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今日も一日、ありがとうございます。この放送は、NFTにハマった建築設計者が、NFTやWeb3と時々建築の話をする放送です。よろしくお願いします。
今日は矢印主義が壊された時、みたいな、そんな話をしたいと思います。よろしくお願いします。
ちょっと変な単語が出てきたんですけど、今日は建築の話になります。私が普段仕事をしている上で感じた建築の話になります。
ちょっとマニアックな話です。ということで、矢印主義の考え方が壊される時、みたいな、そんな話です。
ちょっと前提となるインプットをしたいんですけども、私が仕事をしている職種について説明させていただくと、私は建設会社で建物の設計をしているわけなんですけども、
その中でも構造設計という、簡単に言うと建物が壊れないためにはどんな強さの建物がいいか、みたいな設計をしている職種になります。
具体的には、例えば一番身近なところで言うと重力ですね。重力に対してブシャッと潰れないような建物はどうしたらいいかということを考えます。
重力というと、上から下向きの矢印を想像してみればわかると思うんですけども、下向きに物というのは力を常に受け続けているわけです。
その下向きの力に対してどうやって建物が潰れないでいられるかというのを計算なりして求めて、それを建物の形に落とし込むわけです。
もう一つは地震とかですね。地震というと左右に揺れるイメージがあると思うんですけども、そのイメージの通り横向きに力がかかるわけですね、建物に対しては。
なので横向きの矢印があって、その横向きの矢印に対してどういう風に建物が抵抗するか、その横向きに対してどういう風な建物だったら壊れないか倒れないかみたいなことを設計するのが構造設計の仕事になります。
ということで今ちょっとちらほら出てきたんですけども、なので構造設計の裏側には矢印が存在しています。
もうちょっと専門的なことを言うと力学ですね。物理とかで高校とか中学とかで習ったと思うんですけども、力学、力の学ぶって書いてある力学を基本的なバックグラウンドとしてその原理に則って建物を設計しているということになります。
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なので先ほど言ったように重力だったら下向きの矢印、地震だったら横向きの矢印という感じで、私たちの仕事には全て、多分全てかな、想像し得る限り全ての仕事に対して矢印が飛び交ってるわけですね。
なので先ほど言ったように下向きの矢印に対してどうやって抵抗すればいいのかとか、この下向きの矢印に対してどんだけの太さの部材があれば壊れないだろうかみたいな、そういうことを常に考えているのが私の職能である構造設計というものになります。
なので割と本当に矢印なんですね。この方向の矢印に対してどうするかみたいな、そういうのが常に考えているわけです。
というのが日常業務になります。
今日ここから話をしたいのが、それの思考が壊れる経験をしたというのが最近の出来事になるので、ちょっとその話をしたいと思います。
それっていうのは、磁石を使った製品を作っている会社に工場見学みたいなことをする機会が会社の中でありました。
その中で、当然磁石って皆さんご存知ですよね。S極とN極があって、SとNはくっついて、SとS同士は離れてみたいな、そんな性質を示すので、割と力学とSとNみたいなのはちょっと密接につながっているように見えるようなものです。
それが磁石というものになります。
それを使っていろいろな製品を作っている会社になります。
代表的なところで言うと、モーターですね。電流を流したらクルクル回る。
それは電流という電気的な力と、あとは磁石的な、磁力的な力というのを合わせることでクルクル回るような、そういった機構を作るというのがモーターなわけです。
そういった製品であったり、その他にもいろいろと磁石、磁力を使った製品を作っている会社に見学に行きました。
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そこでは今までのような、重力だったら下向き、地震の力であったら横向き、みたいな明確な矢印がない世界が存在していたわけです。
その磁石を使っている会社に行って、ちょっとギャップを感じたという話がありました。
その代表例として一つお話をしたいと思います。
そのとき見たのが、磁石が両サイドにあって、S極、N極、S極、N極、みたいな両サイドにあって、その間に1円玉をポトンと落とす、みたいなそういう装置がありました。
何もないところに1円玉を落とすのであれば、手を離した瞬間にポトンと落ちると。
ただ、S極、N極、みたいなのに挟まれている中を1円玉が降りるときは、ゆっくりジワジワと落ちていくわけですね。
この装置を見たときに、われわれ構造設計者、建築構造屋さん的には、まずは物が落ちるというのは当然重力なので、上から下に下向きの矢印がかかっているわけです。
それがゆっくりなるということは、何かしらの上向きの矢印、上向きの力が働いているのではないかというのが直感的になる、そういう思考になるわけです。
この磁石のS、N、みたいなのが挟まれていることによって、何か上向きの力がかかっているんですかというふうに磁石屋さんに問うと、ちょっとそれはわかんないですね、みたいな反応をされるんですね。
磁石屋さん的には、ちょっとここは私はちょっと理解できなかったんですけども、こういう磁界、こういう磁器が作用しているので、ゆっくり落ちますみたいな説明だったんです。
その時はおそらくは、磁石屋さん的には、磁界の線、磁石の作用する線みたいなのがまた我々の想像しない線というか見えていて、その線があるからゆっくり落ちるんだよっていうふうに、磁石屋さんは磁石屋さんなりの何か納得できる理論というか、その背後にある線みたいな、見えざる線みたいなのが見えて説明していたんだと思うわけです。
ただ、我々矢印人間からすると、それがちょっと理解できなかったんですよね。
その見学会はそれで終わってしまったんですけども、そこから言えることっていうのは一つの事象があります。
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今回であれば、磁石の間に挟まれている空間に一円玉をポトンと落とす。
そうすると、スッと落ちるんではなくて、ゆっくりジュワジュワと落ちる。
そういう事象が起きます。
そうなった時に、我々は上向きの重力の下向きだけじゃなくて、上向きの矢印の力があるんじゃないかみたいな見方で、見えざる矢印みたいなのが見えるんですけども、
磁石屋さん的にはそんなの見えずに、こういう磁石の線がある、見えざる線みたいなのが見えていて、だからゆっくり落ちているんです、みたいなことで納得するわけですね。
という感じで、同じ事象を見ているんですけども、見ている人が持つバックグラウンドとか知識とか、そういうのによって見え方が全然違うなっていうのを今回の見学会で思い知らされました。
このような出来事っていうのは絶対に他にも起こり得ることなので、そういったことに出くわした時に、こういうんだからこう見えるでしょみたいな説明を当然するんですけども、
その時に相手が理解してもらえなかった時に、なんで理解できなかったんだみたいな感じで、相手のせいにするんではなくて、相手にはもっと別の見方の見えざる線みたいなのが見えてるんだなみたいな、そういった思考でありたいなというふうに思いました。
なので見方によって、ある事象、同じ事象を見ていても、見方によってその背景であったりの感じ方が違うということを今回通じて改めて学びましたというふうなお話でした。
ということで、ちょっと最初のお題みたいなのが何て言ったか忘れてしまったんですけども、今日は同じ事象を見ても、見る人の背景だったり知識によって見え方が全然違うんだよっていう話をしました。
ということで今日はお疲れ様でした。またねー。バイバイ。