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2025-02-11 1:04:15

BC107 『結婚の社会学』

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面白かった本について語るPoadcast、ブックカタリスト。

今回は、『結婚の社会学』について語りました。たぶん、今までごりゅごが語った中で一番社会派の話です。

日常的にずっとこういうことを考えてる、ってわけではないし、常にこんな高尚な問題意識を持って生活してる、なんてことは全然ないんですが、人生の中で時々はこういうことを考える時間があった方が、長い目で見て豊かな生活を送れるのではないか。

そんなことは思います。

なによりも、本編でも語ってることなんですが、自分はまずこの本でかかれていたようなことをまったくもって「知らなかった」

人間、知らないことについて考えることはできません。

だからこそ、まず第一歩としてこういう考え方があるんだな、ということを知っておく。

これだけでも、今後の人生でなにかこの本の中身と関連するような出来事があった時の大きな判断の助けになるような気がしています。

今回出てきた本はこちらで紹介しています。

📖ブックカタリストで紹介した本 - ナレッジスタック - Obsidian Publish



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サマリー

今回のエピソードでは、ゴリゴが『結婚の社会学』という本を通じて、結婚の歴史的背景や社会的観点からの分析について議論しています。特に、結婚制度の国家との関係や、現代における同性婚や夫婦別姓の問題について深く考察しています。このエピソードでは、日本における結婚の社会学やその歴史的背景について探求しています。特に、結婚形式の変遷や同性婚の状況、出産率の低下と婚姻率の関係、そして家族主義の影響について考察しています。 結婚に関する社会的規範が議論され、特にステップファミリーや多様な家族形態の重要性が強調されています。日本の結婚観と比較しながら、欧米の結婚制度がどのように変化してきたのか、また性的関係の必要性についての定義も掘り下げられています。このエピソードでは、日本の夫婦別姓制度や多様な住居形態についての考察が行われています。著者は、オランダでの経験を通じて、他者に対する無関心とマイノリティに対する関心がどのように社会に影響を与えるかを考えています。

00:12
面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト。今回いただいたコメント、お便りなど、まずはいくつか紹介したいと思います。
まず、言論の本家、公式ですかね? 言論インフォだから公式だと思いますよ。
そうですね。アズマさんが作られた会社の公式のツイッターXから、暮らしたたどりさんの運営されているポッドキャスト、ブックカタリストで、
訂正可能性の哲学をご紹介いただきました。個人的にはサブスタックに登録してニュースレターと共にお楽しみいただくのがお勧めですが、スポーティファイなどでもお聴きいただけます。
ついに公認ポッドキャストになりましたね。 公認ではないけども。
正直思ったのは、こうやって細かいフォローとかをされている。地道な活動をちゃんとされているのがすごいなぁと僕は感じました。
そうですね。逆に言うか、どれだけ有名になろうが大きくなろうが、こういうことをちゃんとやっておくということはやっぱり大事ですよね。
そう思います。 そこはすごく思います。ありがとうございます。
あと、えぐされいさんがノートに記事も書いてくれて、詰めることは読書の醍醐味という記事で、その記事、つんどく会にインストールされたつんどくについてのトークっていうので、記事などは後ほど貼っておこうと思うんですが、
こうやってツイートだけではなく、記事を書いていただけるとまたこのありがた度やる気度は増すっていうか。
そうですね。そうやってハードルを上げすぎるとまたリアクションが。
別に、そうそう。それは大事かも。
言葉知るものがあったんだろうなというのはちょっと受けておりましたけどね。
えぐささんは確かオブジェリアのこととかよく書かれていて、日本語のセンス、言葉のセンスが面白いなと思っていて、
ツイッターのIDもですね、えぐされいという漢字に対して、EXA-RAY、えぐされいって言えばいいのかな。
かっこいいな。
っていう言葉を当てはめつつ、この方放射線記事なんですよね。
そうなんや。
ちょっとEXAの方わかんないんですけど、RAYって光線、放射線であって、その辺りまで含めて名付けをされたのかなという感じで、
その言語のセンスがある人はすげえなって思います。
確かに。
はい。で、同じく処理猿子酒のみっちさんがブックガタリストでコテンラジオの民主主義の話が出たので、
もう1回コテンラジオの民主主義回聞いてるんだけど、ここの一般意志とトマの一徳さんの自由の相互承認による一般意志に向かうムーブという点を聞くと納得点がすごい。
逆に自由の相互承認まで聞かないと一般意志はフワッとしすぎてるかな。
僕このコテンラジオ聞いたことがないからあれなんですけど、こういう話がされてたんですか。
おそらくなんですけど、このトマの一徳さんの自由の相互承認による一般意志に向かうっていうのは多分別の話だと思います。
なるほど。
っていうので、そのコテンラジオのことを紹介したら追加情報を教えていただいたっていうイメージかな。
なるほど。
あとショリエンコさんもTwitterのIDを見たらなかなか洒落たIDになっているなと思って。
ショリエンコ酒のミッチさん。
なるほど。
IDショリエンコホール。
ほんまや。
っていうので、結構そういうセンスがある方がたくさん聞いていただけているのかな。
はい。
あとですね、ソンタさんがドラゴンボールで学ぶ訂正可能性面白いっていうので。
はい。
あれは本当思いつきだったんですけど、そうやって言葉遊びとか物語で遊ぶっていうのは結構知的な娯楽として面白いんじゃないかっていうことは思ったりします。
あとやっぱり一つの例えとしてイメージしやすいっていう効果はありますよね。
そうですね。
あとはその概念の理解度を深めるためには意外と自分で考えてみるとか、当てはめてみるとかっていうのはいいのかもしれないですね。
確かに。
はい。もう一つ、ことりさんも記事を書いていただけまして。
105回の配信で練習することに習熟してきたっていう表現があって、それなんかいいなと思って該当する回の配信、089で紹介されていた本を読みましたっていうので、
大抵のことは20時間で習得できるについて記事を書いてくださっております。
で、これも非常に面白くて、もう一個の本は名は出していないんだけど面白くなかったって書いてあったりとかね。
面白いか面白くないかというと、面白くはないかもしれないなと思いますけど。
でもやっぱりそういうことを相手が読むかもしれんくって言えるっていうのはやっぱりかっこいいと思います。
まあね、確かに。
そのぐらい正直であるっていうか、いらん忖度はいらんし。
確かに。
そういう感想を書いてくれる人は、この人が言ってることは基本的に信用できるんだなって思えるし。
良いことは多いし、やっぱりありがたいですね。
そして、なんだっけ、俺が練習することに習熟してきたっていうのは、違う回の配信、違う回を振り返っているときに触れていたことらしくて。
確かに確かに。
全部ではあるんですけどね、その行為で言うと。
確かに。
練習することに習熟してきたっていうことを、自体は今年のテーマとしても、何らかの形にもうちょっとしていきたいなと思っています。
めちゃくちゃ楽しみですね、それはね。
ということで、107回ですね、今回は。
はい。
結婚の社会学の概要
今回はゴリゴが結婚の社会学という本について語りたいと思います。
はい。
結婚の社会学、ちくま書房から2024年の4月に出てるちくま新書ですね。
新書で書かれている本で、坂井雄一郎さんという方。
社会学者。
そうですね、社会学者。家族社会学が専門らしいです。
本書の中でも触れられてたりするんですけど、
エリザベス・ブレイクさんの最初の結婚という本を共同で翻訳していたりだとか、
ナコードの近代みたいな名前の本とか。
はい。
事実婚と夫婦別姓の社会学とか。
結婚中心に対しての周辺概念とかを研究されているってことかね。
そうですね。その辺りが専門家で、思いっきり自分の得意分野の、
思いっきり振り切ったところかなという印象です。
なるほど。
で、振り返るとですね、
ブックカタリスト第3回、
マイケル・サンデルさんのこれからの正義の話を紹介したと思うんですけど、
その中でめちゃくちゃ印象に残っているエピソードというかフレーズというものの一つとして、
結婚というものをちょっとちゃんと考えてみようみたいな話が出てきて、
そもそも俺たちはなぜ国家に結婚という形態を承認してもらう必要があるんだみたいなことが書いてあったんですよね。
で、自分の中で結婚というものを、
そういう次元で哲学的に考えたことって全くなかったなと。
そういう次元っていうのは、言ったら社会学、ないしは政治学的な視点ということ?
そうですね。例えば、よく出てくるこの本でも振られていることなんですけど、
夫婦別姓ということが今社会で課題になっているみたいなことだとか、
同性婚を認めよう、うんうん、みたいなことが社会で課題になっているっていう話はよく聞くし、
自分も深く考えたことはあるわけではないんですけれども、認識はしていたんですけれども、
結婚という制度が国家に認証してもらっていて、
なぜ2人で決めることを国家に認めてもらう必要があるんだ、みたいな言い方なんですよね。
そういうレベルで結婚って考えたことなかったなと。
結婚の形はいろいろあってもいいよなっていう施策があったとしても、
そもそも人が生きることと国家と結婚のこのような三つ土萌えの関係まではあんまり考えてなかったっていうイメージかな。
特になんですけど、結婚とか恋愛みたいな話って、
人間のそもそも生殖とか生存みたいなところとも深く関わってくる分野だからなのか、
自分も常識に凝り固まらされているのではないか。
常識というのは世間一般で流通している考え方をそのまま鵜呑みにしている。
そう、自己意識として自分はできるだけそういうものに抗って生きていきたいんですよね。
当たり前を何も考えずに当たり前として受け入れてしまうとか、
元がひねくれ者と言っておきながら、お前結婚間に関しては何もひねくれていないんじゃないかっていうのは嫌でもあるし。
逆にちょっとすごい脱線してますけど、自分が結婚するときに結婚とは何だよとかって考えへんかった?
いやー、だから何も考えてないんですよね。その文字通り。
なるほどね。
結婚して子がいるけれども、言ったらなんですけど、すごく自分が好きじゃない言い方をするんですけど、
みんなそうしてるからただそうしたなんですよ。
なるほどね。
それは別に、当時実際考えてなかったし、その選択を失敗とか全くそんなことは思ってないんだけれども、
考えてなかったことを知るというのは最近どうも好きみたいなんですよね、自分で。
なるほど。
そういう意味で、おそらく自分にとっていわゆる結婚とか、そういうことって常識以上のことを考えることができていなかったという観点で非常に、
結婚の歴史的観点
もちろん結構社会的な問題なので、そういう話題は多くあるんですけど、
それよりも常識という言葉から一歩離れるためにすごく自分にとって印象深い本だったなっていう印象かな。
だから別に、現実のゴリゴさんが結婚生活に疑問を持ってそういう本を読んだというようなことではないということでね。
そうですね。別にそこに関しては何も考えてなくて普通だったし、普通で別にいいと思っていますね。
なるほどね。
はい。というので、大体のこの本の大きな流れなんですけれども、大きくまず結婚について3つの視点で考えようっていうので、
歴史的な観点で比較してみること、国際的な観点で比較してみること、あとはいわゆる理論で考えてみることっていう話があって、
中盤から後半は割と社会派っていう印象って言ったらいいのかな。
大きな話題として、同性婚とか欧米の結婚かみたいな話と、日本でよく話題になっている夫婦別姓について、
それらをきっかけにいろんなことをちょっと考えてみたらいいんじゃないのかなみたいな話が、
この全体としての大きな流れっていうのかな。まずは、なので本書になぞらえて、歴史的な日本の結婚感みたいなものからざっと紹介しようと思うんですけど、
日本の結婚してこう思って、どうのこうの、独立してどうのこうのみたいな結婚感っていうのが、いかにまず戦争が終わってから、第二次世界大戦が終わってから作られた観念で、
さらに言うと、江戸時代以前とかっていうと、もう今の日本の常識みたいな結婚感とは何なら真逆のことがめちゃくちゃいっぱいあったぐらいの、いろんな価値観とか考え方がもうめちゃめちゃ変わっているみたいなんですよね。
全部を紹介というわけじゃないんですけど、例えば日本の伝統的な結婚式っていうと、神社の神前式みたいな形が思い浮かぶんじゃないかと思うんですけれども。
今はほとんどの人が多分教会といわゆる結婚式場でやってるんだけれども、神前式っていう形式も実はね、戦争戦後にようやく一般的になってきた形式で、戦前に行われていた神前式は0.7%ぐらい割合で言うと。
ごくごく一部の上層階級のみが利用していた結婚の形式で、これが何でかっていうとまた歴史的な観点で見るとすげー面白いんですけど、戦前の対戦前の日本って神の国であり神道の国であったんですよね。
なので神道が国家の宗教としてものすごく重要視されていて、単純に言うとそれに伴って金とか人はいっぱい集まっていた。それが第二次世界大戦が終わってしまったことで国家神道というものが解体されてしまったので、神社がこのままでは存続できなくなってしまう。
なので、じゃあ結婚式という商売を始めて、金を稼げば神社は生き残っていけるやん。
つまりマーケティングなの?
そういう言い方もできるかもしれんのかな。みたいな感じで、そういうふうに広まっていったりっていうことだとか。実際江戸時代ではお見合い結婚みたいなものってほとんど存在していなくて、割合で言うと5%ぐらいだったらしいんですけども。
結婚と社会問題
その割合ってほとんどの比率で言うと日本に存在していた武士の割合と等しい。なので武家社会では大抵の人たちは見合い結婚をしていたんだけれども、農村とか漁村は結婚相手を見つける手段は4倍だったらしいです。
狭い村の中で相手を無理やり見つけるみたいなところだね。
無理やりっていうか、たぶんその辺りも全然感覚が違うんだと思う。そこが無理やりという概念ではたぶんなかったんじゃないかなと想像します。
無理やりって言うとあれやけど、暗黙の合意を確認しているというようなことはあるんかな。
たぶんそういう感じなんだと思う。村の中で目が合って、その子の家に今晩行くみたいな。
実際、江戸時代の農村とかって、例えばで言うと、村の娘と御家は若者の者みたいな言われ方をしていたりもしていて、
共同体がめちゃくちゃ力を持っていた。しかもそれは若者たちの共同体というものがものすごく強い力を持っていて、
いわゆるそういう結婚に関することもかなり自分たちの自治組織でうまく運営されていたし、
そうじゃない場合にいわゆる村八分みたいないじめみたいなのも同じようなことで起こったりもするんだろうし、
そういうような結婚観というか、かつての結婚のやり方みたいなのもものすごく違っていたし、
夫婦別姓なんかが今だと話題になっているんですけれども、
実は日本の女性って明治初期までは基本的に結婚しても実家の姓をそのまま名乗っていたらしいんですよね。
予想なんですけど、多分武家の名残とかで何々家のものだっていう意識が結構強くて、
そういうものを当たり前に言っていたんだろうとか、いわゆる婚姻届を出していない結婚というものが非常に多くの当たり前の結婚の形式で。
さらに言うとその事実結婚、婚姻届を出していないものというものが法権的な結婚の仕方の象徴だったりもした。
民主的な結婚の仕方として国家に認めてもらう法律、結婚っていうものの方がそういうイメージがあった。
たとえば狭い村の中で若い2人が住んでたら、それを村の人間が全員見てたら、それはもう結婚しているということと同義というような感じだと思うから。
協同体のために結婚するようなところが多分あるんだろうね。
個人の幸せとかじゃなくて村に働き手を増やす必要があるから結婚するみたいな。そもそもの目的が違う感じを受けるね。
そうですね。隣村からその嫁を取ってくるとか、それって目的は村を絶やさないためみたいな印象とかは結構ありますよね。
さらに言うと戦中なんかは思いっきり国家が結婚を奨励していた。
まあそうでしょうね。
それはなぜかというともう文字通りなんですけど、不国共兵で人口を増やさないといけないとか、
あともう今では非常に悪いものの象徴になってるんですけど、優勢学ですよね。
そのより優秀な人間というものが存在していて、それを増やしていかないといけないみたいな考え方で、
その政治として結婚というものが戦中は扱われていたりして、
なんかねかつては東京市役所にね結婚相談所みたいなのができたりもしていたらしいですよ。
あーもう政府が後押ししてくれるわけやね。
そう、国があなたたちがちゃんと結婚できるように頑張りますからねって。
さらに言うと今でもなんか国が言ってることってやっぱ国民を増やすために結婚しないといけないって言ってますよね。
公増やせって。
その個人の幸せという観点で少なくとも国家は語らないだろうし、
戦中の結婚と国家
そういうことからもいろんな考えていくきっかけにはなってくるんじゃないのかなと。
あとあれですね、同性婚みたいな話で言うと、かつて日本は修道の国と言われていて、
織田信長とか戦国時代とか男同士の恋とか、そのあたりのやつは普通にごくごく当たり前に行われていて、
それも文明改革の時にめちゃめちゃ強く否定されたらしいんですよね、欧米国から。
おー、なるほど。
で、その先進国として認めてもらうためには、かつての価値観で言う男同士のゲイの世界とか、
そういうものを欧米になぞられたものにしなければならない。
おー、そうか。古代ギリシャとかはそういうのが当たり前。
もうそうですね、あそこも。
だから、西洋はそれを乗り越えてきたという自覚があるから、それは遅れているというふうに見えるんだろうね。
というよりもキリスト教だと思います。古代ギリシャはキリスト教じゃないので。
キリスト教の思想でそのあたりのことがとにかく徹底的に否定される。
なるほど。
って言ったものが、日本はその結局中途半端にキリスト教的な価値観というか、
西洋に追いつくためにはそうしないといけなかった、かつては。
だから、神の信仰は抜きにして、そこからもたらせられる規範性を輸入してきたってことだよね。
うん、そうですね。まさにそれですね。
なるほど。
っていうので、一気にひっくり返ってしまったんだけれども、
なので、所詮それも数百年、日本の歴史において言えば数百にも満たないですよね。
200年未満のそういう規範であり価値観であるっていうことを、
やっぱり前提として理解しておかないといけないのかなと。
ああ、そうか。だから日本の伝統みたいなことを本当に言い出したら、
男同士の関係を認めるのがむしろ日本の伝統だみたいな。
むしろそっちの方が伝統なんですよ。
だから今まで言われている伝統っていうのは、たぶん50年から100年レベルの伝統でしかないんですよ。
浅いね。
っていうのが、まずこの歴史比較をしてみるとすごくよくわかる。
ここのみに関して言えば、自分は個人的にはなんとなくは知っていたし、
そこまでめちゃくちゃ驚くことはなかったんですけれども、
国際比較、世界の標準みたいなところと比べてみると、
マジかみたいなことは結構いっぱいあって。
例えばで言う数字ですごく驚いた話っていうので言うと、
婚外子、結婚していないのに生まれた子供みたいなのって、
日本だと2%ぐらいらしいんですよね。
で、それがEUとかOECD諸国で平均をとると40%を超えてくる。
40%!?
うん。
めちゃくちゃ多いやん。
日本と韓国だけが世界で見て断トツで、
婚外子、法律上の両親が正式に存在しないということをものすごく嫌うんだけれども。
その2つの国を共通すると、やっぱり儒教の影響があるんかな。
そうですね。そういう規範とか宗教の話とかもいろいろと出てきたんですけど、
まずその数字を見てめっちゃビビった。
確かに日本で。
で、著者がエピソードとして披露していた話なんですけど、
できちゃった結婚、今だとサズカリコンという名が付けられた、
友達の結婚式に行くと、ナコードのスピーチで、
この2人は順番を間違えちゃって結婚してしまったわけなんですが、
みたいな言い方をするのがもう圧倒的テンプレじゃないですか。
そうですね。
まずこの順番というものが、少なくとも国際比較をするといかに常識ではないのか。
なるほど。
確かに日本だと、子ができたら直ちに結婚するという謎文化も、
今は当たり前のものになっていると思うんですけれども、
自分もそれに関して言ったら何も考えてなかったんですけど、
なぜそれが常識なんだって考えたことは少なくともなかったような気がして。
日本の法律制度から言って、両親が結婚していた方がいいということは半分あるやろし、
もう半分は世間体みたいなことなんでしょうけどね。
そうです。まさにこの後触れようと思っているんですけど、
社会制度の問題がめちゃめちゃいっぱいあるんですよ。
日本の話で言うと、日本っていわゆる諸君の各家族というものを、
あまりにも前提にしすぎていて、そうじゃない形態で生きていこうとすると、
例えば社会保障みたいな話だったりなんだったりっていうので、
めちゃくちゃ不利な点が多すぎる。
そのヤバさみたいなのを、やっぱり考えたことなかったなってすごい思ってしまって。
例えば、規範的なものっていうのは、
世代が変わらないとぐるっとまるっと変わったりはしないかもしれないけれども、
少なくともシステムが変われば、それに伴って、
世界というか文化とか常識みたいなものって結構変わると思うし、
人のとる行動はまず変わるよね。
思想がわからないけど、こうした方が得っていうことは変わっていくよね。
少なくともこうしても損しないが結構大事なんじゃないかと思って。
それを考えるとやっぱり政治というものが、
おそらくそういうことを目指すことが政治の理想とは言わんけど、
政治が考えるべきことじゃないかと思うので、
社会の仕組みの設計みたいなものが全然考えられていないとか、
気にしていなかったことを思い知らされる。
だからゴリゴさんがそうやったように、
ごく普通に結婚みたいなのが成立して生きていける人は、
そもそもそういうことについて考えないわけで、
おそらく現代の人口の多数派を持つある世代の人たちは、
そのまま生きてきはったから、別に変えなくていい。
いや、変えない方がいいぐらいのそういうムーブメントを持ってあるんでしょうね。
そう、だって変わったらわからんこと増えるからめんどくさいんですよね。
すげーわかるもん、その言葉というのは。
さらにさっき言った話と繋がるような話で、
マジかって思ったんですけど、
実はね、最近日本のさっきの出生率の話なんですけど、
出生率下がってきてやべーって言ってるのって、
さっき言ったような日本とか韓国では実際そうなんだけれども、
実はですね、もっといわゆる男女平等というものがきちんとうまく成り立っているところは、
最近出生率とかって上がってきてるらしいんですよね。
えー、一周回って?
うん、一周回って。
出生率が低下がり止まり、
どんどんどんどん下がっててやべーのって、
世界の分布で見たら、日本とか韓国とか、あとは南ヨーロッパ、
そこらの国っていうのは全部家族主義が強固な国で、
家族主義とは何なのかというと、
子育てというものは家族の責任であって、
親の介護というものは子供が行うべきだっていうことが規範になっている社会。
逆に言えばそうではない世界では、
数字で見る限り出生率というのは、
現代の課題と考察
ちょっとどこまで上がっているかまではちゃんと確認していないんですが、
上昇がしてきているのだと。
家族主義じゃない主義は何ていうかは、名前はあんの?
えっとね、そこではちょっと見つけられませんでした。
分かりました。はい、ありがとう。
なので、確かにそれも同じくなんですけど、
子育てを家族でやっているとかっていうのが、
そこは自分も現代、子供が生まれてから約10年生活してきてみて、
すごく無理があって辛くて大変だっていうことを身に染みて思っているんですよね。
家族、夫婦2人ともフリーランスでずっと家にいるということができても、
えっとね、10年経ってめちゃくちゃ楽になったと思うんですよ。逆に言うと。
あー、なるほどね。
この10年間が、言うて自分大したことしてないけれども、
それでもとても大変だったと思う。
うーん、そうやな。だから、昔はおじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んで、
家族と言っても各家族で少し大きい輪の中で子育てしてたけど、
今は純粋には各家族で子育てしてるからね。それはまあ無理でしょうね。
そう、その辺りは人類学っていうか、そんなようなのとかもやっぱり学んでいるとすごく思い知るというか、
各家族で子供を育てるということがいかに無理ゲーというか、スーパーハードぐらい難しいものだっていうか。
そうやね。でも、そういうことを主張するので、
例えば、親の責任放棄とかっていうカウンターが当たるよね、きっとね。
そう、なので、やっぱり規範で、何て言うんだろう。
例えば、0歳から保育園に入れると、かわいそうだとおばあちゃんは言うみたいな。
はい、はい。
やっぱりそっちが大いなる問題なのかなっていうこともすごく思います。
確かにね。
あいつは親を老人ホームに入れた、血も涙もない奴だみたいな言い方もされ得ると思うし。
そうですね。
うん。そこが規範になっていることが一つの日本の現代の問題なのかなみたいなのは、そんなところからも思うし。
だから結局婚姻率が下がるっていうことと出生率が下がるっていうことも、
さっきの婚外子の話とか、男女平等の出生率とかの話とかとも組み合わさるんですけど、
日本が、例えばのテンプレ的なイメージとして、もっと皆さん結婚しましょうって言うじゃないですか。
そうだね。
それはなぜかというと、人口を増やしたくって、子供を増やしたくって、国家の競争力を維持したいから。
そうですね。
でも実は、少なくとも今の事例だけ見ても、出生率と婚姻率は別に因果関係ではないということが言えるわけで。
そのためにどうしていったらいいんじゃないかっていうのは、この本にもいろいろ書かれているし、各自考えていくことが良いのではないかなっていうことはすごく思うんですけど。
例えば、結婚の数って最近日本では減っているんですけれども、再婚数と言われるものって上がっていたりするらしいんですよね。
じゃあ同じ人が何回も結婚してるってこと?
うん。2020年に結婚したカップルのうち、4分の1は再婚らしいです。
いろんなことが汲み取れるデータやな。結婚はそもそも難しいということもわかるけどね。
さらに言うと、これは別の話とかで出てきたやつなんですけど、かつては結婚して一緒にいるのが20年とかだったので、40、50で死ぬという前提で。
ちょっと我慢していればいいやだったんですけど、30で結婚して100まで生きたら70年も一緒にいないといけない。
確かにな。
ステップファミリーの概念
っていうことを考えると変わってくるだろうし、そういうのがいろいろあったりして、結局この再婚が増えることで、知らなかった新しい言葉なんですけど、ステップファミリーというものが増えるようになってきている。
なるほど。
ステップファミリーって難しい言葉で言うと、敬親子関係を含むようになった家族っていう表現をするんですけれども。
漢字変換できなかったね、今。
うん。継親子関係。
はいはい、なるほど。
血のつながっていない親と子っていう言い方でいいと思うんですけれども。
再婚したら、もともとお母さんと子供がいて、再婚したらお父さんと子供は血がつながっていないってことだよね。
これに関しても、やっぱりその日本の規範みたいなものがすごく強く出ている要素でもあったりして、ステップファミリーと言われるものって大きく2種類の形というものが存在しているらしくて。
一つが、いわゆる日本的なもので、スクラップ&ビルド型ステップファミリーっていう言い方をするんですけれども。
お父さんとお母さんが離婚して、お母さんが子供を連れて行ったら、そのお父さんというものはいなかったものにしましょうっていうやつ。
はいはい。
もうそいつとは会わないし、新しい親をお父さんと呼びなさいみたいな言い方が当たり前で。
で、日本国の制度とか意識とかって、これがごくごく当たり前のものだというのが、これも自分の社会通念としてもすごく普通で当たり前だったことなんですけど。
そうではなくて、親子関係というものは、少なくとも生物学上はずっとつながっているものなんだから。
そうだな。
両親が離婚したからといって、それを片方の親をいなかったことになって、もちろんできるわけがないんですよね。
はい。
なので、二人ともお父さんとお母さんがいて、お母さんがもう一人再び結婚したとしても、それをきちんともう一人のお父さんとかいろんな形はあると思うんですけれども、
その家族というものを各家族の親と一人の父親と一人の母親みたいな形に無理やり押し込めるんじゃなくて、もっとその家族という概念自体を広く連鎖してつながっていて拡張していく。
ネットワークのようなものだって考えていくステップファミリーという形がある。
つまり前回の話を引きつけば、お父さんというのはつまりある主体に対して一人しか存在しないから、ある人が抜けていったら別の人が入ってきて常に一人しかいないと。
うん。
で、提案されているのは、お父さん1、お父さん2っていうと。
ゲームっぽく言うならそれが面白くていいかもしれない。
あれだね、例えばお兄さんだったら2人以上いるわけやん。で、例えばその人の名前をつけてA兄とかB兄みたいな言い方をするわけやんか。
それと同じように、ホゲホゲお父さん、ホゲホゲお父さんっていう言い方を可能にするのがステップ的な捉え方ってことね。
ネットワーク型のステップファミリーの捉え方かな。
なるほどね。スクラップボックス社はスクラップ&ビルドとネットワーク型が対比されているってこと。
欧米における結婚観の変化
そうそう。少なくとも欧米はやっぱこれを助ける制度というものが一個一個は掘り下げられないんですけれども、
制度としてやっぱこのネットワーク型をきちんと補助するようなものが制度として備わっているらしい。
なるほど。
あんまり欧米来産みたいな形になってしまうとあれよろしくはないんですけれども、
少なくともやっぱ結婚のあり方というものはこの後もうちょっと出てくるんですけれども、
ヨーロッパ兼北欧も含めてかな。
やっぱ明らかにキリスト教というとてつもなく強い規範があったくせに、戦後のこの7,80年でめちゃくちゃ変わっているんですよね。
そういうことすらも自分はやっぱ知らなかった。本当に浅いレベルで。
オランダで同性婚でできるようになったらしいよとか、そういうレベルでしか知らなかったっていうことをものすごく思い知らされて。
大雑把な流れとしてはヨーロッパはまず1960年から70年ぐらいにカウンターカルチャーとして結婚せずに同性するみたいなものが割と増えてきたりしていた。
若者たちが世間に反抗する形でキリスト教なんてダセーぜっていうので、俺たちは神に認められなくても結婚するんだぜみたいなイメージなのかな。
そうして婚姻関係を結ばずに同性をするということが増えてくるようになって。
80年ぐらいまではいきなり結婚してうまくいかないのって悲しいから、結婚前のトライアル期間としてそういう同性をしようみたいなことがだんだん増えてくる。
90年ぐらいからはそういう同性カップルと結婚って何が違うんやねんっていう声が強まってくるみたいで。
その同性しているカップルたちに結婚しているのと同じような権利を与えるべきなんではないかっていう動きが強まってきて。
そこからそのいわゆる同性婚みたいな話だとかそういうようなことっていうのもだんだん法としても整備されてくるようになってきた。
例えばデンマークでは89年かな。これは同性、同じ性のカップルに関しての話なんですけれども。
デンマークの1989年登録パートナーシップ法っていうのがおそらく最初期に現れた。
同性同士でもちゃんといわゆる普通の結婚した者同士と同じ権利を与えようみたいなことが登録されたもの。
2001年にはオランダで確かこれは自分もニュースになってたのを覚えてるんですけど、
同性同士の結婚というのが普通に法として認められるようになって、
ノルウェーとかスウェーデンとかアイスランドフィンランドあたりのまず北欧から始まるのかな。
そのからヨーロッパ全体に広がっていった。
2009年のデンマークでは、その同性カップルが養子を取るっていうことに対しても、
その共同の親権というものがちゃんと法律で認められるようになってきたりだとか。
2012年にはもうジェンダーニュートラルな婚姻法。
要するにもう結婚するのが男とか女とかっていうことをもう一切考えないっていうのかな。
っていうことが当たり前になって、デンマークではその登録パートナーシップ法っていうのは、
もう性別、生物学的性は関係ないから、
登録パートナーシップ法っていうのはもう無しでいいんじゃね?みたいな感じになってきてしまっている。
多様な家族形態と社会規範
だから結婚っていう制度そのものがアップデートされるということだよね。
結婚というものが男と女がするものという概念が消え去ったという感じなのかな。
デンマークの話で言えば。
これは面白いことに国によっては結構関係ないみたいな、いろんな考え方があったりしていて。
オランダなんかはさっき言ったパートナーシップであるということと同性婚みたいなものは別のものだって考えていたりだとか。
デンマークではこれは同じもんだって考えていたりだとか。
で、これですごい考えさせられることっていうか、それもまた大きな話なんですけど。
この考え方の根拠になっているっていうのが、性的関係が必要なのかそうじゃないのか。
これも同じくなんですけど、結婚とセックスはセットになってますよね。
日本はそうやな、別れた女性はうんぬんかんぬんっていうことがね。
誰の子供かっていう話があるから。
ああ、そうですね。あれもうなくなったんだっけ。日本は離婚してから女性だけ再婚できる期間が長いとか。
まだあるんじゃないかな。
少なくとも最近ありましたよね。まだあるんだっけ。
いや、わからない。調べてないけど。俺が知ってた日本の常識にはあったね。今は知らないけど。
みたいな話なんですけど、現代よりもアップデートされてきた結婚観によると、そもそもなぜ結婚することとセックスがセットになっているのか。
じゃあ、セックスをしない相手とは結婚というか、家族になることというのはできないのか。
という考え方をベースにした制度と、そうじゃない制度があるってことだよね。
それも別にこれが正しいとか、正しくないとかは自分は重要だとはあんまり思っていないというか。
少なくとも自分は同じく、そういう観点で結婚というものを考えたことがなかった。
著者も言ってて、そうなんだろうなって思ったんですけど。
少なくとも日本で出生率を上げるために、結婚ということをとにかく上げろって言うんだけれども、
それよりももっと単純に家族になる方法っていうものの多様性がなさすぎるのではないのか。
なぜ性的な魅力を持った相手と男女一組だけで生物としてペアを成すというものしか、
家族になるということができないのか。
だいぶ解明的な考え方だとは思うんですけれども。
少なくともそういう選択肢というものが現代では議論されるようになってきているということ。
そこがすごく大きなことというか、常識のアップデートとしては非常に参考になった話で。
エリザベス・ブレイクさんという人は、結婚というのがケアの関係だって言ってるんですよね。
お互いの。
性的なうんうんとかではなくて、これはジョン・ロールズが言う基本材というものだって言っていて。
最小結婚、非依存的な関係まで含めたケアの関係というものが基本材であって、
結婚ということの価値とか目的を狭くするのは非常によろしくないんじゃないのか。
だから同性婚を認めろっていうのは新しくてかっこいい、進んだ話だっていう言い方をされているんだけれども、
それすらもまだスタート地点でしかないんじゃないっていうようなことを思い知らされたというのかな。
結婚じゃない家族の在り方ってもっとあってもいいよねっていうような話だとか。
さらに言うとLGBTQとかが話題になって、性の在り方ってとてつもなく多様なものだっていうふうに言われているようになっていて。
そういう多様な性の在り方があるんだから、いわゆる結婚という言葉にももっと多様な在り方があっていいんじゃないのか。
っていうことをすごく言っている人がもう既にたくさんいたんだなということも新しい発見だったし。
かつて2017年のアイルランドの事例とかっていうのが出てきたんですけれども、
83歳の男性と58歳の男性が結婚をしました。
この83歳の男性っていうのが、年老いて体の自由が効かないというのかな。生活が大変なので、それをいろいろ助けてくれと。
そのケアの代償として自分が死んだらこの家あげるっていう、用語としては契約関係みたいな言い方ができるのかなと。
で、それが世間に明るみに出た時に、アイルランドではこれは同性婚の悪用であると非難されてしまった。
じゃあこれって本当に同性婚の悪用なの?っていう。
これは答えがあるとかそういうものではないので、どうと言えるものではないんですけど、
それを頭ごなしに否定してしまっては、やっぱり結婚感というものはアップデートされないような気がするし。
ケアの関係というものは、結婚と何が違うのかぐらいの言い方もできるのかもしれない。
ていうことを考えさせられる話だとか、同じくそういう社会規範とかの話だったりするんですけれども、
欧米なんかだと大半の人が若い頃にシェアハウスみたいなところに住んでいる人が多くて、
日本では逆にほぼ全員が大学生で一人暮らしという言葉がもう単語化しているというのか。
大学に行って親元から離れる場合には一人暮らしをするということがすごく当たり前の規範になっているけれども、
これもあくまでも日本的な規範で、日本は共に暮らすのは家族であるべきだっていうことが社会の規範になっているけれども、
それも言ってみればなんですけど、日本の江戸の長屋暮らしとかって遮られてはいるけれども、
多分もっと緩い距離感というか、壁がもっと薄いようなシェアハウスに近いような形態だっただろうなぁとも思うし、
そういう暮らし方というのも結局結構規範によって決めつけられているということと、
日本の場合はもう一個の課題というのが、家がない。
家がない。住む家がない。
シングルの一人暮らしの家と家族で住む家はあるんだけれども、
複数人で共同生活をするということをしようとした場合に、その前提となる家が存在していない。
そうやね、確かに。
住宅の構造すらも規範によって結構定義されてしまっている。
そうか。規範によって定義されて、物が建てられて、その物を利用するからこそ、その規範がまた強化されていくという循環があるんだな。
日本で例えば家を作る場合って、じゃあNLDKの家がいいですよね、みたいな言われ方をするんですけど、
そのNLDKのNって、家族の人数、マイナス1とかで計算していませんでしたか?って言われていて。
4人家族なら、じゃあ3LDKの家が当たり前なんですね、とか。
6人家族だと、5LDKじゃないとダメですね、っていうのが、なんか俺もよく知らないんですけど、不動産業界では定型文らしいんですよね。
で、それって、なぜ家族の人数マイナス1になるのかと。
そこにお母さんの部屋って存在してなかったんじゃない?みたいな問題提起とかもやっぱされていて。
なるほどね。
お母さんはケアをするだけの存在であり。
選択肢の重要性
だから台所がお母さんのワークスペースということなのかな、要するにその考え方でいうと。
そこもやっぱ、なんていうか、やっぱ凝り固まった考え方ですよね。
そうよね、確かに。
みたいな当たり前とかも、やっぱり日本のいろんなことが社会構造でもあるし規範でもあるし、
簡単に解決できるものではないんですけど、少なくとも思ったのはやっぱ選択肢が少ない。
確かにね。
そこはやっぱ、あまりよろしいものではないのかな、ということは思うし。
だから選択肢が提示されへんから、僕らの想像力がそっちに及ばないよね。複数人で住もうって、まず発想が出てけへんもんね、きっとね。
そう。で、さらに住んでるとあいつらなんか家族じゃない奴らで住んでいる怪しい奴ら。
それは多分田舎であればあるほどその傾向は強いと思うし。
まあそうでしょうね、きっとね。
でね、最後の方に著者が非常にいいことを言っていて、こういう話をすると、自分にはそんなことは無理ですとか、
そんなことは現実的にはできないと思いますとか、そんな家族じゃない人と一緒に住むなんて落ち着いて生活できないんじゃないですか、みたいに言ってくる人がやっぱね、絶対いるみたいなんですよね。
なるほど。
で、著者がめっちゃ言いたいことっていうのは、あの、お前のことなんて言ってねえっていう話で。
なるほど。
まあこれはだいぶ俺が言い訳をしているんですけど、あの、お前ができるとかそういう話じゃなくてっていう、こういう選択肢が増えるっていうことが大事なことで、あの、お気持ち表明はどうでもいいんですよと。
それ同じことが夫婦別姓にも考え思うよね、別に。あの、あなたたちを別姓にしなさいと言ってるわけじゃないのに。
うん。
そんなカタコナに拒否する人いるよね、あれ。
うん。あの、日本の伝統文化ですからね。夫婦別姓は。
なるほど。
でもそれはさっきの話を踏まえると、いかに、あの、どれだけ伝統なのかということがよくわかるし。
まあ、あの、ちょっと意図的にっていうか飛ばしたんですけど、その夫婦別姓についても結構それなりにページ数を割かれていっていて。
はい。
えーと、まず知らなかったのが、夫婦が同姓しか認められていないというのは、国連加入国の中では日本しか存在していない。
うーん、やっぱり家制度のせいなんですかね、これは。
うーん、その、なんか謎の価値観なんでしょうね。
うーん、なるほど。
よくあの、夫婦別姓になると子供が差別されるからうんぬんみたいなことを言っている人がいるんだけれども、あの、その考えが差別なんだぞと。
まさにそうやな、まさにそうやわ。
そう、もしいじめられるんじゃないって考えるということがもう偏見と差別意識の現れであって。
まさにそうやな。
その、そう考えてしまうあなたはもう差別に加担しているんですよと。
そうやな、それも間違いないわ、それは。
うーん、そういうことも、あの、めちゃめちゃ強い言い方はしていなくて、だいぶ俺はその言い方を強めてはいるんですけれども。
ま、ほんとそうだなと思うし。
で、さらに言うと、あの、夫婦別姓の話で言うと、
ほとんどの場合、子供が生まれてから離婚をすると、割合として女性の方が子供を引き取ることが圧倒的に多いんですよね。
ま、日本ではそうでしょ。
うん。だとすると、合理的な話をするとですよ。
あー、そういうことね、はい、確かに。
日本の3分の1の人は離婚をしていて、そのうちの多数が母親から母親の方の性、母親に引き取られ、子供は。
そして母親の性に戻すということを考えるのであれば、結婚するなら合理という言葉を使ったら、女性の性を名乗っている方が合理的なのではないか。
うん、そうやね、間違いない。
うん。とか、そもそも夫婦別姓を主張している人たちってほとんどの場合が、別に別々の性にしたいから夫婦別姓にしたいと言っているわけではなくて、今の性を変えたくないだけなんだと。
社会的圧力と無関心
ま、そうでしょうね。
うん、そこが、その理解がされていない、そこをよく知られていないから結局議論というものが進まなくて、ま、そのことをちゃんと理解しないといけないよと。
うんうん、ま、そうやな。やっぱり戦後以降の日本の結婚感って、ある家にとつぐというやつやねんな。
そう、とつぐという言葉がありますからね。
つまり、今までの自分が所属していたコミュニティを抜けて、我々のコミュニティに来いという感じなんだよね。だから、お前の名字なんかいらんっていう。
お前の古い経歴を捨てて来いってことですからね。
その感覚を否定されるから、その人たちは多分別姓制度を。つまり、ある個人が別の個人と主体的に結婚するというものではないんだよね、基本的にはね。だから反対してしまうんだよね。
今だと、例えばその旧姓を通称として使うっていうのがだいぶ一般化してきて、そんでいいじゃんっていう人とかもいるらしいんですよね。
なるほど。
でも、そもそもまずその旧姓の通称利用というものは、そういうどうにか夫婦別姓が実現しないんだったらせめてこれをっていうので、頑張ってきた人たちが努力によって勝ち取ったもので、そんでいいじゃんって言っている人はほぼ確実にそのために努力なんてしていないんですよね。
まずそれをわかっていないといけないというのと、問題提起の仕方としてめちゃくちゃ面白いなと思ったのが、これは本当試行実験なんですけれども、もし結婚するときにどっちの姓にするかというのはくじ引きになりました。
結婚してからどっちの姓になるかはくじによって決まるので、みなさんそれでよろしくお願いしますって言ったら、必ず男性からも夫婦別姓に対しての声は上がるはずだと。
なるほど。
逆の立場で別に通称を使えばいいんじゃないって言われて、そんでいいのっていうことがよくわかると思う。
うんうん、なるほど。
っていうような言われ方をされていて、それもアイディアとして面白いよな。
そうだよな。だからその人たちがこだわっているのは、同姓を名乗ることじゃなくて、男性の名字が変わることが嫌っていうことだよね、要するに。
たぶん。
そういうことだよな、きっと。
所詮なんですけど、自分も結婚して自分の姓を名乗っていて、奥さんに姓を変えてもらっていて、そこにこういう社会的な圧力が100%確実に働いていて、本当に偉そうなことは言えた身分ではないということはもちろんあるんですけれども。
まあね、でも例えば奥さんが、奥さんって言い方もあれだけど配偶者の方が、名字別にしたいねんって仮にゴルフさんが言われたっていう試行実験の時に、自分がどう反応したかっていうことだと思うけどね。
なんかね、当時の自分、言ったか言ってないかも記憶にはないんですけど、めんどくさいから変えたくないって言っているっち思っている。
そうか、なるほど。
でもそれは、なので今なら言えるんだけど、全く同じことを相手に敷いているんですよね。
うん、確かにね。
なので自分の場合は、そういうことをしておいてっていうので、せめて物っていうので今後の人たちのぐらいにしか結局は言えないんですけど。
なるほど。
まあそうやって、少なくとも考え、今になって自分は知ることができて考えることができたというのは、最低限昔よりはマシになったのかなとは一応思うんですけれども。
まあそうやね、社会全体で見ても問題意識を持っている人の数は絶対的に増えてるやろうし、それがまあどっかのタイミングでこうそうして行き地を越えるんやろうとは思うけど、しばらくはまだ議論の段階でしょうね、これは。
で、ちょうど最後にっていう感じなんですけど、これは著者の体験と体験から得た考えなんですけど、著者がオランダだったかな、オランダに行った時になんかそこで暮らして、しばらく暮らしていた、ちょっと旅行だったかちょっと忘れたんですけど、そこに行った時にすごく居心地が良かったらしいんですよね。
で、なんで居心地が良かったのかっていうことを考えてみると、ものすごく良い意味で他人に対して無関心であること。
たとえばでいう、その日本的な無関心の真逆を言うと、隣の何々さんは何々さんと結婚したんだけど3ヶ月で離婚したらしいよとか、何々さんはなんか最近子供ができなくて悩んでいるらしいよみたいな話とか、そういうことに関してものすごく無関心である。
で、これをなんでなのかって著者が考えてみると、オランダという国ではマイノリティの生き方だとかその境遇というものに対して強く関心を持っているがゆえに、お互いの細かな違いというものに関して無関心なのではないか。
おー、なかなか難しい話だね、それは。
で、日本ではそういうマイノリティ的な生き方とか考え方、暮らし方というものに全く興味を持たないので、少しでも自分たちと違う存在がいるとその人たちに異様に関心を向けるのではないか。
うーん、なるほど。関心がないがゆえに関心を向けるか。なるほど。
細かな個々の違いというものではなく構造みたいなものに関心があるがゆえに他人がどういう生き方、マイノリティな生き方をしていようがそれを気にしない。
逆にそういうことを何も知らないからちょっと変わった奴がいる、俺たちと違うあいつらがいるっていうと過剰なまでにそこに関心を抱いてしまう。
なるほど。それが著者がいう異語骨の良さにつながったのではないかみたいな仮説、意見ですね。
みたいなものを読んで、自分も同じく言うと、マイノリティ的なものということを知っておくことこそが一番重要なことなのではないかなと。
結局自分が少なくとも夫婦別姓を選択していない、できていないししていないし、そういうシェアハウスみたいなものに住んだ経験もないし、
いわゆるそのあたりで言うとマジョリティ的なことしかしてはいないんですけれども、
多様な選択肢を認識していれば、そういう人がいた時に変な関心が持たなくなりそうだなというのは少なくともこれを読んで少しは実感ができた気がするし。
なるほどね。変な関心というのは面白い表現だね。だから、その人に注意を向けてるけど、でもその人がどういう人かは無視してるんだよね、結局。内実は見てないから、日本的なやつって。
結婚観の再考
ある特徴だけを見てる。なんか話してみたら案外普通やなっていうところをすっとすっとばして、
話してみたら案外みんな普通なんですよね。
っていうところじゃないところを見て、非常に分かりやすいポイントだけ見てしまってるっていう関心の向け方を向けてるってことね。
うん、ということにやっぱその大きな課題というか、そこが変わってくれば変わり得るんじゃないかというのは確かにそうかもしれないなと思い知った。
なるほど。
という感じで、初めてこんな社会派な話をしたかもしれないっていう感じなんですけれども。
何だろう、別にやっぱ強くこういうことを自分が積極的に興味を持っていなかったからこそ、今更遅いとも思わないし、
この本がっていうわけでもないんだけど、やっぱこういういろんなあり方というものを知るのは単純に興味のベースで考えても面白いと自分は思ったんですよね。
やっぱその社会学が持つ魅力ということなんでしょうね。自分らの常識を一回相対的に見せる効果があるし、
それはだから虚構作品、フィクションが僕たちの人生を別の視点で眺めさせるのとはまだ違った角度から社会学っていうのはその関心を向けさせてくれるところがありそうですね。
幸いなことにこの本に関して言うと、やっぱりあんまり難しくないと思います。いい意味で。
という点でも、別に社会学のことを詳しく知っているわけではないけれども、こういう学問の入門としても良い選択肢なんじゃないかなとも思いました。
人が日本の社会で生きていく中で、結婚を実際にするかどうかは別にして結婚という概念と無縁ではいられないわけですから、身近な話ですよね。
そう、俺たちぐらいの世代だったらほぼ100%結婚していない子に対して何か言ってきますからね。
言ってきますね。間違いなく。
そこが問題意識の根底にあったのはあったかもしれないですね。
お前子供はまだできないのかみたいなこととか、お前まだ結婚しないのかってすごい反発を覚えていて。
しかも結婚してない奴はちょっと人間的にどうかっていう感じはあるもんね。
それはね、少なくとも日本で言うとめちゃくちゃ強くあると思う。
っていうことを考え直そうよっていうことのきっかけとして。
ということで、ブックカタリスト今回はそんな感じで終わりにしたいと思います。
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それでは今回もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございます。
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