音楽業界の経験
こんにちは。番組ナビゲーターの伊藤由美子です。
伊藤由美子のCozy Spaceへようこそ。
Cozy Spaceとは、日本語に訳すと、居心地の良い場という意味になります。
この番組では、居心地の良い場とは何かということをテーマに、あなたらしくいられるちょうどいい場所を見つけるためのラジオ番組です。
毎回素敵な方々にインタビューさせていただき、ついつい夢中になってしまうことや、個性を生かして自由に生きること、そして日々気持ちよくいられるヒントなどをお伝えしていけたらと思っています。
伊藤由美子のCozy Space第219回、2024年12月のゲストは、シンガーソングライターの小山卓治さんです。
小山卓治さんのインタビューは、第218回から第221回の4回に分けてお届けします。
2回目のインタビューは、デビュー当時馴染めなかったことや、アルバム制作の裏側などお話をしていただいています。
では早速、小山卓治さんのお話をお聞きください。
ちょっと特別感があるエピソードだったと思うんですけど、
逆にこれ馴染めなかったなっていうことって、あると思うんですよ。今までと違う世界に行くわけだから。
具体的に挙げるとしたらあります?
当時はね、日本のラジオ局とFMのラジオ局、両方結構勢いがある時代で、
FMの番組に出演すると、今度デビューした小山卓治くんですって、
曲をちゃんとかけてくれて、話をちゃんと聞いてくれたりとかして、
音楽をやってよかったなって思うんだけど、
民放のラジオ局に行くと、通常の深夜放送とかになると、
今度デビューした小山ちゃんね!どんどんパクパクパク!とか、
現代の音楽環境
当時あたりはパクパクって。あれやられてね、何だろうこれって思ってね。
全然違うんですね。
そう、扱いのこの違い何?とか思ってね。
覚えて戻ったこともありましたけどね。
やっぱりその人のブランディング的なものってあるじゃないですか、ミュージシャンとかって。
あんまり崩されるのも困るっていうか、どう対応したらいいのかっていう。
今だからそんなことないと思うんですよ。
当時は本当に小山ちゃん扱いでしたからね。
ちゃんってなんだよって思ってね。
若いのもあるかっていうのもあるけど。
そうですよね。どんどんパクパク風には舞いましたね。
その時はどうしてるの?固まってたんですか?
いや、作り笑いしてました。
作り笑い。でもラジオには何にもわかんないですよね。
一応合わせるんだけど。
合わせるんですか?でもちょっと無理があるんでしょうね、きっと。
顔、多分真顔だと思いますよ。
でも確かにラジオとかね、やっぱり影響がね、今以上にあった時代だと思うんですけど。
今ってそういうメディアを選べる時代ではなかったですからね。
そうですよね。
原画的なところと音楽をちゃんと聞かせるっていう、その両方が何もなさになっている時代でしたからね。
今とやっぱり全然違いますよね。
違いますね。
今は音楽を世に出したりとかする上で、またちょっと違う形態になってきてるじゃないですか。
そうですね。ラジオが重要な時代はもうないですからね。
そうですよね。YouTubeにいっぱい皆さんあげてらっしゃると思うんですけど。
YouTubeで火がついたみたいな話もありますね。
そうですよね。
そういう文化が当然になってきたから、そういう民間の深夜番組とかもちろん聞いてないからわからないけど、
今だけやってるのかな、どんどんバフバフが。
どうなんでしょう。番組にもよるとは思うんですけど。
それぞれの昔、昭和の時代とか、令和になっての時代、それぞれの良さとかあると思うんですけど。
今だと本当に若い人だと、残念ながらCDはあまり買う時代じゃないじゃないですか。
サブスクで聴いちゃったりとか、YouTubeで無料で聴いちゃったりとか。
今の若い人たちの音楽。
たまに聴きますけど。
どんな印象ですか。
ちょっと軽い気がしますね。
曲作りのプロセス
ちょっと偉そうな言い方だけど。
軽い、そうですね。
それっていうのは何ですかね。歌詞が届いてこないっていう印象なんですか。
そういう軽さじゃなくて。
音楽、サウンドは昔も今もそんなに変わらないと思うし、
昔、天国のダウンロードっていう曲を聴いた時に、
路上では聴いたことのないリズムで歌う奴らが、連中がいるぜって一緒に書いたのは、
まさに若い奴らが新しい音楽をやってるのを聴いて、
あれ、俺これ全然ついていけてないぞって思った時に、
ちょっと困ったなっていうのが歌詞だったんですけど、
これでいいやんっていう感じがして、
これじゃなきゃダメなんだっていうのがあんまり感じられないですね。
そのくらいの音楽作ってちょっとYouTube流しちゃって、
ブレイクしちゃったりとかしてみたいな感じがちょっとするんですかね。
残念ですよね。
という風に思うのは、この時代も僕の世代だからかもしれないけれども、
今更若い奴らに媚びてもしょうがないので、嫌いな音楽は嫌いってちゃんと言います。
逆に今の若い人たちの音楽性で、いいところもきっとあると思うんですけど、
小山さんが思う、例えば今の20代くらいの人たちとか、
子はなんか自分の世代にはなかったなっていうところってどういうところなんですか。
多分若くて音楽をやりたいって思う動機の出発点は変わらないはずなんですよね。
音楽をやりたいんだ、歌いたいんだ、この声を誰かに伝えたいんだっていうのはきっと変わらないはずなんですけど、
選択肢が多すぎるのかな、あるいは強く思えてないのかもしれないし、
後がないって感じがしないですよね。
そういえば昔だとレコード会社の人に、ぜひじゃあうちから出してくださいとか、
すぐに誰でもレコードが出せるって時代じゃなかったじゃないですか。
今だと自分で録音してYouTubeに上げちゃうことができちゃうっていう意外さっていうか、
そういうのは全然違いますよね。
それはそれでやり方の一つだと思うし、今時だなっていう気はしますけど、
僕らの時代はとにかくレコード会社との契約がなければレコードは出せない時代でしたから、
そこを目指すしかなかったんですよね。だから必死でしたよね。
そのあたりの意味の必死さがちょっと以前の方が高いかもしれないですよね。
その気持ちの強さっていうのが。
さっきも言ったけど、そういう若い連中がそういう気持ちの良いことに対して
ダメだなって思うのは僕も勝手なので、僕は勝手にそう思います。
それを誰かに言われはない。
自分がそう思うって話ですもんね。
今日もラジオの収録で歌っていただきましたけど、
One West.
Second Street NY 10023
代わりに伝えてあげてください。長いからちょっと間違えそうになるんで。
あの曲も男女2人の若い2人を描写してる歌だっておっしゃってたと思うんですけど、
ストーリーテーリングっていっていろんな描写を曲にしてきたと思うんですけど、
2枚目のアルバムのタイトルのひまわり、あちらもそういった描写を歌ってらっしゃるのかなと思うんですが、
今聴いても映画音楽になりそうな曲っていうイメージで聴いてるんですね。
映画音楽にするには世界を込めすぎてますね。
映画音楽にするとなるならば、映画にストーリーがあって映像があるわけだから、
そこに音楽を作れるとするならば、絶対に余地がなきゃいけないんですよね。空間とか。
ちょっと余白っていうか。
だから僕の場合は歌で全てを表現したいと思ってるんで、
歌の中に全て物語から風景から全部詰め込みたいと思っちゃうんですよ。
だからそれを映画音楽にするのは逆に無理だと思う。
そうなんですね。逆に上野さんが映画音楽を作るとしたらどういう感じになるんですかね。
やったことないから。
その余白を作るっていうことをするってことですよね。
そうなると思うんだよね。だから俺余白を作ったことないもんね。自分の歌で。
全部詰め込んじゃうんで。
一曲一曲が全てその世界を詰め込んじゃうんですか。
そう。全部言い切っちゃってると思うので。
じゃあそれを全部歌詞を作った時に言い切れだと思ったものが発表になっているってことですよね。
そういうことですね。まさに。言い切れてないと思ったのは曲がないし、
例えば言葉数が多いから全部言い切れたっていうことじゃなくて、
言葉を選んで選んでこの物語に一番相応しい言葉を選び切れたと思った時に曲が完成するんですよ。
僕の歌は長い歌ももちろんあるんだけども、言葉を詰め込む曲も結構あるんだけど、
そうじゃない短い曲でも言い切れたと思うのは言葉のチョイスが全て完成できたと思う時に歌詞が完成するんですね。
じゃあ本当に何回も何回も遂行する感じなんですかね。
うん。遂行もするし、考えるし。考える時は結構街よりブラブラ彷徨ったりとかしながら言葉を選んだりとか。
外に出てブラブラしながら、もうちょっといい言葉ないのかなと思いながら考えてはまる時もあるってことですか。
はまる時もある。若い時は特にそうしてましたね。ギター抱えて頭抱えてもしょうがないなと思って。
そういう時はギターをおからかして、これから街を歩いたりとかそういうことをよくしてましたね。
今はどうですか。
今はもう大体同じような感じですけど。
そうなんですね。
まあでもそれを頭の中でできるスキルは持ってたので、昔と違って。
昔は不器用だからどうしたらいいかわからなくて、多分彷徨ってたんでしょうね。
うーん。
その中ででもなんとか宿泊して、言葉をチョイスしたりとか、メロディーを変えたりとか作ったりとかしてたのが若いころ。
そういうスキルは昔に比べたらありそうなので、そこまで遠回りしなくても作れるようになりましたね。
だから一曲に対して、ソロできる曲もたまに降りてきてすぐできた曲もあるって言うんですけど、
そうじゃないことのが多いんですかね。
どっちかな。
どっちもある?
どっちもありますね。
半々っていうことでもないんだけども。
曲作りのプロセス
そのスムーズに歌詞がハマるときって、自分の心の状態とか環境っていうのはどういうときっていうのを気づいてってことはないんですか?シチュエーションっていうか。
もう無理になってるんでしょうね。
無理になってるんですか。
何も考えずにテーマが降りてきたときに、何も考えずにテーマ取ると言葉がスラスラっと降りてきて、
あれ嘘だろ嘘だろって思ったときにできちゃった。
あーなるほど。
メロディーもそうで、ギター弾けたら歌ってるときに、ふわっとできたときに、あれって思って、なんかできすぎちゃうねって思って自分で。
何か忘れちゃったけど、メロディーだけ先にできて、
音楽が行く場所が一番近いので、そして聴いてもらって、この歌知らない?って聞いたことがあったんですよ。
何かの真似でやっちゃったかなって思った。
知らないうちに誰かの曲かパクっちゃったのが、知らない?って、知らないよって言ったら、
あ、じゃあこれ俺のオリジナルだった。
へー。
面白いですよね。
全く何か思考が入ってないって感じですね。
それだと。
その間にかふわっとできちゃう。
ちなみに今、どの曲っていうのをパッと言います?
一頭最初、デビュー曲のフィルムガールって曲は、演奏込みでちょっとぐらいの曲なんだけど、
あの曲は4分でできましたね。
4分!?
4分ぐらい戻ってかかえて、ジャーンってやった時にもう歌詞が出てきて、
その歌詞を書き取る手が間に合わないくらいな感じで、
曲と詩が同時にできましたね。
へー。
早くね?って言われなかった。
ちょっと待って、ちょっと冷静になろう、冷静になろうと思って。
で、1日2日経って、歌詞をもう一回読み出して、
この1行だけ変えようと思って。
1行だけ変えて。
1行しか変えてないんですか?逆に。
1行しか変えてない。そのまんまでできてるんですね。
へー。
あとは例えば、クリスタルレインドロップ。
あれはメロディーが先にできて、
さっき言った友達に、俺パクってないって言った曲なんだけど。
あ、そうなんですか。
あれもメロディーが先にできて、できすぎだなと思って。
あれだと40代ぐらいですか?大山さんが作ったのは。
そうかもしれないですね。そのくらいですね。
歌詞の方だからその後すぐ出てきて、
あれの曲には裏メロみたいなのがあって、
表メロに絡むように裏のメロディーがかぶさってくるんだけど、
そのメロディーもそのまま出てきて、
裏メロは男性の立場で、裏メロは女性の立場で歌うっていうのも、
それもそのままスッと出てきましたね。
そうなんですね。
そういうことってあるんですよ。
振ってくるっていうのは。
そこまでできすぎなのも、ほんと僕たまにですからね。
去年、ダリアっていう曲を出されたと思うんですけど、アルバムを。
それは振ってできたものはあります?
あんまり時間かからなくてできたものって。
ダリアって曲は映像としてダリアがまずあったんですよ。
赤いダリアが咲いてるっていうイメージがあって、
それはずっと頭の中にあって、
いつかダリアって歌い手の曲を作ろうってずっと前から思ってたんですよ。
で、去年だったかな、韓国のプサに行った時に、
ダリアっていう曲に向けての歌手の断片みたいなのがいっぱい出てきたので、
ダリアのイメージ
それは映像としてイメージできた曲か?
映像があって、言葉があって、フレーズがあって、
それを全部書き留めて、で、プサに行ったんですね。
プサに行く前にそれが出てきたの?
断片だけね。
ダリアっていうイメージと一緒の断片だけ。
なんかできそうだなっていう予感があって、
でもその時も本当に慌てても書き留めるぐらいの勢いで、
昔の断片が、いつの間にかパズルが組み合わさってくるみたいな。
で、ピタッとはまった感じ。
じゃあダリアは、去年2月に行かれた韓国で、
曲作りしてきた時にも生まれた曲なんですね。
だから最初にモノクロのイメージでダリアがあって、
モノクロなんですね。
最後にカラーの、鮮やかなカラーのダリアで締めたいって気持ちがあって、
最初にだから思い出としてのダリアがあって、
最後にダリアに笑ったっていう一言が出てきた時に、
できたなっていう気がした曲ですね。
ダリアっていろんな色があると思うんですけど、
大山さんの中で何色とかっていうのはあったんですか?
そのダリア自体の花のカラーになった時って。
ちょっとこう、朽ち色の鮮やかな色でしたね。
確かに考えればダリアっていろんな色あるんですよね。
そうですね、形も結構いろいろあるので。
そうね、形もいろいろあるんです。
僕のイメージとしては、
ポッていう赤くアジレイの赤の形っていう形状。
そんなダリアがイメージですね。
他にそのアルバムダリアの中で、
今のダリアは韓国でも壇上したと思うんですけど、
その中の5曲、韓国でできたっておっしゃってたんですよ、前に。
そこで完成した曲って他にアルバムで言うと、
どの曲になるんですか?
プリマドのワールド。
プリマドのワールドもそうなんですね。
その時も案外もう言葉の断片がたくさんあったんですよ。
ただ形にならないかったから、
それを全部書き留めてて、
企産に行く時に、これは絶対できるなと思ってたんですよ。
だからもう慌てなくてもいいな、きっとできるかなと思って、
企産に行って、ホテルで滞在しながら、
その断片を見てた時に、
もうメロディーが浮かんできて、
だいたい半日くらいでできましたね。
そうなんですか。
なんかできるっていう確信があったんですね。
いろいろテーマとかあったりとか、
日常的にそういう風に考えてらっしゃるから、
いろいろ素材はあったけど、
それがうまく料理できたっていう感じなんですね。
環境を変えたのが大きかったかもしれないですね。
そうですよね。
単純にはそういうことをこれからもやりたいなと思います。
今度、曲作りをするとしたらどこへ行きます?
どこでしょう。どこでもいいですよね、確かに。
場所が変われば。
大山拓司さんにご登場していただきました。
次回は、曲作りのことについて、引き続きお話ししていただきます。
番組をまた聞きたいなと思っていただいた方は、
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それでは次回もお楽しみに。伊藤絵美子でした。