MSXの特徴と制限
パソコンとファミコンのあいのこみたいだったMSXなんですけれども、それでもやっぱりなかなか手の出るものじゃなくて、10万円ぐらい、10万円はしないぐらいだな、7万9800円とか、そんな感じですかね。
当時のパソコンって、今もそうかもしれないですけれども、まず筐体があって、それにキーボードがケーブルでつながっていて、モニターが別にあって、という感じだったんですけど、MSXの場合は本体とキーボードはだいたい一体になっていて、それをテレビに映すんですよね。
だから専用のモニターのような解像度はとても見込めないわけですけれども、テレビを使えるのでその分値段を安くすることができる、家庭用の位置づけですよね。
テレビパソコンみたいなものは他にもあって、X1とかそうだったし、PC6001シリーズもそうだったと思いますけれども、例えばX1とかはビデオの編集にも使えますよと、スーパーインポーズ、字幕スーパーってありますよね、が出せますっていうのを売りにしていたりしたんで、X1のモニターはテレビにも映りましたからね。
ただ、テレビのモニターにX1の映像を映せるわけではないんですよ。あくまでもX1のモニターを買うとテレビも映せるっていうことであって、それはやっぱり全然違うわけです。ところがMSXはファミコンと同じようにテレビにつなぐことができた。
ただ問題がありましてね、ファミコンよりも絵が汚いんだな。絵が汚いってどういうことかっていうと、例えばゲームなんかではスプライトって言うんですけど、キャラクターが動きますよね。例えばマリオブラザーズ、スーパーマリオでもいいですけど、主人公のマリオが横に動きますよね。Aボタンを押したりするとジャンプしますよね。
あの動いているのがスプライトなんですよ。自分のキャラクターというか敵のキャラクターというのはスプライトというものを動かすことによって表現されているんですが、MSXのスプライトは単色なんですよね、一色だけ。ファミコンはなんて言えばいいんだろう。
16ドット×16ドットのキャラクター、例えばマリオとかそうなんですけどちっこい版のマリオね。あれ横に8ドットにあたり2色使えるとかっていうことじゃなかったかな。だいぶきれいな絵が描けるんですよね。
それが全然違った。だからファミコンゲームをMSXに移植する、MSXでもできるようにゲームを作り直すことがあるんですけど、どうしても一色とか二色とかになっちゃってキャラクターは汚いというか寂しいというかしょぼくなるんですよ。それがすごく嫌でしたね。
そういう限界を突破するような技っていうのも後にMSXも編み出されていくんですが、MSXゲームのリーディングカンパニーといえばコナミなんですよね。コナミなんかはそういうMSXの弱点を補うような形でどんどん進化していくわけですが、普通の技術力しかないところにはなかなか難しくて、
コナミですら主人公とかの2色、16ドット×16ドットで1色しか使えないからそれを2つ重ねて表示させるんですけど、ファミコンだとそういうことはやらなくていいんですよね。そこいらあたりは全然違ったな。
私もベーシックとかプログラミングとかもやってみて、自分でシューティングゲームを作ったりするんですよ。それができるっていうのがMSXの売りなんで、お母さん教育にも使えますよっていうのが大きな売りなので、それに基づいてやったんですけれども、なかなかうまくいかなかったですね。いい感じにはならなかった。
あとスプライトのちらつきっていうのもあって、横に3つまでしか並べられないんですよね。4つ以上になるとなんかちらついちゃうんですよね。結構そういう限界があって、まあでもしゃーないかなって感じしますけどね。
私が最初に買ったパソコン、MSXはCASIOのPV7っていう機体で、29,800円。半分くらいに高いですね。だけどそのプログラミング、一応小さいとはいえキーボードが付いていて、ポチポチポチポチを押してプログラムを入力してましたね。
PV7っていうのでゲームもやりました。妹とお年玉セッパンするみたいな形で買いましてね。最初に買ったゲームが結局南極大冒険。コナミのね。これは有名なゲームですよ。面白いですよ。
あと何だっけ。モピレンジャー。モピレンジャーもコナミかな。これ知らないでしょ皆さん。なんかモピレンジャー。得体の知らないネズミみたいな動物がですね、仲間を助けるためにピコピコ皮をね。なんだあれ。ウンガを噛むみたいなので動いていろいろなんだかんだするっていうゲーム。
でもコナミだな多分。すごいよくできたゲームでしたよ。難しかった。で、あとスキーコマンド。これカシオ。カシオが出しているゲームっていうのもあって、カシオ計算機ですよカシオっていうのはね。パソコンもそのカシオのやつは安いのが売りで、当時MSXってちなみにNEC、富士通、シャープ以外の家電メーカーがほぼ全部参加してたんですよね。
これすごいですよね。松下、パナソニックとソニーが後に中心になっていって、あとは山陽とかもそうですけど、他も全部、東芝、日立、もっとマイナーなメーカーも出してたよな。
山葉とかも出してましたもんね。ヴィクターとかね。10社、20社とかが出してたと思いますよ。そういうその中にカシオもあって、カシオは安さが売りで出していて、結構売れてたんじゃないですかね。ゲームも出してたんですよね。
カシオのゲームはナムコと同じ数字がついていて、スキーコマンドは3なんですよね。熱湯甲子園が2じゃない?大障害競馬が1じゃない?その後は覚えてないですけど。
でもカシオのゲームってね、後にすごい大検討をして、全然画面もしょぼくさいし、あんまり面白くないゲームが多かったんですけれども、妖怪屋敷っていうゲームが出て、突然面白いんですよね。
コナミによく似てるんですよ。コナミのグーニーズっていう面白いゲームがあったんですけど、それに似てましたよね。だけど思いっきり舞台は妖怪、アメリカから日本になったわけですが、その後スーパーマリオっぽかったコネコの大冒険っていうゲームがあって、これもスクロールしないんだけれども、それなりに面白いゲームでしたね。
だんだんカシオって面白いゲームを作るようになっててびっくりするんですけど、そのところはわれかし箸にも棒にもかかんないゲームをやってましたね。ただMSXはどこのデパートとか行っても、家電量販店ももちろんですけど、電気屋さんに行ってもだいたい置いてあるわけですよ。
だって東芝なり松下なりってみんな出してるわけだから、比較的馴染みやすかったですよね。持ってた人も多かったんじゃないですかね。最終的に400万台くらい出た。日本だけでも100万台とか出てるはずなんで、それなりに思うんですよね。
そこで私はファミコンじゃなくMSXでゲームをやってたわけですよ。結局南極大冒険やりましたね。クリアしましたよ、ちゃんと。あれがたぶん私がやった最初にクリアしたゲームじゃないかな。モピレンジャー難しかったもん。スキーコマンドはクリアとかいう概念があんまなかったもんな。
コナミにはその後も散々世話になるんですよね。結局南極から始まって、次買ったらもっととにかく小遣いをためにためて、本当にこれしかないっていうふうに思い定めて買うんですよ。つまんないって本当にがっかりしますよね。
人気のゲームとその制限
だからコナミはまずつまんないゲームを作ってこないんで、そこは魅力でしたね。コナミが出してたゲームのカタログをおもちゃ屋さんだったり電気屋さんからもらってきてはためてつらめてきてましたけど、全然買えやしないんだもんな。
スカイジャガーっていうゲームがありまして、ゼビウスっぽいゲームなんですよ。まあ思いっきりゼビウスですね。正直ゼビウスの方が面白いし画面もきれいなんですけれども、MSXにはゼビウスはなかったから後に出るんですけど、ゼビウスじゃなくてスーパーゼビウスガンプの謎っていうのが出るんですけれども、移植されるんですけど、それは遠い先の話なんで、スカイジャガーやりましたね。
シューティングゲームって当時人気ありましたけど、魔女伝説。ご存知みたいに言っちゃったな。中世ファンタジーっていうロールプレイングゲームの世界みたいなんだけれども、シューティングゲームっていうのをね、主人公はポポロっていう騎士でね、それがお姫さまを助けに行くっていうゲームでしたけれども、やりましたね。
グラディウスもありましたね。MSXはね、スプライトの制限があるんで大変厳しかったと思いますけど、コナミは上手くゲーム化してましたね。