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今週のフカボリ
今週の注目の出来事を振り返り、本音で深掘る、今週のフカボリ。
衝撃的な事件が起きました。
少女の人身取引事件
12歳のタイ国籍の少女を母親が置き去りにし、都内の店で働かせ客に性的なサービスをさせていたとして、店の経営者が逮捕されました。
この少女の母親は台湾で収容され、この店の経営者は労働基準法違反の疑いで逮捕されました。
少女は今年6月下旬に母親に連れて来られて来日した後、この店に置き去りにされ、性的なサービスをさせられていたとみられ、
警視庁は人身取引の可能性もあるとして、タイ警察と協力し捜査を進めているという状況のようです。
情報をまとめますね。
警視庁の捜査関係者によりますと、店からタイ語の接客マニュアルや、簡単な日本語をまとめた学習ノートなどが押収されています。
ブローカーが女性、この場合はタイの女性なんでしょうか、あっせんしていた可能性があるということです。
この母親は7月中旬に赤ちゃんを連れて少女に会いに来て、この子はあなたの弟で、私は明日この子とタイに帰る、迎えに来るので仕事をして待っていて、などと指示しています。
少女は売上を全額、容疑者に渡していたとみられます。
容疑者から少女に生活費が渡されていたようです。
そして少女は客61人に性的なサービスをさせられ、62万円余りを売り上げていましたが、全額を店側と母親側でおよそ30万円ずつ接盤していたということです。
こうして事件をまとめてみると、本当にひどいことが行われたようですね。
12歳ですよ。
この方にお話を聞いてみましょう。
2015年から2021年まで、共同通信のグループ会社で記者としてタイに駐在、その後独立し東南アジアのニュースを取材発信しているフリージャーナリストの旗梨沙子さんとつながっています。旗さんこんにちは。
こんにちは。
旗さんこのタイでは人身取引は現状どのくらい把握されているんですか。
タイでは国内外で様々な形態の人身取引が横行しているんですけれども、日本への性的サービスを目的とした人身取引で言うと、年間1万人から1万5千人のタイ人女性や子どもが日本に送られているという発表がされています。
人身取引の背景
これは2022年にタイ警察が発表していたデータです。
すごい数字だと思うんですが、これどんな子が女性が売られる傾向にあるんですか。
そうですね。タイの北部、東北部といった地域の貧しい農家の娘たちが多いです。
タイは近年経済成長が続いていて、首都のバンコクなんかはビルもいっぱい建っていて発展しているんですけれども、地方との格差がかなり大きい国なんですね。
教育環境も都市と地方で大きな違いがあります。
さらに地方では、タイ仏教の伝統的な価値観として、自分を犠牲にしても親孝行することが美徳とされていて、特に女性にこうした義務感が根強く残っているんですね。
西風族従事者の8割がシングルマザーと言われていまして、こうした女性らは、自分の子供のほか親や親戚まで養っていることも珍しくないんですね。
しかし今回12歳でしょ。そういったような年齢でも、今おっしゃったようなことが行われている。それが決して珍しくないわけですか。
そうですね。現在はですね、状況はかなり改善されてきていて、タイの方でもそうした未成年の売春というものはかなり厳しく取り締まられているというか、なってるんですけれども、
1980年代から90年代はもっとひどい状況だったとされています。
どのような状況だったんでしょうか。
例えばですね、日本の工場やレストランで働ける良い仕事があると言われて、日本の空港に到着するとパスポートなど所持品を取り上げられます。
そして地方のスナックや温泉街に連れて行かれるんですね。
架空の借金を数百万円ほど背負わされて、初めて自分が売春するために日本に連れてこられたということを知らされるんですね。
監禁状態で暴力を振るわれたり、ご飯も食べさせてもらえなかったりといったタイ人女性が、年間2万人以上もいたというような記録も残っています。
これ、やっぱり日本にそうやって送られてしまう人って多いんですか。
そうですね。2022年の大警察発表によると、日本が最大の市場というふうに言われていました。
どうして日本がそのような温床となっていると考えられますか。
そうですね。それだけ買う人が多いというのが要因ですし、
あとはやっぱり不法就労目的の外国人が入国しやすいというようなところもあります。
これは例えば、それを利用する側の罰則を、あるいは経営する側の罰則を強化するとか、あるいはその福祉的なもので防ぐ手立てというのはどのようなものが、羽田さんは理想だと思われますか。
そうですね。様々な点からこの問題に対応していく必要があると思います。
まずはやはり根本的な問題は貧困問題ですので、これは大政府が取り組むべき問題だとは思うんですけれども、
やっぱり日本にも問題はあると思います。
先ほど言ったように、簡単に不法就労目的の外国人が入国できてしまうので、水際対策の強化は必要だと思いますし、
今実は日本全国で大臣が働いている違法風俗みたいなものが本当にたくさんあるんですね。
彼女たちは2週間のノービザが免除されている期間の間、こうした違法風俗で働いて、
ある程度お金を稼いでタイに帰っていくっていうようなことを繰り返しているんですけれども、
これもやはり完全に運営側もかなりずさんな管理体制ですので、
人身取引の被害者であったり、あとは未成年が働かされていても全くわからないし、全然あり得る状態なんですね。
こうした違法風俗をやっぱりしっかり取り締まらないと、
こうした12歳の少女の被害が今回明らかになりましたけれども、
同じようなことが繰り返されても全くおかしくないような現状となっている。
タイの貧困というのは、例えば北部として農村部ということですが、これは根本的な解決というのは困難なんでしょうか。
そうですね。数十年前と比べれば状況は改善されているとは思うんですけれども、
やっぱり教育環境がですね、やっぱり先生がいないとか、
学校があってもちゃんとした教育をできるような状況じゃないとか、そういうこともありますので、
やはり教育がもっと充実していくことが大事なのかなと思いますね。
そうですね。今、羽田さんのお話を伺っていて、
本当に複合的な要因でこの出来事が起きていると思うんですが、
その中で、ぜがしでも自分を犠牲にしてでも、親・兄弟・親戚を助けなきゃいけないという価値観とか、
そういうものを是正することってやっぱり難しいんですかね。
そうですね。やっぱりタイは仏教の国で、
自己犠牲をして誰かを助けるっていう考え方というのは、素晴らしい考えではあると思うんです。
なので、タイ人の方たちっていうのは本当に人に対して優しいですし、
本当に尊敬するところもたくさんあるんですけれども、
それが女性たちのこうした犠牲につながってしまうっていうのは、
やっぱり本来の仏教の教えともちょっと違うんじゃないかなと。
そうですよね。
なかなか外国人が、私のような外国人がタイの価値観について言うのもちょっと拝ましいというところもあるんですけれども、
そういう問題があるというところで、そうですね、なかなか難しい問題だなと思います。
わかりました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
2015年から21年まで、共同通信のグループ会社で記者としてタイに駐在、
その後独立し、東南アジアのニュースを取材発信しているフリージャーナリストの旗梨沙子さんに聞きました。
今、外国人問題というものをこの国は取り組んでいる中で、
こういうような出来事も含めて、
その根絶できるようなことをやらないといけないと思うのが一つと、
あと教育の問題も大切とお話しがかったと思いました。
この場合は、少女が自らそのSOSを発信したというところではあったんですけれども、
やっぱり学校に行きたいという言葉がありましたよね。伝えられてますね。
やっぱり教育環境を整えるということ、
あとまた仏教の教えも正しく定着させる、
誤った方向で理解させないという、それを大人が教えていく必要があるのかなと思いましたね。
やっぱり世の中がだんだん多様化してくるから、
価値観の多様化で、他の方、他者とやっぱり接することの大切さ、
そこで自分たちの考え、自分たちの置かれている環境に問題意識を持つってことも、
ひょっとしたら大切なのかもしれませんね。
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今週の深堀でした。
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