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すこしふしぎナイト。この番組では、藤子F不二雄先生の、すこしふしぎな物語について、楽しくおしゃべりします。
はい、みなさんこんばんは。ゆうすけです。
さっぱです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
本編始める前にですね、あ、忘れてたっていうことがありましてね。
はい、忘れてたことですか?
忘れてたって、ちょっとあれやねんけど。だいたいね、本編10回撮ったら、お便り回っていうのを今まで挟んでたんですけど。
はいはいはいはい。
このね、SF短編シリーズに入る前に、テーマリクエスト回っていうことでね、ありがたくみなさんにいただいたものをね、順番にご紹介してたんですけども。
うん。
おかげさまでね、それも10本ぐらい出せて、新しく聞いてくださったみなさんとかからも、お便り届いてるんですよ。嬉しいことに。
それは嬉しいですね。ありがとうございます。
ありがとうございますね、おかげさまで。
はい。
頑張っておりますよ。
そのままSF短編シリーズに突入したわけですけども、本来ならここでね、いつもお便り回を入れてたんですが、
はい。
あの、いただいた段階でしっかり目は通しておりまして、全部読んでますので。
はい。
ただちょっとね、シリーズとシリーズの切れ目で、また次回のお便り回をしようと思ってますので、ご紹介の方はもう少しお待ちください。
はい。
ということをちょっとはじめに言っとかないといけないなと思って。
はい。
というわけで、SF短編シリーズ続けていきましょう。
はい。
今回取り上げる作品は、「ころりころげた木の根っこ」という作品です。
はい。
1974年にビッグコミックに連載された読み切り作品で、
うんうんうん。
内容をネタバレにならない程度に、また概要を説明していきますけども、
はい。
この作品の主人公は、編集者の新人さんなのかな。
たぶん別の部署から編集部に飛ばされてきた新人の、若いサラリーマンの男性。
うんうんうんうん。
彼が、いわゆる新人に与えられる試練じゃないですけども、
すっごい偏屈な小説家のところに原稿を取りに行ってこいと言われて、
はい。
借り出されるところから始まるんですよね。
うんうんうんうん。
たしか、奥さんがいて、この日が結婚記念日なのかな。
はい。
この日を早く帰るよう的な話をしてたはずなんだけど、その先生につかまっちゃってというか。
うんうんうん。
よく出てくるじゃないですか、漫画に。
なかなか締め切りやのに原稿書いてくれない人みたいな。
はい、いますね、そういう人。
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そう、そのタイプで拘束されちゃうんですよ、先生の家に。
うん。
でも、結局1日ぐらいね、丸1日この帰れないみたいな状況に置かれるんですけども、
その家の中で、違和感を感じるという。
うんうんうん。
そういうお話です。
はい。
ねえ、まあこれ、けっこうSF短編の中でも人気の高い作品かなと思ってるので、
うんうんうん、なるほど。
このころり、ころげた木の根っこっていうタイトルを見ておっと思った方はいらっしゃると思うんですが、
はい。
読んでみての、ちょっと感想はどんな感じですか、この作品。
いやあ、もう私は、ああ、なんかそうなると思ってたよっていう感じだったんで、
ああ、はい、はい、はい、みたいな感じではありましたね。
あの、さっきほら、違和感を感じる、ん?違和感を感じるって頭痛が痛いみたいになってるな。
うんうん、違和感がある。
そう、違和感があるっていうふうに言ったんですけども、
はい。
ちょっとずつ、さっぱさんはそれに気づいていったわけですね、読んでいって。
うん。
きっとこうなるんじゃないかっていうところが、そうなんですよ、この作品読んでると、気づいちゃう作品なんですよね。
うん。
実は。
で、どんな結末が待ってるのかっていう部分。
はい。
うーん、ちなみに僕ははじめ読んだときに、そんな違和感はもちろんあったんですけども、
うん。
あの、さっぱさんほど、ちょっと鋭くなくて、
おおー。
最終的なところで、けっこう、うおーってこの、
うん。
うわあ、まじかってなったタイプです、僕は。
うーん。
じゃあ、えっと、こっからね、じゃあどんなお話だったのかっていうところを中身に触れていこうと思いますので、
はい。
まあ、例のごとくね、自分で読みたいなっていう方はここで止めていただいて、また読んでから来てください。
はい。
はい。
じゃあ、ちょっと話していきましょうか。
うん。
はい。
冒頭、まず、その小説家の家に行くときに、なんかこう、悪いいたずら猿にね、
うん。
出くわすんですよね。
はいはいはいはいはい。
なんかかわいくない感じの。
で、なんだこの猿って言ってたら、その先生の飼い猿、飼い犬じゃなくて、飼い猿、ペットか。
うん。
の猿さんで、その猿をつかまえに来た先生と一緒に家にあげてもらうと。
うん。
で、先生の家にいるのがね、そこのお家の奥さんなわけですよ。
はい。
で、この奥さんがなんというか、こう、もの静かというか、
うん。
あの、キャラクターの絵的にも、ほんとに気が弱そうな感じっていうかね、
うん。
こう、うつむいてて、目もほとんど閉じてて、物言わぬ感じのね、
そう。
方なんですけども、
はい。
いきなり、主人公の目の前で、バーンってはたかれるんですよ、先生に。
うん。
で、「見苦しいところを見せたね。」と、この猿を逃がした罰を与えてやらんといかんということで。
うん。
主人公、いきなり引いてるんやけど、ここで。
はい。
まあね、私は家のことはすべて、家内にまかせてるから、
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うん。
お家の中での失敗とか、疎走はすべて、あの、責任を取ってもらうようにしてるっていう。
うん。
いわば、なんか、めちゃくちゃ、なんていうの、停止感覚というか、
そうですね。
ね。
で、このね、小説家の先生、自身もすごい変屈というか、頑固というか、
うん。
気難しい感じのね、疎走キャラクターで、
はい。
原稿を取りに行ったんやけど、案の定書いてないんですよ。
うんうんうんうんうん。
どころか、なんか1ページも進んでないみたいな。
そう。まだ構想を練り中みたいなね。
おいおいおいと。
うん。
そこら辺でね、主人公も結婚記念日やのに、早く帰りたかったのに、みたいなところのね、事情とかも出てきながらね。
はい。
そう。じゃあ、また取りに行きますよって言うんやけど、
なんか、近くでこうね、見張ってたら、やる気が出るかもみたいなことを言いながら、なんか酒飲んだりとか、テレビ見たりとか、
うんうん。
してて、まあ、一向にね、書いてくれないみたいな。
はい。
で、その中でね、奥さんと先生のやりとりっていうのを、どんどんどんどん目撃していくわけですけども、
うん。
昼間からも、この先生が酒を飲んでると、原稿も書かずに。
うん。
で、まあまあ、飲もう飲もうみたいなことで、酒をこう継ごうと思ったら、入ってなかったんですよね、瓶の中に。
はい。
酒が入ってないじゃないかいうことで、また奥さん指つけて、バシーンと殴ると。
うん。
でも、そこまでしなくてもっても、主人公も、本読んでる読者の僕らのほうも、ちょっと引くぐらい強く当たるんですよね。
うん。
結局、その先生の家に、ずっといなきゃいけなくなってしまったので、おトイレを借りようとね、したら、この時代にも珍しくなってるような、くみ取し式のおトイレ。
今、ね、もしかしたら、これ聞いてる人で、くみ取し式なんて通じない人いるんじゃないかなって、思うぐらい古いんですけども。
どうなんですかね。
うちあれよ、おじいちゃんの家とかくみ取りやったよ。
あ、ほんとですか?
うんうんうん。
うんうんうん。
いわゆる、なんていうの、ぼっとん便所って言ってたんやけど、うちの地域では。
はいはいはいはいはい。
そのまま、だから、水せんじゃなくて、
うん、わかりますよ。
おトイレの、そう、下にこいだめがあって、そこに直接するんですよね。
で、バキューモカがくみにくるっていう。
うん。
で、これの何が問題かって言ったら、すごい、わりとくさいんですよ、直接やから。
はい。
足元にあいてるトイレの、その穴の下に、いっぱいたまってるっていう状態やから、ガスとかがもうじゅうましてくっさいと。
うん。
で、これにはこのね、あの若い主人公も、今どきこんなところって言いながらね。
うんうんうん。
で、しかもそんなところに、横に灰皿が置いてあって、こんなところでトイレしながらタバコ吸ってんのかよ、みたいなことでね、ちょっと悪態ついたりするんやけども。
うんうんうん。
とりあえずトイレ借りて出てきてと、先生も全然一向にね、書いてくれなくて、小説を。
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はい。
もうテレビなんか見だしたりとかして、一緒に笑ってると。
そうでしたね。
なんかもう応援したくなるよね、この主人公のことを。
なんかすごいかわいそうと思って。
なんかね、こういう先生とかに意見できないっぽい、ほんまにこう若いサラリーマンみたいな感じの主人公やから。
はい。
しかも書いてもくれへんのに、ずっとここにおらんのあかんねんや、みたいなね。
そう。
で、これ姿は出てこないんやけど、奥さんにちょいちょい電話するんですよ。
うん。
で、「ごめん、今日は遅くなる。」とか言いながらね。
うんうん。
これ最終的に、奥さんがちょっと怒って、なんか実家に帰っちゃうとか、そんな話やったと思うんですけども、もうかわいそうでね、主人公が。
はい。
で、テレビ見てた先生が、突然ね、なんかもう旅行に行こうとか言い出して、今度は。
うん。
あの、現行は?みたいな話やねんけど。
はい。
で、「おーい。」って言ったら、奥さんが電話機を持ってきてね、「はいはい。」って言って。
うんうんうん。
もちろん、ダイヤル式の黒電話ですけどね、この時代やから。
はい。
で、かけて、「おー、もしもし。」と。
これから旅行に行くぞって、今すぐ来てくれ、みたいなことで、呼びつけるのが、愛人なんですよね。
はい。
もう奥さんにさ、電話持って来させてさ、目の前で愛人に電話かけてね、来させるなんて、もうこいつはひどいやつやなと。
うんうんうん。
でも、奥さんもさっきも言ったように、もう気が弱そうというか、物言わずね、もう言うことだけを聞いてるみたいな、なんで理不尽なことで叩かれて、みたいなね。
はい。
明らかに、DVというか。
うん。
で、主人公がさ、そんなに寝がく、いる予定じゃなかったもんやから、「ちょっと朝呼んでくるの忘れたんで、新聞ちょっと見せてもらえますか?」って奥さんをたずねたら、
はい。
パッて奥さんがそれに気づいて、あわてて隠すんですよ、その新聞を。
うん。
で、主人公の顔を見て、なんか安心したような顔をして、「こちらです。」って言って渡してくれるんですよね。これちょっと伏線になってるんやけど。
はい。
で、「あ、そうかそうか、今日はこんなことが起こったんだなーって、こんなニュースがあったんだなーって言って、その日の新聞を見てるんですけども、不自然なところがあって、生地が切り抜かれてると。」
はい。
新聞に穴が開いてると。これ何だったんだろうと、その時は気にもせずに、返してまた戻っていくんだけど、
で、愛人が到着して、
いきなりなんか旅行なんてそんな聞いてないよ、とか言って、「いや、もう旅行に行く気になったから、行くんだ。」みたいな、その先生の傲慢なところというか、無茶なところがね、出てきて、喧嘩して、結局行かない、みたいになったときに、奥さんが、
旅行の用意をしました、とかちょっと持ってきたら、「今、行かないことに決めたんだ。」って、またバン殴られると。
お前が俺に指図するなーって言われてましたね。
もう、すでにもう嫌いになってるよね、この時点で。この先生のことみんな。
いやもう、てか最初の、最初から嫌い。
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分かりやすく、なんかひどいやつっていうかさ。
ほんとに。
かわいそうになってくんのよ、奥さんがもう、しょっちゅう殴られるし、「奥さん悪くないやん。」と思わせるようなね、描写で出てきてですよ。
結局なんか、夜まで付き合わされて、晩ご飯まで一緒に食べる展開になっちゃってね。
お料理をね、主人公の分も作ってくれてね、奥さんもかわいそうに振る舞われて、一緒にご飯食べるんやけど、その日のメニューが、「お魚が好きや。」と先生は。
だから、魚の料理をいつも出してくれると。
で、こんなこと言うわけですね。私は魚が好きだから、魚の料理をいつも出してくれるんだと、女房自問してると。
まあ、いつもね、魚ばっかり食べてても飽きるけどね、みたいなことを言いながらね、マグロとかアジとかばっかり食べてると。
で、その中で、この先生は先生なりの、なんていうか、決して賛同できないけども、価値観みたいなのを持ってて、
女房なんて、押さえつけるもんだと、言うことを聞かせないといけないよと。
結局、女っていうのは、男の強引なところに惹かれるんだ、みたいな、そういう価値観の持ち主で。
はい。
で、主人公がほら、奥さんに逃げられたみたいな愚痴をこぼしたら、
いやいや、そんなことじゃだめだよ、君みたいな、そんなテンションで言ってくるわけですよ。
一日ずっと一緒にいた奥さんとかも、すっごく大人しい人に見えたけど、はじめはそうじゃなかったと。
結婚したときは、そうじゃなくて、わしがそういうふうに教育した、みたいなね。
はい。
もう、武勇伝みたいなことを語るわけですよね。
ああ。
そんなもんですかね、みたいな、もう主人公も気のない返事で、とりあえず合わせてるみたいなところで。
うんうんうんうん。
まあ、なんだろうね、夜になったら、ちょっと感情的になんのかね、人間っていうのは、ほろっとこぼすわけですよ。
あんなふうにやってるけどねと、実は、わしはあいつのことをすごく大切に思ってるし、感謝してるんだよって、ほんまかいと思うけどね。
動物が好きっていうのを、よく知っててくれるから、わしに猿ね、小さいかわいい猿を買ってプレゼントしてくれたりとか、
魚が好きだって言うから、自分の好物をわかってくれてね、いつもおいしい魚の料理を作ってくれるとか、
だから、心のそこでは大切に思ってるんだよとかっていうのと、たぶん、まあ、自分のやってきた、なんていうんだろう、そういうやり方。
はい。
自分のほうが偉くて、にょうぼは、なんか黙ってついてこい的なところが、正しかったみたいなニュアンスもちょっとね、含めつつ。
うーん。
まあ、家庭内のことをしゃべってくれると。
はい。
でも、主人公としては別にどうでもいいわけですよ、そんな話は。
早く原稿書いてくれと思ってるから。
そうですね。
早く家に貸してくれと。
奥さん、実家帰ったけどね。
で、ひとしきりしゃべったあとに、この先生が思いつくわけですよ、ひらめいたと。
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よし、今から書くぞということで、ついに、ついにですよ、ついに筆を取ってくれると、主人公もこれでほっと胸をなで下ろすわけですよね。
はい。
ついに書くぞって言い始めたのが、タイトル。
ころりころげた木の根っこと、いうタイトルで書くと。
徹底的に受け身の人間を主人公にして、相手からやってくる幸せを待ち続ける、そういう物語を書くんだって言って、筆を進めてくれるわけですよね。
はい。
まあ、いろいろあったけど、とりあえずね、小説書いてくれたと。
なんか言うても、この人、こうやってありがたがられる大先生なわけで、書き始めるとすごく早いとかね、いい作品を残すっていうことで、こんな人間やけどね、ほんとは。
作家としては優勝なわけですよ。
はい。
だから、何はともあれ書き始めてくれたと、ほっと胸をなで下ろして、じゃあちょっと離れますねっていうことで、執筆に制限してもらおうと思って、その場を離れた主人公が、
奥さん、奥さんって姿が見えないなって言いながら、奥さんの部屋に入ると、さっき奥さんが隠したここにスクラップブックを見つけるんです。
はい。
なんだこれと、そういえばさっき切り抜いてあったなと。
うんうんうんうん。
なんの気なしに手に取った主人公が、そのスクラップブックの中をのぞくと、いろんな記事があって、それを読んでいくとね、
トイレが爆発。川崎市の会社員Aさんがタバコを吸いながらトイレに。組取式であったため、ガスが引火し爆発したもの。っていう記事があります。
おもちゃで大けが。階段の上に置き忘れられたおもちゃにつまずき、首の骨を折って死亡。とかね。
だんだん、それを読んでいる主人公の目の色も変わってくるわけですよね。
はい。
ペットからの伝染病。東南アジア産の野生ザルがハコビアの神経系統を犯し、死亡率が高いと言われている。
うん。
これだけじゃないんですよ。どんどんどんどん出てきて、めくればめくるほど。
はい。
水銀汚染魚、アンゼンコンダテヒョウっていうのが載ってあってね。アジとかマグロに、その水銀で汚染された率が高いっていう噂がね、あるとか。
うん。
あとはヘビースモーカーの肺癌発生率とかね。
うん。
ノリにね、思い出すのがさっきのおトイレとか、空の瓶とか、ペットのサルとか、食卓に並べられたマグロやアジ。
うん。
で、ゾクッとして部屋を出た主人公の目に入ってきたのは、無言で階段の上にウイスキーの瓶を置いてる奥さんの姿なんですね。
はい。
っていうのが、「ころぎころげた木の根っこ」っていう短編のお話です。
18:00
はい。
だから、物語の序盤から先生の周りにあったすべてのものが、この物言わぬ奥さんが復讐するための罠だったわけです。
はいはいはいはい。
で、「ころりころげた木の根っこ」っていうのがね、タイトルにあるんですけども、
これって、北原博集の童謡、待ちぼうけって歌があるじゃないですか。
はい。
あれに登場する一節で、木の根っこにウサギが飛んで出てきて、つまずいて倒れてしまうみたいなね。
だから、自分は何もせずに、獲物のほうが勝手にお難にかかって、自分のところに転がり込んでくるのを待ってる人の歌みたいなところがあるんですけど、
まさにこれで奥さん、すっごいねんみつに、新聞の中から、自分の、なんていうの、自分の手を汚さずに、
偶発的に旦那が死ぬような仕掛けを、家中に張り巡らしてるんですよね。
うん。
最後のね、瓶を階段の上に置くっていうのは、さっきのほら、おもちゃにつまずいて、階段から落ちた人が首の骨折って死んだみたいな記事を参考にしてるわけですよ。
はい。
だから、さっきまでね、物言わぬ奥さん、静かな、何も言わずに夫に従ってる奥さんっていう描写でね、
若干かわいそうというか、哀れな感じに映ってた人が、ずっとその時をうかがいながら、今この瞬間も夫を殺そうとしてるっていうところがすごい続く。
うん。
そんな作品ですね。
これね、序盤からちゃんとあったんやっていうのに気づいた瞬間に、ぞくぞくする。めっちゃ怖い話です。
そうですね。はい。
うまいと思うんですよ。この先生のへんくつな感じの描写とか、
もうどう見たっても理不尽な理由で、しばかれてる奥さん見てて、こっちは絶対かわいそうやし、先生が悪いやつや、こいつ許せへんってめっちゃ思わせるストーリーの流れとかが完璧で、
これ、計画がうまくいったら、この先生死ぬわけじゃないですか。
なんらかあの、トイレでタバコ吸って爆発するかもしれんし、魚いっぱい食べて汚染されるかもしれんし、
でも、なんかこの先生、痛い目になってほしいと思うんですよね。こっちからすると。
うんうん。
あんまりよくないことやねんけど、
はい。
この先生が奥さんに報復されることに関して、なんかいいんじゃないかなって思わせてくれるぐらいの、
描き方をしてるっていうところが巧みやなと思ってて。
わりと僕、この藤子 F 藤代短編の中でも、この怖い話のひとつやと思ってます、これ。
あー、なるほど。
たぶん初めの印象をね、さっぱさんは読みながらさ、これもしかしてそうなんじゃないかなって途中で勘づいたと思うんですけども、
21:06
改めて、この結末を知ったときはどんな感じでしたか?
えー、いや、そもそもなんか最初にこう、奥さんが出てきて、ぶたれて、
でもずっと同じ顔をしてるじゃないですか、彼女って。
はいはいはいはい。
その段階で、あ、これはなんか先にあるなみたいな。
あー、なるほどね。
って思って、見てたのはあったんで、
あ、まあこれもこれもこれも、まあそうだよな、そうだよな、
まあちょっと去るまではさすがに気づかなかったんですけど、
はいはいはいはい。
っていう感じで見てたんで、それこそなんかDVされてる人とかが相手にこう、
食ってかかれるとは思えないから、
うん、そうだよね。
じゃないですか、それを考えると、なんか、
あー、この人はいつぽっくり言ってくれるんだろうかみたいな。
ねえ、怖いよな。
っていう思いになっちゃうのは、なんかわかるなみたいな。
うん、なんかわりとこの計画的で恐ろしい話なんやけど、
攻められへん感覚もあるよね、奥さんのことをなんか。
うん、そうですね。
だってなんかこの、夫婦生活が20年ぐらい続いてるって言うじゃないですか、この話の中で。
うん、言ってたね、途中でね。
20年、あれ、あれって言っちゃった、あの人と居続けるって、
どれくらいの苦痛だろうみたいな。
なんかちょっと思っちゃいますよね。
さすがにね、その何やろう、昔というかね、その世代によってはやっぱり定主感覚じゃないけど、
ね、男の人がやっぱり偉くて、女の人はね、こう3歩下がってついてこいじゃないけど、
そんな時代も実際にあったっていうのもあるし、
わりとね、漫画の中とかでも出るじゃないですか、こういう定主感覚的なキャラクターって。
ありますね、はい。
だから、こう読んでる時も、なんかその手の話なんかなぐらいで、
なんか納得しかけてたところの、このラストシーンっていうのが、わりと衝撃大きいですよね。
一コマぶち抜きで、その、この最後のさ、奥さんの顔も怖いのよ、表情は変わってないねんけど、
後ろからこう光が射してて、真っ黒なよね。
はい、そうですね。
そうそうそう。で、冒頭でもちょっと言ってたんですけど、
この話って、気づこうと思えば、ちゃんと気づけるように作ってあるんですよね。
最後の仕掛けっていうのが。
うんうんうん。
主人公がいろんな部屋の中の、家の中の、なんか違和感を感じるっていうところが順番に出てきて、
たぶん主人公と同じペースで、なんかおかしいな、ここは、この家庭は何か事情がありそうだなと思いながら、
最後のオチにたどり着くっていうところも、こう丁寧にね、作ってあるかなというふうには思います。
24:07
はい。
さあ、この漫画、ここで終わっちゃってますけども、どうなったらいいと思います?結局。
奥さんはこのまま旦那にDV受けながら、ずっと自分からは直接手を出さずに待ち続けるのがいいのか、
この旦那はぽっくり行ってしまうのがいいのか、考えさせられますね、なんかちょっとここは。
うーん、まあそうですね。とはいえ、やっぱその旦那さんも結構目ざといっていうか、
はいはいはいはいはい。
その瓶がいつも転がってるのを怒るとか、結構しっかり見てるっていうか、だからあんま、
そうね。
そのまま死んでしまうってことがないんじゃないかなっていう気がするんですけどね。
なんとなく回避しそうやもんね、なんか怪しいところ見つけてね。
うーん。
だからまさになんていうの、どっちに転んでもよくない、これがバッドエンドかという感じが、すごいこの話をします。
読んだことある方は、この2人の運命どうなるのがいいのかっていうところもね、
ちょっとこの先をね、想像してみるっていうのも面白いんじゃないかなってちょっと思っていました。
はい。
というわけで、今回はですね、ゾクッとするお話の代表格ということで、
ころりころげた木の根っこというお話を紹介しました。
はい。
ありがとうございました。
ありがとうございました。