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2022-03-29 17:03

【Playback#33】「画家宣言」の背景│ 横尾忠則さん(美術家)(#1:2018年11月)

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/tzyQZwsDK3k

今回のUpdaterは、美術家の横尾忠則さん。
長年世界で活躍し、評価される彼の生き方の源泉はどこにあるのか? 
横尾さんにとって「描く」ことと「書く」ことはどんな意味を持つのか直感や大切にしているご自身のルールについてもうかがった。
(2018年11月横尾さんアトリエにて対談)

【プロフィール】よこお・ただのり/1936年生まれ。72年にニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ、ベネチア、サンパウロなど各国のビエンナーレに出品。アムステルダムのステデリック美術館、パリのカルティエ財団現代美術館での個展など海外での発表も多い。95年毎日芸術賞、2001年紫綬褒章、06年日本文化デザイン大賞、08年小説集『ぶるうらんど』で第36回泉鏡花文学賞、11年旭日小綬章、同年度朝日賞、14年山名賞、15年第27回高松宮殿下記念世界文化賞など、受賞・受章多数。12年神戸に横尾忠則現代美術館開館。13年には香川県豊島に「豊島横尾館」開館した。

【横尾忠則さんへのインタビュー】
〈3月29日(火)公開〉Talk.1|「画家宣言」の背景
〈3月30日(水)公開〉Talk.2|生き方の源泉
〈3月31日(木)公開〉Talk.3|大人の感性、子供の感性
〈4月1日(金)公開〉Talk.4|死後の世界で会いたい人
 *再生リスト| https://bit.ly/37EeAcW

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▼【聞き手・早川洋平プロフィール】
はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

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■目次
OP
創作活動を行う場所
創作活動を行う目的
コンセプトの考え方
作品展示の意図
最近アップデートしたこと
「画家宣言」の背景
グラフィックと絵画の違い
画家へ転身する際の恐れ

▼関連キーワード
#横尾忠則
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#インタビュー

Editor : Kimi

00:01
お子さんに最初にお礼を言いたくて。
何のお礼ですか?
病気とか、健康とか、マニアというか大好きで。
どうしてですか?
結構若い頃から、最初新聞社に就職したんですけど、すぐ肝炎になって倒れて、その後うつ病みたいになったりとか。
いろいろ、23歳の時にそういう経験したら、すごい健康オタクみたいになって。
でも今から健康オタクの方がいいかもしれないですよね。
これから複雑な病気がどんどん増えてくるからね。
で、お子さんのこの本の中に、釈迦の霊仙。
はい、釈迦の霊仙。
早速買わせていただいて。
本当?
今、毎日飲んでいて。
そう?
今も飲んでるんですか?
飲んでますよ。
もう40年ぐらい続いてるんじゃないかな。
すごいですね。
必ずこういうパックに5個ぐらい来るんですよ。
それがなくなる頃にまた送ってもらうから、ずっと飲んでます。
すごいですね。
ものすごく良いお水ですよ。
本当ですか?
普通の水と全然違う。
薬とか飲む時にも、その時に電話で受付してくださった方が、薬飲む時にも副作用が出にくいとか。
とにかくね、水だけで難病が治った方がずいぶんたくさんいらっしゃるんですよ。
でも厚生省の方がそれを許可しないんですよ。
言えないですよね。
単に水だと思ってね。
でもドイツの方からいろいろな科学者が調べに来て、水の成分を調べて驚いたらしいんですよ。
これはすごい。借金力がものすごい。
じゃあ実際科学的にもそういうものがあるんですかね。
そうなんですよ。
まだ飲み始めたばっかりなんですけど。
続けてください。絶対に続けたほうがいいです。
この中に健康サンダルの話も書いてあって、横浜さんその後は健康サンダルは?
もう毎日、これもそうじゃないかな。これもそうです。
ちょっと見せていただいてもいいですか。
こんな見たて汚いだけで、こういうふうにブツブツがあるんですよ。
やっぱり本の中でも結構刺激が強いやつじゃないと嫌だって書いてあって。
刺激の強い方がいいですね。
これはもう少し装飾的だけど、うちにやっているのはもっと突起物が。
やっぱりそうですか。
ちょっと靴下を脱いで裸足で履くと痛いくらいの方がいいんです。
そうなんですね。
僕も今回買わせていただいて、よく温泉とか銭湯にサンダルじゃなくて痛いのがあるじゃないですか。
03:00
あの上に立つと痛いでしょ。
ただ面倒くさがりなのであれだと続かないので。
だからサンダルにしてしまえば、僕は事務所にアトリエにいるときはずっとサンダルです。
やっぱりそうですか。
外を歩くときは靴ですけどね。
ツイッターを拝見して、昨日かな。
横尾さんが新しい作品に取り組まれて、ねじれ現象。
これこの中にあるんですか。
いっちゃんに見せちゃいけないかもしれないですけど。
いや、あるようでない。
じゃああるんですね。アトリエでいつもやっぱり基本的には描かれるんですか。
そうですよ。あとは美術館での展覧会のイベントとして公開制作することもあります。
どこが描きやすいとかそういうのってあるんですか。
同じ場所で描くと作品もだんだんその空間に妙に馴染んでしまって、新しいことができなくなるんですよ。
だからそういう意味では、制作場所をてんてんと僕はどっちから出ちゃうかというと、移動してそれで制作する方なんですよね。
ちょっと長期の旅行になると、もうキャンバス持って行ってホテルで描いたりね。
例えばどんな作品でもいいんですけど、その作品を例えばあるところまでアトリエで描いて、あるところからは移動させるみたいなことはあるんですか。
いや、それはないよね。
一つの作品は一箇所で描き始めて、できれば仕上げる。仕上げるって僕の場合はほとんど未完状態で終わっちゃうんですけどね。
そのねじれ現象もそのうち発表する?
いやそれはもう発表しない。ほっちらかし。
目的?絵はその目的を持って描いてるわけじゃないっていう。
ただあれですよね、身体を動かすっていう、最近そういう身体制っていう意味ではそれが一つの目的なのかなっていうのは描いてあるんですか。
目的、そうね。それ自体が目的ですよね。描いた絵は行き先って言えばいいのかな。
そういうことはほとんど考えないですね。
それを考えると、結果を考えたり目的を考えたりすると、今やってるこの瞬間がね、逃してしまうんですよね。
今日はこの私の番組がライフアップデートっていう番組なんですけど、人生を更新していくように生きていくことが大切っていうコンセプトなんですけど、
コンセプト嫌いですよね。今言った後に。
コンセプトは考えなくもないですけれどね、コンセプトっていうのはある意味で枠を決めることですよね。
そうするとその枠の中で物を考えたり肖像するっていうことは楽と言えば楽なんですよ。
06:05
そうじゃなくて僕はその固定したり確定された枠の中からできればはみ出したいわけですよね。
だからアトリエっていう枠の中からはみ出す、社会っていう枠の中から、あるいは美術っていう枠の中からはみ出そうっていう気持ちが自分の生き方と重なるんですよね。
だから固定した枠、コンセプトってどうしてもそういうところがあるじゃないですか。
だからどっちかって思考優先でしょ。僕は思考優先は後でついてくる問題で、それよりも何よりも体感するっていうことですよね。
そちらの方を最優先して、むしろ絵を描くときに思考は全部排除して、頭の中空っぽにして、チンパンジー状態が一番いいと思うんですよ。
ちょうどこの前、横尾さんのこの在校代表室で行かせていただいて、非常に面白かったんですけど、
大和武る作品、どうしてもそれこそ枠にとらわれた質問かもしれないんですけど、
なんで斜めに張ってるんですかね。ちょっと疑問かもしれない。
会場で?学園がそうしたかったんじゃないですか。
これは横尾さんが自分で斜めに張ったわけじゃないですか。
それはもう学園院で、どんなふうに逆さにでもいいし、裏でもいいから好きなようにやってって。
特にこの展覧会に関しては、とにかく僕はガラクタって言うんだけれども、学園院の方は嫌がるんですけどね。
そんなこと言わないでくださいって言うんだけど。どちらにしても、そんな作品だから、好きなように展示すればいいから。
これだって10人やって頂戴っていうのが、僕のある意味での考え方ですよね。
だからそれで学園が、範囲内で10人やってるわけで。もっとめちゃくちゃしたっていいわけですよね。
でも一番面白かったのは、作品はもちろん面白かったんですけど、美術館の入り口のところに、セールってもう掛け軸みたいな。
あれは学園の人がね、知恵絞って、面白おかしくやったんですよね。
だからそういうことも、要するに美術館ではできないかもわかんないけども、僕のところの美術館は、孤立美術館だけど、それが何をやってもいいってことになってるので。
伊藤さん、この3年間でご自身でアップデートしたことって何でしょう?
3年間?この3年間。
1年でもいいですけど。
09:00
あんまりね、何年も何十年も前からね、区切りなくずっと連続してきてるのでね。
区切って考えるっていうのは、ちょっと苦手ですね。
全部連続してやれるっていうので、作品だって1点っていうよりも過去に何十点、もっと作ってかもわかんない。
そういったものは1点と考えても面白いんじゃないかなと思って。
全部その便宜上作品になってるけど、全部繋がってる。
ものすごく広い会場がもしあるとすればね、最初からずっと全部こういうふうに平地してジャクサポジションっていうんだけども、くっつけて全部並べても面白いなと思う。
こんな小さい作品もあるけれども、その隣に来るのはものすごく大きかったりして。
それで1点ですっていうね、そういうのが自分の作品を語るには一番適切かなと思うんですけどね。
そういう会場がもしあれば、そういう展覧会やってみたいと思いますけどね。
1キロぐらいの距離があってね。
この今同じ質問を30年前の横尾さんにしたとしても、やっぱり今みたいな答えですね。
30年前ってついこの間だからね。そんなに変わらないですよね、多分。
そうなんですね。僕今38なんですけど、
伺いたかったのが横尾さんの画家宣言俗に言われて、1980年7月頃。
そうですね、1980年にモマのピカソというのを見て、その会場で決断したので、その年の夏だったと思うんですよね。
7月か8月だったと思うんですけどね。だから決断した日が、画家に転校した日にちだと思うんですよね。
展覧会で発表するのは1年か2年になるんですけどね。その間ずっとやっぱり描くことは描いてたからね。
ちょうど僕その月に生まれてるんですけど、
そうですか。
それになぞらえてじゃないんですけど、ちょっと伺いたかったのが、ずっとその時の画家宣言の時の、
いわゆる横尾さんのいろんな本を読ませていただくと、そのモマを、ピカソの絵を入り口で入って出てきた時に、
僕は豚からハムになっていたって。これ本当に言われた、描かれたこと?
そうね、それに近かったですね。
これちょっと不尊を承知で伺いたいんですけど、なんか僕違和感を感じて、
グラフィックデザイナーからある意味それで画家になるってわけですよね。
12:01
なんか豚からハムじゃなくて、なんかハムから豚なのかなって思ったんですけど。
それはハムから豚ね。だからグラフィックっていうのは商品化がある意味でされて、
それがもっと野生にどんどん戻っていくっていうと、豚。
その考え方の方が、もしかしたら正解かもわかんないよね。
なんかね、そうちょっと勝手に違和感が。
なるほどね。分かりやすいために美術館、缶詰工場に美術館をなぞると、
入口から来た豚が入っていってゾロゾロ。
なんかいろんなことがあって、缶詰でポンと出てくる。
そういうことでしたね。
そういうことなんです。別人っていうよりも別のものになったっていう、
そのぐらいの大きい転換が僕の中にあったんですよ。
グラフィックと絵画がどう違うのかっていう、
そういう説明は一切抜きにして考えるとね、
やっぱりグラフィックと絵画は僕の中ではものすごく違ったものだったんですよね。
一言で言うと何が違うんですかね。
一言で言うと、グラフィックはお仕事と考えて、
絵画はお仕事じゃなくて、もう少し生きることと直接つながる人生だったりするわけですよね。
お仕事だからいわゆる生活と直結してるわけですよね。経済生活と。
絵画っていうのは経済生活と直結してない。
だからそういう意味では全く接点があるようで、接点はないですよね。
経済の話も出ましたけど、私も今起業して10年なんですけど、
やっぱり常にどんなに転んでも経済は向き合わなきゃいけなくて、
その時に横尾さんに伺いたかったのが、グラフィックデザイナーから画家に転校した時に、
お金、経済とどう向き合ったのかなというか。
僕はご子息のAさんの何か記事で、当時ちょうど息子さんはアメリカ留学してて、
その時にそれで画家に転校して、父から学費は出すけど生活費は自分で稼げみたいな。
そういうこともあった状況の中で、横尾さんご家族も含めて、
シンプルに恐怖とかなかったのかなとか。
僕はね、そこまで気が回らなかったんですよ。絵を描くことに夢中になってたから、
15:07
赤色にするか青色にするかっていうことが僕にとって大問題なんですよ。
だから生活から完全にその時点では切り離されているので、
お金のことっていうのは、経済生活のほうは全く考えなかったですね。
それは僕が考えるべき問題じゃないと思ったんですよ。
うちの上さんが考えればいいんじゃないかって。
奥様は、ちょっと込み入った話になっちゃいますけど、いわゆる経理的なこととかも見てたとか。
いや全然。
家の家計っていう意味で。
家計ぐらいはやってましたけどね。
だからいまだに僕は月にどのぐらい稼いでるのか、稼いでないのか、
家にどれだけの貯金があるのかということはよくわからないですよ。
だから家の財産、不動産、現金も全部ひっくるめて、いくら家にお金があるのか全然わからない。
聞いたこともないです。
それはいわゆる画家宣言する前から、グラフィックデザイナーの時からあんまりそういう。
もう大昔から、子供の頃から。
そうなんですね。
だからお金のことで、僕自身は、うちの上さんはお金のことで苦労したかもしれませんけども、
僕はお金のことで苦労したことは一度もないんですよ。
全くないですね。
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