はい。
ということでですね、先に雑感というか、この中村明日美子先生の鉄道少女漫画君曜日読んでいただいて、
てらださんどうだったかなっていう雑感というか、ここが良かったとか、そういうのを教えていただきたいんですが。
そうですね。主に君曜日の話になりますけど。
ああ、そっちでしたか。
こんなドストレートな少女漫画って久しぶりにワクワクしながら読んだなっていうのが。
確かに。
とてもしっかりしてるというかさ、お祭りのシーンがあったりとか、旅行のシーンがあったりとか、
でも本当にここまでちゃんとベタをやるっていう、そこにちょっと鉄道が絡んできたりとかSLとかね、
っていうのもありつつも、なんかここまでほんまドストレートの弾を受けたのが久しぶりすぎて、
そこでまず結構ほんわかしてしまったっていう。
ああ、確かにね。
ありますね。
これ中学生やんね。
そうですね。
中学生の男女の話で鉄道少女漫画からスピンアウトしたっていうんですけど、
この君曜日のメインの男の子っていうのは鉄道少女漫画に出てくるわけではないんよね。
そうですね。
君曜日っていう漫画になってから出てきたキャラクターだよね。
だから全然ちょっと毛色が違うよね、鉄道少女漫画のことは。
そう。じゃあちょっと先に君曜日をちょっと後でメインで話すとして、
鉄道少女漫画の一巻の話からしましょうか。
はい。
で、鉄道少女漫画自体は短編集なんですよね。
そうですね。
鉄道。で、具体的に出てくるんですけどね、駅の名前とか箱根とか。
小田急線が舞台になってますね。
そうですね。
その小田急線のいろんな駅だったり、沿線の人々の物語。
鉄道が舞台になっていて、そこで起きるいろんなドタバタ劇みたいな感じ。
ラブコメっぽいものもあれば、すごく切ない話もあれば、みたいなね。
僕ちょっと小田急線とそんなに縁がなかったんですけど、鉄道少女漫画を読むまでは。
いろんな駅出てくるし、電車の話も結構出てくんじゃん、やっぱり。
そうね。
その辺も含めて、ちょっと小田急のロマンスカーってやつ乗ってみたいなとかさ。
そうね。それで言うと、僕はもうロマンスカー結構、多分4回ぐらいは乗ったことがある。
小田急も仕事でちょろっと扱ったことあるから、結構漫画読んでて、当時の景色は思い浮かびながら読めた感じですね。
なるほど、なるほど。僕も正直そんなに電車自体に全然思い入れないんですよ。
、はいはい。
でも、なんかすごいいいなってめっちゃ思ったし、鉄道少女漫画読んだ時に。
中村先生が神奈川県出身で、実際すごい思い入れあるんだろうなっていう。
わかんないけど、乗りながら、やっぱ作家さんだから短編っていうところもあって、
これ書きたかったんだろうなとか、これ浮かんだんだろうなみたいなのがそれぞれ多分あって、
それが膨らんで作品になったんだろうなみたいな感じが僕はすごいしていて。
、そうですね。確かになーっていう、僕も意識したことなかったけどさ、
ずっとやっぱ学生時代とか大学生の頃にさ、自分が使ってた電車、神戸線、JRの神戸線とか思い浮かべた時に、
あの須磨の海が広がる感じとか景色とかね、思い浮かべた時になんかこうストーリーが湧き出る感覚みたいなんて確かにあるかもって、これ読みながら思って。
確かにな。
自分が好きな線路ってやっぱいろんな思い出が多分あるから、
あれですよね、有名ですけどアジカンとかもね、そういうのやったりしてるしさ、『サーフ ブンガク カマクラ』とかでさ、
あれ自分もそうですよね。やっぱそういうのみんな一回はやりたがるんかなっていう。
なんか電車とかバスとかそういうのっていろんな人間が入り乱れていて、
ただでも同じ方向に向かっているっていうところで一緒に乗り合わせるみたいな。
で、結構距離近いやんか、電車に乗ってるっていうのとか。
だからドラマが生まれやすい場所っていうので、本当にいろんな作品の舞台になったし、いろんな表現で使われるし、
最後カップルとかがいろんなもんに運ばれていくとか、恋愛モノで最後電車に乗るシーンがある、映画は傑作みたいな、いろいろ言われる。
あとバスに揺られるシーンとかもね。
そうそう、やっぱこう人生っていうものが流れていくっていうのと、それぞれ向かい合って喧嘩とかしてても流れていく方法は一緒とかさ、
なんかそういうのが表現されやすいっていう。
そうね。
なんかそういういろんな話もあったりするんですけど、でも鉄道少女漫画のシーンってもっと細かいっていうか。
うんうん。
言ったらさ、少女漫画の王道みたいなもんって、すれ違いとか、あと勘違い。
そうね。
っていうのがあると思うんだけど、そこがすごく時刻表と少女漫画的なすれ違いや交差っていうのがめっちゃ相性いいっていうかさ。
そうですね。
で、実際その鉄道少女漫画の中に、こっからこう行ったら間に合いますよみたいなネタが出てくるんだけど、そことかってやっぱすごい鉄道少女漫画っていうタイトルからしたらすごくベタかもしれないけど、
でもやっぱりなんか来るとすごい嬉しいっていうか。
しっかりやってくれてるっていう感じはあるよね。
そうそうそうそう。いよって感じになるっていうかね。
うん、確かにね。
し、なんかそのホームで追っかけてるとか、よくホームとか改札付近で話し合いをしてるって実際よく見るし、すごくそれもベタな設定かもしんないけど、
明日美子先生の漫画力というか、やっぱ多分その描写が細かいっていうか。
そうですね。
うーん。
マニアなんやろうなっていうところはたびたびあるよね。やっぱその質感とかもやっぱりしっかりしてるしね。
やっぱ座ってくるもんね。すごい。し、あの江ノ島の駅が竜宮城みたいになってるみたいな。
はいはいはい。
うんうん。ああいうんとかって行ったことある人からしたらもう絶対残るやんか。
うん。
ああいう感覚?
その行ったことなくても読み手として印象が伝わってくるっていうのはあるかもしれないですね。
そうね。特にこの鉄道少女漫画短編集なんでそれぞれ違う話なんですけど、
僕はその彼の住むイリューダっていう作品と立体交差の駅っていう作品がすごいやっぱ残るんだけど。
。なるほどね。そうね。この2つはいいですね、確かに。
うん。イリューダっていうのは言ったら本当にめっちゃちっちゃい駅みたいな。
うん。
イリューダってカタカナでね、タイトルではイリューダって書かれてるんだけど、入るに生田って書いて入生田っていう駅があるんだけど、
そのさ、え、それ地名なん?みたいなさ。
そうよな、なんかそのフランスとかヨーロッパの方の地名なのかなっていう風に見えるカタカナに書かれてた。
そうそうそう、思っちゃうみたいな。そうそう。で、これで入生田って読むんやみたいな。
ちっちゃい駅のところで、高校生かな?の恋愛で、その人に会うために待ち続けるっていう話なんだけど、
すごい好きなんですよね、この感じが。
そうね、でもなんかその待つっていうのもなんかその孤独な感じではなくて、こういろんな人がまたそこに関わってくるっていう。
そうそうそうそう。
なんかそれでこうストーリーが積み上がっていくっていうのがすごいいいよね。
ちょっとやっぱその本人不在でこう蓄積されていくっていうちょっと映画的な良さもあるし。
僕的にはなんかね、ワンシチュエーションでずっといろんな人が来たり入り乱れたりみたいな感じが、僕の中では演劇っぽいっていうか。
確かにね、そっか場所はずっと駅のこの舞台のままで。
そうそうそう。
確かに。
で、いろんな人が来たりで入りで、でそのホームが向かい合わせになってて、電車がバーって走っていくみたいなところとかも、
「ゴドーを待ちながら」じゃないですけども、待ち続けるみたいなもんってやっぱすごいワンシチュエーションで、
すごい演劇的なもんが得意としてる感じのもんで、なんかすごい良くて、最後にこうグッと来たら上がるよねみたいなツボ感もめっちゃいいし。
そうね、確かにね。たぶん舞台の使い方がめちゃめちゃ確かにいい作品ですね。
めちゃめちゃいいし、僕はこの彼の住むイリューダが好きすぎて一回入生田駅に行ったことがあるんですよ。
そうなん、それはすごいね。
そしたらリニューアルしてて、駅舎が綺麗にちょっとなってて、ホームとかそんなにこれだなとか思えたんだけど、
今から行ったらもう失われてしまった景色なんだみたいなことを思った覚えがあるんだけど。
そうか、じゃあ漫画の中に閉じ込められた当時の景色。
18年に改装したって調べたら出てきたかな。
だから僕たぶん行ったの19年とかなんで。
あ、じゃあほんまに変わった。結構一番綺麗なぐらいの。
綺麗な感じになっちゃってたわ、駅舎がね。
でもそれもそれで、こういう実在のものを舞台にしたときの冷凍保存というかね。
なんか漫画でもこういう実在のものを場所みたいなものが閉じ込められてるみたいなんて、
逆にすごいエバークリーンな、すごいいいものになるなっていう感覚もすごいあって。
確かにね。
そうそう、そういう思い出もあって結構思い出深いのと。
あと立体交差の駅っていう作品は、
ごめん、インタビューで読んだんだけど、どこで読んだかっていうのが探し出せへんくて不確かな情報で言っちゃうんだけど、
小田急線とJRの相模線が乗り入れる、立体交差で乗り入れるから、下に駅が見えるんよね、上から。
見下ろすような感じで。
見下ろす形になって、乗り換えで実際歩いて行けたみたいな感じらしいんだけど、
だからそこの上から荷物落としちゃって、下の乗り換えで歩いてるホームのところに落ちて、そこで出会うみたいな話なんだけど、
中村先生が実際にやっぱその上に走ってる方の電車に乗ってたら、やっぱ絶対下のホーム見ちゃうみたいな。
だから毎回見ちゃうから、そこを多分漫画にしたんだろうなみたいな感じのことが考えれるんだけど。
すごいですね。観察眼というか、日常の観察眼。
そうそうそうそう。そこもすごいロマンチックで、この話としても、これガール・ミーツ・ガールものなんですけど、すごい良くて。
そうね。まさに本当にそういう普通だったら関わらないような、2人の女性が交差するっていう話ですもんね。
で、なんかこの鉄道の少女漫画、さっきのイリューダもそうだけど、結構この短編の短い36ページとかだったらさ、もっとミニマルな関係の方が向いてると思うんやけど。
そうですね。
毎回さ、元カノとか元カレとか、人間関係が単純じゃないよね。1対1の話ないっていうか。
いやだからさ、君曜日と対比するかのようにあんまりシンプルな恋愛漫画ってないよね。
ない、ないんだよね。
これに関しては。
そこの感じも僕は結構好きなんだよね。君曜日は君曜日で、そのエバーグリーンはね、1対1っていってもいろんなね、わちゃわちゃはあるんだけど、
人間関係の複雑さみたいなところと、やっぱ電車っていうものの、いろんな人が平等に乗れて、いろんな人が乗り合わせるみたいなとこ、駅っていうものっていうところとかも、その辺も含めて描かれてるのがすごい面白いっていうか。
確かにね。
でなんか、役割を果たすためのキャラクターっていうのはよく言われたりするやんか。
はいはい、コマとして扱われるような感じってこと。
「冷蔵庫の女」っていう言葉もあったりしますけど、都合よくじゃなくて多分その、僕が好きな少女漫画ってよくそういうことが多いけど、こういう人だったらこういう関係の人出てくるんが当たり前みたいな。
なるほどね、そうね、不自然な感じはないよね、そこに。
そうそうそうそう。
やっぱり。
そういう感じがすごい面白いなと思う。なんかそこがすごくいやらしくないし、言ったらリアルな感覚があるけど、その少女漫画的なこうフレーバーというかさ、少女漫画的な表現の気持ちよさみたいなのが残りつつ、いきなりのシーンから始まるみたいな。
物語の途中から見させられてるみたいなもんが僕は短編、少女漫画の短編で素晴らしいもんだよ、大体そうだなって思うんだよね。
でもすぐ感動するし、いいなと思うみたいな。なんかそこら辺がめっちゃよくできてて、鉄道少女漫画の短編は。
そうね、やっぱその鉄道っていうもの自体がさ、移動っていう何かの途中やんか、目的じゃないとか、だからよりこうなんか切り取られてる感じみたいなのがさ、自然に演出されてて、さっきシャークさんが言ってたみたいな話が確かに多いね。
冒頭もさ、スリやってる女の子が主人公みたいなさ、なんでその子がスリやってるかみたいな説明、別にないやん。でもなんかさ、入ってくるみたいな。
そうやなー、一話編のドタバタ感みたいなもん。ちょっとなんか懐かしくなるような。
いやー、いいよね、なんかこの感じ。でもこれをさ、『同級生』とか、『Jの総て』『コペルニクスの呼吸』描いてる作家がやってんだぜっていうのが、本当に信じられへんっていうか。
すごいことなんですけど。やっぱその、切り取るセンスがすげえいいと思うんだよな。描写が細かいっていうのをしても。
そうですね。君曜日にも続きますけど、「木曜日のサバラン」はかなりよかったですよね。
傑作だよね。なんだかんだやっぱ一番出来がいいというか、一番いいのはやっぱこれだよな。
うーん、そうですね。あとサバランっていうのもめちゃめちゃセンスがいいなというか。サバラン好きなんでよく食べるんですけど。
サバランって言ったらみんな伝わんのかな?ケーキなんだけど。
うーん、そうね。かなりね、洋酒をめちゃめちゃ浸してるケーキで、本当にこう食べたらジュワっていう感じでね、洋酒が出てくるんですよ。
うーん。
ラム酒みたいなのの、すごい香りがいいケーキなんですけど、普通のケーキじゃないんですよね。だから、たぶん子供が食べておいしいっていうケーキじゃなくて。
そうね。
やっぱそれをこうチョイスしてるっていう、ちょっと言ったら大人の隠れ家じゃないですけど、なんかそういうチョイスもめっちゃいいし、立場が違う人たちが同じこう趣味を、ね、共通の趣味を持った人らが集まってるっていうのはやっぱベタやけどめちゃくちゃいいなと思う。
いいよね。
うーん。
そのサバラン売ってる洋菓子屋さんがあって、そこが普通のケーキとか売ってるとこなんだけど、「奥いいですか?」って奥入っていく人たちがいて、何なんだろうと思ってみて、ある日入ってみたら奥にはそういう鉄道模型があって、それをじっとみんな見てるっていうね。
それぞれ好きな電車を持って流して、それをじっとみんな見るっていう時間を木曜日の夜に過ごしてるっていうね。
そうそうそう。
で、そこに出てくる女の子、父としてずっとおじいさんの紳士が座ってたんだけど、その席に女子高生が座ってるみたいな、じゃあ女子中学生か。
そうね。
で、その女子中学生がどういう子なんかっていう話は、ここの短編ではそんなされないんだけど、そこの中学生の主人公とした話が、この鉄道少女漫画2、君曜日としてこの3巻分始まるという流れになるんですけど。
そうですね。
うーん。
君曜日に移る前にちょっと1個だけ言っときたいんですけど。
どうぞ。
メインの話じゃないんですけど、ある休日、僕めちゃくちゃ好きになったんで。
ある休日ね、最後のね。
そうそう。ちょっとそれだけ触れておきたいんですけど。
うーん。
この話の、やっぱり駅員さんが朝まで飲むことがあるとか、なんかそういう当たり前、本当は当たり前なんですけど、人間であるということをやっぱ忘れてるっていうのをね、すごい的確についてくる漫画やなっていう。
いやー、そうね。短い落語みたいな感覚があるな、これは。
そうね、なんか序述トリックじゃないけどさ。
うーん。
そういう感じもあるし、で、言ってしまったらこの職業フェチじゃないけどさ、そういう良さもあるやん、色っぽさみたいなのも。
はいはいはい。色っぽいと思って書いてると思うね、中村先生は。
うーん。だから、うわー、なんかこれ短いのにめちゃめちゃいいなと思って、やっぱこれは僕の中では最高やった、言い終わり方。
これが締めで入ってんのがマジでやっぱ天才っていうか。
うん。
で、これが書き下ろしなんですよ、ある休日が。
そうなんや、いやいや、めっちゃいいですね。
だから単行本にするときにこれで締めようと思った、やっぱ中村先生は天才だなっていう感じは思うよね。
そうね、いや、これは痺れましたね。
なんで、ぜひね、読んでいただきたいとこですね。
《ジングル:心の砂地。》
じゃあ、君曜日について話していきますか。
はい。
君曜日は、さっき言ってた木曜日のサバランに出てきた女の子が、くらきあこっていう名前の女の子なんですね。
うん。
で、その子が塾で同じ、隣に座っている小平君という男の子となんやかんや話したり。
、そうね。
でもこの君曜日ってやっぱさ、この1話始まりのやつ。
その消しゴム貸してくんねって小平君が言って、何回も借りるから、アコちゃんが消しゴムバキッて追って渡したら、お前豪快だなって言われて。
っていうとこからね、スタートするんですけど。
最高の導入っすよね。
全部わかるっていうか、この2人の感じが。
そうね。
自分もそういうことあった気するなっていうぐらい、ありえそうなレベルのときめきじゃない?それって割と。
そうね。
なんかそこが、なんか等身大な感じめっちゃいいなと思って。
めっちゃいいよね。
この君曜日の2のあとがきに書いてあるんだけど、いや君曜日のあとがきに書いてあるのかな。
小平君、これ書き出したときは、空気を読むって言葉が世の中に蔓延してたと。
それでふーんって思ってたら、中村明日美子先生が大竹まことのファンらしいよね、シティボーイズの。
ああそうなんや。
空気なんか読まなくていいんだって大竹さんが言ったらしいのね。
なるほどって思って、空気の読めない男子っていう設定で小平君を出したっていうふうにあとがきで書いてあって。
そうね。
だからなんか言ったら、お前意外と豪快だなっていきなり言っちゃうみたいなね、全然喋んない感じ。
このアコちゃんは、もうこんなあんまり言いたくないんだけど、言ったら綾波みたいな感じの子に見えるよね。
綾波以降のキャラクターってあるやん。
うん、漢字表に出さなくてショートカットで無口な。
かわいいの漢字と空気読めない男の子っていうのでスタートするんだけど、
だんだんそのアコちゃんが人間になっていくみたいな。
言ったらこういう話の超王道ではあるんだけど。
そうですね、むしろ結構少年漫画とかでありそうな組み合わせやんね。
ちょっと鈍感やけど、明るくて優しい男の子と静かでかわいい女の子みたいな。
僕すごいこの設定とかが絶妙だなって思うのが、アコちゃんと小平君が塾で一緒だから学校違うんよね。
ああそうね。
これ結構効いてて。
同じ中学のずっと小平君のことが幼馴染で好きな持田さんっていう女の子が出てくるんだけど、
そのキャラの存在とか、あとアコちゃんの学校の同級生のみさっちんっていうね。
言ったらちびまる子ちゃんの城ヶ崎さんみたいな。
わかりやすくお金持ちの。
わかりやすくお金持ちの。
ちょっと叶姉妹感あるんだよな。
姉妹の感じのキャラがいて、でもはそれですごい恋愛に振ってる感じのキャラクター。
ちょっとコメディリリーフでよく出てくることは多いんだけど、ただもすごいいいキャラで。
そうね。
もう沢山してるよね本当に。
アコちゃんコンビとか、あと小平の中学の奴らのわちゃわちゃ感とか。
夏祭りでその辺が会っちゃうとかも、やっぱすごい最高っていうか。
そうやな、確かにな。
その感じが塾で一緒だから、ちょっと文化圏違うし、距離感があるみたいな感じとかもすごいいい。
逆に毎日会ってないからこそ、こういう二人でもいい感じにできたみたいな。
無理がなくて僕はいいなって思ったりしてて。
塾な分さ、言ってしまえば同じクラスとかでもないから、関係性っていうのを本当お互いが近づいていかないとなくなってしまうような関係性やねんけど、それをこうちゃんとお互い繋げていってみたいなさ。
だから本当に二人、関わってくるキャラクターはいいねんけど、噂とかっていうものが一番最初いなくて、
二人の関係っていうのがバーンと最初にあってっていうのはあるから、なんかよりこう没頭できるというかね。
ここは多分さっき言ったような、小平くんがガンガンなんか空気の読めない男子っていうかさ、言うほどめっちゃ読めないみたいな感じでもないかなとは思っちゃうんだけど。
普通に、本当にデリカシーのないこと言うわけではないからね。
言ったよりちょっとグイッといけるやつ。でもそれってさ、恋愛としてはグイッといけたほうがいいよなっていう方向にもすごい見えるし。
そうね、確かにな。
これもまた後書きからなんですけど、最終巻の後書きでは、分かりやすい女の子と分かりにくい女の子が鉄道にゆらゆら揺られて、ちょっとずつちょっとずつ近づいていって、やがて手を繋ぐというお話ですっていうふうに書いてるんだけど。
その感じだよね。分かりやすい男の子と分かりづらい女の子っていうのは。
ちょっと先に話したいのは、アコちゃんとの関係がやっぱすごい良くって。
俺は正直やっぱ「冴島翠×マミリン」ペアみたいなのちょっと思い出すっていうか。
確かにね。
みさっちんがアコちゃんにつくみたいなとことか、アコちゃんが逆にみさっちんの寂しさとかそういうのを分かって手を差し伸べるみたいな感じみたいなのが、で、だんだん親友になっていく感じみたいなのとかってやっぱ最高。
そうね。僕も後半の方になっちゃうんですけど、みさっちんとアコちゃんと旅行に行くシーンがあるじゃないですか。
小平くんのお兄さんと。
お兄ちゃんもいいんだよな。
あそこの僕、お風呂のお風呂場の会話のシーンすごい良いなっていう。
分かる分かる。
関係性を進展させるっていうことをが言うんですけど、自分で進展させないのかみたいなことを問いかけるシーンがあるんですけど。
恋愛の根源というかさ、人間関係やんか恋愛って究極のところ。だからなんかこんな魔法みたいな何かがあるわけじゃなくて、やっぱ自分で進めていかないといけないっていうことをさ。
わかんねえけどみたいな感じが、
なんかすごいズギュンときれい。
中学生男子なりの最大の気遣い。
そうそうそう。気遣いとそのわかんねえけどみたいなことも言っちゃうところが、
うーっとなって。
確かにな。リアルかもな、そこは。
リアルだなと思って。
で、でちょっと戻ります。
夏祭り。
その後、小平くんのことが好きなもっち。
綺麗な猫なんですけど。
頑張ってこの浴衣も着てくるんですけど。
もっちには小平くんは聞いないから、
あのじゃがバタ食べたいっつって。
じゃがバタ食べよるんよね。
そうだよな、もっちも着飾ってな。
着てんのにね。
浴衣着てんのに。
そのなんか端、いやもう先食べるわみたいな。
俺が使った後とか嫌やろうみたいな。
小平!
ここはな、なんかほんまにもっちの気分で読んでもらうからな。
しかもさ、ここら辺の描写ってさ、小平くんの表情が見えないシーンが多いんですよ。
後姿やったり。
もっちが見えてないからね。
そう、だからそこもさ、え、どんな顔してるんやろみたいなさ。
うんうん。
もうなんかどんどんどんどんちょっと不安になってくるというか。
心臓がギューってなる。
なんで先食べたら?言うて、じゃがバタと箸を渡して。
もう何やってるんや!
バカたれが。
人がさ、来てギューってさ、距離感近まっても、
ほうあからめてるのはもち田さんだけなんですよね。
で、みんなのとこ戻ったらみたいなもう。
もうすべてがね、ほんとにきついのよ、あそこは。
いやでも、中学生男子ってこういうことしてるから。
こんなに残酷なことしてんのよ。
いやー、そうやなー。
いやー、結構あのシーンは、僕の中ではなんかちょっと懐かしい気分にもなったな、そういう意味では。
いやもうあの、パスタとかわかんねーけどの、からのあのじゃがバタは結構来てる俺の中では。
確かになー、食べ物っていうのは重要ですからね。
何を一緒に食べるかっていう。
そうそう、ほんで、あのアコちゃんはりんご飴食べてんのよ。
。
そりゃ浴衣やったらりんご飴食べさせたれて。
そうやなー。
で、俺はチョコバナナ食うわ言うて。
食べ合え!
いやー、もうじゃがバタですよ。割としっかりしたご飯行きたいんですよ。
食うな、じゃがバタ。
ほんまに、いやー、その辺もね、いいですし。
うん。
いやー、いい漫画ですよ、ほんとに。
俺は、ほんまにいい漫画。
えー、いやー。
あの中村先生の作品って、モノローグめっちゃ少ないんですよ。
確かにね、言われて。
ちょくちょく使ってるんだけど、でも最低限なのよね。
うん、確かに。
やっぱこれってでもさ、漫画力ある人じゃないと無理なのよ。
やっぱ言葉にした方がいいもん。
し、やっぱ少女漫画の王道ってやっぱモノローグじゃないですか。
うん、そうね。
そこやってないっていう感じで、でもめっちゃ少女漫画っていうバランスが、
俺が結構この作品を取り上げたかった理由の、まず初めの一つで。
、そうか。
言ったら、紡ぎたく。あれが、最高傑作として。
うん。
モノローグで全部言っちゃうみたいな。
そこからどう描いていくかとかさ、言葉の進歩の仕方っていろんな形あったと思うのね。
うん。
例えば吉野朔実先生とかの、それこそ精神分析とかの話とかさせちゃうとか。
うん。
なんかそういうのとかのかっこよさとかもあっただろうし、
あれはセリフで言ってたりっていうことだけど。
なんか矢沢あいのモノローグだったり、羽海野チカのモノローグだったりとか。
一つモノローグっていうのをシーンとして、少女漫画っていろんな進化をしてきたんだなみたいな。
見れる部分もあると思ってて、その辺すごく注目して。
僕も言葉が好きだから、その辺少女漫画いいなって。
何がいいかなっていうと言葉のセンスかなっていう部分もあると思うんだけど。
中村先生は結構絵で見せる人だから。
そうね。だから例えばやっぱモノローグとかがない分、表情とかの補足をできひんわけやもんな。
注釈ができない分、やっぱり絵で語るっていう。
そうそうそう。絵で語るし。
で、絵で語るっていうと、例えば楠本まき先生の漫画とかは絵でやってるモノローグみたいな感じの感覚があるんだよ。
絵だけだけどモノローグっぽいっていうか。
なるほどね。
ポエムっぽいっていうか。
その感じがいい感じに全部中村先生と少女漫画がミックスされてる感が僕の中ではあって、すごいいいっていうか。
絵で語られるみたいなと、こんなシーン描くんやみたいな。
中学生っぽい可愛い部分と、体的には大人になりつつあるみたいな、そういうほのかな、エロスって言っちゃうとあれなんだけど、エロスみたいなのが。
小平が旅行行ったところで、浴衣が重ねが反対だよね。
で、反対だから反対だよって言って解いたらさ、お腹とその履いてるパンツとかが見えるやんか。腹筋みたいなのがチラッと描かれて、見ただろみたいな。見てないよみたいなのがあるんだけど。
あそこのコマとかがやっぱすごいその、中学生の恋愛のなんかドキドキ感と、でもなんかそこにあるちょっとギリギリのエロスみたいな。
そうね。過剰な色っぽさの描写ではないけど、でも明らかにちょっと時が止まってる一コマがあるというか。
腹筋みたいなのがクッキリガッと描かれるみたいな。で、そのちょっとパンツの上のところが見えるみたいな感じっていうのが、やっぱ見ちゃうと思うし。
なんかね、すごい印象的だったんだよなぁ。
確かにね、しっかりちゃんと描いてあるもんね。
そうそうそう。
でもなんかそういう、言ったらその肉体的な何か、力が強いとかさ、そういう男女の身体さみたいなものってそんなにないよね、でも。
うーん、そうね。
うん。
対等な感じにはしてるよね。
そう…やな。で、やっぱりこのアコちゃんが、そもそもまだ好きっていうものを考えあふれてるような段階なんだよな。
うん、感じがあるよね。
まだそこに、やっぱ肉体っていうものがあまりにも前面に出てきちゃうとちょっとやっぱビビっちゃうというかね。
そうね。
うん。まだその段階じゃないっていう。
うーん、気持ちが見えない。
しかもそのモノローグも少ないから、言ったらボンビャクの少女漫画だったら、正直小平がこう言ってくるけどよくわかんないとか。
うん。
そういう等身大の中学生っぽいモノローグとか、もしくはあの時ドキドキしたみたいなモノローグが、あのこの腹筋見えた後にその寝る前の布団とかでこう電球を詰めてる絵とか描いて、正直ドキドキしているみたいなモノローグが入ったりするのよ。
なるほどね。