映画の概要
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマの世界が大好きな私が、おすすめのドラマや映画の紹介、見た感想、ロゲッチャー時代のことなどを話しています。
イギリスの好きな方が、家にいながらも、美しい風景やお屋敷巡りをしている気分を味わえる作品をたくさんご紹介しています。
前回は、先日亡くなったイギリスの名女優、マギー・スミスの人生を少し振り返ってみたんですが、聞いていただけましたか?
今日は、彼女の出演作品をご紹介したいと思っているんです。1985年公開の『眺めのいい部屋』です。
イギリスの中流階級のお嬢様、ルーシーは、結婚を考えていく中で、旅行で訪れたフィレンチでの情熱的な夏の出来事を忘れることができるのか、というものです。
フィレンチへの観光名所、美しい田舎の風景、イギリスのお屋敷での優雅なティータイムやテニス、
次々に登場する景色を見ていると、ここに来たいと思ってしまいます。これを見れば、きっと旅行したくなる、そんな映画です。
主人公のルーシーを演じたのは、ヘレム・ボナム・カーター。マギー・スミスは彼女のいとこで、とても保守的な女性として登場しています。
他にも、この映画にはイギリスの有名な俳優がたくさん登場していて、とても豪華なキャストです。
では、ここからもう少し物語を深掘りしてみましょう。舞台は20世紀の初め、ルーシーはオメツテ役のいとこと一緒にフィレンチへ旅行にやってきます。
期待していた部屋は中庭に面していて、美しい景色がもう全く見られないんですね。
夕食の席で息子と旅行中の中年男性から、部屋を交換しましょうと提案されます。
私だったらね、えーいいんですかってありがたく交換してもらうと思うんですけど、ルーシーたちは違います。
成長に断るんです。どうしてたかわかりますか?
その親子は、身分の違う労働者階級だったからです。
しかし、顔見知りの牧師様の仲介のおかげで、部屋を交換することになりました。
ある日、同じ宿の数人でピクニックに出かけます。
ルーシーは部屋を変わってくれた息子のジョージから、突然黄金色に輝く森畑の真ん中でキスをされます。
このキスシーンはね、本当映画史の中でも上位に入ってくるような美しいシーンじゃないのかなと思ってます。
ルーシーの成長
二人を見て驚いたいとこは予定を変えてルーシーを連れ帰ります。
そして彼女は上流階級の男性と婚約します。
もうこれが決められた道だったんですね。
ところがフィレンツェで出会ったジョージ親子が偶然近所に引っ越してくることになります。
再会する二人。
ある日、婚約者が読んでいた小説の中に、あのフィレンツェのキスの場面が書かれていることを知ります。
ルーシーは突然婚約を解消して、おとぼりを覚ますため海外に旅に出ようと決めます。
でも自分も彼を心から愛していることに気が付く。
二人は再び思い出のフィレンツェの街並みが見渡せる素晴らしい眺めの部屋にいるところで物語は終わります。
この映画を見ていて、どうしてフィレンツェなんだろうなって考えていたんですよね。
かつてこの街は芸術や文化が花開いて、世界中に広がったルネッサンス発祥の場所です。
翌初から解放されて、人々が真の自分と向き合い始めた時代を象徴しているんです。
ルーシーはきっとイギリスに行ったままだったら、無難に結婚していたんじゃないのかなと思うんですね。
自分の真の欲望に気が付かず、疑いも抱かずに、でも保守的なイギリスから少し離れて、
イタリアの明るい日差しと大きな雰囲気を感じて、心が解放されたんじゃないのかなと思うんです。
そこで情熱的なジョージと出会った。旅を通じて自分自身を見つめ直し、変わっていったんですね。
今回もお話ししきれなかった部分がたくさんあるんですけど、他にもオペラの音楽やルーシーたちが着ている美しいドレスも本当に素晴らしいです。
今日は映画「眺めのいい部屋」をご紹介しました。
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観測などお便りもお待ちしています。では次回もまた聞いてくださいね。