こんにちは、逗子レコラジオ編集長のキジママサシです。この番組、逗子レコラジオは、神奈川県の逗子・葉山・鎌倉エリアの魅力をお伝えしている、声のローカルメディア。
毎回、ローカルで気になるゲストに来ていただいて、取り組みについてお話をいただいたり、メインMC2人で井戸端ローカルトークを繰り広げていたりします。
さて、今回のゲストは、前回のキジマ個人会でご紹介した、ソカロスイーツの関範子さんからのご紹介なんですが、葉山の意識にある、ビューイ・フラワーズ&アンティークスで朝カフェを営む春さんへのインタビューをお届けします。
春さんが作り出す空間は、単なるカフェという枠を越えて、そこにいる人たちが自然と繋がっていく不思議な場所です。収録中にその居心地の良さを、僕は思わず朝スナックと表現してしまいました。
美味しいカヌレをいただきながら、全てがたまたまから始まったというお店の誕生秘話や、肩書きを脱いで過ごせるその場所の魅力について、じっくりと伺っていきます。
今回は2週にわたってお届けする、今回は全編です。葉山の朝の空気感とともにお聞きください。
実は今回、お店の心地よさにリラックスしすぎてしまって、お茶を飲みながらゆるゆると話し始めたところが、そのままインタビューのスタートになってしまいました。
春さんがお店にある焙煎機や、人との出会いについて、全部たまたまなんですよね、と語り出すシーンから始まります。
それでは最後までお楽しみください。
なんかいろんなことやってる人がいるから、たまたま出会う人が多いですね。
思い返してみると、たまたまの出会いってどういうシチュエーションなんですか?
例えばこのカフェを始めるきっかけになったのは、
もともと月一のイベント、ブックニックっていう、パンとコーヒーでピクニックみたいな、
お庭でゆっくりしてもらうっていう体験をするイベントを始めたときに、
7回目かで近くでギャラリーカフェをやってる若菜さんっていう方が、
すごいコーヒー美味しいからうちで入れてみるって声をかけてくれて、
次の月からギャラリーカフェでコーヒーハンドドリップさせてもらう流れになって、
毎月のイベントもうちで続けつつ、
ギャラリーカフェでのコーヒーハンドドリップっていうのもやらせて続けて、
そこからしばらく経って、もともと倉庫として使ってた小屋をカフェにしようかなって思ったんですよね。
ある月にザーッと改造を始めて、カフェにして営業券を取ってみたいな。
うちでコーヒー入れるっていう一言がなかったら、多分カフェ始めてないし、
ギャラリーカフェで、若菜さんとこのギャラリーカフェ、ハウス1アーツキル1という近所のお店なんですけど、
コーヒー入れ始めてから、自分のカフェを始めるまでの間も、
うちのイベントでコーヒー入れてくれないみたいなお誘いとかもあったり。
そこで誘われたイベントで、お客さんとしてたまたま来てくれた、
それは図紙のイベントだったんですけど、図紙のアミゴマ決壊祭のイベントだったんですけど、
そこでお客さんに来てくれた方、今何人もカフェに来てくれてて、
その時に来てくれたお客さんもたまたま前を通りかかって、
何かやってるなと思って入ってみたとかいう方ばっかりで、
うちでやってるマルシェに参加してくださった方とかが、
実は焙煎機も開発してたりして、その焙煎機が後ろにあるやつなんですけど、
インスタで見ました。
それで自家焙煎とかも始めるようになって、
全部たまたま出会っちゃったんだけど。
なんかそれって葉山ならではなんですかね。
そんな気がしたんですけど。
喫茶店ってコーヒーを楽しむ場所でもあると思うんだけど、
そこに誰かがいてくれたりとか、
ちっちゃい頃知らないおじさんとかおばさんが話しかけてくれたりとか、
そこのマスターが何も喋んないんだけど許容してくれてる感があるみたいな。
場作りの一つの要素がコーヒーなのかなって思って、
僕もこういう居場所みたいなのを作りたいんだなってやり始めて思います。
昔というか本当に10年30年前って、いわゆるカフェっていう前喫茶店っていうのが結構あったじゃないですか。
寿司の方にも、それこそなみこそばの近くの亀ヶ丘八幡宮っていう神社が市役所の隣にあるんですけど、
その向かいって今ブルームーン寿司っていうお店なんですけど、
そこに昔カジベっていう喫茶店があったんですよ。
そうなんですか。
もう本当に10年前ぐらいまであったかなってところなんですけど、
今って純喫茶って一つのジャンルみたいに言われてますけど、
そこでもない昔ながらのおじちゃんとおばちゃんがいて、
おばちゃんたち店員さんが結構リーズナブルなケーキとか出してくれたりとか、
新聞読んでるおじちゃんがいて、この人仕事何やってんのかっていう人もいたりで、
そういうごったにみたいな雰囲気の喫茶店って本当に減ったなって今聞いてて思いましたね。
なんかそれが思い出として残ってるから良かったなっていうのもあるけれども、
やっぱ時代が変わって若い人がそういう喫茶店というかカフェのコーヒーの文化に触れるみたいな風に、
ちょっとなんかだんだんシフトしてる感じはあった。
良い悪いとかっていう話じゃないんですけど、
カテゴライズされちゃうみたいなお店が増えたなって思いましたね。
うちはこういうお店、こういうカフェ、それこそ純喫茶とか、
居酒屋とかでも昔ながらの昭和な雰囲気のとかっていう風に、
カテゴライズしてこの店はこういう風なお店ですっていう風に紹介する人も増えたし、一般の人とかでも。
ブランディングされているみたいな、意図的にしているみたいなってことですか。
そういうのに当てはまらない空間こそが今心地いいんじゃないかなって思いましたね。
今のそういう捉え方ってしてなかったけれど、
僕が作りたい空間のイメージってそうかもしれないですね。
全面的に何かの色を打ち出そうっていう風に全くしてなくて、
お客様が心地よく過ごせたらいいなって思いだけだから、
いろいろワークショップの企画とかイベントとかやってるけど、
そういうのもお客さんとの会話から生まれたりとか、
こんなのあったらいいなーみたいなのがメニューもそうだし、
そういうのをやりたい感じかな。
やっぱり何か実現したいものがあって、ビジネス的なスタイルをとってカフェを運営しているお店もあれば、
それこそスターバックスみたいにサードプレースであって、
家でも職場でもない大さんの居場所みたいなものを作って心地よく。
そこも回転率とか裏では見てるかもしれないですけど、
表向きにというか、そういう空間ですよ、居ていいんですよっていう風にしてるじゃないですか。
そういう風にカテゴライズされたりとか、
お客さんにこう振る舞ってくださいねっていう風にスタイルを強要するみたいなお店って、
一般的にそれ悪いというわけじゃないんですけど、
でもそういうのが一般的であるからこそ、
こういう春さんがやってるこの朝カフェみたいな空間っていうのが余白があって、
めちゃめちゃ心地いいし、
なんでそうなんだろうと思ったら、
なんか春さん自身の生活だったり暮らしの中の一部を見せてもらってるとか、
そこにちょっとお邪魔させてもらってるっていう感覚なのかなと思ったんですよ。
もうこのね、来てまだ1時間ちょっと経ってないですけど。
なんかインスタで見てたところではやっぱり感じ取れなかった部分というのは、
やっぱりこうリアルに来てみて、
ちょっと振る舞っていただいたりとかしながら、
コーヒー何しますかという会話の中で、
なんかこう、ただお店に入った時の体験とは違うなっていう明らかに感じて、
これこそなんかすごい心地いい空間というか、
なんか滞在時間が長くなるの分かるなって思ったりとか、
ずっとここにいたいみたいな。
すごく近所の方含めお客さんがそう感じるのって、
こういうことかって分かりました。
ありがとうございます。
なんか上から目線にすいません。
いやいや、全然嬉しいです。
結構最近だと常連のお客様とかだと、
じゃあ1杯目はって最初言ってくれたりとかして、
そういうのも嬉しいなと思って。
1杯目は例えばロイヤルミルクティーと、
じゃあホットサンドにしようと。
じゃあ飲みながら2杯目考えるねみたいな感じとか。
今日は夜勤明けでオフだから、
ちょっと朝からワイン飲もうかなみたいな。
いいですね。
で、なんかつまむものでも作りましょうかみたいな。
で、美味しかったしもうちょっと痛いからもう1杯とか。
ゆっくりし過ごしてもらえたら嬉しいなって。
今お店自体は日・月・火・水・木やってて、
週5やって。
で、金と亀はお休みいただいてるんだけど。
その曜日でくるっていうところを重視したいなって思ってやってて。
曜日。
だから変な話で、金と銅じゃなかったら、
大晦日でもお正月でも空いてるみたいな。
そういう行ったらやってるよねっていう安心感がある感じられるお店に。
営業時間自体は8時から11時で、そんなに長くはないけど、
その時間行ったら空いてるねっていう安心感があったらいいなと思って。
という意味で、居場所になれたらいいなって皆さんの思いでやってるんです。
ありがとうございます。
アイスカヌレ美味しい。
ありがとうございます。
グルテンフリーのカヌレもすごい好評いただいて。
今食べていただいているのがグルテンフリーのカヌレのアイスバージョンで。
ラムですかね、これ。
そうです。
すごいいい感じに効いてますね。
ありがとうございます。
ハラダマハさんの風のマジムっていう小説。
映画化もされてるのかな。
確かに。
でも取り扱われてるコルコルっていうラム酒をラム酒では使ってた沖縄の。
基本的に全部国内産のコメコも天才糖。
砂糖じゃなくて天才糖も全部国内生産の力したものを使ってて、っていうのはこだわってて。
バニラビーンズはマダガスカルなんですけど、ちゃんと顔が見える生産者さんの日本向けにちゃんと、
他の国向けと発酵が少し違う、変えなきゃいけないんですって、なんか詳しくはわかんないんですけど。
日本向けに発酵させたバニラビーンズを顔が見えるルートで購入して作ってるので、
喜んでいただけると嬉しいです。
カヌレをアイスカヌレとして食べるのって僕初めてなんですけど、結構あるんですか?アイスカヌレっていうものは。
たまたまで、アイスカヌレってものはあるらしいんですよ。
お客様から教えてもらったんですけど、常連の。
で、なんかあるらしいよって教えてもらって、試作作ってみようかなと思ってやってみたら、
これめっちゃうまいじゃんと思って。
めっちゃうまいです。感動しました。
ありがとうございます。
これもたまたま。
ラムが強すぎずに、何でしょうね、このサトウキビからあったのか。
甘みが多分天才糖だから結構和らかいのかなって。
あとは夏みかんの。
葉山はやっぱり夏みかんがいっぱい摂れる地域なんだけれど、
夏みかんがあるときは夏みかんピール炊いて、
それをちょっと混ぜ込んだ夏みかんカヌレとかもお出ししてたりした。
もともとのカヌレの苦味と甘みと夏みかんの苦味と甘み。
そこに夏みかん独特の風味と若干の酸味みたいなのが加わって、
すごくそれも僕は自分で好きでした。
夏みかんが多いのってあれなんですよね。
確か今、上皇様。
もともと天皇様って言ったじゃないですか。
御成功のときに苗が結構配られたらしいんですよね、葉山の一人。
それを結構育てて、それを家の方になる。
育えた方が多かったって聞いていたので、
まさにそういった歴史があるのか。
かなりロイヤルな感じ。
ロイヤルな夏みかんですよね。
お隣さんにもあったり、何軒か隣のお宅にもすごいのあったりして、
よく分けていただいたりして。
今見たら1959年、昭和34年に配られたそうですね。
ありがとうございます。
カムカムレの話題っていうと、
グルテンフリーのやつなんで、小麦食べられないよとか、
小麦苦手だよって方には喜んでいただいてるんだけど、
ビーガンの人もそれなりにいらっしゃって、
ビーガンの人だと食べれないねって話もあったんで、
グルテンフリービーガンカムレっていうのも、
欲しいよって言っていただいたタイミングで焼いたりしてます。
すごい目玉になりそうなぐらい欲しかったんですけど。
ありがとうございます。
ここに来ないと食べられないっていう。
発送も受けたまって、
ギフトセットとかも。
実は。
食べ物メニュー、ロッドサンドとか極厚のトーストとかは、
なんか食べるものないみたいな。
常連さんの声で。
じゃあパン系作りますかとか。
もうそれはその場で、ちょっと小腹が減ってるんだけどさみたいな話があるんです。
その時にはパンないから、その次の。
次のは用意しときますみたいな。
用意しときますも言わずに、あ、そうですかって言って次の来ていただいた時に、
ちょっとホットサンド作ってみたんですけどみたいな。
いいです。ちょっと試作なんですけど。
卵サンドとかは、
ちょうど確かホットサンドのハムとチーズかどっちかが付けちゃった時に、
卵サンドなら作れるかなってその場で行って作ったりとか。
それも全部たまたまですね。
その場で生まれる感じ。
さっきお店のスタイルの話をちょっとしたんですけど、
お客さんがいて、店主がいて、
場所と空間のものがあって、提供するものがあってっていう、
そういった要素だけを抽象化していくと、
スナックだなって思ったんですよ。
わかります?
なんかわかるかも。
お客さんがこういう空間であれがなんかあるといいなみたいなのに対して、
なんかちょっとやってみました。
確かにね。
なんか朝スナック。
またカテゴライズするとちょっと嫌だなって僕自分でも思っちゃうんですけど、
朝スナックっていう言葉がちょっとなんかしっくりきちゃったなって。
朝カフェだけど、中身は実は朝スナックかもしれないってことですね。
そうか。お酒もあるしね。
お酒もあるし。
お酒もなくても店主とお客さんの境目が曖昧というか、
この場所に一緒にいるっていうだけみたいなところがまずは共通点なのかなとか。
スナックって結構イレギュラーなコミュニケーション多いじゃないですか。
多いじゃないですか。
あんまり言ってこない。
なんかちょっとこういうのがあるといいなとか。
わかる気しますね。そうかもしれない。
居心地の良さっていうのがスナック的なところに通通るなっていうのも感じていて。
なんでしょうね。
それ初めて言われましたね。
スナックっていうとやっぱりいろんな人によってのイメージ違うと思うんですけど、
ワイワイしててなんかおじさんがカラオケ歌っててとか。
人によってはなんかちょっと嫌だなっていう。
ちょっと昭和的なコミュニケーション苦手だなっていう方もいらっしゃるかと思うんですけど。
でもなんかそのある種の信頼関係があると思うんですよね。
編集とお客さんの。
その表現だったりストレス解消の方はお酒だったりカラオケだったりとかいろいろあると思うんですけど。
信頼関係っていうところが結構似てるなって思って。
それでいうとすごく今って思ったのが、
なんかこの場所って肩書とか関係ない場所。
正直名前も肩書も何もどこの誰っていうことが関係ない場所でありたいなって思ってて。
だから僕常連さんの名前ほとんど知らなくて。
どこに住んでて何やってる人かって知らないんですよ。
だからこのお店に来てくれないと会えないみたいな。
なるほど。外で。
どうしようなんだろうみたいな。
もちろん近所の方なので外で道端では会うんだけど。
なんとなくスナックって男社会で言うとネクタイを取れる場所。
あの人実はねみたいな。
例えばママがあの人実はそういうところなの。
めちゃくちゃ楽しげなおじさんがとか。
女性って言ってもジャケットを脱げる場所みたいな場所だと思うんですよね。
確かにそういう意味でもスナックっていう表現は確かになって感じましたね。
この場所で出会った人同士で毎週ハイキングに行く感じになりましたとか。
毎週海で遊んでますとか。
お客さん同士で家で集まって遊ぶんですとか。
そういう出会いとかがいろいろ繰り広げられたりすると楽しいなって思って。
実際起きてるわけですか。
カフェじゃなくてもうちで開催しているワークショップとかで出会った人とか同士で仲良くなったりとか。
月一でブックニックとかブックニックデイっていうイベントを月一でやってるんだけど。
そこで出会った人同士で出てくれた方がまた主催しているイベントに他の出展者の方が誘われていたりとか。
そうやってつながっていくのが楽しいなって思います。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回は早前式のビューイフラワーズ&アンティークスで朝カフェを営む春さんへのインタビュー全編をお届けしました。