いやー意見は不思議だなーと思いました。
ですよね。
カウロスに伝えた基礎知識。
このライバルのシアノちゃん、シアノバクテリア由来の容力帯ですね。
容力帯といえば抗合性って僕は思ってきたんですけど、抗合性だけじゃないっていうところをぜひお聞かせください。
はい、そこが僕が面白がって、今ちょっと責めてるところの一つなんですけど、
マラリア原中を僕が興味を持って研究し続けてる理由の一つとして、
彼らがもともと抗合性する生き物だったっていうところに僕の興味があります。
つまり彼らは今でも抗合性をしない容力帯を持っています。
これが面白くて、いわゆる生物的に見ると不利な進化なんですけど、
なんでそういうことが起こったのかっていうところにすごい興味があって、研究したりしてます。
不利ってどういうことですか。
要はマラリア原中は、容力帯もミトコンドリアもそれぞれ取り込んだってことですね。
かつては取り込んでいて、
その生活様式としては、海とか環境中に自由生活して、
日光さえ浴びていれば天地を全うできるのに、
なぜかどっかのタイミングで他の生物の中に入って生活したほうがいいって思っちゃった人たちなんですよ。
これはとても不思議で、
例えば日光だけ浴びててエネルギー作られたらもう何もしなくていい。
何もしなくていいというか、これイメージですけど。
例えば生物の中に入っちゃうと、免疫系に襲われたりとか、とても危険なんですよね。
どうしてそういう危険を犯してまで寄生するっていう生活を選んだのかっていうところに興味があって。
容力帯で日向ボックスしながら、勝手に光で作ってくれる容力帯がいるわけですから、グルコーズ。
そうしたらもうのんびり日向ボックスして暮らせばいいじゃないかというところで、
その容力帯よりも太陽に耐えられなかったんでしょうね。
生物の中に入る人生を選んだわけですね、マラリア原中は。
そうすると、生物の中でもちろん攻撃もされるし、でもうまく共存すれば要は仲間になるわけじゃないですか。
そうです。
寄生という形を選んだ。
そうですね。
ポイントは今でも容力帯を持ち続けているっていうところがポイントで、
じゃあ今でも何してんのっていうことなんですけど、
これは10年前、2011年に実験的に証明されたことがあって、
それは少なくともマラリア原中の赤血球に住んでる時期に限るんですけど、
イソプレノイドっていう化合物を入れてあげると、
容力帯がなくなっても生き続けるっていうことがわかりました。
イソプレノイド、これは何ですか。
これは炭素が5つ繋がった炭素酸C5Oの化合物のひとつで、
いろんな化合物の鎖のもとになる化合物です。
なるほど。
例えば植物だとカロテノイドとかベータカロテンとか、リコピンとか、
そういうものをこのイソプレンから作ったりします。
C5Oの炭素がごくくっついた素材なわけですね。
いっぱいあると思います。
たぶん脂質の足とか、これだけを作るために容力帯が必要という状況になっているんですね。
なるほど。これだけを作っているんですね。
そう、それで実験の培養のところにイソプレノイドを入れてあげると、
容力帯がなくなっちゃったっていう、実験的に証明した結構面白い実験なんですけど。
これすごいですね。つまり容力帯が作っているのはイソプレノイドだという仮説があって、
じゃあイソプレノイドを合成したものを一杯地中に入れてしまえば、
容力帯は他の役割がないから消えちゃうだろうというふうに予測して、
逆かもしれないですけど、消えちゃったみたいな。
そうそう。これたぶん本当に証明できたときはめちゃくちゃ気持ちよかったと思いますよ。
ですよね。
仮説通りっていう。
ありがとうございます。これは皆さん素晴らしいことを聞きました。
カルフさんにどう伝えよう。
今回マラリア現地所在医療にそういう話をしたんですけど、
やっぱり他の系統の生き物にも抗合性をしない容力帯を持っているものっていうのは、
普遍的にいろんな系統の生物の中にいるので、
やっぱり容力帯って何かちょっと不利なことがあるんだろうなっていう感じですよね。
だから楽じゃないんだと思います。
容力帯を持っていることが。
容力帯を持って抗合性しているっていうことが、
たぶん僕らのイメージでは日向ぼっこして、それでずっと生活できるっていうイメージなんですけど、
抗合性することによって、例えば活性酸素が出たりとか、
いろんな不都合が起こるんだろうなっていうことが、
今はたぶん最新の研究者たちは想像しているところだと思います。
なるほどね。やっぱシアノちゃんと一緒に暮らすのは結構僕らの心も傷つけてくるし、
一緒に暮らすときにお互いのギブアンドテイクで、
結構ギブもしっかり上げないといけないってことですね。
そうですね。かなりいいものを提供してくれるんですけど、
ちょっとそれをちゃんと見ておかないと、いろんな僕らの体に悪いものをたぶん蓄積したり作ったりもすることがあるので、
その関係が嫌だって思っちゃう生物はもう抗合性をやめてくれってなるのかもしれないですね。
5億年、10億年のレベルでうまく付き合えるかどうかというところが決まってくるわけですね。
そうそう。
分かりました。抗合性だけじゃない。メリット、デメリットもちゃんとその分野の研究者には見えてきているわけですね。
そのレゾリューションがやっぱすごいですね。面白いです、これは。
はい。
揚力帯のすごいところ、というか面白いところとしてはこのくらいでいいですか。
はい。
最近の面白い発見っていうやつで、今のめっちゃ面白かったと思うんですけど、
他におすすめのもの、付け加えたいものあれば。ざっくりとでいいんです。
最近。
今のうまかったな、でも。うまく流れに入れてもらったんですごく嬉しかったです、2011年の話は。
最近だったらたぶん今年だと思うんですけど、
例えばミトコンドリアとか揚力帯のゲノムがなくなったり残ったりすることって何か方策があるのかみたいなことを網羅的に調べた人たちがいました。
はい。
ミトコンドリアのゲノムってことですか、それとも揚力帯のゲノムってことですか。
両方ですね。
細胞内共生由来の生き物が持ってる独自ゲノムが生き物によっては残ってたり、ある生き物では消えてたりとかするんですけど。
消えるか残るかの方策は知りたい。
やっぱりマラリア現地3つだけ残ってるんですけど、なんでこの3つなんだっていうのがありますよね。
それをマラリア現地だけ見ててもわからないので、他にもいろんな生き物を調べてみると、
どうやら高度してるタンパク質が疎水性が高いと残りやすいっていうのが一つ結論として。
そこ?そこなの?ありがとうございます。疎水性。
だから要はミトコンドリアのタンパク質っていうのは2通りでそこにあって、
一つはミトコンドリア自身が高度していて、ミトコンドリアの中で出来上がるものと、
もう一つは核高度で細胞質から供給されるっていう、この2つの内側で作るものと外から運ばれてくるもの。
2通りあるんですけど。
タンパク質によっては外から運べないものがあるっていうことです。
そういうことか。プライドじゃないんだ。プライドじゃないんだ。ありがとう。
よかった。ひろさんに聞いて。あれプライドじゃないんだ。わかった。
つまり核からミトコンドリアに運べるものは核に渡しちゃおう。
そうそう。
運びにくいものはミトコンドリアで作んなきゃいけないから作ろうと。
システム的な話なんだ。ありがとう。科学ってすごいな。
今年の発見ですか。去年か。
今年ですかね。今年かもしれないですね。セルレポーズかセルなんちゃらっていう。
プライドじゃないんだ。システム。そりゃそうか。
それで説明できることが多い。
古いよ。俺のアプローチが古いんだ。根性論的なところで言ってた。
なるほど。ありがとうございます。これは皆さん素晴らしいことを聞きました。
プライドじゃなかった。システムだった。そうか。