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こんにちは、73才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、37回目の収録になります。
皆様のおかげで、こうして続けることができ、感謝しております。
この放送では、食や健康、そして薬膳に関することをお話ししております。
皆様からいただく、いいねやコメント、とても励みになります。
これからも、よろしくお願いいたします。
今日は、江戸の健康食から、うどんを取り上げ、音声を収録していきます。
うどんの最初は、小麦粉を丸めた団子、これを箸でつまもうとすると、
溝がないから、くるくるとして、つかみどころがなく、
渾沌としているから、これを煮たものを、最初は渾沌と言った。
その後、うどんは食べ物だから、この渾沌の渾という字が山髄だったんですけど、
これを食片に改めて渾沌となり、温めて食べるから、うどんになったという。
その始まりは、奈良時代と言われ、小麦団子に飴を入れた中国都内の糖菓子が、その元の元となったという見方もある。
江戸時代に入って、市中に屋台のうどん屋が出始めて以来、
蕎麦とともに日本の代表的な二大すすり麺になった。
江戸の料理文書には、うどん料理を記述したものがとても多く、
例えば、料理物語には汁の作り方や薬味に胡椒を使うこと、
料理三階教には、特に鰹節での汁の作り方、
素人傍聴、これ本の名前ですね。
素人傍聴には、雷うどんの作り方など、枚挙にいとまがない。
江戸時代は、うどん食文化が全開した時期なのだ。
関西地方の麺は、うどんが主で、蕎麦は副。
だから関西に行くと、本場だけあって、おいしいうどんが多い。
そして粋な呼び方も嬉しい。
切って干した形のうどんは切り麦。
麦というのは麺の意味です。
それを熱くして食べる時は厚麦、冷やして食べる時には冷麦などと呼ぶ。
これに対して、関東地方では、うどんより蕎麦が好まれる傾向もあって、
昔はうどんのことを蕎麦うどんと呼んだ時代もあった。
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ただ、その食べ方は西も東も、醤油、みりん、だし汁などで調味したつゆを下地にして、
これをつけたりかけたりしてすすり込むのは同じである。
うどんは小麦粉に食塩と水を加え、混ぜる。
うどんは小麦粉に食塩と水を加え、練り合わせてグルテンを形成させ、帯状に切り出したもの。
これを生麺と言い、茹でたものをゆで麺、乾燥したものを乾麺と呼んでいる。
米という流食・主食型の民族である日本人の食にあっては、
蕎麦と並ぶ代表的な紛食食品で、その大型はゆでた後、汁とともに食べる、線状に切ったものである。
小麦粉の団子を煮込んだものがうどんの原型であったから、本来は煮込みうどんが食法であったが、
今ではほとんどが一旦、ゆでておいたものを熱湯につけてかま揚げし、
これに汁だけかけた酢うどんや天ぷら、きつね、たぬき、肉、卵とじ、にしん、おかめなどの種物になっていった。
うどんを単一食とせず、さまざまな具をのせることで、食味に幅を持たせたり、栄養の補給や色彩の美しさなどを織り込んだりしてあり、
日本人の知恵と感性の豊かさをかいまみることができる。
さらに、うどんに関わる知恵の枝分かれは、全国に名物のうどん地域をつくって、米の並ぶ食として大いに発展させた。
東海道は芋川の立場の平うどん、これ岸面の元祖ですね。
香川県のさぬきうどん、兵庫県南波、大見の関西系うどん、名古屋の岸面、群馬は伊加保の水沢うどん、北は秋田の稲庭うどんなど、他の地域にも名物は数知れない。
以上です。
この本にもあるように、地域ごとで名物のうどんが誕生したようです。
ここでは江戸地帯のうどんの様子が述べられておりますが、
ひるがえて現在、私の住む愛知県の名物うどん、今の言葉で言えばご当地グルメというのでしょうか。
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豊橋カレーうどんについて少しお話をさせていただきます。
豊橋カレーうどんはどんなグルメか、その誕生のいわれは何かというと、
愛知県豊橋市は昔からうどんの消費量が多いことで有名です。
もっとたくさんの人にこのおいしいうどんを食べてもらいたいという地元民の思いから、
豊橋観光コンベンション協会と面類組合がタッグを組んで開発したのが豊橋カレーうどんの誕生です。
つまり、行政と業者のタッグにより生まれました。
豊橋カレーうどんには5か条からなる決め事があります。
1. 自家製麺を使用する。
2. 器、つまりどんぶりですね。
このどんぶりの底からご飯、とろろ、カレーうどんの順に入れる。
3. 豊橋産うずらの卵を使用する。
4. ふくじん漬けまたはつぼ漬け、紅生姜を添える。
5. 愛情をもって作る。
この5か条の下、各店舗がうどん屋さんですね。
うどん屋さんが工夫を凝らしてこだわりが詰まったのが豊橋カレーうどんです。
特徴を言いますと、今5つ言いましたけれども、
特徴を言いますと、ご飯を、カレーうどんなのにご飯を使う。
そこにとろろが入っている。
そして豊橋産のうずらの卵を使うというところが特徴であります。
お店のこだわりも、例えばうずら卵を使用するんですけれども、
それを茹でたお店もあれば、焼いたお店もあれば、揚げたお店もあるなど様々です。
食べ方は、普段通り上のカレーうどんから味わい、
そしてうどんを食べ始めると、とろろがかかったご飯が現れますので、
残ったカレー汁と絡めて食べると、また違った味わいとなり、
つまり、うどんとご飯で2度楽しめるというのが特徴です。
私がかつて勤務していた大学で、調理実習を担当していたときに、
豊橋麺類組合の皆さんに蕎麦うちの実演をしていただくなど、大変お世話になりました。
皆さん、とても気さくで良い方ばかり、
そして常により良いメニューのための工夫や勉強をしている様子が伝わってまいりました。
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この収録をお聞きの皆様、ぜひ一度、豊橋カレーうどんをご賞味ください。
本日は、江戸の健康食からうどんを取り上げ、
一緒にご当地グルメ、豊橋カレーうどんについて音声を収録しました。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。