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  2. #295 建築構造設計の絶望
2024-11-13 18:26

#295 建築構造設計の絶望

#建築 #構造設計 
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今日も一日、ありがとうございました。この放送は、WEB3にハマった建築設計者が、仮想通貨やNFT、メタバースなどのWEB3の話と、ドキドキ建築の話をする放送です。よろしくお願いします。
今日は、建築構造設計の絶望というお話をしたいと思います。
ちょっとネガティブなタイトルなんですけども、昨日ちょうど感じたことがあったので、タイムリーにお話ししてみたいと思って、今日お話ししようと思いました。
当初は、昨日の放送のように仮想通貨周りのお話をしようと思っていたんですけども、この思いをタイムリーに残したいと思って、急遽、割り込む形でお話しさせていただきます。よろしくお願いします。
建築構造設計の絶望ということなんですけども、昨日、日本建築学会が主催するとある講習会を受けてきました。オンラインでみんなのありがたいお話を聞くみたいな感じで、すごく学びになったんですけども、その中で絶望してしまったので、その話を今日したいと思います。
まず、建築構造設計という意味慣れないワードだと思うんですけども、そこからちょっと説明したいと思います。建物の設計というと、皆さんイメージつくかなと思います。建物の間取りとかを設計して、ここに何々が来る、ここに何々が来る、部屋の用途を考えて間取りを設計して、あとは建物の外観ですね。
何色の壁を何色にするとか、そういうのを設計して建物ができました。これが建物の設計になります。その認識は間違ってないかなと思います。
私がやってるのはそういう設計ではなくて、私がやってるのは構造設計と言って、簡単に言うと建物の強さを設計する職能になります。間取りとかデザインとかを決める設計ではなくて、建物の強さを決める設計、強度ですね。
もうちょっとわかりやすく言うと、地震に倒れない、地震が起きても倒れない建物を設計するのが構造設計の仕事になります。
具体的に言うと、建物って柱とかありますよね。柱。直感的に柱が太ければ建物が強いイメージありますよね。柱が細ければ弱いし、太ければ強い。太ければ大きい地震が起きても倒れなさそう。細いと大きい地震が起きたら倒れちゃいそうみたいな、そんなイメージは建築のことをあまり知らない方でも言われてみればそんなイメージだねって思います。
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簡単に言うと、柱の太さ、どのくらいの太さがあれば地震が起きても壊れないか、そういったものを設計する仕事になります。
要は、いくらでも太くすれば太くできるんですけども、そんな無駄はせずに適切な想定する地震に対して、このくらいあれば倒れないと。これ以上あっても無駄ですよと。これ以上大きくても無駄ですよと。
このくらいの大きさであれば倒れないラインがあるので、そこでやっていきましょうねっていうのを決める設計者が構造設計者なわけです。私もその構造設計者の部類になります。
その構造設計について、昨日の建築学会の講習会を受けて絶望した話なんですけども、構造設計は要はどういうことをしているかというと、地震だけにフォーカスを絞るんですけども、
要はですね、構造設計は地震が起きたときに、今設計している建物がどんな風に揺れるかを予測して、こういう風に揺れるんだったら安全だよねとか、こういう風に揺れるんだったらこの柱がちょっと細すぎるからちょっと太くしようね、そういった設計をするわけですね。
なので、ベースにあるのが、こういった地震が起きるからこうやって揺れるっていうのを予測する。ここがまずベースにあるわけです。その予測ができなければ、安全だよねとか、この柱危ないよね、倒れちゃうよねみたいな、そういった判断ができないんですよね。
なので、ベースにあるのが、こういう地震が起きたらこうやって建物は揺れる。これを把握することがめちゃめちゃ超重要なわけです。
じゃあ、とある地震が起こったときに揺れるようなシミュレーションをするんですけど、それはパソコンで、そういうソフトがあってそれでするんですけども、そのときに必要な条件、必要な値パラメータというのは何なのかというと、そこをちょっと紐解いていこうと思います。
そしたら、地震が起こったときに建物がどう揺れるか、どう揺れるかを把握する、シミュレーションするのに必要なパラメータ条件というのが、値ですね、というのが3つあります。
1つ目は建物の硬さです。柱が太いと硬いですよね。柱が細いと柔らかい。その硬さが分かれば、まず1つ分かることが、どう揺れるかを把握するのに必要になります。
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2つ目が建物の重さですね。この硬さと重さは、高校のときに物理とかをやっていれば、建物が揺れる、建物が振動する、物が振動するときに、この硬さと質量、重さが重要だなというのが、高校の物理をやっている人は分かるかなと思います。
3つ目が今回のキーワードで、減水というものですね。減るに衰退の水ですね。減るに衰退の水、減水ですね。この3つ目のパラメータが、耳なじみのないものだと思うんですけれども、例を挙げると、
例えば、紐に重りをぶるさげて、振り子みたいにブランブランするのを思い出してほしいんですけれども、振り子を手で持っていると。手で持っていて、重りが左右にブランブラン揺れていると。
当然、手は固定していて、そうやって自由に振り子をブランブラン揺らしていくと、当然ある時になったら止まりますよね。どんどん揺れが小さくなっていって、最後になったら止まりますよね。
もう一つの例を出すと、これの方がイメージしやすいかな。定規とかを曲げて、そこからピンって離すと定規がビョンビョンって揺れますよね。揺れてすぐ止まりますよね。この時に何が起こっているのかというと、これが減水によって揺れが止まるという現象が起きています。
この減水がないと揺れというのは永遠に揺れ続きます。振り子も永遠にブランブランブランブラン揺れ続きますし、定規をピンってやった時も、減水という現象が起きなければずっとビョンビョンビョンって揺れることになります。
この減水って何によって起こっているのかというと、振り子は一番分かりやすいと思うんですけど、振り子は空気抵抗が減水になっています。振り子が揺れると重りが空気の抵抗を受けるわけですね。それによって揺れを小さくしよう小さくしようという力が空気抵抗によって働きます。それが振り子における減水のパワー、力になります。
定規のビョンビョンも空気抵抗も当然減水にありますし、あとは定規自体の内部の力というのも減水になります。ここはちょっと理解しがたいことなんですけど、とりあえず物が振動する時は何らかの減水という作用、影響が及ぼされて揺れが小さくなる方向、揺れが止まろうとする方向に作用するというのは、
覚えておいてもらえたらなと思います。これが建物の揺れ、地震による揺れを把握する上で必要なパラメーターの3つ目になります。おさらいすると1つ目が建物の硬さ、2つ目が建物の重さ、3つ目が建物の減水ですね。この3つが分かれば、地震によってどんな感じで建物が揺れるかというのを把握することができます。
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先ほど言ったようにこの減水というのがキーワードでして、昨日私が受けた講習会も建築学会の講習会もこの減水がテーマの講習会になります。
お察しの通り、そんな建築学会が、そういった権威のある組織が減水というものに対して講習会を開くということは、減水というのはまだ全然解明されていないところが大きいものになります。
なので先ほど硬さと重さと減水が分かれば建物の揺れが把握できますと言いましたけれども、まだその3つ目の項目の減水という項目が全然解明されていないんですね。
とりあえず値を設定しますけれども、それはバッチリこの値で絶対決まりだぜと言ってその値を設定するわけではなくて、とある仮定の下で決める値なわけです。
そのことは昨日の講習を受ける前からもう当然分かっていたことなんですけれども、昨日の講習を受けてなお当然その場では建築学会に所属している偉い大学の先生とかが、最近の減水はこんな感じですみたいな発表をして最新の知見を発表するんですけれども、やっぱりその中でももう分からないことがやっぱり多いです。
これとこれとこれがまだ分かってませんみたいな発表だったんですね。なので昨日の講習会を聞いて、やっぱりまだまだ全然分かんないことがあるんだなっていうのを再認識したような講習会になりました。
なぜ分かってないのかというと、それは答えが明白で、まずは減水という項目は理論的に求めるのが難しいというのが1点あります。
2つ目に理論的に求められないなったら、実験的に求めればいいじゃないかというのがあると思うんですけれども、実験をするのも難しいと。
実験をするのが無理だったら、3つ目の方法、何をするかというと、実際の建物が実際の地震で揺れている揺れを観測するしかないんですね。
この3つ目による方法が一番確実なんですけれども、まだまだ観測データというのが揃っていないという現状があるので、なので減水というものが解明できていないということになります。
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例えば1つ目で言ったものの硬さというのは、当然理論的に求めるのは結構難しいものになります。
一部は求められるんですけど、求められない部分は実験によって求められています。
数々のものの硬さですね。コンクリートはどんだけ硬いのかとか、鉄の柱はどんだけ硬いのかみたいな、そういった実験はめちゃめちゃやられていて、過去に。
なのでその硬さの分野では実験によってどんどん解明してきています。
もうほぼほぼ解明できていると言っても過言ではないかなと。
なので建物の硬さというのは正確に、ほぼ正確に設定することができます。
建物の重さなんですけども、これはもう理論的にコンクリートの重さはいくつって決まってますので、鉄の重さはいくつって決まってますので、
それがこんだけのボリュームある、こんだけの長さがあるって言ったら、もう理論的に、数式的に求められることができます。
なので2つ目の建物の重さというのは理論的に求めることができます。
3つ目の減衰はというと、さっきほど言ったように、理論的にも求まらないし、実験的にも求まらない。
3つ目の方法として、実際の建物に地震が起きたときに、その建物がどう揺れるかを観測しなきゃ求められないパラメーターであるため、この減衰というのが求まっていないと。
いまだに解明できていないというのがあります。
そうなんですよね。
なのでそれを昨日の講習会をもって、まざまざと見せつけられたというのがあります。
最後に、この減衰が正しく見積もれてないと、正しく設定できてないと、本当に揺れが、建物の揺れですね、地震が起きたときの建物の揺れが本当に予測できないのかというと、結構できなくて、
昨日の講習会であったのが、減衰の設定の方法は当然決まってはいるんですけども、
Aパターン、Bパターン、Cパターンぐらい、3つぐらいのパターンで決まってるんですけども、
Aパターン、Bパターン、Cパターンでそれぞれ設定して、後の条件は一緒ですと、後の条件は一緒で、
Aパターン、Bパターン、Cパターン、よくあるAパターン、よくあるBパターン、よくあるCパターンを設定して、
実際に地震が起きたときにどう揺れるかというのを解析的にシミュレーションしてみました。
Aパターン、Bパターン、Cパターンの差を比較してみました。
一番大きな差で、建物の揺れがAパターンとBパターン、Cパターンで1.5倍ぐらい違うんですよね。
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これ結構すごくて、単純に言うとこの1.5倍違うってことは柱の太さが1.5倍違うぐらいなんですよね。
建物の揺れが1.5倍大きい小さいあるんですけども、建物の揺れが小さいって見積もられていたときに柱の太さをこの太さだって求めますよね。
ただ実際はこの大きい側、1.5倍大きい側で揺れちゃったとすると柱の太さが1.5倍分足りないので当然倒れてしまうわけなんですよね。
逆に大きい側、建物の揺れが大きい側の設定で柱の太さを見積もったときに柱が太くなるんですけども、
それは実はもっと細くてもいいじゃないっていう過剰な設計を招いてしまうことにもつながるわけなんですね。
なのでそんな感じでその減衰っていうのが今まだ解明されてないと同時に減衰がある設定の仕方で違うと建物の揺れの大きさ、シミュレーションで得られる揺れの大きさっていうのが違って
それをもとに我々は柱の太さとか決まるので柱の太さも間違った方向に行ってしまうと。
そういった現実が今の構造設計であるっていうのをまざまざと知らされました。
なのでそういった点をもとに我々がすべきことは当然その時々にあった減衰の設定の仕方っていうのをまだ解明されてない部分が多いんですけども、
それを保管する自分のノウハウで保管するようにしてより正しいその時ベストな設定をするっていうのと、
あとは先ほど言ったように1.5倍ぐらいこの揺れの見積もりっていうかシミュレーション結果が違うので、
そういった違いが起こり得るという前提でちょっと1.5倍ぐらい余裕を見ておくかとか、
1.5倍やりすぎだから1.2倍ぐらい余裕を見ておくかとかそういった判断を適宜していくっていうのが構造設計者として重要なのかなと思います。
そこのほうらへんは本当に法律レベルでは全然決まってないことなので、
ただ法律を守った設計をしていればいいやではできない設計になるんですね。
なのでそのあたりは各個人個人での構造設計者が自分の経験であったり倫理観であったりを持ちながら設計していくのが大事なんだなというふうに思いました。
ということで今日はちょっと建築売りの話になりましたけども、
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昨日受けた、私が昨日聴講した講習会でショッキングな絶望を味わったのでその話をシェアしてみました。
ちょっと難しい話だったと思うんですけども、共感していただけたら嬉しいです。
ということで今日はお疲れ様でした。またねバイバイ。
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