こんにちは。『ゆる読カフェ』へようこそ。
忙しい毎日のスキマ時間に、本のおいしいとこだけお届けします。
目次
- 今回紹介する本
- 【音声要約】~耳で楽しむ10分読書~
- 【結論】この本の「一番おいしいとこ」
- 【5つのつまみ食いポイント】
- 1. 「時間」を売るな、「リスク」を取れ
- 2. 投資の結論は「オルカン」一択でいい
- 3. 「代わりのいる人」になるな
- 4. 35歳までに「自分の値段」を決めろ
- 5. 幸福の秘訣は「上機嫌」と「モテ」
- 【まとめ】
- 【おまけ】編集後記
今回紹介する本
『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』 著者:山崎 元
本書は、人気経済評論家である著者が、大学に入学したばかりの息子に向けて書き下ろした「人生の指南書」です。著者は執筆当時、がんで闘病中であり、自身の残された時間を意識しながら「どうしても伝えておきたいこと」を記しました。 お金の稼ぎ方や増やし方といった経済的な実利の話にとどまらず、働き方、人間関係、そして幸福論に至るまで、父としての温かい愛情と、プロとしての冷徹なリアリズムが同居する一冊です。これからの資本主義社会を生き抜くための「生存戦略」が、忖度なしの筆致で語られています。
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【結論】この本の「一番おいしいとこ」
・昭和的な「労働時間の切り売り」はやめて、株式性の報酬(リスクの対価)を取りに行け
・投資の正解はシンプル。生活防衛資金以外は全額「全世界株式インデックス(オルカン)」でいい
・「代わりのいる労働者(タイプA)」から脱却し、自分だけの「ブラックボックス」を持て
・キャリアの価値は「能力・実績」×「持ち時間」。35歳までに人材価値を確立せよ
・幸福の正体は「自己承認感」。上機嫌で暮らし、人の話を聴ける「モテる人間」になれ
【5つのつまみ食いポイント】
1. 「時間」を売るな、「リスク」を取れ
皆さんは毎日、自分の時間を会社に売って給料を得ていませんか? 著者は、かつての「昭和生まれの働き方常識」、つまり大企業に入って出世し、長く勤め上げるというスタイルは、現代において「割が悪い」と断言します。なぜなら、自分の時間を売ってお金を得るモデルでは、どんなに出世しても、あるいは医師や弁護士のような高単価な専門職であっても、せいぜい「小金持ち」止まりだからです。
では、本当の富裕層、例えば世界の長者番付に載るような人々はどうしているのでしょうか。彼らは労働の対価ではなく、「株式」によって資産を築いています。ここから得られる教訓は明確です。「新しい働き方」では、株式性の報酬(自社株やストックオプションなど)を取り込むことが、資産形成のスピードを劇的に上げる鍵となります。
具体的には、自分で起業する、創業間もないベンチャーに参加する、あるいはストックオプション制度のある企業(外資系など)で働くといった選択肢が挙げられます。これらは「リスクを取る」行為ですが、著者は現代におけるこのリスクを過度に恐れる必要はないと説きます。 なぜなら、不動産投資で多額の借金を背負うようなリスクとは異なり、働き方でリスクを取って失敗しても、せいぜい「クビになる」程度だからです。今の時代、人材の流動性は高まっており、再就職も容易になりました。つまり、失敗しても借金は残らず、ダウンサイド(損失)は限定的である一方、成功した場合のアップサイド(利益)は青天井なのです。 「経済の世界は、リスクを取ってもいいと思う人が、リスクを取りたくない人から、利益を吸い上げるようにできている」という資本主義の冷徹な事実を直視し、少しでも「資本家側」の果実を得られるポジションに身を置くこと。これが、これからのビジネスパーソンにとって最も有利なレバレッジ(てこ)の活用法なのです。
2. 投資の結論は「オルカン」一択でいい
「投資を始めたいけれど、何を買えばいいかわからない」「相場を見る時間がない」という悩みに対し、著者の答えは驚くほどシンプルで明快です。 その結論とは、「生活費の3〜6カ月分を銀行預金に残し、残りの運用資金は全額『全世界株式のインデックスファンド』に投資せよ」というものです。
著者は長年運用のプロとして活動してきましたが、個人投資家にとっての最適解はこれだけで十分だと言い切ります。具体的な商品としては、手数料(信託報酬)が圧倒的に安い「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」などが推奨されています。
なぜ、プロが運用する「アクティブファンド」ではなく、市場平均に連動する「インデックスファンド」なのでしょうか? それは「平均投資有利の原則」があるからです。プロが市場平均に勝とうとして頻繁に売買を繰り返すと、手数料やコストがかさみ、結果として市場平均(インデックス)に負けてしまうことがデータとして証明されているのです。 また、投資対象を「全世界」にする理由は、世界のどこが成長するかを予測すること自体が難しく、また世界中の機関投資家も分散投資を行っているため、世界平均を持っておくことが最も合理的だからです。
この手法の最大のメリットは、「ほったらかし」にできることです。経済ニュースを見て一喜一憂したり、売り買いのタイミングを計ったりする必要はありません。 「長期・分散・低コスト」という運用の3原則を守り、じっと持っているだけで、資本主義経済の成長とリスクプレミアム(リスクを取ることへの対価、年率5%程度)を享受できます。 明日からは、銀行の窓口で勧められる手数料の高い商品や、怪しい投資話には一切耳を貸さず、ネット証券で淡々とオルカンを積み立てる。これだけで、老後のお金の不安の大部分は解消されるはずです。
3. 「代わりのいる人」になるな
会社という組織の中で、あなたはどのような立ち位置にいますか? 著者は労働者をあえて2つのタイプに分類しています。「労働者タイプA」と「労働者タイプB」です。
「タイプA」は、安定した雇用と給料を求め、会社が用意したレールの上で働く人々です。彼らは優秀かもしれませんが、会社から見れば「取り替え可能な部品」に過ぎません。リスクを嫌う彼らは、資本家や経営者にとって都合の良い存在であり、利益を提供し続ける「養分」となりがちです。 一方、私たちが目指すべきは「タイプB」です。これは、特定の専門知識や技術、人脈などを持ち、資本家や経営者には理解できない「ブラックボックス」を抱えている人材です。彼らは簡単には取り替えがきかず、その希少性ゆえに高い報酬や待遇を引き出す交渉力を持っています。
タイプAのままでいると、どんなに長時間働いても、会社に利益を吸い上げられるだけで、経済的な豊かさは手に入りません。「他人と同じ」であることを安心材料にするのではなく、むしろ恐れるべきです。 明日からのアクションとして、まずは自分の仕事の中に「自分にしかできない領域(ブラックボックス)」を作ること意識してみましょう。それは特殊なスキルかもしれませんし、社内外の独自の人間関係かもしれません。 そして、会社に依存せず、いつでも「転職できる人材」になっておくこと。これこそが、会社と対等な関係を築き、搾取されないための唯一の防御策です。著者は「副業」も推奨していますが、これも会社以外の世界を持ち、精神的・経済的な自立を促すための重要な手段です。
4. 35歳までに「自分の値段」を決めろ
キャリアを考える上で、年齢という「時間」の制約を無視することはできません。著者はキャリアプランニングにおいて、20歳、35歳、45歳という3つの節目を意識すべきだと説きます。
まず、ビジネスパーソンの能力が全盛期を迎えるのは30代前半です。 人材の価値は「(能力+実績)×持ち時間」という式で表されます。つまり、どんなに能力があっても、それを発揮できる残り時間が少なければ価値は下がります。 そのため、20代(遅くとも28歳くらいまで)のうちに、自分が一生をかけて取り組む「職(専門分野)」を見定める必要があります。そして、集中的な努力と経験を積み重ね、「35歳」までには、社内や業界内で「こいつはできる」「この分野なら彼だ」という評価(人材価値)を確定させなければなりません。35歳を過ぎると、能力や実績の個人差が埋めがたいほど開き、評価が固定化してしまうからです。
そして45歳からは、組織に頼らない「セカンドキャリア」の準備を始める時期です。会社人生の終わりが見えてくる中で、定年後も通用する能力や顧客基盤を作っておく必要があります。 また、こうしたキャリア形成において欠かせないのが「人間関係」への投資です。著者は、「頭のいい奴」「面白い奴」「本当にいい奴」と付き合えとアドバイスします。飲み会や会食も侮ってはいけません。幹事を引き受けたり、少し良いお酒(ワンランク上のウイスキーなど)を知っておいたりすることは、良質な人間関係を築くための有効な自己投資となります。 単に真面目に働くだけでなく、自分の「時間単価」を意識し、戦略的に自分の市場価値を高めていく視点を持ちましょう。
5. 幸福の秘訣は「上機嫌」と「モテ」
本書の最後で語られるのは、「幸福」についてです。経済評論家としてお金の話をしてきた著者が最後に辿り着いた幸福の正体、それは「自己承認感」でした。 人は、他人から認められ、必要とされることで幸せを感じます。お金や自由はそのための手段に過ぎず、それ自体が目的ではありません。
そして、男性(もちろん女性も)にとって幸福感に直結する重要な要素が「モテ」です。ここで言う「モテ」とは、単に異性にチヤホヤされることだけを指すのではなく、人間として好かれ、受容されている状態を指します。著者は観察の結果、「モテない男は幸せそうに見えない」「モテなかった過去が性格を歪めることがある」と分析しています。
では、どうすれば「モテる」人間になれるのでしょうか? 著者の仮説による答えは、「自分の話(自慢話や自分語り)をせず、相手の話を心からの興味を持ってひたすら聞くこと」です。ハイスペックな人ほど自分語りをしてしまいがちですが、それは逆効果です。聞き役に徹することで、相手は承認欲求を満たされ、結果としてあなたに好意を抱きます。 また、著者は息子への最後のアドバイスとして「上機嫌で暮らせ!」という言葉を送っています。不機嫌は周囲を遠ざけ、チャンスを逃します。常に上機嫌でいることは、自分自身の幸福度を高めるだけでなく、良質な人間関係を引き寄せる最強の処世術なのです。 お金持ちになることも大切ですが、それ以上に「感じの良い人」であること。これが人生を豊かにする究極の結論です。
【まとめ】
・労働者として「時間の切り売り」をするな。リスクを取って「株式性の報酬」を狙え。
・投資に迷うな。生活防衛資金以外は「全世界株式インデックス(オルカン)」で放置せよ。
・会社にぶら下がるな。代替不可能なスキルを持ち、いつでも転職できる準備をせよ。
・35歳が勝負の分かれ目。それまでに自分の専門分野と市場価値を確立せよ。
・幸福はお金だけでは決まらない。「聞き上手」になり、常に上機嫌で愛される人になれ。
【こんな人におすすめ】
・「一生懸命働いているのにお金が貯まらない」と理不尽さを感じている人
・投資を始めたいが、種類が多すぎて何を選べばいいか迷っている人
・会社に依存せず、自立したキャリアを築きたいと考えている20代〜40代
・これから社会に出る子供を持つ親御さん
【おまけ】編集後記
本書を読み終えたとき、胸が熱くなるのを感じました。著者の山崎元さんは、この本が世に出る直前の2024年1月1日に亡くなられました。 経済合理性を徹底的に追求する「合理的」な語り口の裏側に、これから厳しい世界を生きていく息子さん、そして私たち読者に対する、不器用ながらも深い「父の愛」が溢れていたからです。
特に印象的だったのは、「自分よりも背が高く、性格もいい息子という『上位互換』の存在が、生物学的な安心感を与えてくれる」という一節です。死を前にして、自分の命が次世代に引き継がれていくことに希望を見出す姿に、単なるマネー本ではない、人生の哲学書としての重みを感じました。 「上機嫌で暮らせ!」という最後のメッセージは、空から私たちに向けられた、とびきりのエールのように聞こえます。
『ゆる読カフェ』で知識のつまみ食いをして、明日が、人生がちょっと楽になりますように。もし今回の内容にビビッときて、もっと詳しく読みたくなったら、こちらから購入してみてくださいね。
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サマリー
本書は、経済評論家が病気の中で息子に向けて書いた人生の知恵を伝える手紙です。働き方や投資の正解、会社での自分の立ち位置を見直し、35歳までに自分の市場価値を決める重要性を説いています。このエピソードでは、経済評論家の父が息子に向けたメッセージとして、35歳までに「自分の値段」を決める重要性と、人間関係や幸福感がキャリアに及ぼす影響について語ります。特に、モテる人間になるためのシンプルな方法として、聞き上手で上機嫌でいることが強調されています。