中村 多伽
みなさん、こんにちは。
2050のカーボンニュートラル目標に対してテクノロジー総力戦で達成するためには、というセッションになっております。
最近、排出量取引とか脱炭素とか流行ってますし、みんながやらなきゃいけないなというのは分かってるんですけど、排出量取引って実質減ってないじゃないですか。
いっぱい出したところが吸収したところにお願いしてるだけで実質減ってないじゃないですかと。
排出量管理もいろんな企業が取り入れてて、そりゃ可視化をせな、次何したらいいか分からへんっていうのは前提そうなんですけど、可視化をしてガチで減らしにいくぞとかガチで吸収しにいくぞというのをできてるのかというとできてないんですよね。
私は考えたわけですよ。ガチで吸収しにいってる人を集めたら、みんながとりあえず管理して、排出量取引して、まあいいかと思ってるところにメスを入れられるんじゃないかというところでこのセッションを作らせていただき、素晴らしい企業家の皆さんにお越しいただきました。
今日はよろしくお願いします。ありがとうございます。
簡単に自己紹介からさせていただけたらと思うんですが、順番に羽崎さんからお願いしてもよろしいですか。
波崎 大知
初めまして。薬師間から来ました。羽崎大地と言います。
普段は3年前から薬師間で暮らしてるんですけども、普段は観光領域でスタートアップをやっております。
一言でいくと消費型の観光から再生型の観光へ移行するっていうところを事業として取り組んでいます。
やってることを大きく3つなんですけども、この滞在っていうものに関わる全てのバリューチェーンを消費型から再生型に観光していく、
今回出す炭素の分脈とちょっと違うところもあるんですけども、結構生物多様性だったりとかそっちの分脈でも活動しております。
3つ簡単に事業を話しますと、すごいシンプルなんですけどサウナと新しい宿のミシュランガイドみたいなものを作ろうとしております。
あとはエコロッジと呼ばれるような、それこそ脱炭素を含めて地域の生態系を再生するような宿づくりっていうのをしております。
本日はお願いいたします。
中村 多伽
ありがとうございます。よろしくお願いします。
じゃあ上田さん、すいません資料イヤンさんになってますね。
じゃあイヤンさんに先にお願いしてもよろしいですか。失礼しました。
清水 イアン
はい、どうもよろしくお願いします。清水イヤンと言います。
3ETという会社のCEOをやらせていただいてます。
全くもって自己紹介資料になってないんですけど、ここでは何を話しているかと言いますと、その前段で何をしているかという話をさせていただきますと、
アフリカで森を作ったりランドスケープを再生したりする事業を行ってます。
ファイナンシングのメカニズムとしてカーボンクレジットを活用している、そういったような事業をやらせていただいております。
そこで前提の部分をお話しさせていただくと、今後カーボンクレジットの価格が高くなってしまうだろうと、
そういった見込みを立てた世界中の企業が今プロジェクトに直接投資を行っているという状況があるというところを示しているのがこちらのスライドです。
中村 多伽
イヤンさん、プロジェクトというのが何なのか簡単に教えてもらっていいですか。
清水 イアン
もちろんもちろん。コミュニティの方々と仲良くなって、一緒にその方々とアグロフォレストリーというと畑に少し一部を木を植えたりだとか、
レジェネラティブアグリカルチャーというと土が再生するような農業を一緒に導入したりとか、
あるいは環境植林でいうと森を荒廃してしまった土地に作る、こういったものをコミュニティの方々と一緒に取り組むというのがプロジェクトになります。
それをこれらの国でやっていきますよというのが私ども今やらせていただいていることでして、
モザンビーク、ガーナ、シエラリオネ、ルワンダで今チームが実際に、あとガーナでチームが実際に動いているというような状況です。
これは先ほどお話しさせていただいたように、コミュニティの方々と一緒にランドスケープを再生していって、
高品質のクレジットを生み出してその収益をコミュニティの方々にも還元していく。
これを通して何をやりたいかと言いますと、環境再生型の経済をコミュニティ単位で実装していくと。
この後の話にも上がってくると思いますが、環境問題、すごく非常の空論的な感じがあると思います。
ソリューションを作っていかなきゃいけないというふうにみんなも感じていると思うんですけど、
実際にそのソリューションが今どこで最も導入を必要とされているかというと、こういったコミュニティなんですね。
彼らは木を切ることでしか経済を成り立たせることができないというところに対して、
全くそれをひっくり返す経済というものを作っていく一緒にそれをやらせていただいております。
こんな感じのプラットフォームを開発させていただいておりまして、
私どもが今後になっていきたいポジションというのがですね、
世界中の投資を促進していくと、プロジェクトにしっかりとお金が流れる仕組みというものを作っていきたいというところで、
プロジェクトの見える化のプラットフォームというものを作らせていただいております。
ここら辺は今割愛します。ありがとうございます。
中村 多伽
ありがとうございます。よろしくお願いします。
中村 多伽
じゃあ、上田さんお願いします。
上田 嘉紀
はい、こんにちは。上田と申します。よろしくお願いします。
私はですね、環境省が1年8ヶ月前ぐらいに立ち上げました、
カーボンニュートラル投資を行う脱炭素化支援機構で投資を統括しております。
私自身は元々は関西電力という京都にも関係の深い電力会社の方にいたんですけれども、
その後会社を辞めまして、こちらでカーボンニュートラルに投資しています。
株主さんが民間85社おられまして、いろんな方々にお支えいただいている状態でございます。
年間の予算というような感じでやっているんですけど、
今年度の予算は公表されているので、申し上げますと600億円ということになっています。
我々はどういうところに投資しているかというと、
分野的にはエネルギーを新しいものに変えるとか、
ものづくりを効率化しようとか、サービスを使ってうまく減らしていこうとか、
こういったものに投資をしているところでございます。
投資先ですね、実はもうすでにこの資料古くなっているんですけど、
23社投資をしています。
スタートアップばっかりじゃなくて、プロジェクトファイナンスという形でプロジェクトなんかにも投資をしています。
例えばおいしいファーム、これはニュージャージーで一部を作っているような会社ですね。
こういったところにも投資をしていますし、エレファンテックのようなプリンティングの電子回路、
こういうところにも投資をしたりしています。
またファンドなんかにも投資をしたりというような形でやってきております。
よろしくお願いします。
中村 多伽
ありがとうございます。よろしくお願いします。
伊藤さんお願いいたします。
伊藤 宏次
こんにちは。心病部代表の伊藤と言います。
心病部は微生物の力で空気を資源化させるという技術を持っていまして、
その事業化を私の方で行っておりますが、私自身のバックグラウンドはビジネス側の人間でして、
もともとヤマハ発動機にいまして、
イアンさんじゃないんですけどアフリカの貧困問題を解決したくてヤマハに入ったんですが、
バイクとかパーツの管理をしていて一回もアフリカには行けずにですね、
色々うよ曲折を得て食糧生産、食と農業の領域に新規事業ということで、
ヤマハの中でシリコンバレーに行って、スタートアップと一緒に農家の自動化ですね、
収穫作業とかそういったところの自動化に携わっていました。
食糧生産に関わっていると天候の被害とかもろを受けやすくてですね、
天気の問題、気候変動の問題を解決した方がいいんじゃないかというふうに思って、
今のシンビオブという会社にジョインしました。
シンビオブという会社自体は、ここに映していただいている通り、
産業から出るCO2ですとかN2、温室効果ガスですよね、
これを微生物の力を使ってタンパク質に変えて、
食糧生産、肥料だとか養殖用の飼料、もしくは人工シルクみたいな形で、
いろんな産業に使ってもらおうというふうに思って、いろんな事業をやっております。
よろしくお願いいたします。
中村 多伽
ありがとうございます。よろしくお願いします。
小倉先生、最後よろしくお願いします。
小倉 淳
株式会社ノベルジェン代表の小倉と言います。よろしくお願いします。
うちはですね、大学発、ディープテックのスタートアップでして、
COは小倉なんですけれども、PhD持っていますので、
科学技術畑、サイエンス畑のCOという形でやらせてもらっています。
何をやっているかというと、ずっとアカシオの発生メカニズムというのを研究していて、
アカシオというのは、自然資本における最大の二酸化炭素吸収メカニズムなんですね。
これを陸上で活用しようというのが我々の発想で、
CO2吸収固定ができるというのと、あとは水をきれいにできます。
地層リン吸収して生物老化、あとマイクロプラスチックみたいなのも吸収するという形で、
この炭素循環と水循環を同時に回してですね、
さらに資源として資料、肥料、カーボンクレジット、エネルギーペレットを創出するという、
そういうビジネスモデルをやっています。
この事業はですね、我々だけだとやっぱり、
かざしもまで、川上からバリューチェーン全部網羅できないので、
いろんなパートナーさんと連携しながら進めています。
チームとしては、自分のほかに営業畑だとか、いろんな専門家と、
結局あいつに15名という形でスタートしています。
このバイオGXコンソーシアム、バイオグリーントランスフォーメーションコンソーシアムというのも立ち上げまして、
さまざまな大企業やスタートアップと連携しながらこの事業を進めていますので、
もしご興味がある方は後でご連絡ください。よろしくお願いします。
中村 多伽
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
最後に私の自己紹介させていただくと、たりきの中村と申します。
京都でインパクト投資ファンドだったりとか、
社会課題解決を目的とする企業化の育成ということをやっておりまして、
今まで大体300事業の立ち上げの伴奏だったりとか、
16社への投資というところを行っています。
16社の投資の中でいうと、例えば環境負荷の低い素材、
さっき上田さんの資料で、坂の途中って会社さん入ってたんですけど、
環境負荷の低い農業をしますとか、環境負荷の低い素材を活用して
アパレルブランドを展開しますとか、そういう会社さんに投資をしたりしています。
今日はよろしくお願いします。
ありがとうございます。よろしくお願いします。
今日どんなことにご興味をお持ちでいらっしゃったのかなというのを伺いたくて、
皆様もしよかったら挙手でお答えいただければと思うんですが、
小倉 淳
まずスタートアップ、企業化、もしくは企業準備中だよという方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。
中村 多伽
ありがとうございます。結構少なめですかね。
事業会社です、大きい事業会社とかですという方はどのくらいいらっしゃいますか。
こっちの方が多いんだ。ありがとうございます。
脱炭素系の新しい事業を始めたりとか、事業を始めていてそれに関心があって
いらっしゃったという方ってどのくらいいらっしゃいますか。
おお、なるほど。
自分たちが脱炭素目標を持っているんだけど全然達成できていなくて
何かヒントが欲しいみたいな感じでいらっしゃった方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。
ありがとうございます。ありがとうございます。
他何か聞いておきたいことあります。
大丈夫そう。ありがとうございます。
脱炭素事業を始めたい人たちということで皆さん大先輩なので
大先輩の視点でいろいろ伺えたらと思うんですが、
まずちょっと皆さんと前提の目線合わせをしたいというところで
散々叫ばれてますやん。カーボンニュートラルとかって。
過去の京都議定書もこの地でありましたし、いろんなコミットメントがあった中で
清水 イアン
それがそのギャップのゆえんでもあるのかなというふうに思ってますね
中村 多伽
その実感値が日本の人がないのって何でだと思ってます?
清水 イアン
ツバルにわざわざ行く人ってほとんどいないですよね
僕も本当に奇遇なご縁だったので
そういうことじゃないですか
いい意味で守られているのでそういうことなのかなとは思いますし
さらに言えばメディアが全然
これは明らかに気候変動の関与がありそうだよねという気象現象に対しても
気候変動が要因としてあったかもしれないというのを
日本の天気予報で話しているのは一度も聞いたことがないですし
みんながアクセスしやすいところでそういった情報がなかなか出回っていないというのは
割と大きいのかなと
あとは教育とかいろいろあるんだろうなとは思ってます
中村 多伽
なるほどありがとうございます
なかなか私が小学校の頃です
95年生まれなんですけど
小学校の頃で温暖化になっちゃうから
なったら北極の白クマさんがかわいそうだから
エアコンの温度高めに設定してねとか
まじそのレベルじゃないですか
自分の身に降りかかるみたいなのって
結構皆さん実感値あるところなんじゃないのかなと思っているんですけど
なんでまだ遠いことになっているんだろうと思っているんですよね
清水 イアン
それに関して言うと
白クマが住んでいる場所にも行ったことがあるんですけど
その地域では白クマがだんだん
陸で生息しなくちゃいけなくなってきていて
それで白クマによる重害というのが増えているんですよ
なので白クマに食われる人がアラスカの一部では増えたりするので
そういう人たちにとって白クマさん死んでしまうじゃなくて
白クマさんに殺されてしまうという状況になったりとかしますね
もうリアルがそっちになってる
中村 多伽
そうですね
ありがとうございます
全然笑い話ではないんですけどね
皮肉な話だなと思ってありがとうございます
そういう現状に対して
もちろん排出量管理とか取引とか再エネを活用していくというのも
大前提重要ではあるんですけど
吸収していくとか
行動変容を起こしていくという
コミットできる事業者が必要だという話が
上田さんからもありました
それをまさにされているのが
ノベルジェンさんシンビオーブさんだと思うんですけど
今の課題観に対して
自分たちこんな風に捉えているよとか
こんな風にアクセスしているよみたいな
よかったら小倉先生からお伺いしてもよろしいですか
小倉 淳
はい
我々がやっぱり考えているのは
今まで科学技術みたいなものが
非常に急速に地球環境を変えてきて
過去50年ぐらいはうまくいっていて
住める場所も増えたし
クーラーで快適に過ごせるようになったし
という環境を作ってきたんですけど
今はやっぱり後戻りできないほどに
地球環境が変わってきてしまいつつあるので
ここに対しては我々は
生き物バイオの力で
少しずつマイルドな形で強制するような形
地球に優しくとか僕は好きじゃないんですけど
地球と一緒に住ませてもらうという感覚が
上から目線になってしまっていることが多くて
やっぱり生き物と一緒にという形がいいかな
と思ってはいるんです
伊藤 宏次
私も小倉さんのところと一緒で
微生物の力を使って解決しようとしている方なんですけど
200年ぐらい前とかって
遡ると普通に自然が生み出す資源だとか
消費する資源と同じぐらいの割合で
一対一で回っていたと思うんですけど
それがここ最近崩れてきたよねというのが
いろんなところで問題になっていて
気候変動も含めて
表出しているというのが現状だと思うんですね
なので我々としては
できるだけ自然の力を使って
負荷をかけない形に戻していくというのが
重要かなと思っていて
それができれば
日本だったら日本の自然1個分で収まるように
世界で見れば地球1個分の自然の中で
みんながやりくりできるようになった方が
経済もしっかり成長させて
地球にも長く住めるよねという世界が
来るのかなと思って今そういう事業をやっています
中村 多伽
ありがとうございます
小倉先生と伊藤さんにお伺いしたいんですけど
その中でも
もちろん技術によって人間は発展したし
逆に技術が
技術を使う人間によって
地球は壊されてしまうみたいな現状もある中で
今技術というものをコアにして
事業展開をされていると思うんですけど
その技術を選んだ理由とか
その技術がソリューションとして
適している理由みたいなのを
教えていただいてもいいですか
小倉 淳
はい
多分伊藤さんのところと一緒だと思うんですけど
我々植物プランクトの力で
地球環境再生みたいなことを言っているんですけど
そもそも地球環境の大破壊したのはシアノバクテリアなんですよね
今から25億年くらい前に
今まで酸素がなかった地球を酸素の世界に変えてしまった
そういった無地生物の力
地球大破壊の大先輩なので
その先輩の力を借りて何とかしたいなというのはあります
中村 多伽
ありがとうございます
兄弟の力を持っているからこそ
今も戻すために使っていこうと
ありがとうございます
伊藤 宏次
伊藤さんいかがですか
結構この微生物の力を使って
何をホストにするかというのが
正確に出るかなと思っているんですけど
我々が選んだのが海洋性の光合成細菌というもので
海に一般にいるんですけども
その細菌は光合成するのでCO2を取れるというのと
それと同時に窒素も固定できるんですね
だから必要なのは光と空気と海水で
タンパク質を作り出せるということがあるので
地球にどこにでもあるようなものを使えば
その土地で資源を生み出すことができるので
その地産地消の循環を作り出せるかなと思って
このホスト生物を選んで事業をやっています
中村 多伽
なるほどありがとうございます
なんか上田さん物申したいことが
上田 嘉紀
実は我々脱炭素化新機構でも
バイオものづくりってめちゃくちゃ注目しているんですよ
というのはなぜかというと
先ほど大倉さんおっしゃったように
エネルギーを少なくして
物を変えていけるとかそういうことがあるんですよね
小エネルギーになります
これって減らすっていうところなんですね
減らすっていうのはDXも当然使えるんですけど
バイオも使える
もう一つは減らしてそれ何作るのかっていうのは
石油とかに代替できるようなものも作っていくことができる
だから置き換えることもできるんですね
しかもCO2を食べてくれるなら
それは除去することもできるんですよ
つまり減らす置き換える除去する
全部バイオってできるんですよね
すごい産業構造変わると思ってます
皆さんの中でこれ
鼻で笑われる事業会社の方たくさんおられると思うんです
でもそういうものの方がいいと思うんですね