新ルールの導入
最近ニュースで、来年からテニスに新ルールが導入されるという情報を見ました。
この新ルールというのが、試合中のコートチェンジの時とかに、コーチからコートをあるいは手信号でコーチングをしてもらえるというものです。
この変更にはかなり賛否両論がありまして、やはりテニスというのは孤独なスポーツというのも一つの醍醐味なので、自分で戦略、戦術を考えて一人で戦うべきだというものです。
私自身もこの考え方には結構賛成というか、そちら側の人間でして、個人的にテニスをやっていたのもあって、
そういう自分で戦術を考えて、自分でそれを試し、戦っていくというところにある程度価値を見出している人間なので、ちょっとどうかなという部分もあります。
なので、なんとなく嫌な気持ちをするんですけれども、実際そこまで変わるかというとどうなのかなという部分もあります。
例えば、団体スポーツ、野球とかサッカーとか、そういうものはかなり分析技術、リアタイムの分析技術が進んでいて、
例えば野球なんかだと、スタジアムに完全にカメラやセンサーが入っていて、
選手の走るスピードや打球や投球のスピードだけではなくて、投げたボールの回転数とか、打った打球が過去のデータからすると何%の確率がアウトになるのかみたいなところまでであります。
なのでメジャーリーグの中継とかを見ていると、アウトにする確率が25%の打球なのに、この外野手はフライを取ったのですごいみたいな評価をされたりします。
一方でサッカーでもスプリントスピードとかそういうのを測るために、チーム主導かもしれませんが、そのブラジャーをつけてスポーツをしたりとかそういうことをしているようです。
最近のテニスでも結構リアタイムにカメラを使って、今の打球がアウトだったかインだったかみたいなのを評価する方法も出ているのですが、
その辺のデータがもしもコーチ側に渡るような状況になると、一気にAIによる分析とかが進んで、そこに基づいたコーチングとかもされたりするのかなと思います。
そうなってくると、だんだん選手がある意味ロボットではないですけれども、そういう感じのこういうところですと勝つ確率が上がるからいいんじゃないかみたいなのをただ実行するだけとかいう考え方になって嫌なのかなと思います。
ただもちろんそれを実行できるかとか、ここの場面での判断とかは選手に任されているので、100%実践がなくなるわけではないのですが、少なくとも減っていく方向にはなるので、そうなるのかなと思います。
さすがに打った方向とかを手で入力して解析するというのはないと思うので、どこかが撮った動画を手元のマシンに入れて解析するのか、あるいは公式のデータが提供されるのかというところでも結構変わってくるのかなと思いました。
こういう話をしていると、最近純木さんのウェブサイトでアンチポさんの記事が紹介されているという、ちょっと入れコードなんですけれども、
このアンチポさんの記事でサッカーがコードにシステム化されたことによっていろいろ変わってきているというのがソフトウェア業界でも起こっているというようなことが書かれていました。
そこで紹介されていた水戸真さんの記事を読むと、やはりどんどん選手に求められているものが変わっていて、規律のもとに正しく戦術を実行する方が求められているというような話になっています。
個人技とスポーツ観戦の楽しみ
当然野球とかサッカーとかメフトとかラグビーとか、そういう団体戦だと戦術が重要になってくるので、非常にそのポイントが大きくなっております。
野球はさすがにポジションが固定されていますし、自由度が低いのでそこまでではないと思うんですけれども、
サッカーとかまで行っちゃうと、そもそも自分が得意なポジションがそのチームには存在しなかったりとかあるので、海外席とかをして苦しんでいる選手とかもいるみたいですし、非常に監督との相性が大きいのかなと思います。
一方でテニスまで来るとそこまで大きな変化っていうのはないと思うんですけど、グラデーションがあるにしろそういう戦術的な部分もあると思います。
今回の新ルールでいくと、それを自分で考えるのか、外から支持されるのかという部分になると思うんですけれども、どうなんでしょうね。
個人的にはなくてもいいのかなというふうに思いはするんですけれども、あることによってクオリティが一段階上がるというところがあるかもしれません。
ただそこの記事で紹介されていたように、中田さん、中田彦さんというのは過去にだんだんそういうとにかくフィジカルを強化して、激しくボールにプレスして、チーム全体で切り替えらしく圧力をかけていくというようなサッカーでは、
ファンタジスタが消えて、そういう個人技で華麗に戦う選手が消えていったので、サッカーに興味を失っているとか、
あれば一龍さんも引退会見で、だんだん野球がデータの世界になってきていて、いろんな戦術で戦っていくというような面白みがなくなってきているというような記号をされていたとおり、
スポーツ界ではそういう面白みというのがなくなってきているようなことを言われる名選手も結構いると思います。
当然難しいところで、クオリティを上げればそのスポーツ観戦が面白くなるかどうかというのは結構微妙なラインだと思うので、
そういう全体の戦術を楽しめる人と個々の勝負を楽しめる人というのでかかってくるのかなと思います。
例えば神木さんが話題に挙げられていたように、青足なんていうのは戦術面に合わせたやつプラス個人技みたいなところのウェイトのやり方になってますし、
自分はサッカーよりも野球の方が好きなんですけれども、それはサッカーが面白くないというよりかは、
野球の方がピッチャーとバッターの勝負とか打球が取れるかどうかみたいな個々の勝負っていうのが非常にわかりやすいから野球の方が好きかなというような感じになります。
という感じで取り留めのような話をしてきましたが、規律が求められる中でどこまで個人の色を出せるのか、
あるいはそうなった時にどこまで面白みを出せるのかっていうのが興味深いところだなと思いました。
僕は野球が好きなので野球のことを言うと、例えば一郎さんが言われていたのは今は野球ではバレルゾーンみたいなことが言われていて、
打球の速度を160キロぐらいにして、打球の角度を26度から30度ぐらいで打ち出せばかなりの確率でフォームランや頂点になるので、
その角度で打球を打ち出すのが一番いいということでそれを目指した野球をされているみたいな感じで、
ある意味数値に乗っ取られたようなアプリになっているというのがそういうところなのかなと思います。
この新ルールで最初に言った通りそんなに大きく変わることはないんじゃないかなと思うんですけれども、
この辺りというのは多分個人の受け取り方で、例えばAIが描いた絵に感動できるかどうかみたいなところの時に、
AIが描いたのではなく人間が苦労して描いたというところに自分の感情が乗っかってより感動するみたいなところは結構自分ではあると思うので、
本物とレプリカみたいな話ではないですけれども、スポーツという点においてはクオリティを上げるだけではなくて、
そういう心がどこまで乗っけられるかというところも重要だと思うので、やっている選手からすると止まったもんじゃないかもしれないですけど、
商業的なところで言えばちょっと観客側とのズレというのはあったりするのかなと思います。
例えばスポーツのドラフトなんかで言っても職業選択の自由だけではなくて、やっぱり戦力の均衡化って非常に大事なので、
選手の位置的に制限がかかっていたりとか、ドラフトで選ばれたチームに入らざるを得ないとか、そういうところがあったりもしますし、
当然自分の国の選手を保護するために外国人選手の数に制限があったりとか、
そういういろんな複雑な状況が絡み合っていると思いますので、いろいろ私には分からないところも多々ありますけれども、
来年以降の点数がどうなっていくのかというのをちょっと楽しみに見たいなと思っています。