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こんにちは、番組ナビゲーターの伊藤由美子です。
伊藤由美子のCozy Spaceへようこそ。
Cozy Spaceとは、日本語に訳すと、居心地の良い場という意味になります。
この番組では、居心地の良い場とは何かということをテーマに、あなたらしくいられるちょうどいい場所を見つけるためのラジオ番組です。
毎回素敵な方々にインタビューさせていただき、ついつい夢中になってしまうことや、個性を活かして自由に生きること、そして日々気持ちよくいられるヒントなどをお伝えしていけたらと思っています。
伊藤由美子のCozy Space第220回。
2024年12月のゲストは、シンガーソングライターの小山卓治さんです。
小山卓治さんのインタビューは、第218回から第221回の4回に分けてお届けします。
3回目のインタビューは、曲作りのことなどをお話ししていただいています。
では早速、小山卓治さんのお話をお聞きください。
新たな曲作りの探求
今度曲作りをするとしたら、どこ行きます?
どこでしょう。どこでもいいんですよね、確かに。
場所が変われば。
なんで草にしたかって言ったら、近いかなって。
僕のなんちゃって英語が通じそうだなってこと。
あと、さらに福岡から船で行けるんですよね。
だから、船で海の上で国境を越えたらどうなるんだろう、面白そうだなって。
単なるそのくらいの発想で。
例えば、最初はもうちょっと東南西の方とかいろいろ考えたんですよ。
どっかないかなーみたいな気持ちでいろいろ探してたら、
東南アジアはちょうど1月の時期は浮きらしくて、
ずっと雨が降って、雨が上がったんで。
それがちょっと不満だと思って。
いろいろ探してたら、じゃあ草の近いしいいや。
じゃあ福岡も飛行機で行って、船で行こうみたいな。
そういう気持ちで。
そうだ、京都行こうみたいな。
そんな気持ちです。
大体、僕が海外に行くときはそんな気持ちで。
今回のYouTubeって、いつもそんな感じのノリで行くって感じですか?
そうだ、ロンドン行こうとか。
そんな感じですよね。
今度もそんな感じで。
急にひらめいたかのように気になった国に行くみたいな。
言葉の数と表現
そう、ロンドン行くから行こうみたいな。
今、上間さんが曲を作るとしたら、
前、何回も私のラジオ番組に出てきた時に、
光のウルガンを生演奏していただいたんですよ。
すごく歌詞がたくさんあるわけじゃなくて、
短歌に凝ってて、五七簿に凝ってて、それをもとに作ってたって言って、
そういう曲作りたいですっておっしゃってたんですけど。
そういう気持ちは今もありますよ。
それは、つまり言葉数を減らすっていう意味で、
ついついいっぱい喋っちゃうこともあるんだけど、
できれば言葉の数を本当に少ないほうがいいなと思ってるんですよね。
しかも長い曲、3分くらいで終わる曲のほうが本当にいいなと思ってるんですけど、
ついつい長くなるっていう悪い癖で。
光の…
光のウルガン?
光のウルガンね。
あの時は本当にどこまで減らせるかみたいな。
あれは私はどんどん作ってたかな。
っておっしゃってましたよ。
どんどんまで言って、なんで短歌なんだよと。
本当にあの曲が一番言葉が少ないんじゃないかな。
そうですね。歌詞カード見ても少ないなと思いましたけど。
私、あれ初めて聴いた時すごい感動したんですけど、
なんかちょっとまた違う感じだなと思って。
今まで作ったことのない作り方をしたいなっていうのを常々思ってるし、
それは今も思ってるんですけど、
今は本当に今までやりたことのない世界、風景、
今まで使ったことのない言葉で歌を作りたいっていうのはもうずっと思ってるので、
同じことを歌ってもしょうがないですからね。
だから光のウルガンの時には本当にこう短歌に習ったような、
どこまで言葉がそう減らせるか。
でもあれもそういう風景が先にあったからなんですよね。
そういう曲を昔ちょっとだけ作ったことがあって、
ちょっといろいろ探したものをしてたら、
原曲みたいなのが出てきて、
あ、そう、この曲か!みたいな。
未発表曲、曲ですよね、それ。
そういうのが映ってたなって、全然忘れてた。
あ、忘れてたんですね。
忘れてたけどその先だけが水平線みたいになって、
そこにちっちゃな天として男と女がいるみたいな、
それを遠景から、すごい遠くから、壁で狙ってるみたいな、
そんな風景のイメージがあったんだね。
それが、あの曲に落として着地したっていうのかな。
数が少ないからこそ、
言葉と言葉の間の空間っていうか、間っていうのかな。
間っていうので感じ取ってもらうっていうような感覚なんですか?
難しいけど、つまりそういうことなんだよね。
一言、ワンフレーズがどれだけそのイメージを
人の頭の中でとか、心の中にイメージを喚起させる
ということができるかっていうのの挑戦になると思って、
そういうのはこれからもやりたいと思ってるんですよ。
だから、あの、若い時っていうのはとにかくもう、
いろんなことを伝えたいから、
それを整理できずにいっぱい喋っちゃうんだよね。
いっぱい喋っていっぱい歌っちゃうんだよね。
いまだに長い曲ありますけど、
CDのブックレットで1ページ収まらないような
歌い方を常にしちゃうこともあるんですけど、
ずっと同時にすごい少ない言葉で表現したいなっていうのは
常に思ってるんです。
テーマは、小山さんだと家族に対する歌も多いと思うんですけど、
今後のテーマは家族のものもできていけそうですかね?
必ずできるでしょうね。
家族っていうのは疑問的なものだから、そうでしょうけど。
過去のアルバムだったら、冒険が始まるっていう曲は
まさに家族だったんですね。
今までも家族、より一歩進んだ家族みたいになりますね。
あれは韓国で仕上がった曲ではないんですか?
あれはすぐ前だったかな?
今、温めてる。
今っていうか日常的にいろいろ温めてるものがあるってことですよね。
そうです。常にメモがたくさん残ってて、
それを見返したりとかもしてるし、
加えたりとかもしてますね。
じゃあ日常的に曲作りを進めてる?
曲作りは具体的なことではないけれども、
思いついた言葉は必ずメモするし、
そこもどんどん溜まってるんで、
困った?
困ってるぐらい溜まってるんで、
いつからかそれが曲の形になってると思う。
だから昔々書いた断片でもあったりするし、
つい昨日書いた断片でもあるけれども、
それが一緒になって一つの形になる可能性だってあるわけだから、
そういうのを常にストップして、
たまに曲を読み返したりとかして、
そうするうちにまた具体的なイメージとか風景が浮かんできたら、
それがまた形になるでしょうね。
そうなんですね。
曲の印象と受け取り方
自分の作ったものは世に出て、
いろんな人に聴いてもらえるって、
人それぞれの感じ取り方ってやっぱ違うじゃないですか。
世に出したら聴いた人のものっていうイメージがあるんですかね。
それもありますね。
曲のことを説明するのはちょっと野望っていう気持ちもあって、
それぞれが感じてくれたイメージを壊す可能性があるわけじゃないですか。
そういうことですね。
たまにライブが終わったときにさんと話をしたりとか、
あの曲はこんなイメージなんですけど、どうなんですかね。
それが君が思った感じでいいよって。
そっか。
確かにね、それぞれの経験が違うから、
同じ曲聴いても違う感じ取り方をするわけじゃないですか、それぞれが。
全く一緒なわけじゃないじゃないですか。
それをやっぱりいろいろ説明してしまうと、
さっき言われたように野望かなっていう。
聴こうかと思ったらやめようかな。
アスピリンとか聴こうかと思ったけど、
やめとこうかなと思っちゃったんだけど。
アスピリンはもうやけくそですよ、あの曲は。
やけくそできた曲なんですか。
当時けっこうずつに悩まされてたんだよ、ほんとに。
全然すんのしちゃったんで、
もう薬が手放さなくて、
病院に行ったりとかもしてたんですけど、
で、もう頭痛いなと思って。
で、アスピリンっていうのは当時、
日本でもあんまりそんなに扱われてる薬じゃなくて、
バファミとかいろいろあるでしょ。
でもアスピリンってそんなに売ってなかったじゃない。
でも海外の映画とか見てると、
だいたいみんなアスピリンボリボリ食ってるじゃないですか。
ボリボリ食うもんだろって思いながら、
映画見てたわけでして、
でも面白いなと思って。
アスピリンって曲作っちまえよと思って。
夜中、アスピリンって叫んでたらできちゃったんですよ。
それもすぐできたんですか、割と。
それもすぐできました。
大変でしょうけど、ずつになっててよかったですね。
それできたっていうことだけで言ったら。
今はもう大丈夫ですからね。
そうですか。
歌とパフォーマンスの独自性
あの曲もでも、なんていうのかな。
一つ一つの言葉をはっきりと届いてきますよね。
そうなのかな。
ごめんなさい。
そういう歌い方してるのかもしれないですけど。
それもあるかもしれないですね。
叩きつけてますからね。
松井さんが言ってましたもんね。
歌は叩きつけるもんだからって言って。
そうなんですよ。
あの曲はそれの日本みたいな曲ですね。
そういうことですね。
すごいですね。
ずつ文字で変ずつ文字もどうしようもなくて、もう作っちゃえみたいな。
結構そういう、あれ、そんな動機だったのっていう記憶もあるってことですね。
最近よく一緒にライブやったりしてる友人のミュージシャンが初めて会って、
それからしばらく経ったところ、
僕はね、小山さんのイメージって言ったらね、なんかアスペリンなんですよねって言われて。
なんかアスペリンで叫んでる人ってイメージだったんですよ。
そんなイメージなの俺ってみたいな。
そういう人いるような気がしますよ、結構。
なんかちょっとびっくりしましたよ、最近。
大阪のライブバーで松井さんとライブやったじゃないですか。
あの時のあそこのオーナーの人が、アスペリンですよね、みたいなこと言って。
小山さん見たときに、開口一番それで立ったと思うんですよ。
そうだったんだ。
なんか嬉しいような、複雑な。
インパクトがあってことですよね、それだけ。
だってその当時なんかすごい叫んでましたよね、途中でね。
別にシングルになったわけでは何でもないんですけどね、不思議ですよね。
あ、そうか、シングルじゃないんですよね。
でもそれだけインパクトがあったってことですよね。
僕はね、シングルでもないのにプロモーションビデオとか作ってるみたいな。
えー、そうなんですか。
当時はね、映画監督がやってた池田純司さんっていう方が、
当時プロモーションビデオ、いわゆるPVを色々作ってる人で、
その人がやってくれて、もうね、崖から転げ落ちたりとか、
泥水の中でムタ押し回ってて、いろんなことされてましたよね。
あれ、見たかもしれないな、それ。
昔。
YouTubeにもなんか上がってるみたいな。
見た気がする。
なんか走り回されたりとか、逃げ回ったりとか、いろんなことされてましたよね。
ちょうど大変でしたよね。
散々の目にあってますね、結構。
それは後のテレビゲームに出演した時に、役だったのかもしれないですね。
あー、その経験が。
あの時はだから、もの静かな研究者みたいな、
目隠れをかけて、ただ住んでるっていうイメージでも、
ゲームの中のキャラクターだったけど、
アップエンドがいくつかあって、ゲームの中で。
そこで1回だけ、狂気に陥るシーンがあって、
そこで女優さん、これちょっとうつまいになってくださいと、
ちゃんと書いてあったので、台本通りに、
じゃあ、小山さん、徐々に発狂してくださいって。
分かりました。
そのとこは狭い部屋の中で、教授の所在っていう設定だったので、
狭い部屋だったので、うちのスタッフも行ったんだけど、
中に入らなかったので、外でいたんですよね。
で、僕は徐々に発狂してくださいって言われて、
うつまいになったので、うーわーって発狂したんですよ。
外で聞いてて、どうしたどうしたどうしたって。
びっくりしたんじゃないですか。
2、3回、じゃあ小山さんもう一回って。
3回ぐらい発狂して、その度に大汗かいて、
すごいなと思ったのが、わーオッケーって言った瞬間に、
ちゃんとスタイリストの方が汗ぱっと拭いてくれました。
あーそうなんですか、そのタイミングで。
そうなんですよ、現場とか知らないから。
映画の現場とか知らないから。
あれも貴重な体験でしたね。
そうですよね。普段はだって歌手なわけですからね。
そうなんですよね。
なぜか役者になってしまったっていうことでね。
監督さんが、僕とうつま役の方はモデルさんで、
この2人だけが全然演技とかやったことないので、
撮影に入る前に2人が呼び出されて、
演技指南とかを受けたんですよ。
どういうことやるんですか、演技指南って。
台本に書いてある制服を監督の前でちゃんと演技をしてみたりとか、
そこでちょっと下でニュアンスとかを教えてもらったりとか。
それって逆に曲作りに焼き立ったことってあるんですか?
その役者としての経験は。
何かしらあると思うんですけどね。
ちょっと言葉にはできない?わからない?
まだ出てないけど、何かしらきっとあると思いますよ。
滅多にない経験ですから。面白かったですけど。
そうですよね。日常的にはない話ですもんね。
映画での貴重な経験
言われたことないですよ、普通。
ないですよね。だってそこからいきなり感情を出さなきゃいけないんですよ。
さっきの発狂してくださいとか。
通常できないですよね、すぐにそんなこと。
一番面白いのが記憶に残っているのは、
奥さんと妻と別れるシーンがあって、
奥さんが土下座をするっていうシーンがあって、
許してくれって言って、
それを助けにいかなきゃいけないのに許してくれって言って、
きれいな庭園の中で奥さんが爪役の人を立てて、
僕が土下座をして、許してくれって。
じゃあ親さんもう一回、許してくれって。
別の形の土下座をお願いしますって。どうすればいいんだろうって。
別の形の土下座。
面白かったですよ。
今の貴重な経験って言ったら、他にあります?
日常的にはライブ台上で歌っていらっしゃると思いますけど。
大山拓司さんにご登場していただきました。
次回は大山拓司さんにとっての居心地の良い場についてお話ししていただきます。
番組をまた聞きたいなと思っていただいた方は、
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この番組は音楽事務所ロイスタープロドクションの提供でお送りしました。
それでは次回もお楽しみに。伊藤絵美子でした。