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こんにちは。
いろいろお片付けをしておりまして、昔の物語を見つけました。
自分で書いた物語なんですけども、それを朗読したいと思います。
タイトルもね、ついてないので、今ね、たった今決めました。
タイトル、受け継がれていく記憶の中で。
そんな感じにしようと思います。
物語を読む前に補足をしておきます。
時代背景は架空ですけども、ずっとずっと昔。
男は狩りに出かけ、女は植物や木の実を採取する。
そういった暮らしがあったのではないかなと想像するような、そんな昔の物語。
始まりは森の中。
女たちが収穫に夢中になっている。
赤ん坊は大きな葉っぱにくるまれて地面の上に寝かされている。
そのそばで老犬がじっと見守っている。
女たちは夢中になるあまり、どんどんどんどん赤ん坊と老犬から離れていってしまうが、そのことにも気づかない。
そんな場面から物語が始まります。
では、作N受け継がれていく記憶の中で。
それではお聞きください。
ある日、女たちは久しぶりの収穫に時を忘れていました。
赤ん坊と老犬のいるところからどんどん遠くなっていました。
狼なのか野生化した犬なのか、三匹ほど不意に現れたのです。
老犬はずっと立ち上がり、低く唸り、じりじりと前へ進みました。
うまそうじゃないか。
うまい?俺がか。
お前の後ろのやつさ、そりゃ何だい。
人間だ。俺の仲間だ。
お前の夕食かと思ったよ。
それに仲間ったって、お前と少しも似てないじゃないか。
老犬は今まで考えたことがなかったので、少し戸惑いました。
目の前にいる三匹の生き物は、自分に近い姿をしている。
しかし何かが大きく違っていることはわかっていました。
とにかくその人間が俺たちの夕食だ。どいてくれ。
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人間は仲間だ。俺は仲間を守る。
お前の夕食は何だ。
俺たちに近い姿の兄弟よ。
鶏や小さな動物が、人間と同じものを食う。
そうか。そいつらは仲間を守りきれず、お前らに食われたんだな。
なあとにかく、そこをどいてくれ。
そんなうまそうなものは食うためのものだ。仲間とは違うだろうよ。
それともお前、俺たちを騙しているのか。
きっとそうだ。
取ってしまおう。わからない奴らめ。
とうとう噛み合いの戦いになってしまいました。
狼犬はそれこそ奇跡的に動き、噛みつき、決してあきらめたり、しりぞこうとはしませんでした。
女たちが石を投げつけながら走ってきました。
三匹の生き物は山の奥へと去っていきました。
女たちが狼犬を抱きかかえた時、息絶えました。
女たちは変わる変わる狼犬を抱きしめて、丁寧に葬ってやりました。
あの時代はこんなことはよくあったのです。
今はいつの時代なのかはわかりませんが、人間は平らな土地に住み、
あの三匹のような生き物もなく、守るというよりは一緒にいてやり、遊び、話を聞くという方が多い気がします。
もうすぐここの坊やが起きて、僕を呼びに来る時間です。
お話はまた今度。
おわり。いかがだったでしょうか。
どんなことでも構いません。
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青空文庫から好きな文章を取ってきて読むのも楽しいですが、
やはり醍醐味は自分で作ったものを読んでみるっていうのもすごく刺激があって楽しいですね。
また力をためて、エネルギー貯めて作ってみたいと思います。
それでは創作物語の朗読、この辺で失礼します。