1. 『まず、ちゃんと聴く。』ラジオ
  2. vol.24 二村ヒトシさん(後編..
2025-02-12 39:49

vol.24 二村ヒトシさん(後編)性欲と、聴きたい/聴かれたいのつながり

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後編は、モテと聴くについての櫻井さんの仮説から始まります。「性欲として出てくるような自分の欲求とか欲望みたいな(二村さんの)お話と、聴いてもらいたいとか聴きたいっていう欲求って、僕は結構近いところにあるんじゃないかなと思っていまして」。

そこからモテたい欲求とキャリア自律との関係、さらには山田さんが翻訳した「ソース原理」において、なぜお金と人との関係が徹底的に見つめ直されているのか、なぜロリコンはいけないのかーー縦横無尽に、でも何か一つ確実に共通する太い背骨を感じるトークをお楽しみください。

 

■プロフィール

二村ヒトシ(にむら・ひとし)

1964年、六本木生まれ。文筆家、AV監督。ソフト・オン・デマンド社顧問。慶應義塾幼稚舎卒、慶應大学文学部中退。97年にアダルトビデオ監督としてデビュー。AV産業の適正化を考える会・発起人。著書『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』『すべてはモテるためである』『あなたの恋がでてくる映画』、共著に『欲望会議』『日本人はもうセックスしなくなるかもしれない』ほか多数。「キネマ旬報」で月間星取表、「映画.com」でコラム連載中。コロナ禍にオンライン哲学対話にハマり500回以上参加や主催をする。直近のイベントはX アカウント @nimurahitoshi へ 

■コテンラジオ(全3回)

【番外編 #58】[PG-18]「社会には愛しかない」AV監督・二村ヒトシさんに聞く人類を幸せにする為のセックス(前編)【COTEN RADIO】


 

サマリー

このエピソードでは、二村ヒトシさん、櫻井さん、山田さんが対話を通じて「聴く」ことの重要性や人間の欲求について深く掘り下げます。特に、性欲や寂しさの関係について考察し、オープンダイアローグの手法が心のケアにどのように寄与するかについて語ります。また、キャリア自律と心理的な欲望の分析についても議論されます。二村さんは自己理解の重要性や人間関係の複雑さ、特に結婚や仕事といったプライベートな側面への影響を解説します。さらに、二村さんは人間の多面性や欲望について深く考察し、恥ずかしさや金銭の流通、セックスの成熟についての見解を示します。社会の中での役割やコミュニケーションの重要性を強調し、自分の本当の欲望に気づくことの大切さについても語ります。最後に、二村さんは性に関するワークショップと著書について触れ、参加者が自分を理解する手助けをする重要性を強調しています。

聴くことの重要性
こんにちは、エールの山田です。この番組は、エール代表の櫻井さんの書籍、『まず、ちゃんと聴く。』の内容を中心に、聴くや伝えるについてざっくばらんに対話しながら深めていこうというポッドキャストです。
前回に引き続きまして、二村さんをゲストにお迎えして、櫻井さんと山田の3人でお送りしたいと思います。では、二村さん、櫻井さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。お願いします。前半、僕ら聴き切って、もうひたすら聴いていたかったですけれども、
続きも聴きたいところなんですが、後半戦はちょっと櫻井さんが聞きたい問いをど真ん中に置きながら、いったい話を始めるといいかなと思ったので、ぜひ櫻井さんから聞きたいことを。
僕、一番今、二村さんとお話ししたいなと思っているのは、
僕たちエールっていうところに関わる人たちって、聴きたいっていう気持ちとか、
誰かに自分の話を聴いてもらいたい、聴いて欲しいという気持ちというのか、欲求というのかわかんないんですけど、が、
すごく強い人たちが集まってるんです。で、二村さんがおっしゃってた、性欲として出てくるような自分の欲求とか欲望
みたいな話と、この聴いてもらいたいとか聴きたいっていう欲求って、僕は結構近いところにあるんじゃないかなっていう感じを持っていて、
この辺の話をしたいなと。で、何を言ってるかというとですね、先ほどの親との関係っていうところで言うと、
僕自身がこの事業にこんだけ熱を入れられるのはですね、やっぱり母親に甘えられなかったからっていうのが前提にあるんですよ。
で、それは甘えられなかったということの違う表現として、健全に甘えられる場所をいろんな人にあったらいいなっていうのが聴いてもらうっていう時間として、
それも第三者に安全な場所で自分が話せる場所があったらいいなっていうことを思ってこの事業をやっているというところは、
なんか自分の、自分自身の性欲的な自分自身の欲望とかともすごく重なるところがあって、
なんかその辺で近いところにあるんじゃないかなっていう風に仮説を持ちながら二村さんのお話を聴いてたんですけど、
なんかこんな話からちょっと入れるといいなと思ってます。
いやもうお話を交わせば交わすほどね、あの本当に櫻井さんがやっておられることと僕がやりたいことはあの土俵は違い、土俵っていうかな、あの場所は違えど興行場所は違えど本当に同じことをやってんだなというね、思いがします。
オープンダイアローグの手法
ちょっとこれね、先に言っておかないと忘れちゃうんで、結論めいたことを
最初に置いておきますと、えっと僕ね本当にその僕もそれを心がけてるんで、
エールさんの事業としても今エールさんのやられていることって本当にそのある立派な会社の中で1on1っていうものとか聴くっていうことを根付かせるっていうことをやられていると思うんですけど、
あの対話の方法ってまああの皆さんよくご存知だと思う、思いますけど、聞いたことぐらいはあると思いますけど、今オープンダイアローグっていう精神医療の世界では流行っていて、
僕がそのやってる性の哲学対話、恋愛の哲学対話っていうのはまあ一旦哲学にする、つまりあの櫻井さんの本では
そうじゃない方がいいよって言われてた、「なぜ」私はこういう恋愛をしてしまうのかっていうことを一旦
みんなで取り上げて、つまり自分からその「なぜ」を切り離すわけなんですよね。哲学になぜ人間は例えば浮気をしてしまうのかとか、あるいはなぜ浮気をされると悔しいのか、それは自分の尊厳が脅かされるからだみたいなことは
やっぱり哲学は「なぜ」っていうこと扱うわけだ。本の感想にもなってくるんですけど前回も言いましたけど、「なぜ」ではなくて「なに」から入る
「なに」に問いをシフトしていくことによってその人の心に寄り添うって言い方も甘い言葉なんですけど、
視点を同じにするって言いましたっけね、その人の隣に立ってその人が見てる景色を見るようになるっていうこと、僕ここに
非常に感銘を受けまして、やっぱりオープンダイアローグっていう対話のやり方だと、これあの
大きな哲学的な性の問いではなくて、その人個人が持ってる苦しみにフォーカスしていくんですね。その時にやっぱり「なぜ」の問いはダメだって言われてるんですよ
哲学対話では「なぜ」の問いを増やしていくことでどんどん心が軽くなっていくんですけど、それに答えを出さないで考え続けることでむしろ心が軽くなっていくんですけど、オープンダイアローグでは誰かの話を聞く時に「なぜ」ではなくて「なに」があなたにそうさせたか
僕これ早速ね、櫻井さんの本に書かれてたことを応用してるんですけど、マジで、やっぱり誰かの問題に寄り添う時に「なぜ」は禁句ですね。「なに」があなたをそうさせたか。これはまたこの話もすると長くなるんですけど、とりあえず最初に言いたかった結論を言うと、ぜひ今後ビジネスの場でね、そのオープンダイアローグ的なコーチングっていうのが
広まっていくというか一つの手法としてあるとね、いいなと思うんですよね。1on1でなきゃわからない、それによってもちろん上司と部下が仲良くなるみたいなことはあるんですけど
1on1って、精神分析の世界では非常に危険だと言われてて。だから今、カウンセリングが一対一である、危険なんですよね。前回もちょろっと触れましたけど、AV監督がAV女優さんの心の穴に、撮影の前にあんまり入っていきすぎるのも実は危険だっていう。今のポリティカルコレクトネス的に危険なんですよ、確かにね。
人間の心っていうのがすごく脆くなっている部分がある。そうすると、みんなで誰か一人の話を、だがその人を否定しないで、その話を当事者に聴かせる。聴かせるんだけどもお互い傷つけ合わないっていう安全性を持った上で、「なぜ」を問わない。
あなたも一緒に、あなたが何、あなたにそれをさせたのは何かっていう。今、哲学の方の流行りの言葉で言うと中動態っていうらしいんですけど、これも詳しく説明すると、もうそれで5分10分かかってしまうんで、皆さん興味があったらググってください。
おググりください。中動態って、受動でも能動でもなく、中の動く態と書いて、動詞の作り方があるんですよね。それでいった方が安全だっていうのがあって、今の櫻井さんの問いに答えずに先に結論言っちゃったんですけど、言っておかないと忘れるから。
オープンダイアログ的な、みんなで話して、そして問題解決に向かわない。問題解決には向かわないんだけど、なぜかその人の在り方を受容していくっていう、会話の在り方っていうのを、ぜひ研究対象にしていただきたいなと思いました。
人間の欲求と寂しさ
ここからがお話への一つの答えなんですけど、性欲、コテンラジオの話に戻るとね、コテンラジオで僕はやっぱり多くの人に聞いてもらいたい、インパクトを残したかったんで、性欲は人間の三大欲求じゃないよっていう、非常に決めつけのね、みんなが常識だと思っていることを疑うっていうところから始まったんですけど、
そもそも三大欲求っていうのがそれを言うんだったら、寝たい、食べたい、栄養を取りたい、休息を取りたいっていう、個体の維持のための、これは身体の欲求ですよね。
それと同じレベルで言うならば、女性によっては子どもを産みたくないっていう人もいるわけだし、現代の社会だからなのかどうなのかわからないですけど、男性であれば射精をしたいっていう、これは確かに身体レベルの欲求性欲に、そのレベルでは近いものなのかもしれないんだけど、
でも今の人たちが議論するときに言っている性欲ってそれじゃないですよね。死なないですもんね。そうなんです。やらなくても死なない。だからそこには、もっと言っちゃうと、動物はもしかしたら妊娠したい、射精したいっていう欲望的なものがあるかもしれないけど、本能にインストールされているかもしれないけど、
人間が言っている恋人がいないと寂しいみたいなのは全然違う話をしているんですよね。仕事が終わって疲れたから今日は風俗に行きたいみたいな、また女性にお聞き苦しいことを言いましたけど、思っている男性多いと思う、少なくはないと思うんですよ。
でもそれって、やっぱり生理的欲求ではないんですよね。だから僕はそこには寂しさっていうものが必ずあって、人間は基本的に寂しい存在である。それは男も女もそうであると。ちょっと詳しくはコテンラジオを聞いていただきたいんですけど、
櫻井さんが僕に聞いてくださったのは、話したい、伝えたいとか聞いてほしい、あるいは人の話を聞きたいっていうのはそれに近いんじゃないかっていうことで、性欲っていうものを僕は再定義しようとしてるんですけど、
本当におっしゃる通りで、寂しさって言葉はちょっとネガティブな言葉ですけど、そこに関係があると思います。動物は同時にたまたま発情した異性とうまい具合にセックスするじゃないですか。人間がそれをやると危険ですよね。
やっぱり自分のことを肯定してくれている人とでないと、女性の方がその気持ちは強いと思いますけど、恋愛やセックスをしたくない。当たり前のことだと思うし、男だって本当はそうだと思うんですよ。そこをあんまり考えないで、男、つまり男性の方がもしかしたら社会的に歪になっているのかもしれないんだけど、ある種の男性はそこの性欲じゃなくて本当は寂しさなんだっていうところを、
一旦遮断してね、そこをわざと乖離させて、ナンパからセックスに持ち込もうとしたり、これもあれですけどね、昨今話題になるものすごく有名な方のやらかし事件みたいなのあるじゃないですか。あれ、性欲じゃないですよね、どう考えても。
噂されていることが本当だとして、性欲じゃないんだよな。だから、もうちょっとね、人間は、これは性欲や恋愛だけではなくて、あるいは結婚したいとかいう社会的な欲望だけじゃなくても、すべての欲望、ビジネスで、例えば金持ちになりたいとか社長になりたいとかね、あるいは上司に褒められたい、これを成功させたいみたいな。
これ全部ね、ちょっと因数分解したほうがいいですよね。自分は何で形成されているのか。だからそこから、櫻井さんが本の中でおっしゃっている、自律する、自分を知るっていうことだと思うんですけど、それをするためにやっぱり、聴かれたいんじゃ。だからね、僕ね、自分の正体を知りたいんだと思いますよ、みんな、人間は。
自分の正体を知るっていうことが恋愛なんだと僕は思ってます。
なぜモテたいかとキャリア自律と「嘘をつかなくていい状態」
いやね、二村さんの本を改めて、この前、このラジオの収録の前に読んだ、「すべてはモテるためである」って本を読ませていただいて、一番最初に書いてあるのが、あなたはなぜモテたいのか。どんなふうにモテたいのかっていうふうに書いてあって、
なんかその、その自己理解ができてないと、結局相手との関係をどうしたいのかが、後々わからなくて困るんだっていうふうに書いてあって、ここで書かれていること、僕らが今サービスやってる「キャリトレ」って、自分のキャリアについて考えようっていうことでやってるサービスと全く同じことやってるなって書かれてるなっていうふうに思ってて、
なんかキャリア自律しろって言われて、キャリア自律するのはいいんだけど、なんで自律するんだっけとか、どんなふうになっていることが自分にとっての自律なんだっけっていうことの、自分自身のそこの理解なしに、なんか自分を生きるって結構難しいよなみたいなことを、すごいあの本を読みながら同じことを言ってる気がするみたいなことを思ってました。
あのー、なんで人を好きになるんですかって女性に聞いたりね、男性になんでセックスしたいんですかって聞いて、いやそれ本能でしょうとか当たり前でしょうみたいにキョトンとされるんだけど、だからお前はうまくやれないんです。
婚活とか本当にそうで、結婚できないのは自分の欲望が分析できてないからですよね。仕事はすごいうまくできるんだけど、プライベートが充実してなくて、収入は高いんだけど結婚できない男性いっぱいいると思うんですけど、で女性にもいますよね、女性は逆にモテない人ではなくてモテる人の方が結婚できないみたいなことがある。
どちらも本当に、自己分析、自己理解? つまり欲望の因数分解が、そもそもしようという発想がない。なぜなら男性社会においてはたくさんセックスしてる人の方が偉いみたいなふうに無意識に思っちゃってるけど、でもそれはやっぱり心の穴ですよね、そういうふうに思わされてる。
女性も、キャリアと夫婦生活と子育て、しかもセックスレスにはなりたくないみたいなものすごくたくさんのことを言ってますけど、それの中の、ちゃんとした婚活カウンセラーだったら優先順位をつけてくださいみたいな、やり方だと思うんですけど、
優先順位つけてもしょうがないんですよね、だってそれぞれやりたいのがその人の心の穴。どこからそれが生じているのか。
今先ほど櫻井さんがね、ご自分の心の穴についてご自分の根本動機について自己開示してくださったの非常に感動的なわけですけど、それをやっぱり櫻井さんはわかっておられるわけですよね。わかっていればそこからブレない。つまり人から、でもみんなそうなわけですよ。あらゆる人間がやっぱり親との関係を恋愛や仕事でやり直してますよね。そうじゃない人見たことないですよ。
親との関係ってのは別に親が問題あったとか、いやそんなことはない。そういう話ではなくて、100%適切な親っていうのはいないですよね。親自身が人間だから何か歪な愛し方を子どもに対してしていて、そうするとその子どもは叶えられる欲求と叶えられなかった欲求がある。
で、人間の心というのは、あるいは欲望というのは、子どもの頃に叶えられなかった 欲求から生じていくというのはもう、どう考えてもそうでしょう。
まさにエールがやってることって、先ほど言った仕事もしたい、家庭も持ちたい、結婚もしたい、子どもも産みたいという気持ちをそれぞれ因数分解していったら、実はこれ一つから来ていたっていうことも結構あるじゃないですか。
この分解をしていくということをビジネスにしているわけなんですけど、でもビジネスになりづらくてやっぱりそれって。
これをどうビジネスにするのかって、二村さんがやられていることと、わかりやすい男性の即物的な欲求っぽいものがうまくビジネスになっている。
この本質的なこととビジネスが重なっているのってどうやってやるんですか、みたいな話も1個聞きたいんですけど、それいっちゃうとちょっとあれしそうなので、1個ちょっと脇に置いておいて、それはまた裏でお話とかさせてもらうとして。
もう1個聞いていいですか? 今の話につながるんですけど、セックスの時は嘘をつかなくていい状態でいられる、その自分でいられることが幸せであるっていうふうなことのようなことをおっしゃってた理解を僕はしています。
人間って生きてると、ここでこのラジオの収録をしている自分も嘘がない自分だし、でもそういう場面で自分の欲望が出る自分も嘘がない自分だしって、嘘がない自分っていうのが結構複数出てるんだと思うんですね。
なんならこの会社の中では仮面をかぶって生きるということ自体も、もうそれ選択していればそれもそれで嘘でないような感じもしていて、
二村さんがその時におっしゃってた嘘をつかなくていい状態っていうものって何を言ってらっしゃるのかな。
僕たちのサービスで言うと、多分非日常なんですよ、エールっていうサービス自体が。
日常の世界から切り離された場所だからこそ出せる自分っていうものを扱っていることもあって、
この嘘のつかない状態でいるっていう状態をどういうものと捉えていて、
それを引き出すっていうことってどういうことなんだろうみたいなところにちょっと興味があって、お伺いしてみたいんですけど。
ちょっと適切な答えになるかどうかわからない。今お話を伺っている僕自身もね、すごく考えましたね。
つまりね、だからこれは初めていうことなんですけど、多分一つにあるのは嘘をついている人は苦しそうなんですよ。
苦しい。嘘って言うと、論理的に考えると嘘に対比するものとして本当っていうことが出てきますけれども、
おそらく櫻井さんが今おっしゃったことはそういうことだと思うんですけど、本当なんてないですよね。
本当の自分を考え始めるとえらいことになる。
それはもう、いわゆる自分探しみたいな文脈でも、哲学の世界でも、本当なんてないと。
一人一人の他者と向かい合って、嘘をついていない自分であり、それを総合した完全に本当の自分なんていうものは、
そもそも自分の心っていうのが、さっきも言いましたけど、傷つきから生じているあるいは親との関係から生じて、
そこにいろんな成功体験や失敗体験、成長だったり学習だったりが積み重なって心ができている。
そもそも本当の自分なんてものはないんですよね。
あるとしたら、ユングとかが言いますけど、ちょっとオカルトっぽくなりますけど、集団的無意識。
つまり、みんなにとって幸せな一つの倫理みたいなものは、
人類みんなの心かもしれないけど、でもそれもね、ある共同体の中の心みたいなものであって、
個人の本当なんていうことを言い出したら、まあまあ辛い、ますます辛くなりますよね。
本当の俺は何なんだとか、私が本当にやりたいことは何なんだって言い出したら。
だけどさっき言ったように、自分というものが他者との、その時目の前にいる大切な人との関係によって、
その時その時で生まれるものであるならばですよ。
嘘をつかないことによって苦しくなることは避けられるし、
あとある人と本当の自分ができた、別の人とあるいは会社の中で本当の自分ができた、
その2つが矛盾するっていうことがありますよね。
これみんなあると思うんですけど、そこはね、矛盾を生ききるしかないと思うんですよ、人間は。
多面性を生きるしかない、だから櫻井さんの本に書いてあった言葉で言うならば、
多面性を生きるしかないですよね。
で、その多面性がそれぞれを、どっちも自分なわけですから、それを攻撃しないようにする。
攻撃するんですよね、人間って自分を。
ある自分がAの、Aと他者との間に生成された自分がBという他者なり共同体なりで、
ちゃんとやらなきゃいけない自分のことを。
そんな自分、だから罪悪感とか劣等感ってそうやって生じてくるんだと思うんですけど。
答えになってますでしょうか。
ソース原理とつながる現代のタブー、お金と性
いや、もう脳がめちゃくちゃ刺激されてます。
山田さんここまで聞いててなんか、中動態から始まり。
一個だけ違う話題提供を、今日最後話させていただくと、
ソース原理という、人の創造的な活動は必ず一人創造の主がいるみたいなことの本の翻訳をしたことがあるんですけど、
その提唱者が人の創造性を濁らせるのは、その人の中にある恐れであるみたいなことを言っているんですね。
で、それは心の穴ってお話とまさになんですけど、
その提唱者がなんでそこに気づいたかというと、
人とお金の関係を徹底して見つめていった結果、そこに気づいているんですね。
その提唱者のピーター・カーニックという70代くらいの方と話しているときに、
人が、特に今の世界、タブーとして語るのがすごくはばかられるのがお金と性であるって話をされているんですね。
やっぱりどちらも、抑圧している何かというものが出せていない。
で、そのソース原理というものの提唱者からすると、不安がある。
二村さんの言葉で言えば、心の穴がある部分を埋めたいというその欲を裏返してお金に投影する。
お金ってやっぱり鏡なので、そこに人はいないので、
その道具に見せることによって埋めようとするのがお金に表れるんだって言い方をされているんですよね。
っていうのは、違うアプローチなんですけど、すごい同じことをおっしゃってるんだなっていうのが、
その穴というか、見えない部分を頑張って何かで満たそうとするっていうのは、
同じ構図だなぁというのだけで、ちょっといろいろ伺いたかったんですが、
一旦話題としては出してみたいなって思いました。
いやー、これ話したいな。たぶん、あと10分以上かかっちゃうんですけど、
簡単になるかな。
簡単に言うと、文化人類学では、農業が人間が発明して、
つまり資本主義ができてからですよね。
そこからやっぱり、1万年くらい前だと言われてますけど、
我々の心っていうものがこういう形になったんだって言われてますよね。
つまり嫉妬が生まれたり、そもそもモテ非モテがあるのは、
本来の性的な魅力ではなくて、
それ以外の、あの人と一緒に子供を産めば自分の産んだ子供は
飢えないだろう、みたいなのは、完全に農業のせいですよね。
ある資本家っていうものが生まれたから、
今のモテ非モテってものができた。
だけど、お金が生まれたからであり、
だからお金は恥ずかしいんですけど、お金の話をするのは。
その前に、やっぱり今の我々が考える動物の性とは違う、
人間の性欲、欲望、性っていうより欲望ですよね。
それがおそらく、農業が生まれる前に生まれていて、
だから二段重ねで人間はどんどん恥ずかしくなり、
傷つきやすくなってるんじゃないですか。
だから農業が生まれ、
性の概念がただの生殖じゃなくなった時から、
やっぱり人間は恥ずかしい。
で、それをもう無しにするわけにいかないですから。
ヒッピー文化みたいな、もう裸で暮らしてお金がない世界。
あるいは共産主義でもいいんですけど、やっぱり無理じゃないですか。
なかなか無理。
そうすると、その恥ずかしさとかによって生じる、さっきの話を戻すならば、
自分の多面性、矛盾する欲望みたいなものを、
うまく自分に嘘をつかない、人を傷つけないように、
うまくそこを巧みに乗りこなしていくしかないですよね。
で、その恥ずかしさとか、
恥ずかしさによって抑圧された、
金が欲しいとか、たくさん女を抱きたいとか、男性ならね、
女性であればいい男にモテたい、いい男から評価されたい、
みたいなことをやってると、
本当に自分の子どもの頃の、本当に叶えたい欲望が、
つまり櫻井さんで言うならば、櫻井さんだけじゃないと思うんだけど、
優しくされたいだったり、大切にされたい。
ある人から、自分が愛した人から大切にされたいっていう、
そこがビジネスでも聴くことが大事っていう話に直結する。
当たり前だと思うんですけど、そこに気がつかないと、
権力を得た人は、権力によって女を抱こうとし始めると、
しくじりに結びつきますよね、今の世の中ね。
だからやっぱり、これから金持ちになりたいと思っている人も、
もうすでに金持ちになってしまって、失却が怖い人も、
やっぱり欲望の因数分解をするべきなんじゃないですか。
なんでこれやってるのか。
子ども、一つだけすいません。長くてすいません。
僕が好きな橋本治っていう作家がね、
この人はゲイなんですけど、もう亡くなっちゃいましたけど、
非常にもう、第1回小林秀雄賞とか取った人なんですけど、
彼が、セックスって要するに子どもに返ることだと言ってるんですよね。
彼はゲイではあるし、あらゆる変態を肯定してますけど、
それは僕もそうなんです。僕は全く彼に影響を受けてるんですけど、彼の思想にね。
ただ、やっぱり、いわゆるロリコンはダメだと。
なぜ、ロリコンがやばいのか
なんでかって、普通だと、それは相手の同意が取れないからだっていう。
だから、ロリコンとレイプはもちろんダメだ。
っていうのは普通の考え方ですけど、橋本さんの言い方をすると、
やっぱり、年下の、極端に年下のもの、
あるいは性が成熟してないものに対して性欲を持つのは卑怯だって言うんですよね。
なぜなら、人間は成熟してしまって、セックスができるようになってしまったけど、
やっぱり、これは橋本さんが言ってるんじゃなくて、僕の解釈ですけど、
人間は大人になることで、セックスができるようになるけど、
そのできるようになったセックスを使って何をしようとしてるかって言うと、
やっぱり僕は子どもに返りたいんだと思うんですよ。
お互い甘え合うっていうこと。
お互い安全に甘え合うっていうことが僕はセックスだと思うので、
そうすると子どもっていうのは実は、セックスは成熟してないけど、
それをやれてるわけですよね。
いろんな女を被る必要がないから。
子どもは子どもであればいい。
だから子どもは実は非常に性的なことをしている。
ロリコンの、暴力的なロリコンの人っていうのは、
自分が子どもに返るときに、相手と一緒に、
対話によって一緒に、いっせーのせで自分の愛する人と子どもに返るっていうことをやらずに、
最初から自分を子どもにしてくれるものとして子どもを犯そうとする。
非常に卑怯だっていうこと。
子どもはもう存在が性的だから、つまり欲望を叶えようとするのは子どもだから。
それに一緒になるのがセックスだ、いや恋愛だから。
それは子ども相手になっちゃいかんだろう。
同意の取れている自分と対等の人と、
その対等な関係の中で、
今日はあなたが僕のお母さんになってね、
っつって甘えるのはいいんですよ。
その人の欲望を叶えてもらうわけだから。
そしたら今度は逆に、
甘えた方も次のセックスでは相手を甘えさせてあげなきゃいけない。
それが大人のセックスだと思うんですけど。
弱い人を何とかしようとする人は、その発想がないわけですよね。
これは非常に納得いく考え方だと思うんですけど、
なぜロリコンがやばいのか。
もちろん被害者の立場からするとトラウマができるからとか、
成熟してない人とやっちゃダメだろうっていう、
すごい禁欲的な話になるんですけど、
禁じるんじゃなくて、
お前それが本当にお前のやりたいことなの?って聞かれると、
それがなぜよろしくないのかが、
本人に分かってくるんじゃないかっていう。
分かんないですけどね。
それが分かんないのが性依存。
いけないことに依存してしまう人だと思うんですけど、
分からなくなってるの。
ちょっとまた話がずれたようですが、
お金が恥ずかしい、性が恥ずかしいっていうのはやっぱり、
それが社会というものの、
根っこを支えてるものであり、
かつ、表面に浮かび上がってこないようにしてるわけですよね。
セックスとお金の金銭の流通がなかったら、
セックスってものも流通してると思うんですけど、
社会成り立たないわけですよね。
隠しておくことで人間は人間になってるわけ。
動物に返ってんじゃなくて、
動物が絶対しないような変なことを。
こっそりと自分の多面性を、変態性を生きる
でも、
例えばね、社会的地位のある方が、
そうやって自分の権力で女を抱いたりしてるのは、
非常に見苦しいじゃないですか。
だけど一方で、社会的権力のある、特に男性がね、
すごいマゾヒストだったりね、
あるいはフェミニストの女性がすごい、
実はセックスの場では自分は男性に支配されたいんだと。
社会的にはもちろん女性の立場を上げるべきだし、
男女平等でなきゃいけないけれども、
セックスの場では、私男に蹂躙されたいんだよね、
みたいな。
ここだけの話ですよ。
ここだけの話って言いながらラジオで話してる
実はフェミニストの人が少なくなくて、
これってね、僕すごく人間の多面性を生きていて、
いいことになってくる。
そうでなかったらバランス取れないでしょっていう。
それを、やっぱり被害者を出さないように安全にやるのが、
大事なのでは。
地位のある男性がね、
SMクラブとかで、
マゾ男性同士が交流できている場とかに行くと、
本当に楽しそうなんですよね。
会社でいばっている人が、
自分はいかにいじめられると楽しいんだ、
みたいなことを、
男性同士で話してて、
子どもになってるんですよ。
そうすると女王がそれを見てあきれて、
いやマゾは自由だねとか言ってあきれてるんですよ。
私たちいらないんじゃないの、
みたいな。
そういう多面性を生きる。
傷つけないで多面性を生きる。
こっそりと自分の変態性を生きる、
みたいなことがすごく、
大事だというふうに僕は思います。
答えになってるでしょうか?
いやもう、
マジであと1時間、2時間喋りたいですが、
時間のプレッシャーが。
そうですね。
時間ちょっとまだまだ、
あと6時間くらいいけそうな感じで、
聞きたいこといっぱいありますが。
本1冊多分しゃべれる。
私どこ行っても同じような話してるんで、
それを櫻井さんの視点で、
櫻井さんと山田さんのご興味で聴いていただけたのが、
僕もすごく刺激になりました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
嘘をつかないことと、本当の自分は似て非なるもの
櫻井さんも何か、
前後半通していかがでしたか?
楽しかったなっていう。
でも、僕の一番頭に残ってるキーワードは、
嘘をつかないっていうお話と、
本当の自分みたいな話は、
何かに似て非なるものなんだな、
っていうことがすごく、
エールという事業にとってはすごく大事な話だな、
っていうことを思ったのが、
すごい残っていて、
もうちょっと自分の中で温めてみたいな、
というふうに思います。
話を聴いてもらうことで、
自分の嘘に気づけるっていうことがあるかもしれないですね。
一人だと分かんないですよね、自分の嘘にね。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
二村さんも、
あらためて先ほどちょっとおっしゃっていただきましたが、
あらためて前後編、
ご一緒いただいていかがでしたか?
いやもう本当に、
あのね、
僕こういうの好きなんですよね。
性の話を、
ちゃんと聴いてくださる別の分野の方と、
性の話をするっていうのが、
で、
もちろん櫻井さんのご本は、
読んで、
あ、違うこと言ってないなっていうのは分かってたんですけど、
そこから今日のこの場で、
カウンターのように、
山田さんから、
お金はなんで恥ずかしいんですかね、
っていうのが出たのも、
すごくダイナミックでしたね。
本当にそうですよ。
だってね、
モテるために、
僕やっぱり性に特化しすぎてるんだけど、
モテるためにお金がなきゃいけないとか、
豊かに暮らすためには別にもう性のことなく、
豊かに暮らしたいっていう欲望が、
でも給料をこんだけくれっていうのはやっぱ恥ずかしい。
そういうことが、
すごく話が広がっていったのが、
性だけではない恥ずかしさ、
っていうのもやっぱり人間の心の穴だな、
というふうに思いましたね。
ありがとうございます。
最後に二村さん、
よろしければ聴いている方にご案内されたいこととか、
何かあったりしますか。
自分の性を考えるワークショップ
ありがとうございます。
このご縁で、
僕のことを知っていただいた方にはね、
ちょっとAV監督が出てきて、
櫻井さんと話してて驚かれたかと思いますけど、
こういうことを考えながら、
いろいろ仕事もしています。
ポルノを作るだけではなくて、
一般の方にね、
自分の性と、
向かい合うっていうとあれだけど、
自分の性のことを考える、
みたいなワークショップを結構やっていて、
ほとんど毎月、
2回か3回、
人を集めて話をするっていう、
あるいはこっちの話を聴いてもらうっていう、
ざっくばらんな
ほとんど飲み会で、
僕とゲストの方がステージ上で、
わりとエッチな話をしてるっていうイベントもやってますし、
真面目なたてつけで、
さっき言った対話のワークショップ、
みたいなことも、
性の話を安全にできる場っていうのも、
作ったりしてますので、
それぞれ特色がありますので、
次回どこでやりますっていうのもあれなので、
よかったら僕のTwitter、Xか、
Facebookをフォローしていただけますと、
告知を真面目にしておりますので、
ぜひそういうワークショップに、
ご興味あったらご参加ください、
という告知です。
本も何冊か書いておりますので、
櫻井さんに読んでいただいた、
『すべてはモテるためである』、
これは男性向けのね、
自分を知ろうっていう本ですよね。
男性が恋愛をする前に、
恋愛がうまくいかない男性が、
自分のことを知ろうっていう本です。
女性向けの、
『なぜあなたは愛してくれない人を好きになるのか』、
というタイトルの本も出ておりまして、
2冊とも文庫で、
わりと手軽に読めると思います。
Kindleもどっちもあります。
女性向けの方は、
さっきも言いましたけど、
恋愛ができないというよりは、
恋愛や結婚をしてしまって、
苦しい女性のために書きました。
どっちも答え合わせというより、
こっちが正解を言うというよりは、
自分のことを自分で考えてください、
というその手助けになる本だと思いますので、
ご興味あったら、
男性も女性も両方読むと、
お互いの苦しみがわかったりするので、
ぜひ両方読んでいただけると、
嬉しいかなと思います。
ありがとうございます。
前編、後編お付き合いいただきまして、
ありがとうございます。
今回、二村さんをゲストにお迎えしてお送りいたしました。
二村さん、櫻井さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
39:49

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