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イタラジ第10回ということで、今日はですね、10回もやってみなさん、本当に金谷隆一さんに10回もやることができたんですけども、これからもやっていきたいと思いますけれども、
作品の印象と大伯父の登場
今日はですね、みなさん、宮崎駿さん監督の最新作、現時点での最新作、君たちはどう生きるか、これを見てきたので、
これについてお話ししようかなと思います。
君たちはどう生きるかを、ご覧になったみなさん、ご覧になってないみなさん、いろんな感想をみなさん持ってると思ったり、持ってなかったりすると思うんですけども、
私はこれは面白かったですね。面白かったというか、私は好きですね。
非常に今年の一番今のところ、パワーを感じました。これは良かったです。
よくわからない、よくわからないという声もあるかもしれない。僕もわかってないところありますけども。これは良いですね、非常に。
僕が一番感動したのは、内容に入っていくんですけども、
やっぱり大伯父出てきた、大伯父出したっーーて感じですね。
これはもう割となかった感じ。今までの宮崎駿で僕は感じなかった雰囲気というか要素が入ってるなぁって感じでしたので。
これは感動というか、いいねーって感じですね。いいね連打みたいな感じですね。
割と母性の話みたいな、導入とかから入って、お母さんが死んじゃうところから始まるんですけど。
最後の方は結構大伯父、父性というかクリエイター、試行する神みたいな感じの積み木をして、世界は秩序みたいな。
あの辺は完全にオブジェ化したモノリスみたいな石。石というか巨大岩石、隕石みたいな。
それが破滅して全部壊れるみたいな。最高ですね。
これを抽象化して、万天のこれを提示したっていうのはポイント、普通に好きですね。非常に良かったです。
2001年宇宙の旅ぐらい良かったです。
2回見たんですけど、連続して良かったですね。始め方から終わり方、始め方良かったですね。サイレンが鳴ってね、最高だなと思いました。
あれはもう最高に好きでした。サイレン好きでしたし、最後の終わり方も好きですね。
2回見て、1回見てわかんなかった部分が見た目でわかって終わったっていうのがあったんですけど。
これは一応1回見ておくといい機会があれば。もちろん、劇場でなくても面白いと思うんですけどね。そのうち、劇場で見て損失するかどうかわかんないです。
どう評価が出るかとか、いろんな感想が出ると思うんですけども、劇場で見てみるのはいいという感じの作品ですね。機会があれば。
劇場見れなくても、後に1回チェックしておくと、割とビビッとくるったり、場面場面で楽しいとかあると思いますね。
僕はカヘッカヘッっていうのはちょっとわからなかったですね。どこのシーンなのかなっていうのは全然わからなくて見れなかったんですけど。
覚えてないんですけど。ヘッヘッヘとか覚えてるんですけど、そのセリフがあったような気がするんですけど。
まあでも、基本的に実験実験みたいな、割と前衛的なところがあるので、好きですね、これは。
笑える部分とかあるし、割とエンターテインメントな感じなんで、すごく見やすかったし。
割と笑えるところが面白いっていうのがすごかった。
インコの鍛冶屋のところが大好きですね。
インコ王。インコの王様はすごいですね。最高ですね。ギャグ満点ですからね。
インコ好きですね。俺インコだなって一番、自分感情意移入で言うとインコAみたいな、インコBみたいな。
インコがパラダイスに入って、美しいとかいうところに割と感動というより共感みたいな。
そうなるよね、いいね、好きなシーンですね。
あとはすごいシーン、思想が入りまくっているシーンがたくさんあって、非常に好きですね。
いちいち絵解きしてもいいし、しなくてもいいしみたいな作品だったなぁという感じで。
いろんな下敷きがあるなぁという感じもあって、これはいいですね。非常に。見たほうがいいです。
得するか損するかはわかりませんけど、見たほうがいい作品ですね。お勧めします。
はい、そんなこんなで。もうちょっと。
具体的にね、なんかあるかなって感じですけど。
タイトルはいろんな意味があるんでしょうか。
いろんな意味がないか、ひとつの意味があるかどうかなんでしょうか。
割と古典的な始まり方というか、でも印象的なね。
昔の日本、古典的というか歴史的な始まり方として。
すごい絵面が出てきて、藤田嗣治みたいな感じのタッチになったりして。
戦争の火災みたいなのがあったりして。
あおさぎが招待するまで。ひとつの流れだと思うんですけど。
屋敷の中に入って、塔の中に入ってね、すったもんだがあるっていうところですね。
また地下世界に入って、海があって、ペリカンとか、わらわらとかの場面がある。
またあおさぎと、インコをね。インコというバードみたいな。
ヒミみたいなのが出てきて、火の女の子が出てきて。
城に突入する、屋敷に突入する、館に。
そこで出産間近みたいな夏子とあって。
夏子とがあった後に、この印象的なね、幣、御幣みたいな白い紙が来て、わーってなって。
やるっていうか、衝撃的なシーンになるっていう。
あとは大伯父が出てきて。大伯父出してきたのがすごいですね。
積み木とかを出してきて。
その積み木が終わって、インコ王が大伯父と取引するみたいになって。
その辺でちょっとアクションがあって、一気にカタストロフにいくっていう話なんですけど。
見た方用に言ってますけどね。
夢みたいっていう人もいるでしょうし。
意識の奥みたいな。
宇宙感出してきたのがすごいわけですね。
宇宙好きなの。概念としての宇宙好きなの。
実際の宇宙好きですけどね。
それ出してきたのがね、わりと火の鳥とか。
火の鳥感あるし、シュルレアリスム感あるし、SF感。
SFだと思ってますよ、僕は。ファンタジーとかあれ。
SFかなっていう感じですね。ジャンル的に。
すごい下敷きあるSF。
宇宙的な要素と人工的な存在
説明がないみたいな印象を持たれる方も多いと思うんですけど。
でも、その場面場面が他のことを説明してるんですね。
その場面自体が、普通はセリフとか場面ごとでシチュエーションの物語とかで、
その場面自体を説明するんですけど、その場面が他のものを説明してるってことですね。
摂理的な、宮崎駿が考えるこの世の摂理とか、真理とか、宇宙観とか、メカニズムとかを説明しようとしてる。
あらわに、形而上的な主題があらわになったということなんでしょうけど。
弓矢でね、木の弓矢を使って、遊びですよ。
ニーチェの言う、小人が子供の遊びによってクリエイトしたものが、「意志と石」的な論理とかロジックとか、
でも超人的なものもあるから、超人の崩壊みたいなものもあって、
ニーチェの影響が強いなと思う。
実際、ニーチェ知らないことはないだろうし、影響ないよって宮崎さんが言ったとしても、
ニーチェの見たメカニズムが入ってる。影響を受けてるわけではない。
超人的な雷、雷光みたいな、隕石のような雷光のようなものだ、みたいなセリフがありましたし。
実際、隕石って石がね、電台を持ってるし、人工的な知性みたいな、
人間のモノレス的なものから得られた人工の父性、知性、異常なメカニズムが、
大地、海、自然原理を侵略し、メカニズム化し、箱庭化していく過程で、
その中でメカニズムとして苦しむクリーチャーたちで、
そのクリーチャーたちが現実に戻ってくるんですけど、
カタストロフによって解放されるってことなんですけど、
それぞれの時間軸に戻ったり、空間軸に戻ったりするんですけど。
クロノ・トリガーとも呼びましたし、ラヴォス的なね、時間を超越したもの。
ラヴォスはちょっとマガマガしい存在でしたけど、割と調停者みたいなね。
割と秩序を作るものみたいな、秩序を出すものっていうね。
王子はね、試行錯誤する神ですよね。
デウス・エクス・マキナっていうよりは、かつて子供だったもの。
超人ですね、割と。
ただ超人もやはり崩壊の時が来るっていうか、割と父性原理。
まだ本当の超人ではないかもしれない、そういう意味では。
もしかしたらね、高人ぐらいなのかもしれない。
永劫回帰の考えもかなり入ってるし。
単線的な輪廻転生と永劫回帰の線が、円と線とかで、
三島由紀夫の《豊饒の海》もそうなんですけど。
輪廻転生と永劫回帰をぶつけると、何が起こるかっていうと、極端なクラッシュが起こって、
物語が非常に面白いんですね。
面白くするために作ってるんじゃないですけどね。
すごいクラッシュしてるんですよ。時間と空間軸が全く違うから。
すごいです。円環とだから直線というか、難しいな。
螺旋軸と円環ですね、完全な円というかね、合わさるってことですよね。
それは何かっていうと、
螺旋軸と円環、時間と空間の交錯
螺旋軸っていうのはDNAですよ、二重らせん構造。
二重らせん構造っていうのは、永劫回帰的ならせん構造での円環構造とDNA的な螺旋軸が合わさることによって、
割と細胞的なDNAを細胞膜が包むみたいなことになるので、
割と非常に生命力が出るんですよね。
物語というか、作品自体にね。
それはもう、どんな傑作でもそうなんですよね。
火の鳥なんかも、豊饒の海の向こうを張ったみたいですけど、
あの大傑作に、火の鳥も、火の鳥は未完ですけども、
あれをかなり時間線、時間思想みたいな、空間思想、生命思想を入れ込んでるんで、
とんでもないことになってるんですけど。
表現は文学だろう漫画だろうアニメだろう関係なくね、絵画だろうと関係なく。
割と表現は、尽くした人間が行き着くところみたいな。
あるいは表現、それを表すために表現が一層磨かれるというか、光っていくというか、
新しいものを取り入れていく。
だから別に、今までよりアニメーションがすごいとかではあるんです。
ということじゃなくて、違う方法を取り入れていく。
今までなかったことを取り入れていく。
別に、全部ね、チョイス的にすごく技術を磨いたというより、
今までなかった方法、あるいはあった方法を異化効果的に使っていく。
そういう方法ですよね。
そういうことをしていくっていうのは芸術の非常に風味の出るね。
風味どころじゃない、味の出る。
コクが出る。
すごい、非常においしくなる秘訣、隠し味であるんで。
あくまで主題と構造は表裏一体というよりも、不二のものなので、分割不可能なもので、
そこは君たちどう生きるか徹底されてたんで、良かったですね。良いです。
戦時中の話ですし、戦争を風立ちぬで感じた欲求不満感はわりと今回で解消されて、
一つの作品のように、私は二つの作品のように、風立ちぬと君たちはどう生きるかは本当に双子みたいな。
双子どころか、君たちはどう生きるかは、いままでのジブリ作品を逆照射する。
僕の中では作品になったので、まだジブリを見返したいなって気持ちになりましたし。
宮崎さんの思想と天才的な創作
宮崎さんは思想を持ってる方だな。
ちゃんとこういうことまで意識を巡らせてクリエイトしてたんだ、新しく作り出してたんだ、非常に天才ですね。
天才でもなんでも、賞賛の言葉は言うまでもないですけど、本当に素晴らしい領域で作っている方だなというところがありますね。
アニメーションの可能性とか、アニメーション映画作品の可能性、芸術ですね。
そこは体験としてね、あらゆる象徴と言うとあるけども、それを表現としてね、
表面にそれが浮き彫りになってるっていう、メッセージっていうかね。
君たちがどう生きるかっていうメッセージがあるけども、
それが割と大きくなったのに、それに負けてない、作品内容なんて。
我々はどこへ行くのか。ゴーギャンの問いと作品があるけれども。
あれも負けてないとは思うんですけど、そこを負けない力を、強度をね、作品が持つっていうのは非常に。
メビウスの輪的になっているから、永劫会議と輪廻転生を混ぜ込んでるから、メビウスの輪になってるんですよ。
一つ回転がかかってる。だからそこはその特異点が塔なんですけども、これは当然の話で。
カタストロフによって環が戻るかに見えて、実は塔がなければ、塔の崩壊があれば、
塔の存在とまた崩壊がなければ、真人は存在しなかった。人間が存在しなかった。
死の匂いする眞人が「生きねば」にならない。生きて死んでいくんでしょうけど、真人がね。
そういうふうにならないと。そこをこう、メビウス構造。そこがやっぱり非常にありますね。
僕、夏目漱石っていう大伯父が聞いたんですけど、
作品の表現とメッセージ
夏目漱石じゃないかっていう感想をブログに読んで、ああなるほどなって思ったんですけど、
僕は直感的にニーチェだなって顔を見てね。
モデルがかぶってるかもしれない。いろいろな人が入ってるかもしれないけど、普通にニーチェだった。
雷鳴、ギザギザ頭になってて、おじいさんになってますけど。
あそこの顔のアップの描き方は、湯婆婆とかみたいにギラギラしたものかと思ったけど、
まあ、何か十分表現になってるかなって感じはありますけど、難しいですよね。
でも電撃は良かったですね。電撃が石から発するのはすごく良かったですね。
Ruinaのオーバーロード、タイタス一世でオーバーロードを出しましたね。
ruinaも相当な傑作なんですけど、あれは最近は言及されないですけど、とんでもない傑作だと思います。
タイタスっていうオーバーロードっていうのを作った。
あとは大河の神との交流みたいな。あれは「世界を愛していた」みたいなのを作った時点で、
だいぶruina~廃都の物語は傑作なんですけど。
天宮がね、天井にあるっていうのだけで、バラを落とすっていうね。
青さぎにバラを落とすっていう、リルケみたいな純粋な矛盾みたいな感じで消えていくんですよね。
その前に偽物の母が溶けていくっていう場合もありますけど、
あの辺は本当に象徴の海みたいな感じになってて最高ですね。
天球がね、宇宙が見えてるみたいな。
見えてるって言うと、あ、結節してるってね。SF的なもの。
SF的に言うと、宇宙形而上学ですね。宇宙形而上学。
非常にあらわになっていて、ああ、大好き。
まあでも、そのままでなかったわけじゃない。
表現でね。全く新しいものを作ったっていうのもある。
それらを組み合わせて一つの壮大な伽藍を作ってるから、その伽藍の崩壊も描いてるから。
傑作、大傑作。100点満点、120点満点。
次がどんどんフォローするも反発するも、
クリエイターたちは奮発するんだろうなっていうのがありますね。
どんどん僕も創作したくなっちゃうんですよね。
って言うほどクリエイトしたい。生きていくって言うと楽しくなってくるっていう。
大傑作ですけど。
まあまあ、皆さんもどう生きるかってね。
働くとしか考えたりもいいし、考えなくてもいける。
エネルギーがありますね。ツァラトゥストラ的ですね。
熱いエネルギーがあって、熱があって、死と死生が同法があるから。
マイナスとプラスがある。
ゼロ。ゼロなのか?って言われるけども、それはゼロというよりユニバースなんですね。
埴谷雄高がかなり考えてるんですけども。
マイナスを突き詰めるところもあるし、プラスを突き詰めるところもあるし、
そういうふうに因果は回るっていうね。
そういうメカニズム。原初の森、始原の森みたいなものを、
堀切さんの思考論で、始原の森って言ってるもので、
三島由紀夫の豊饒の海のラストとかマックス・エルンスト風の森が出てきますけど、
森というか植物が出てきますけど、それと本当の意味の豊饒の海の母性原理と、
天の父性原理みたいな始原の森を合体させちゃってる時点でも、
そこの間にインコ、バード、ヒミとバードで『個人的な体験』みたいなのが出てるんですけど、
印象がありますかね、バード、ツイッターみたいな、ツイッターっていうのはインコね。
人間はそういう箱庭的な世界観を入れてやってる。
非常にご馳走様って感じです。これからまたいただきますとか、おかわりって感じです。
この非常にシュルレアリスムでありリアリズムであり、ロマン主義であり、
そういう区切りでくくれない、信仰的にもあり、
天岩戸とヒノカグツチか入れ込んでますけど、
ニーチェとかね、新約・旧約の7つの石、つまり1週間と13人で、
13人みたいな、12人+ユダみたいなのがありますけど、
そういうモチーフもありつつ、分かりやすく出してて、
十戒もあるし、キリストもあるし、ユダヤ教もあるし、
そういうふうに聖書の世界を入れ込んで、
もしかしたらイスラムの価値もあるかもしれないし、仏教の価値もあるかもしれないし、
そういういろんな諸宗教、ゾロアスターもあるかもしれないし。
そういうのを入れ込みつつ、一つの凝縮していくっていう、単なる物語ではない、
芸術ですね。
芸術というのが、総合体、複合体、有機体、無機体、複合体ですね。
カオス。これがもうほんとに出ているので、それ以外にもあるんですけども、いろんな部分。
門のラテン語とか入れたりは、神曲的なものなんかみたいなのがあるし、
床の模様は何なのかとかね、背景の模様は何なのかとかあるし、
とりあえず徐々に読み解かれていくものなんじゃないかなと思っていますけども。
こんなに厚く語れる作品はなかなかないので、
非常に同じ時間に巡り合わせたことを幸福に思う次第でございます。