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2024-11-20 1:04:29

#78|INSIGHT supported by SHURE「彫刻のような音声作品」GUEST : 上出遼平 / ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision

from雑談【INSIGHT】では毎回異なるポッドキャスターの方をゲストに迎え、主に音作りの観点から、普段の配信ではなかなか話すことのできない、コンテンツ制作の裏側を深ぼってお聴きします。
果たして、優れた作品を生み出し続けるポッドキャスターは、何を意識し、どこに注目して、番組を作り続けているのでしょうか?
from雑談【INSIGHT】は、およそ1世紀にわたり世界のレジェンドから支持され続けるブランド「Shure」の提供でお送りします。〈収録:2024.11.15〉

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[GUEST] ───────────────────

【上出遼平】

1989年東京都生まれ。ディレクター・プロデューサー・作家。ドキュメンタリー番組『ハイパーハードボイルドグルメリポート』などを手がける。小説『歩山録』、『ありえない仕事術』などの著書の他、2024年12月には『Midnight Pizza Club 1st BLAZE Langtang Valley(講談社)・写真:仲野太賀・著:上出遼平・写真:阿部裕介』を刊行。
ドキュメンタリーYouTube『TRAIL』や、ポッドキャスト『上出遼平 NY御馳走帖』など配信。

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[HOST] ───────────────────

【メチクロ】

マンガ・オーディオ・アート・クラブミュージックなどの第一線で、分野横断的に活動するクリエイティブディレクター。 グラフィック&プロダクト両面のデザインのみならず、編集&ライティングからブランディング&プロデュースまで多様なスキルセットを駆使する。 これまでの経験と知見を活かし、『JAPAN PODCAST AWARDS』では創設メンバーとして、2019年創設〜2021年まで3年に渡り理念&審査レギュレーション設計、選考委員選定、ノミネート作品選考、グラフィック&トロフィー造形など中核業務の全てを担当。 作品選考作業においては、年間平均2000作品・2000時間強に及ぶ聴取・リサーチ・分析を行い、アワードという一つの基準において、国内ポッドキャストシーンの可視化とクオリティの定性評価に寄与した。 現在、自身のポッドキャスト作品としては、ぷにぷに電機と共に制作する『LAUNDRY AM』を配信中。 『雑談』では、より広く、より深く、音声作品の可能性と魅力を伝えるべく、さらなる能力を解放する。@maticlog

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©︎雑談

00:05
雑談がお届けするポッドキャスト番組、from 雑談 INSIGHT。
INSIGHTでは、毎回異なるポッドキャスターの方をゲストに迎え、
主に音作りの観点から、普段の配信ではなかなか話すこともできないコンテンツ制作の裏側をかぼってお聞きします。
果たして、優れた作品を生み出し続けるポッドキャスターは何を意識し、どこに注目して番組を作り続けているのでしょうか。
from 雑談 INSIGHTは、およそ1世紀にわたり、世界のレジェンドから支持され続けるブランド、SHUREの提供でお送りします。
from 雑談 INSIGHT supported by SHURE、こんにちは、道黒です。
本日のゲストは、ハイパーハードボイルドグルメリポート no visionでおなじみの上出遼平さんをお迎えいたしました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
ご無沙汰しています。
今日は上出さんはニューヨークからリモートということですね。
そうです。なので、しょっちゅう救急車とかパトカーのサイレンが聞こえてしまうかもしれないんですけど、今朝の9時半です。
9時半。ありがとうございます。
本当にお忙しいところ、世界のどこにいるのかわからない状態で、オファーもどうしていいものやらみたいな感じなんですけれど、今日はニューヨークにいらっしゃると。
そうですね。本当に最近山登りばっかりしているもので、あんまり家にいないんですけど、なので、ご依頼いただいてから返事までにとてつもない時間がかかったんじゃないかと。
いやいや、全然問題です。
本当にご迷惑をお受けしました。
じゃあちょっと今日は少し長い時間ですが、お付き合いよろしくお願いします。
はい、お願いします。
このコーナーはですね、ポッドキャスターの方のテクニカルなことをいっぱい深掘りするっていう番組なので、ぜひ上出さんの制作術というか、なんか機材も含めてガサガサと聞きたいんですけれども、
やっぱり僕的にもポッドキャストの番組っていう意味でも、ちょっと昔話になっちゃうんですけれども、これは触れなければいけないということからちょっと入りたいんですけれども、
2021年に開催された第3回ジャパンポッドキャスターアワードで、大賞とベストエンタメ賞の主要部分、ダブル受賞したハイパーハードボイルドグルメリポートのビジョン。
ここから聞きたいんですけれども、本当にアワードの時の先行委員の方の選票なんかにも皆さん書かれてたんですけれども、もう本当こんな番組聞いたことないみたいな、すごく斬新な番組だったと思うんですけれども、
03:03
そもそも2021年というタイミングで上出さんがなぜポッドキャストに参入したのかという意図から聞きたいんですけれども、なぜ始めたんですか。
そのタイミングということでいえば、コロナの問題があって、いろんな制作の現場で制限があって、何か今までとは違うものづくりできないかなっていうふうに頭を動かしていたという状況がまずあって、
その中で、方向としてはあらゆる番組が過去素材を使って番組を作っていくとか、そういうことになっていったんですけれども、それも限界があるじゃないですか。
その中で何かないかなと思ってたんですけど、僕の基本的なアイディアの作り方として、みんなが見てるところじゃないところを見てみるみたいなことがあるわけですよね。
そのときにテレビってかなりドメスティックな世界なので、国の外のことってほとんど関心を持ってないんですよ。言語的なハードルもあると思うんですけど。
そういえばアメリカって今何が流行ってんだろうみたいなことを考え始めたときに、ポッドキャストの勢いがとんでもないことになっているっていうことを、どこかで聞いたことはあったと思うんですけど、
新しいものづくりしようっていうスイッチが入っているときにそれを改めて目にして、これなんかできないかなみたいなことを思い始めたのがきっかけですかね。
なるほど。じゃあもう本当あのコロナも含め、国米でのポッドキャストブームも含め、アイディアのタイミング的には結構ジャストだったみたいな、そういうのが正直なところって感じですかね。
そうですね、だったと思います。けがの巧妙的なこともあるし。アメリカのポッドキャストマーケットの成長はもっと前から起こってたんですけど、それがずっと止まってないっていう状況をそのときに目にしたっていうことですかね。
はい。実際僕もポッドキャストアワードを創設した理由でもあるんですけれども、アメリカがもう本当これはブームとかじゃなくて本格的な動きだぞっていうのを感じたところで、日本の事情っていうのは本当に何にも整理されていない状態で、
とっていた映像作品っていうのとの相性も本当に納得というか企画自体が納得って感じだったんですけど、実際映像とこの音声っていう作品のジャンルの違いによって制作している上出さん自体ってどのような変化というかアイデアが生まれたのかちょっと聞きたいんですけれども。
06:19
いろいろありますよね。なんかそもそもこのハイパードボイルドグルームリポートっていうのは、一人で機材全部背負って外国へ行って、普通に一般的な観光客とか、あるいは地元の人ですら近づかないみたいなところに行って、そこで暮らしている人に密着していくみたいな番組なんですけど、
簡単に言うとすごい負担なんですよね。自分で全部やらなきゃいけないという負担も去ることながら、映像を撮るということでカメラ4種類ぐらい一人で、ドローン含めてですけど、一人で全部背負って、毎晩全てのバッテリーを充電してみたいな。
その結構フィジカルな負担がやっぱり蓄積していって、目の前の危険とか命のリスクとか以上に、その夜の充電とかマジしんどいみたいなことが結構あったんですよね。
なので、これどうにかならないかなっていうときに、そのポッドキャストっていうのが来たっていうのもあるんですよ。なので、機材を大幅に軽量化・簡素化することができて、消費電力も100分の1みたいな。充電すべきバッテリーの量が全然違うみたいなことがありまして、
なのでそういう部分ではものすごい軽やかに取材をすることが可能になったんですよね。
このハイパーのノービジョンっていう音声版は、レコーダー1個持っていろんなところに行っていろんな人の話を聞いていくっていう番組なので、今までより腰の重さがちょっと違うっていうのはあって、ちょっと気になったりしたらもうすぐ行ってみるみたいなことが可能になったっていうのは実はすごい大きい部分でしたね。
なるほど。じゃあもう本当、製作側としてっていう意味でのむっちゃ大きい理由はまさにそれって感じなんですね。実際作品としての音声っていうところで、この表現として音声っていう意味で言うとどうでした?違いは。
楽しさ半分、難しさ半分みたいなところはやっぱりあって、基本的にナレーションみたいなこともないし、テレビと違って字幕も何もできませんから、本当にその現場の音だけでまず状況を伝えて、その状況を伝えた上でストーリーテリングをしていくっていうことが必要になるので、
09:08
本当に収録の段階から編集、アウトプット最後まで含めていろんな工夫が必要でしたね。で、例えばですけどテレビの音声で言えば一般的には左右の音の差なんて絶対作っちゃいけないという世界ですけど、
音声版のハイパーに関しては、あえて左右に常に差を作って、そこの空間感というか、結構意識的に作っていたりとかはしましたし、あとはどういうふうに効果的に環境音を入れていくかとかっていうのも意外と注視してましたね。
なんか大阪の例えばおばあちゃんの家の中で2時間話を聞き続けるみたいな時でさえ窓の外から入ってくる子どもたちが通り過ぎていく音とか、親に連れられて歩いてる子どもの音とか、そういうものを適宜挟んでいくことで、
どこかでこう、まあ明確に想像はしないかもしれないですけど、なんかそろそろ夕暮れ時なのかなみたいなことをちょっとこう潜在的にイメージしてもらえるようにとかっていう工夫をしたりとか、そんなことはしましたけど、やっぱり聞き手として、僕もその他のディレクターが作ってきたものを聞き手として聞くことが半分ぐらいあったわけなんですけど、僕だけじゃないので。
そうするとやっぱりテレビ、映像と違って没入感がすごいあるということを知っていったので、一層その部分は楽しみながらやっていけたし、あとは映像で逆に映像でつけるような嘘が音声ではつけないというか、その話者の声のトーン本当に紅色で、なんかその時の心情とかがこう恐ろしいぐらい伝わってくる。
みたいなことがあるので、なんかその緊張感と面白さもやっぱりありましたよね。
なるほど。
あと、取材対象者というか出られている方との距離感みたいなところでちょっと分かりたいんですけども、よく言われるカメラのレンズを向けられた人っていうのは何か普段とは違う感じがあるとか、今回音声なのでマイクっていう機材を向けられた時の人っていうのもまた何か変わるんだと思うんですけども、
そういうレンズ、カメラレンズとマイクっていうことによる機材の話者の差っていうのは何か感じられたこととかってありました?
かなり大きいと思いますね、その差は。
どなたも想像できると思うんですけれども、カメラ向けられている状態って相当異質なので、普段の状況とは。
12:05
めちゃくちゃ構えますし、どう見られているんだろうっていう意識から絶対逃れられないので、その意味では自然な言葉が出てくる可能性っていうのはすごく低いですよね。
もちろんだけど、俺はこう見られたいんだっていう意思表明がテレビとか映像では出てくるんで、それはそれで面白いというのも一方ではあるんですけど、自然なものにはならないと。
その意味ではやっぱりマイクを向けられた状態っていうのはかなり自然に近いし、こういうふうに今我々が話しているときみたいに口の目の前に大きいマイクを置いているとかっていう状況では基本的には撮っていなくて、
例えば机の上にレコーダーを置いているみたいな状況が基本なので、ほぼ視界にも入ってこないみたいな。
お互いに目を合わせて話ができるっていう状況になるので、インタビュアーとしては音声の方が相当やりやすいし、聞き手としても多分本当の言葉が聞けるので、長く話を聞くコンテンツは音の方がいいなとは思ってますね。
ちょっと僕は素人なのでわかんないんですけれども、ディレクターやプロデューサーさんが対象者そのテーマに向かうときに、こうあったらいいなっていうイメージを持って向かうのか、それとも撮れたものを編集して作ろうなのか、その辺はわからないんですけれども、
神出さんの意図を超えたものができたとかっていうのって今回のノービジョンに関してはあったりしたんですか?
そうですね。基本的には超えてくるんですよね。僕はもう台本を事前に作って何かロケをするみたいなのを、結構この業界に入って早々に手放してしまったんで、
なので基本的には想像外、想像以上のものっていうのが基本ですね。でもそれは映像と音声あんまり変わんないといえば変わんないかなとは思います。
あとは、どこでこれを完成とするのかっていうところが、本当にドキュメンタリーを作ったことのない僕は本当に不思議なんですけれども、撮ってるときって撮り直しが基本できるものじゃないじゃないですか、ライブのドキュメンタリーって。
その取材回数や対象者の気持ちみたいなものでも撮れる時間や回数違うはずの中で、どのような判断をもって作品をフィックスしていくのかっていうと、ちょっとざっくりでもいいので聞かせていただけると嬉しいです。
あのハイパーに関して言えば、一緒にご飯を食べてごちそうさまでしたって言って、さよならで終わりなんですよね。
15:06
そっか、そうだよな。
はい、そこに一応出口があって、どういう流れでその食事に至るのかっていう部分が結構1個目の大きなブロックで、その後はご飯を食べながらどんな話ができるのかっていう、この2つのブロックで基本的には構成されていて、だからものすごいシンプルなんですよね。
だからよっぽど何にも話してくれなかったなとかっていうことだと成立しないかもしれないんですけど、今まで1回もそういうことはないですし、やっぱりなんだろう、例えばじゃあ右翼の人に話を聞きに行きますって言ったときにその具体的なその政治活動についてそんなに話が聞けなかったとしても、
普段どんな暮らししてるのかとか、最近何が一番楽しいのかとか、そんな話が聞けるだけでも十分面白いし、むしろそっちの方が面白いみたいなこともあるので、何なんですか、基本的には予想を超えてくるし、一緒に飯食ってさよならできればそれでOKっていうスタイルです。
納得。僕ら今ポッドキャストに長く関わりながら、ポッドキャストの特徴をいろいろ使用していく中で、結局ポッドキャストってジャンルがどんだけ違くっても、なんか答えをはっきり簡潔にまとめてるコンテンツって面白く感じないよね。
むしろその流れ、会話の中で人の感情が動いたり気づきがあったり、新しい問いが生まれたりみたいなのを聞いてるっていう感じだよねってよく言ってるんですけれども、まさに今のもセンセーショナルな100点みたいなものを目指してカメラを回し続けたりマイクを取り続けるんじゃなくって、やっぱその流れに身を任せるっていうことがもう構造上あったってことなんですよね。
そうですね。もうだから、ご飯の番組にしたっていうのは、どんな状況になっても飯さえ食えれば成立できるっていうための装置として、台本なしで番組を作るためのすごく重要な装置として用意してたっていうことですね。
あと今おっしゃってたように、明確な答えを目指していくっていうのは、僕にとって一番面白くないんですけど、僕が一番楽しめるのは、いわゆる対話っていうダイアログっていうか、僕が何を対話と考えてるかっていうと、お互いがお互いの言葉で考え方が変質していくっていうか、
お互いに自分が思ってもなかったところに自分の思考とかが届いていくみたいな、そのダイナミズムみたいなことがとにかく面白い。
18:10
僕が質問を繰り返すことによってその話をしてくれてる人が、そういえば自分ってこういうことがあったから今これやってるのかもなみたいなことに至っていったりとか、そういうことがとにかく面白いんですよね。
だからこれまであったことを聞き出すっていうこと以上に、今この対話の中でいろんなことが起こっているっていう、そのハラハラ感というか、それが醍醐味で、やっぱりそれってテレビの尺だと結構難しい部分、不可能ではあると思うんですけど、
描ききれない部分でもあるので、それはやっぱり音ができることの結構重要な部分なんだろうなとは思いながらやってましたね。
まさに。僕らがポッドキャスト的なものでこの数年間見てきたものと、上手さんがちょうどその対話っていうものに対する魅力っていうのがかなり同じ、イコールの感じがすごいしたので、
だからもしかしたら本当に、まさにドキュメンタリーっていう形を取ろうが、雑談のポッドキャストだろうが、なんか本当にみんなポッドキャストを聞いて心が震えるのが、さらにそれなんだとしたら、
なんかいろんなチャレンジできるなっていう勇気をもらった感じですね。
ドキュメンタリーっていう形式って全くポッドキャストの文脈とは違う作り方をしなければいけないのかなと思ってたんですけど、
ドキュメンタリーであっても、その対話の魅力っていうような、なんかその部分っていうのはずらさなくても、こんだけいい作品作れるのかってすごい感じました。
なるほど。対話ですもんね。やっぱりポッドキャストの面白い、どういうふうに対話を見せるかとか、どういう環境で対話をするかとか、その大切りみたいな部分はありますもんね。
そうですね。だからこれまでテレビ的な話芸でいくと、そのお笑いのようなテンポだったり、このボキャブラリーだったりっていうその勝負だったようなところから、
なんかもっと人間性そのものみたいなものが対話の中から見えてきたりとか、そこに一緒に参加しているような聞き方をできるみたいなのって、
特にポッドキャスト以降の長尺の音声コンテンツってそうなってるなと思うんだけど、なんかその部分がすごく新しい話芸のフォームが生まれてる気がすごいしていて。
はいはい。なんか一般的、僕の感覚ですけど、リアルなものがどんどん求められるようになっていっていると思うんですよね、メディア環境的に。
だから15年前にはやらせとは言われてなかったものが今はやらせになったり、捏造って言われたりっていうのは、受け取り手が本当のものっていうのを求め始めたから、
21:00
どんどん求めるようになったからっていうことの一個の現れだと思うんですけど、そういった時に広告とかもそうだと思うんですよね。
ちょっとドキュメンタリーっぽい広告とか、ラフな質感の広告とかも増えてきていて、
それは作り込まれたものに対する疑いの目というか、そんなことねえだろうみたいなことが生まれてきている中で、
このポッドキャストっていう生々しいものは受け入れられる素地が整ってきたんだろうなと思いますよね。
ほんとそうですよね。
昔からラジオの頃から言われてたのは、音声って嘘つけないんだよって言ってたのが、どんどん証明されてきているなと思っていて。
そう思います。
あと、本人の意図とはまた違うところで受けては、本人そのもののパーソナリティというか、非常に感じるし、
おそらく脳内でアンプリファイしてるんでしょうけれども、よりくっきりその人の人間像みたいなものを、
たぶん映像で、リッチな情報の映像として見るように人ってたぶん想像も加えながら、
リアルな姿っていうのを、増強された形で感じるんだなっていうのはすごい思うので、
今回のノービジョンも本当にそういうのを感じたんですよね。
ボキャブラリーとしては言葉足らずでも全然大丈夫っていうか。
そうですね。
イルカ寮の反対の主婦の方とか、本当になんか彼女たちの意図と全く違うんでしょうけれども、
無垢にああいう行動をとってるっていうリアリティって、
テキスト化した言葉の情報量以上にすごく感じて。
そうですね、確かに。
これは嘘ついてないなみたいなことってやっぱり音で感じますしね。
ですよね、はい。
で、ちょっとここで僕楽しくなっちゃってこういう話どんどん進めちゃうので、
1回ギアチェンジとして、
今実際このすごく魅力的な番組を作られた、
当時のこのハイパーハードウォールドグルメリポートノービジョンの
制作環境をちょっと伺いたいんですけれども、
実際あのロケってどのような機材を用いて観光したんですか?
基本は今家で撮ってるこれ。
これ1個で総合。
1個なん、いわゆるステレオに音が取れるハンディレコーダーみたいな言い方でいいんですかね。
そうですね、いわゆるリニアPCMレコーダーって言われる、
まあいろんなメーカーから出てますよね。
いわゆるフィールドレコーディングに適したものじゃないと僕のやり方はできないんで、
24:02
それの中で一番ベストなものをと思ってこれを使ってますね。
今そのまさに手元にあるものと同じものを使ってたんですか?
そうです。これもうテーピングめっちゃしてる。
ぶっ壊れまくってるんで、いまだにこれでフィールドレコーディングしてるんですけど。
ちなみにそれだけ頑丈っていう証明にもなると思うんですけど、
メーカーや型ってなんていう機材ですか?
これはソニーのPCM-D100ってやつですね。
もう売ってないんですよね、これ。
そうなんだ、ディスコンなんだ。
8年、9年前のだと思うんですけど、
余計なものがついてないし、超タフだし、音もいいしで、
これでも今買うと多分プレミア価格ついてると思います。
そうなんだ。それはもともとプロユースとして開発されたものなんですか?
だと思うんですけどね、なんでこれまた作ってくれないのか。
なんかね、どんどん肥大化していくんですよね。
これって端子がほぼなくて、ミニジャックとかしかないんですよ。
最近の結構ハイエンドのレコーダーって、
X、なんでしたっけ、忘れちゃった。
でかい端子あるじゃないですか、ガチャンってやつ。
XLR。
XLRの端子がついてて、もうあれがつくだけでめちゃくちゃサイズでかくなっちゃうんですよね。
それってもう僕のスタイルだと全く不要なので、
とにかく楽に持ち運べて省電力でっていう、で音が良いという、
もうそれだけが必要なんで、
もうモニターの贅沢さとかも全くいらないんですよね。
スマホ連動みたいなアプリ機能みたいなのも当然ないってことですよね。
全くありませんね。何にもないです。
でもこのシンプルさが非常に良くて、
これ本当修理出したいんですけど業者が分からなくて、
もし誰か修理できたら電池カバーがこれぶっ壊れてテーピング状態なんで、
ぜひと思ってますけど。
いやちょっと意外でした。
それであれだけの表現で撮れるんですね。
実際試行性含めてどのぐらい変えられるものなんですか?マイク部分って。
マイクはいわゆるXYと180度と90度と3パターンぐらいに、
もう全然久しぶりにこのマイクの話とかで全然思い出せないんですけど、
小っちゃいコンデンサーマイク2つ付いてて、
可変のものが付いてるんで、
それで撮り方は変えられますけど基本的にはこのXYで撮ってますね。
なるほど。
インタビューと環境音の収録を常に行ったり来たりするんで、
27:05
どっちも対応できるマイク配列っていう意味でXYにしてますね。
なるほど。
じゃあ実際あの番組の中で背景音がちょっとかすかに聞こえたりとか、
声がすごくニアで聞こえたりとかみたいなので、
録音自体は分けて撮ってるんですか?
それともマイクの置くポジションでそこをうまくやってるんですか?
9割型マイクを置くポジションですね。
ただ状況によってどうしても、
例えば線路の下で話し聞かなきゃいけないなみたいなときに、
1本ピンマイク、ラベリアマイクを持つように後半はなりましたかね、おおむね。
それはTASCAMのDR-10ってやつですかね。
一番一般的なやつで間違いがないやつ。
シンプルで何の無線機能もそれもない。
すべてスタンドアロームみたいな。
いわゆる超試行性で口元の音だけ拾うっていう意味でのピンマイクっていう機能。
そうです。
やっぱりその環境音も聞かせたいんですけど、
声が聞き取りづらいっていうのは割とやっぱりPodcastだと致命傷になっちゃうんで、
そこのバックアップは必要だなと思いました。
ただピンマイクつけてもらえますかっていうことも言えない状況だったりする場合もあるんで、
そういうときはレコーダーをどれだけ口に近づけられるかが勝負になってくるみたいなところはあります。
確かにさっきのカメラを向けられるの話じゃないですけれども、
マイクをつけさせていただくっていう行為なだけで、
話者は1回構えたりとか熱が変わってしまったりってなっちゃいますもんね。
なっちゃいますね。
どうしてもなります。
ただピンマイクは20分ぐらいで忘れるっていうのはあるんですけどね、その存在を。
つければね。
なるべく早くつけてもらった方が多分いいとは思うんですけどね。
じゃあもうそういうのが想定されそうな予感がするときは、
もうほんとかなり序盤の時点でピンマイクをつけていただきながら、
メインはレコーダーの方で撮っていって、
編集で切り替えていくみたいな。
切り替えたり乗っけたりもしますね。
基本はこのレコーダーの音なんですけど、
そこにピンの方の音を乗っけたりもしますね。
そう考えるとちょっと想像つかないな。
各エピソードごとに空間としてのシーンって全然違うじゃないですか。
それぞれが本当にジャストに空間が思い浮かぶような音作り。
要は空間表現としての音作りになってるなっていうところがすごく驚いていて、
きっとマイクを数種類使いながら、
編集のミックスによってあれを表現してるんだなって思ってたんですけど、
30:02
まさか。
全くないです。
すみません、そんな立派なもんじゃなかったです。
それってその撮りたい音に適したレコーダーの配置みたいなものって、
イメージしてやってたんですか。
それとも撮った後にそんなもんだなと思ってやってるものなんですか。
置き場所で絶対変わりますよね。
変わりますね。
ただまぁそこまで考えながら配置できることもあるんですけど、
多くの場合がもうその瞬間その瞬間初めて訪れる場所ですし、
そこでどんな音がこの後やってるかも分かんないみたいな状況なので、
まぁ結構そこはもうぶっつけ本番でやってますね。
OK。
いやちょっと相当ビビりました。
だからそういう意味で意外とどうにかなるっていうことかもしれないですね。
そっかそっかそっか。
じゃあポストプロダクションでその辺の空間性みたいなものとかを
いじっていくっていうこともあったりするんですか。
トレ音自体を。
いやいやいや。
ない。
それはほぼないですね。
そんなお金全くなかったんでもう、
そのさっきもボットキャストのやり方と僕のやり方が、
従来のボットキャストのやり方と僕のやり方が全然違うというお話されてたと思うんですけど、
まぁやっぱコスト的に不可能なんですね本来このやり方は。
なるほどなるほど。
基本的にやっぱテレビのロケとかと同じぐらいの手間がかかってるんで、
なのでもうとにかくお金がかかる。
そっかそっかそっか。
時間がかかるっていうことなので、
もうどこを削るかっていうことをばっかり考えてやってましたけどね。
だからポストプロダクションで音をどうこうとかはもう、
ちゃんちゃらおかしいみたいな。
かっこいい。
感じでしたんで。
それこそもう音のプロじゃないんで我々。
だから編集ソフトもプレミアだったり、
最近僕はダビンチだったり、
もうほぼ映像用のソフトで編集もしてるっていう状況です。
あ、そっかそっか。
編集ソフトについても聞きたかったんですけど、
基本あの映像用の編集ソフトの音だけっていう使い方で、
特に支障はない感じなんですね。
僕としてはそうですね、
映像のソフトも結構音をいろいろできるようになってきてるんで、
基本的には大丈夫だと思ってるんですけどね。
いやもうあの、僕ら聴き手としては全く損職ないというどころか、
その上出さんの意図みたいなものを僕も過剰にこう想像しながら、
本当プロフェッショナルな仕事だなっていうふうに聞いてたんで、
多分問題ないどころか、
33:01
上出さんの色になってるなっていうのは感じますね。
いやでもびっくりしました。
あのまさかガレージパンクみたいなノリがかなりあるなっていう。
いやかなりそうだと思いますね。
やばい、そっか。
じゃあなんですけれども、
現在の映像作品のロケ撮りの音撮りでも
同じようなやり方をやってるってことなんですか?
映像だと、まあその音に関して注意する割合は減りますよね。
本来は映像でも音、映像の半分は音なんで、
すごく注意深くやらないといけないんですけど、
僕が本当、なんていうんですかね、
いわゆる映像の人とはちょっと違うっていうか、
基本はとにかく一人でやらなきゃ気が済まないっていうか、
一人でやりたい人間なんで、
まあ自分のノーミスのリソース的に映像だと
音に回せる部分が減ってしまうっていうのがあるんで、
基本まあ人の話を聞いていくっていうものだったら、
とにかくその人の声をクリアに撮るっていうことに、
まあ注力するっていう感じですね。
なんでカメラの上に引っ付けたガンマイクでなるべく撮れるようにとか、
あとはワイヤレスマイクをつけるかとか、
まあだいたいその辺の話にはなってくるんで、
環境音どう撮るかとかっていうのは、
まああんまり考えてなくて、
まあどうしたって撮れてしまうしむしろ、
でまあ映像の中でその環境については伝えられる部分が大きいし、
っていうような感じですね。
じゃあもう映像も先ほどの音声のロケのように、
もう本当に機動力の高いシステムにしておいて、
その瞬発力で対応できる範囲の武器しか持たないみたいな、
そういう感じなんですか?
もう本当におっしゃる通りです。
機動力最優先みたいな感じ。
かっこいい。
お恥ずかしいなんか。
そっか。
じゃあちょっと今編集ソフトの話になったので、
ちょっと編集の話も聞きたいんですけれども、
テレビ東京の方が皆さんそうなのかよく分からないんですけれども、
本当上出さんも編集の魅力が本当に映像作品でも、
今回の音声作品でもすごい編集がかっこいいというか、
本当シグネチャーを持っている感じがすごいするんですけれども、
今回のこのハイパーハードボイルドグルメリポートのビジョンに関しても、
冒頭のオープニングのとこから本編、
あとは前編後編をつなぐブリッジの部分の予告の作り方とかみたいなものも、
今まで僕が聞いてきた音声作品の作り方とは全然違う手法にも聞こえるし、
36:02
でもこっちが期待するものは全部応えてくれるしというものですごく驚いたんですけれども、
まず編集する前のところの特徴を聞きたいんですけど、
僕らボットキャスターって長くても2時間喋ったものを1時間ちょまちょま編集して1作品するみたいなことはやるんですけど、
おそらくなんですけどこのドキュメンタリーって収録時間ってもっと膨大な気がするんですけど、
例えばハイパーの場合1エピソードに費やす収録時間ってどのくらい取ってるものなの?
1エピソードはだいたいハイパーの時は前後半で2エピソードを1回のロケで作ってたんですけど、
1回のロケで最低でも8時間くらいですか8時間から12時間くらいの収録時間ですかね、
に対して前後半だから1時間半から2時間、長くても2時間ですから、
4分の1から6分の1くらいに絞ってるっていう感じですかね。
最初の当たりをつけるのってどうやってるのか伺いたいんですけれども、
記憶で切る切らないっていうのは最初に当たりつけるものなのか、
バーッと聞きながら何度も聞きながら判断していくのかだとどっちなんですか。
基本的には聞きながら考えていきますね。
ロケ中にも2時間前に聞いたあの話か、今ここで聞いてくるなとかっていうのをずっと考えながら話は聞いてるんで、
半分編集しながらロケをしてるっていうことはあるんですけど、
ただ素材を持ち帰ってからはもう1から聞き直して、
ここでこんなこと言ってたんだとか結構あるんですよね。
発見もあるんですよね。
かなりありますね。
話聞いてるときってどうしても次あれ聞こうとかっていうのが頭の中で働いちゃったりとか、
ここノイズでかくなってきてるからマイク近づけなきゃな、
今近づけたら意識途切れちゃうなみたいなこととかずっと考えてるんで、
結構相手が言ってること抜けちゃってたりすることもあるんですよね。
だからやっぱり聞き直し、完全に聞き直しをして話を作っていくっていう、
どっちかっていうといらないところを切っていくっていう作業を何往復も何往復もしていって、
一般的に許される尺にまで落としていくっていう感じですね。
じゃあもう彫刻みたいな感じですね、きっとね。
本当におっしゃる通りで。
大雑把に大きくだんだんだんだんシェイプしていって最後最後つまんでつまんで。
はい本当におっしゃる通り台本がないっていうのはやっぱりそういうことなんで、
もともとある道のりにシェイプしていくなら簡単なんですけど、
39:05
どういうものがその先に形作られるのかは結構わからない状態でやっていくんで、
だから本当に切るときに結構緊張感あるっていうかめちゃくちゃ迷うんですよ、
これ切っていいのかなとかって。
でも大事なのは切ってみるっていうことで、
これはその若いディレクターとかにはとにかくそのアドバイスをずっとするんですよ、
とにかく切ってみろって。
最初は撮れた8時間の素材を6時間にするのも結構大変なんですよね。
つまり自分がせっかく撮ったものだから切りたくなくて、
全部大切に思えて全部面白く聞こえちゃうっていう、
でもそれはお客さんにとって全く関係ない感情なので、
まず切ってみな、迷ったら切るっていうのがもう大方針で、
これが彫刻と違うのは切っても元に戻せるっていう部分なんで、
切って切ってどうにか物語を作るところまでいって、
でもやっぱそこが魅力的だったなと思ったらそこだけ最後に戻すとかそういうことができるので、
とにかく切るっていう、
ディレクターとしてやっていけるかいけないかっていうのは、
そこの切れるか切れないかっていうのは実は結構別れ目になってくるみたいなことあるんですよね。
僕造形家なので、粘土的な彫刻といわゆる彫刻とっていうのを、
あるいは料理を見るときも音声を見るときもそういう想像しちゃうタイプなんですけど、
神戸さんのってやっぱ削り込んで作ってるような感じがすごいしてたので納得で、
やっぱ削るって彫刻はもう本当特に素材無垢の素材を削って失敗したらそこはもう欠けたまんまになっちゃうので、
その勇気の造形なんですね。
粘土はむしろ持っていきながら気づきをフィーリングで足し算の彫刻なので、
なんかその辺で結構作家のキャラ出るなと思ってるのでいくと、
今カットの仕方の話にもまさに彫刻っぽさ出てたんで、
いやそれでなんかね、ソリッドさっていうか、なんか質感として感じるんですよね。
それはあると思いますね。
やっぱそれテレビ上がりゆえだと思いますね。
やっぱり1秒でも飽きられたらチャンネル変えられちゃうっていう恐怖感を10年間経験してくると、
やっぱりいかに切るかっていう、どこかに余分なものないかっていう、
俺はここ面白が出るけど、他の人はここ面白くないと思うんじゃないかとか、
そういうアンテナがもう過剰に発達してるんで、
とにかく税肉本当に切りまくるっていう。
確かに。
なんでソリッドという表現でいうと本当にその部分を多分おっしゃっていただいてると思うんですけど、
それがいいのかちょっと僕でもだんだん分かんなくなってきてるっていうか、
42:01
音声コンテンツってもうちょっとゆったり聞きたいみたいなことも多分あると思うんで、
そこは最近よく思いますね。
もうちょっとゆったり編集していいんじゃないかなみたいな風には。
だからあのハイパーの時は、ながら劇不可能みたいなこと最初から歌ってましたけど、
そうだそうだ。
本当にそれでいいのかなというか。
みんなそんなの求めてないのかもしれないとかもちょっと思ったりはしますけど。
でも1個のソリッドに作り込む今のシグネチャーを持ってるからこそ、
他の表現手段っていうものは浮かんだ時にはそこをもうちゃんと判断して意図通りやれるし、
そこは分からなくて曖昧にやってる人っておそらくどっちもできないんだと思うんですよね。
なるほど。
なのでなんかそこの力強さって今の部分でもすごい感じました。
もう1個その編集やディレクションに関して僕の中で不思議だったのは、
この番組ってディレクターさんいろんな方登場されていて、
上出さんだけじゃないじゃないですか。
さっきの制作環境を伺うと本当に1人全て判断して撮ってくるっていうのを見ていると、
なぜ複数人のチームでやってる作品、
しかも1番組は1人がちゃんと預かってやってるのに、
あれだけパッケージとして同じ質感、
そして顔である上出さんの色というか、
そのブランドみたいなものを全く削ぐことなくパッケージ完結してて、
その辺を伺いたいんですけど、
エピソードを担当されているディレクターさんにはどのような指示をすることによってあれが実現するのかちょっと聞きたいです。
統一感がなんで出るのっていう。
何なんでしょうね。
基本的にはあらゆる番組を作るときに僕が1本目を作るっていうのはまずやっていて、
こういうふうに俺はやってほしいんだというのを見せるっていうことをやっていますと。
ただその真似をしなさいっていうことではなくて、
大事なのはこういうところだと俺は思っているっていうのを示すためなんですけど。
いろんな取材対象者、全然違う人に毎回取材するので当然コピーはできないんですけど、
取材する前にこの人にはこういうことは聞いてみてほしいなっていうことの擦り合わせはしたりはしますと。
ただ基本的にはどういうディレクターに任せるかっていうことからそれは始まってると思うんですよね。
なるほど。
結局これってディレクター的な腕、テレビ的な上手さみたいなことってほとんど関係なくて、
人と人がどういう会話をするかっていうことでしかないんですよね、基本的には。
それ以外の細いところは編集でどうにかなるんで、
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基本的にはどういうふうに人と喋るべきかっていうことでしかないといったときに、
とにかく相手のことを敬うっていうことに尽きるんですよね。
相手に興味を持つっていう。
それってでも取材対象者に敬ってくださいねとか、
取材対象に興味を持ってくださいねって言ってできることでも実はあんまりないんですよ。
だからそういうことがそもそもできる人たちと一緒にやってるっていうのが大きいと思います。
なるほど。
僕が好きな人だけでチームを組んでるんで、
基本的には間違いないというか、
基本的に真面目だったり誠実だったりする人、
最初からずっとそう言ってるんですけどね、
僕はそういう人としかチームを組みませんって言ってるんですけど、
結構でもテレビとか映像の世界ってそこはもうどうでもいいっていう世界でもあるんですよ。
もともとそうだったと思うんですよ。
人間性なんてどうでもよくて、
あの人、人として終わってるけど、ブイは面白いんだよなみたいなことも当たり前のように言われる世界なんですけど、
これに関してはそうじゃないっていう、
人として終わってるんだったらもうそれはダメですっていうか、
人として終わってるっていうのはどういう概念かはそれぞれあると思うんですけど、
ちゃんと敬うっていうか、
ちゃんと人のことを好きになってもらえるっていうことがやっぱり一番重要ですよね。
実際は僕は第3回のポッドキャスターアワードの受賞式の時に、
チームの皆さんとお会いすることができたんですけども、
声と作品で想像してた人通りだったっていうか、
皆さん本当にキュートで魅力的な人が、
このチームで作ったんだっていう納得感が実際に張ってみてすごい感じたので、
今の話聞いてもすごい説得力がありました。
嬉しいですね。そうなんですよ。
あとみんなかっこいいですね。
そうですか。
たたずまい含めてかっこよかったです。
めちゃくちゃ嬉しいですね、それ。
紙でチームだなって感じがすごいありました。
それぞれスタイルがありますよね。
そうですね。
そこも本当に今のお話は、僕的には説得力すごいありましたね。
なんかTIPSのようなものであれが作られるんだとしたらそれは知りたいし、
TIPSであんなものが作れるんだとしたら、
それ苦労ないわなとも思ってた部分もあったんで。
やっぱりそこなんですね。
本当でも悩んでるとこですね。
どうにかTIPS化しないとサステナブルじゃないみたいなところもあるじゃないですか。
俗人的すぎるってことですね。
あまりにも俗人的で、誰かじゃないとできないって言います。
でもそれが一個の強さであるのは間違いないんですけどね。
そうすると作れる量がやっぱり限られて、
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作れる量が限られると今のいろんなプラットフォーム環境的にマネタイズしづらいっていう。
確かに。
映画ぐらいですよね。数少なくてもどうにかなるっていうのは。
映画以外だと物量が物多い世界にどんどんなってきてるから、
結局俗人性は足枷になるんだろうなと思って、
辛いなと思ってます。
でも本当作家制で勝負するっていう席を座ることができた人ってたぶん一生そこをね、
みんな、僕は漫画とかにもすごく深く活動してたので、
漫画家さんも同じようなこと言ってるんですけど、
やっぱり量産性と俗人性ってトレードオフっていうか、
そういうもんなんだなって感じますし、
やっぱ上出さんの作家制の濃さを考えると、
悩ましくもあるけれどもそのやり方しかないって言ったら変ですけど、
そこからブレることは難しいだろうなとちょっと感じます。
そうですね。
まあ良くも悪くもそうかなとは思うんですけどね。
俗人的じゃないものもどっかで作って生活を安定させないとなと思ったりもします。
その作品作ったときはぜひちゃんと告知してください。
そういうつもりで見ます。
お願いします。
あとですね、もう一個なんですけど、
ちょっと編集部分で軽く聞きたい部分があって、
やっぱりオープニングとさっきのブリッジのところのかっこよさについて聞きたくて、
導入のところでディレクターさんが時間と場所の説明から入っていって、
カットアップのアバンがあって本編に入るっていう、
あのかっこいい一連のBGMも伴ったあの作りのスタイルって、
あれって作りながら思いついた感じなのか、
最初にそういう導入部分がイメージだったのかどっちなんですか。
作りながらですね、全然イメージしてない。
必然的にああなってます。
なんかこれがかっこいいでしょうとも、
僕は全然実は思っていなくて、
これ以外にやり方がわかんないみたいな状況でしたね。
それもやっぱり飽きさせることに対する恐怖とか、
とにかくどうしようどうしようっていう中でも、
ここでこれしかないなみたいなところですね、たぶん。
あとやっぱり細かいところは僕の気持ちよさに依存してると思いますね。
間の部分とか、
結構じゃあ曲が終わってから次の言葉が始まるまでの間の部分とか、
あとは間々スネアでスパーンって切ったりするんですけど、
そのスネア、言葉の終わった瞬間からスネアまでが何フレーなのかとか、
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そことかもやっぱり他のディレクターが繋いできたやつとか、
結局そういうところを僕はフレーム単位で最後全部調整しだしたりとかするんですけど、
でも僕にとっては結構明確に違う。
でもさっきの統一感もしかしたらそこかもしれないです。
あ、だと思いますね。
確かにそこは最後に僕がやってるし、
それが本当、なんで僕が直しちゃうかというと、
そうじゃない、その言葉の終わりとスネアの頭のフレームが1フレーム違うだけでも、
もう気になって気になって仕方なくなっちゃうっていうところはあるんで、
敏感ではあると思います、僕はその辺りが。
やっぱ編集に個性あるなって人、やっぱ同じようなこと皆さん言われていて、
あの本当切り方、次の入り方とか、
食い気味に入るのがちょっと遅らせるのかとか被せるのかみたいなところが、
やっぱり異常に凝ってるっていうか、そこなんでしょうね。
いや良くないですね、でも手間。
でもテンポって考えたらそれビートだから、
ビートのノリの部分ってやっぱり本人の気持ち良さって絶対あるべきだし。
あるんですよね。
ちょっと名前がついてないけどありますよね。
ありますね、もう間違いなく。
本当音楽だっていう考え方をすればめちゃくちゃ重要なところです。
めっちゃそうです、主旋律で何を歌ってるのかっていうのも当然重要なんですけど、
そのビートっていうものがどういう気持ち良さというか、
どこの部分で乗ってるのかとかってやっぱり作ってる人の感覚はすごく出るし、
あと聴いて側の好き嫌いとか心地いいも絶対そこにあるはず。
ありますよね、いや本当に。
そこが俗人的なんですよね、かなり。
逆にそういうのを無くしていくと、
これは作品じゃなくてどんどん番組だったりコンテンツって呼ばれるものに近づいていくのかなと
僕は思っていて。
やっぱりそこは作り手がこだわれるポイントだし、
自分のシグネチャーっていうものを磨き上げる場所かなとも思っている。
細かいところなんだけど実はそういうのって結局。
ついどこまでそれが数字に関わってくるんだろうとかって思い始めちゃうところもあるんですよ。
この作業でプラス1日かかってるけど、
1日かける必要はあるんだろうか、ビジネス的にとか。
ただそこって数字を言う人からは突っ込まれない誠意気でもあるじゃないですか。
数字を言う人で内容とかキャッチーさんの部分はいっぱい言ってくるけれども、
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でもそういう部分で絶対突っ込まれることないのでっていうそこもありますよね。
そうですよね。ある意味誠意気として大切に続けるべき部分なのかもしれないですね、作り手の。
僕としてはポッドキャストっていう表現形態の中で、やっぱりそういうこだわりを持つ人がもっと増えてほしいなと思うし、
それこそ音楽で言うとトラックメーカーっていうものにちゃんとスポットライトが当たってる時代が今来てるんだとすると、
多分ポッドキャストもそういうこだわりを持つ人が何か新しい言語によってそう呼ばれたりとか評価されたり、
そこを期待されたりってなってくるんだろうなと思うので。
確かに。ちょっと希望を感じました。大変だなと思いつつ。
いやでも上出さん作品を聞いて希望を持ったの僕なので、
どこまで作る人いるんだって言って本当に3回目の時に勇気もらって、それでワードブック引退していいなと思ったんで。
本当にマジでそうです。
それはそうですか。
なのでちょっともう楽しすぎて終わらなそうなので、ちょっとさすがに聞き逃しちゃいけないことから聞くんですけれども、
ちょっと未来の話したくて。
今上出さんニューヨークに住みながら、実際世界飛び回ったりしていろんな制作をやられる中で、
英語圏の文化、特にポッドキャストとか含めてそういうコンテンツに触れる中で、
新しい音声作品を作り出すモチベーションとかアイディアって何か生まれたりしてるものなんかを現在進行形で聞いてみたいなと思いました。
そうですね、やっぱりアメリカでしかもニューヨークにいると、一番盛んな、世界でも一番ポッドキャストが盛んな街なんじゃないかとは思います。
だからスポーティファイのでっかい会社も近くにありますし、
オールスポーティファイで働いてるよみたいな人が周りにちょろちょろいたりとか、当たり前なんですよね。
とはいえちょっと僕の言語力的にそんなたくさんポッドキャストを楽しめるっていうことでもないので、その部分はまだまだなんですけど、
ただ、今実際ポッドキャスト新しく2つ始める予定がありまして。
1個は超ゆるゆる、もう1個はバキバキみたいな、すごいハードみたいなことをもう制作は始めてるので、
だからなんかなかなかポッドキャストで金稼げないなとかってずっと思ってるんですけど、でも辞められないっていう状況になってますね。
やっぱ魅力があるんですよね、独特な。
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よかった、それ聞けただけでもほんと安心だ。
だから自分の制作物としてのフォームとしては全然手放してないというか。
全然手放してないですね、かなり気に入ってます。
楽しみ、それで近々Xとかをフォローしてればアップされるときには告知されたりするもんなんですか?
はい、出していきます。
やった楽しみだ。
あとマネタイズに関しては、今僕らもこれから取り組んでいく部分でもあるんですけれども、
絶対今のポッドキャストのエンゲージメントを考えたら絶対なんとかなりますって思ってます。
ちょっとそこにも含めていろんなアクションしていこうかなと思ってるので、
でもまずはやっぱり作品。作品を作品として作って魅力的なものを残していく人がいないことにはマネタイズは下手くれもないので。
いわゆる投げ線的なファンダムが築かれて終わりになるのか、
YouTubeとかと同じ広告ビジネスになって終わるのかで終わってしまうと思うので、
でもやっぱり僕は作品っていうものの強度、新しい言葉のプラットフォームができてると思うので、
その中ではマネタイズっていうのは多分みんなこれからいろいろ発明しながらやっていくと思うので。
すっげー楽しみですね。
でもニューヨーク家賃高いって聞いてるので、そこに立つような収益になる場所になってほしいですね。
スター生まれてほしいというよりは、自分たちのライフスタイルとして自然に生きるとこまでは持ってきたいですよね。
いやほんとそうですね。ニューヨークの家賃があっていうのはちょっと、
トゥーマッチだとは思いますけど、東京でもポッドキャストで普通に日々の暮らしができたりしたらいいなと思います。
ほんとそうですよね。
ちょっと僕らもそういう活動を続けていきながらですけど、
本当上出さんの新しい作品が作られてるっていうのを聞いただけでもまた勇気が出たので、
一人でも多くなんていうのかな、上出さんのようなかっこいいクリエイターがどんどん参戦してくれるような場所になってほしいなと思ってますね。
ありがとうございます。そう言っていただけると。
じゃあちょっと最後に、上出さんポッドキャストとか音声とか関係なく今後の予定などあったらちょっと聞きたいんですけれども、
近々でローンチするようなものってありますか。
12月の12日に本が一冊出ます。
黄色いやつ。
黄色い旅の本です。
これはもう本当に役者の中野太賀くんっていう人と写真家の安倍雄介くんっていう人と3人で旅サークルを作りまして、
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これでいろんな国にテント所定旅しているんですけど、
第1弾でネパール、ヒマラヤのランタンダニっていう世界一美しい谷って言われてる谷があるんですけど、
そこを1週間ぐらいかけて歩くっていう旅を本にしたのが出ます。
僕が文章を書いて、安倍さんと太賀くんが写真を撮ってみたいなのが出るんで、それはぜひと思います。
もうめっちゃくだらないですけどね。
あのトレードシリーズの動画とはまたちょっと違う作品系だったんですよね。
そうなんです。あれがきっかけではありますね。
あれで太賀くんがちょっと山にのめり込んでしまったということがこういう形になって、
この旅はずっと続けてて、第3弾ぐらいまでも旅は決まっているという感じです。
すごいすごいすごい。趣味ですね。
それのまず写真集としての旅本みたいな形。
そうですね。ただ僕の文章が相当ボリュームあるので、
本当?
文章と写真がどっちもみたいな感じの本です。
すごいですね。楽しみですね。
じゃあ直近だと12月12日発売。
そうですね。
今調べました。高段車ですね。
高段車からミッドナイトピッザクラブっていう旅と全然関係なさそうな名前がついちゃったんですけど、
ニューヨークで太賀くんが突然ニューヨークにノンアポで来たっていうことがあって、深夜に。
ちょうど阿部ちゃんがニューヨークのうちに泊まっているときでですね、
本当にノンアポだったので僕らも何の準備もしてなかったんですけど、
そこから3日2晩ニューヨークで遊び続ける中で、
ニューヨークって朝までやってるご飯屋さんピザ屋しかないんですよ。
なので遊んではピザを食べ遊んではピザを食べを繰り返していた結果こんな名前になった。
本当にこういうノリみたいなものって僕、大学でもサークルとかやってなかったんで、
全然経験してなくて、ノリっていいなと思って。
なるほど、先ほどの話の流れでいくと機動力を身に付けた上で両兵がノリでサークルのような活動ができているようになっているみたい。
この3人は本当にフットワークの軽さが異常っていう人たちなんで、
読んだら旅に出たくなるんじゃないかなみたいなものを使ってみました。
楽しみです。
じゃあちょっとそこに間に合うように編集してみますので、ぜひこれ聞いた人いたらチェックしてもらって。
僕もやってみます。すごい楽しみです。
ぜひぜひ。ありがとうございます。
じゃあそしたら本当に今日、僕もさっきの冒頭の話し出しじゃないですけど、
1:03:03
想定以上に今の時点で興奮しているようなお話いっぱい聞けて本当にありがとうございました。
こちらこそ彫刻みたいだっていうのは本当、今後誰かにインタビューされたら彫刻のように作ってますっていうよって決めました。
かっこいいし、言い過ぎじゃないと思います。本当、上根さんの作品のイメージと多分皆さんフィットされると思います。
本当ですか。すみません、ちょっと僕が思いついたかのように喋ることになると思いますが。
全然もうどうでもよいってください。
冗談です。楽しかったです。
楽しかったです。じゃあちょっと締めの言葉を僕言った後さがありがとうございました。
はい。
じゃあいきますね。
計6回にわたって配信してきた、フロム雑談インサイト、サポーテッドマイシュア。
最終回のゲストは上出良平さんをお迎えしてお届けしました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
雑談をお届けするポッドキャスト番組、フロム雑談インサイト。
この番組はおよそ1世紀にわたり世界のレジェンドから支持され続けるブランド、シュアの提供でお送りしました。
01:04:29

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