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2024-05-30 19:10

#8 トビムシ竹本さんが語る「活性化する地方に欠けがちなもの」

ミシマ社ラジオ第8回は初の社外ゲストとして株式会社トビムシの代表をされている竹本吉輝さんに来ていただきました。竹本さんは株式会社一冊の取締役でもあり、時代とともに変化していく本屋さんの役割や竹本さん自身の思いなどお聞きしました。
 
〈関連サイト〉
株式会社トビムシ

株式会社一冊

※AIによる文字起こしのため、一部文字表記に誤りが生じる場合があります

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ミシマ
みなさんこんにちはミシマ社ラジオです 本をあまり読まない人も本好きな人も思わずその本を読みたくなる
そんな時間をお送りします 出版社ミシマ社が運営する本との出会いがちょっとだけ広がるラジオです
こんにちはミシマ社の三島邦弘です アシスタントのフジモトです
今日はですねゲストをお迎えしておりますね 実は初めてのゲストじゃないですか
これまででゲストでゲストで来てもらってたのはミシマ社の社員さんばかりだったということであのミシマ社以外の方に来ていただくのは今回が実は初めてということなんですけれども
はいえーと今僕の横にいらっしゃるのが トビムシの竹本吉輝さんです
よろしくお願いしますよろしくお願いします 竹本さんはですねあの実はあの私
一冊!取引所というあのまあ株式会社一冊というまあ会社もやっておりまして そこの会社の取締役ではいあの
来ていただいていてまあ時々まあ顔合わせたりズームなんかで打ち合わせて まあその一冊!取引所のこの運営のこととか相談させてもらっているんですね
でまぁ一冊!取引所って何かっていうのはちょっとまた今日長くなって全部割愛したいと思うん ですけどはい
しかも竹本さんはトビムシという会社の代表でいらっしゃるわけなんですけども トビムシとは何か
これもぜひホームページ等々で調べていただければなと思うんですが 今日あの竹本さんとお話ししたかったのはですねたまたまあの先日
京都新聞見ていたら一面にですね「書店ゼロ 府内7自治体」というのが大きな見出しで出てハッとしたんですね
おやおや そうかと思ってでも一方で自治体の約26%があの無書店地域ですよっていうのは全国で
言われているんですけどもまあこの京都でもそうですよっていうことなんだろうなと思っ てまあ読んでいたらまあやっぱりそうだった
ただあの実はこういう時に僕はあの なんかこれを悲しいことというか日本の文化的危機なんじゃないっていう文脈でやっぱ
ミシマ
語られることが多いと思うんですけども 僕たちこうやっている一冊!取引所日々見ているとあの実際はそんなに悲観しなくても
いいんじゃないかっていうちょっと実感が実はありまして まあその実例一つ申し上げるんですけども
あの一冊!取引所に加盟してくれている書店さん約1600店あるんですけれども そのうち約半数の800がですね
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ミシマ
取次というあの書店と出版社をつなぐこの卸しの会社 取次の口座を持ってないのがもうすでに800
一冊!取引所に加入していってその先の京都新聞のこの無書店地域と言われている ところもあのちゃんとこの本文に書かれてるんですけどただし
取次と口座を持っている書店を指しますと 取次とはの口座を持っていない
まあその 独立系書店と言われるものであったりとかブック&カフェなんか除きますよって書いて
あるんですね 逆に言うとあの今そういうこう書店っていう定義から外れてしまう書店があの今
一冊!取引所に800加盟してくださって50% これはもう多分年内に1000は超えるだろうなというふうに思っているんですが
かなりの可能性というか希望じゃないかなというふうに思っているんですがこの まあ本当に竹本さんにまあこの一冊!取引所手伝っていただいているのでもこの
地方の地方創生っていう風な言い方まあよくされますけども本当のこう血の通った そういう地方や地域が活力出てくるこのやり方みたいなことをまあ本気でやっていらっしゃるのが
竹本さんでまあもう竹本さんを置いて把握している方あの いないんじゃないかっていうぐらいに僕は思っておりません
タケモト
先のニュースどうお感じになりました そうですねもう本当に地方絡みの話って何が 何十パーセントな割減ったみたいな話ばっかりじゃないですか
だからそれは多分人口の話だったり 人口の中でも子どもの14歳以下とかあるいは生産労働人口がみたいな話なんですよねはい
で僕らがかかっている地域ってあの すいません今日はのトビムシが何なのかを大幅に割愛しているので何を言ってるのかって
がありますけど少なくとも日本の多くの地域でいろんな事業をしている会社だ ぐらい持ってもらえばいいんですけど
僕らがかかっている地域って高齢化はもう終わっていて なるほどあの
少子化はどんどん進んでいるという状況なんですよね 高齢化の話と高子少齢化少子化っていうのは並べてカップリングしているようですけど
それは間違いで高齢者はどんどん今人数 当たり前ですけど自然減するなくなられるので普通にどんどん減っているということで
なんですけど若い夫婦がいないあるいは若い夫婦がいないのでお子さんがいないっていう 状況が続いているので結果的に高齢者は減っているけど高齢者の割合は変わらない
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タケモト
っていう感じなんですよ 高齢化社会っていうのは高齢者の割合が高まっていっていることを言うので
なんですけどもう高齢者の予備軍である団塊の世代以下 私今52歳なんですけど私ぐらいの年齢もかなり減っているので高齢者になりうる人間が減っているので
ミシマ
高齢化はもう止まっているんですね 絶対人数が減っていってるわけです
タケモト
そうですで若い世代が減っているのと高齢者も普通になくなっているので高齢化率は高まってない
でこれは常に地方に行くと高齢者しかいないみたいなネガティブな表現で一発で解消され ちゃうんですけど
我々からすると医療保険制度とかそういう社会福祉でかかるお金が言うとどんどんこれから減っていくんですね
これ都市ってどんどん高齢化が進んでいるので都市部っていうのはどんどん社会保障関連費用っていうのは各自治体のきなみ増えていってくるんですけど
地方はそれがどんどん減っているという状態があるということ それからそういう意味では高齢者の絶対数が減っているので若い人が増えたらいきなり高齢化は止まったどころか
若い人の人数のが多いという状況も作りやすいんですよ これだから先ほどミシマさんがおっしゃってたネガティブな数字っていうのは
どういう視点に立つかによって大きく変わって 地方はどんどん大変な状況にあるっていうふうに数字を編集すれば
その数字の宝庫なのでいくらでもそういうふうに編集は可能なんですけど 一方でここをチャンスと見るとかあるいはもっと動的並行じゃないですけど
バランスの取れた社会構造に変えていくっていうふうな視点で見ると 都市部のようにどんどん高齢化が進んでいるところよりも
はるかに軟着陸しやすい状況にあるっていうことなんですよね
先ほどの本屋さんの状況みたいな話っていうのは ほぼ同じような構造にあって
戦後日本社会っていうものは こういう方向に進んでいくんだっていう中の一つに
出版と取次が入って 各全国各地の本屋さんに
等しく同じような本のラインナップが並ぶような 世界に冠たる仕組みがこうやってできてきて維持されているわけですけど
もうこれだけソーシャルメディアも含めて さまざまな形でコミュニケーションあるいは情報が入手できるような社会構造に変わってきた段階で
とりあえず日本中くまなく本という形で 均等に知恵とか知見みたいなものが
等しく届くという仕組みの必要性が 役割が終わってきていて
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タケモト
一方で本屋さんが持っていた機能といいますか
サードプレスって言うと ちょっと浅はかな言い方になっちゃいますけど
なんとなくフラッと寄りたいとか そこでどんなものが今 社会で動いてるんだろうかっていうことを
そこに来てる人たちで情報交換をしたりとか あるいはそこがもう何だったら居心地がいいんで
お茶が出る コーヒーが飲めるみたいな話だったりとかっていう機能は 地方にはまだまだ必要なので
すでにある本屋さんがなくなった分 そういう多機能で
本来もう少しソフト面でさまざまなものを担っていた場面に
地域の本屋さんが変わり得るタイミングなのではないかと そういうふうにも見えるわけですよね
ミシマ
今 かなり重要な指摘ですね
だからまず役割が終わったっておっしゃったのって 結構大きなポイントかなと思いますね
どうしても衰退していってる 何とかしないと この衰退の速度を止めろ
もしくは復活 どうしたらいいのっていう
タケモト
昨年比何パーセント減みたいなやつですよね
ミシマ
そういうふうになりがちなんですけども
タケモト
でも全国 均一化 平均化した文化を届けるっていう そういう役割は終わったと
ミシマ
だけど 一方で もっとずっと地域を見てらっしゃる竹本さんからすると
この本屋っていう場にしかできない 文化的活動であったりとか コミュニティとしての流れ
ミシマ社ではそれを共有地っていうふうに
タケモト
なるほど 共有地 まさに共有地ですね
ミシマ
『ちゃぶ台』でも「書店 再び共有地」っていう特集を 毎回コーナーを設けているんですけども
共有地としての書店っていうのは それぞれの そこにいる人や文化や
あとフードとか そういうものに応じて 求められてるものがだいぶ違ったりしてるんですよね
だけど 書店っていう場があることで 初めてハブになっていったりとか
全然違うつながりが生まれたりとか
あと やっぱり本って 記憶の装置だともは思うんですけども
そういうものがそこの土地にあるっていうことで
単に消費だけで関係性ができてくるのではなく
ずっとそこにいる人たちの記憶とか 気持ちとか
そういうものをちょっとポンと受け止めてくれる場所みたいな
結構 数値化できない機能がすごい 本屋さんにあるなと僕は思ってるんですけども
そういう役割はどんどん高まっていくだろうという
タケモト
相対的に既存の本屋さんが 先ほどミシマさんがおっしゃったように
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タケモト
文化とか地みたいなものを一定程度 均一に届ける場だったものが
それ以外の部分っていうのは 逆に担ってこなかったところもあって
その部分 届けるというところが 役割を負えただけで
他の部分で必要とされるような機能は 今後もあり続けなきゃいけない
なのに本屋自体は 先ほどの新聞記事じゃないですけど
取次店経由で本を卸して販売している いわゆる書店は
どんどんなくなってるっていうことですから
そこに空いたエアポケットじゃないですけど 機能を代替できる素敵な
いわゆる今だと独立系の本屋さんが増えてくる っていうのは必然なんだと思うんですよね
だから そこを本当にどうやって可視化して この地域がどんなに素敵で
あるいは その地域の素敵な人たちと つなげる本屋さんとして
ここが機能を果たしているんだっていうことが 伝わることによって
その地域の人たちが充足感ある暮らしを 続けられるっていう
その本屋さんのおかげで そういうものを得られる っていうのもあると思いますけど
その周辺に住んでる人とか あるいは都市部に住んでるけども
ああいう本屋さんがあるんだったら 行ってみたいなっていう人たちも
つなげられるので 今であれば 本屋さんが目的地化するっていうことは
十分あり得ると思いますから
いろんな意味での地方創生とか 関係人口の喪失とか これまた
そう言うから ちょっと浅はかに聞こえるんですけど
本質的なところでは変わらない機能を ちゃんと果たせる本屋さんが
今後 むしろ増えてくるっていう その前夜なんじゃないかっていう気は
先ほどのデータを聞いてても つくづく思いますね
ミシマ
ほんとそうですね なるほどと 今 深くうなづきながら聞いてらっしゃる方
多いと思います その中にトビムシのこと よく知ってる方もいらっしゃると思うんですが
一方で そうであればあるほど なぜ竹本さん こんなに本屋さんについて
扱われるのか 疑問に思われた方も いると思うんですけども
この本屋さんへの思い 個人的思い ぜひ聞かせてください
タケモト
個人的にっていうと ずっと本に囲まれて暮らし その本っていうのも
全て自己調達してきて 自己調達っていうのも これまた目的 意思を持って
その本を買いに本屋に行くのではなく 本屋に行くことで出会った本を手にするっていうことの
ハップンスタンスの繰り返しが 僕の人生なので 言ってしまうと
本屋的なるものがない空間っていうのは もう僕の生活空間ではありえないことがあるんですよね
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タケモト
だから 今回と言いますか 株式会社一冊にお声掛けいただいたときも
ミシマさんもよく覚えてると思いますけど 私はもう二つ返事で
本屋さんとか本文化とか本の流通を みたいなことに関われる こんなオポチュニティをいただいて
もう なんていうんだ もう拒否する話が あるであろうかっていう感覚だったんですよね
一方で 先ほど地方の実情っていうことを 話してましたけども
我々が関わらせてもらってる地方で どんどん活気を取り戻したりとか
新しいことが始まっていたりとか 移住者が増えてきているっていうところがあって
そうすると必ずカフェみたいなものが できるんですよ これはもう必然だと思います
僕が唯一とは言わないけど いつも足りてないなと思ってるのが 実は本屋さんで
その本屋さんっていうのが なぜ本屋さんとして取次を介して
作りにくいものだったのかっていうのは ただの本屋継ぎだったので
その構造は知らなかったわけですけれども いろいろその構造を知る中で
今は一冊!取引所を含めて さまざまな形で 専業本屋さんではない本屋さんとか
あるいは取次を介して 一定のラインナップで届ける本屋さんではない
まさに自分の好きな本を並べる セレクトショップ的本屋さんとか
そういうものが作れる時代背景があって テクノロジーがあってみたいなことが
いよいよ整ってきたんだなと思って
そうすると 僕は唯一地域でやはり 充足されてなかった素敵な本屋さんも
少しずつ活気を取り戻したり 新しいものを生み出している地域に
必ずできてくるんじゃないかっていうのが 確信なのか願望なのか
もはやわからないんですけど 思ってますね
ミシマ
それが一冊!取引所で 今一緒に実現しつつあるという段階で
本当に竹本さんのお話 どうですか 初めて聞かれてると思うんですけど
フジモト
いやいや 本当 ネガティブな数字が見方で 変わるっていう話が
そっかと思って聞いてました
ミシマ
そうなんですよ
タケモト
そうなんですよ
ミシマ
ちょっとこの話 ずっと聞いてたいんですけれども
北海道から竹本さん ちょっと来てくださってるんで
今日はこの辺りで またじっくりとお話伺えるところを
18:03
ミシマ
ぜひ楽しみにしております
タケモト
ミシマさんのおっしゃる 本の地産地消っていうことですね
どうやって構造的にも 現場のビジネス的にも
可能であるかどころか ブルーオーシャンなんじゃないかっていうことも含めて
ミシマ
また ちゃんと深掘りできたら幸いです
ちょっとその構想 さっき30分ぐらい前 立ち上げたところなんですけども その話もね
実は一冊!取引所の取り締まり役というのは 竹本さんと
あと このラジオを支えてくださってる 近藤淳也さんも
タケモト
笑うとこじゃないんですけどね 近藤さん聴いてますか
ミシマ
はい この3人で役員は動かしておりまして
また 近藤さんも交えてお話させてもらう機会もあったらな
なんていうふうに思っております
竹本さん 北海道から ありがとうございました
タケモト
はい ありがとうございました
ミシマ
また楽しみにしています
では この辺でミシマ社ラジオ 今回終わりたいと思います
皆さん ありがとうございました
フジモト
ありがとうございました
19:10

コメント

ありがとうございます。近藤さんとも(本だけでなくラジオについても)対話したいですね

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