でもちょっと言いましたけど、
まず最初に言いたいことをちゃんと概念化するってことです。
言いたいことを意識するっていう段階ですね。
それが概念化とか、
意識化とか概念化って言われるステージですね。
それからそれをですね、そこにそれを、
例えば英語とかヒンディ語とか、
そういう第二言語でそれを話すときには、
どんな文法とかどんな言葉を使えばいいのかっていう、
そういう知識を寄せ集める、
そういう形式化っていう部分があって、
最後にそれを音声ですよね、舌とか唇とかね、
それを使って音声言語にして発音する、
そういう音声化の段階があると。
これね、もうちょっと細かく分けている人もいます。
多分ね、皆さんがもしもっとよく詳しく知りたいっていう人がいらっしゃいましたら、
ウィレム・レベルトっていう研究者が多分この分野では一番有名だと思います。
本のタイトルとしてはスピーキングっていう本がありますね。
スピーキングで、一番大きく書いてあるのがスピーキングっていうところで、
そのサブタイトルね、副題として、
From Intention to Articulationっていうね、
そういうサブタイトルが入っています。
スピーキング、From Intention to Articulationですね。
こういうウィレム・レベルトの本ですね。
これがそのスピーチ・プロダクションモデルとしては、
多分一番有名な本だと思いますね。
要するに、何を言いたいか、その概念か、
そしてそれがどういうふうに言葉としてそれを形式化するか、
そしてそれがどういうふうに口を使って発話されるかっていう、
その3つの段階に分けているのがこのスピーチ・プロダクションモデルです。
さっきも言いましたけどもっと細かく分けている人もいますね。
ここまではもう別に本当にね、
ちょっとGoogleだけですぐ分かるだけの話なんですけど、
ここから先は僕の個人的な意見になります。
言いたいことを言う練習の例
それでね、音読が何で話せるようにならないかっていうと、
このスピーチ・プロダクションモデルの中では、
やっぱり音声化のところしかやってないわけですよね。
まず言いたいことを意識するとか、
それをどんな言葉とかどんな文法を使って言えばいいかということは考えないで、
もうただ文として出ているものを音声化するだけ。
そのスピーチ・プロダクションモデルの一番最後のところしかやっていないので、
これはやっぱり言いたいことを言う練習にはならないわけです。
ただし、昨日も言いましたけど、
これインプットの練習としては効果があると思いますので、
だから別に音読やるのは無駄ですよというふうには僕は思っていません。
だけど言いたいことが言えるようになる練習ではないということは
意識しておく必要があります。
このスピーチ・プロダクションモデルに沿った練習の形式としては、
例えばロールプレイとかもありますよね。
ロールプレイというのも、あなたはこういう役割ですというのを与えられて、
それに従って話をするんですね。
ただね、これも音読とか文系練習よりもいい点としては、
形式化の部分ですよね。形式化の部分はちゃんと自分でやっている。
そこでどんな文法とか、どんな言葉を使わなければいけないかということを
自分で考えて、その後で音声化するので、
このスピーチ・プロダクションモデルの中では、
音読とか文系練習よりも一つ前の段階からやっているので、
とてもいいと思うんですね、それに比べればね。
だけど、そのロールプレイのロールがね、
自分とあんまり関係ないロールを与えられたりした場合は、
やっぱりそれを言いたいと思っているわけではないですよね。
つまり最初の概念化、自分の意図を話す、
言いたいことを言うという形にはなっていないので、
そこのところがちょっと浅いんじゃないかなというふうに僕は思っています。
でも最近の教科書の中では、自分の状況を基に
それを話してみましょうというようなね、
そういうのも結構ありますから、
そういう意味では最初の意識化のところにかなり近づけている。
意識化じゃなくて、最初のところは何でしたっけ、概念化でしたね。
意識化という言葉を使う人もいるんですけど、
今日は概念化という言葉を使って説明していますけど、
もし自分の立場についてそれを話してみましょうというんだったら、
その概念化のところからできていて、いいんじゃないかと思います。
その他に、例えばですね、
わざと何か反論したいようなコンテンツというのを見せて、
それに対する反論を言ってもらったり、あるいは書いてもらったりというね、
それもかなり言いたいことを言う練習としてはいいと思います。
あるいは逆に、自分の好きな作品ですよね。
自分の好きな作品とか、あるいは好きなアーティストとか、
そういうものについて愛を語ってもらうというのもね、
そういうのも自分の言いたいことを言う練習ですから、
その最初の概念化のところからやっているので、僕はいいと思います。
それが教室でできるような練習の例なんですけど、
でもやっぱりね、教室の中だけでできることというのは非常に限りがあるわけですね。
なので、自分一人でもできる練習ということを、
やっぱり教師としては指導しなければいけないと思うし、
それから学習者としてね、
日本語教師の皆さんも第二言語を勉強していると思いますから、
その学習者としても考えなければいけないと思います。
そういう時に僕が皆さんにお伝えしているのが、
その一人言を第二言語で言うということですよね。
ただこれを言うとですね、本当にちょっと最初にもお話ししたんですけど、
自分が何がいいかがわからないと、
いや別に言いたいことなんかないんですよ、
一人言で言いたいことなんかないんですよという反応があるんですよね。
それがね、僕本当にピンとこないんですよ。
なんですけど、僕以外のそういうことを言う人の
頭の中とか心理的な状態をちゃんと把握していないのか、
あるいはそういう人たちが何か誤解しているのかのどちらかだと思うんですよ。
でもちょっと皆さんに考えてもらいたいんですけど、
言いたいことを一人言で言えばいいんですよって僕が今今日言ってますけど、
そういうふうに言われたら何にも思わないんですかね。
何にも思わないんでしょうかね。
言いたいことが何もない
で、頭の中で何も思い浮かばないのか、
本当にブラックホールみたいにただ静かなのか。
それがね、ちょっと僕にはよくわからない。
例えば僕だったらね、こういうことがあるんじゃないかというふうに予想するんですけど、
もう一回言いますよ、言いたいことを一人言で言えばいいんですよというふうに誰かが言ったときに、
いや私言いたいこと何もないんですよという反応があるじゃないですか。
でもそれはもうそういうふうに思っているんですよ。
言いたいことが何もないって思っているんだからそれを言えばいいんですよ、
第二言語でね。
英語だったらI have nothing to sayとかI have nothing to talk about。
でももう何もないっていうだけだったらnothingだけでいいじゃないですか。
Nothing, nothing.
I have nothingでもいいしThere is nothing.
それだけでももう十分言いたいことを第二言語で言っていることになるわけですよね。
あるいはそんなこと言われても何を言えばいいかわからないんですよってそういう反応もあるかもしれない。
だったらそれを言えばいいんですよ。
I don't know.
それでわからないっていう意味になりますよね。
I don't know what to say.
何を言えばいいかわからない。
それが本当に言いたいことを言う練習なんだと思います。
あるいは人によっては第二言語習得とかそういうことをちゃんと勉強している人だったらもうそんなこと知ってますよ。
I know that thingとかね。
あるいは今日のトピックつまらないですねとかね。
It's not interesting.
Today's topic is not interesting.
それで今日のトピックはつまらないですねっていう意味にもなるし、
ただつまらないっていうだけだったらnot interesting。
それだけでもいいじゃないですか。
それで自分の言ったことを独り言で言っていることになります。
言いたいことを言う練習
あるいは僕に反論したい人というか僕が間違っているというふうに思ってもいいんですよ。
そういうときはyou are wrong.
あなたは間違っています。
you areが難しかったらただ単にwrongだけでもいいんですよ。
あるいは村上はバカだと思っている人だったらyou are stupid.
別にyou areが難しかったらただstupidだけでもいいんですよ。
それだけでもいい。そこが中心のメッセージですからね。
あるいは村上は何もわかっていないと思ったらyou don't understand.
you don't understand anything.
そういうふうにいろんなことを思うはずなんですよね。
僕が、繰り返しますけど、
僕が言いたいことを独り言で言えばいいんですよって言われたときに、
それがあなたの言いたいことなんです。
だからそれをそのまま第二言語、英語とかヒンディ語とか、
それで言ってみればいいんですよね。
それが言いたいことを言う練習なんですよね。
本当にこれもちょっと真次郎公文みたいで申し訳ないんですけど、
言いたいことを言う練習をしないと言いたいことが言えるようにはならないんですよ。
逆に言うとですね、言いたいことを言う練習をすると言いたいことが言えるようになるんですね。
もうこれ本当に当たり前すぎることだと僕は思うんですけど、
だけど言いたいことを言う練習をするという人が非常に少ないのがちょっと僕は残念に思っているし、
僕から見るとちょっとよくわからないところなんですね。
繰り返しますけど、もちろん対面で言いたいことを言う練習をすればもちろんいいですよ。
それはロールプレイとか、あるいはツイッターとかで自分の言いたいことを発信するということもいいと思いますが、
そうやってそういう状況がないとき、
例えばその通勤途中に一人で道を歩いているときとか、
そういうとき相手がいないときでも一人ごとで言いたいことを言う練習っていうのはできますよね。
いやでも言いたいことないんだよなって思ったんだったら文字通りそれを言えばいいんですよ。
I have nothing to say.
それだけでも第二言語で言いたいことを言う練習になっているんですね。
こういう練習をするとイメージとしては頭の中から口につながるパイプっていうのがあって、
それがどんどん太くなってくる感じなんですよ。
あるいは逆に言うと僕のヒンディ語のレベルはそんなに高くないので、
やっぱり日本語とか英語に比べるとそのパイプがすごい細い感じなんですよね。
頭の中に何か言いたいことはたくさんあるのにそれが口から出てこない。
そのパイプがすごい細くて言いたいことがうまく出てこない感じ。
だけど少なくとも他の言語で、
ヒンディ語よりは上手に話せる言語、日本語とか英語だったら僕はちょっとマシに言えるので、
その場合はそのパイプ、頭から口につながっているパイプがもっと広くて、
もっと自然に抵抗なく言葉が出てくるような感じなんですよね。
それが言いたいことを言う練習のために、
そのために言いたいことを言う練習が必要になってくるんだと思います。
こういうことをやるためには、
授業中にロールプレイとかそういう言いたいことを言わせる練習とかするのはとてもいいと思うんですけど、
でもそれだけではなくて、やっぱり教師自身がそれを自分でやってみる、
体験してみる、あるいは体感してみる、体で感じる、
そういう体験が必要だと僕は思っています。
今日は言いたいことを言う練習の例について話をしてみたんですけど、
今、リスナーの方がいらっしゃってますけど、
リスナーの皆さんはこういう言いたいことを一人ごとで言ってみる練習、
自分でやってみたいと思いますでしょうか。
もし思う人はハートのリアクション、あるいはサムズアップのリアクションをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
早速ハートのマークいただきましてありがとうございます。
それでは本日もムラスペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
もう一つハートいただきましてありがとうございます。
今日の言いたいことを言う練習の例というコンテンツにつきまして、
ご感想とかコメントとか、あるいは質問とかそういうものがありましたら、
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。