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続いては、いよいよ輸送だと思うんですけども、先ほども少しお話ありました。これはトラック?専用のトラックみたいなのがあるんですか?
そうですね。実際には、言ってしまえばトラックなんですけども、美術品を専用に運ぶためのトラックです。
中開いた写真ありますが。
前から見ると開いたのとあります。ちょっとタイプの違う。
公共にてって書いてありますね。
公共に、僕はこれを車でしか履いたことないんですけども。
公共にもちょくちょくちょく行くことがあります。
特殊なのは、一番特殊というか、とりあえず振動が伝わらないように優しい。柔らかいクッションになっているというのがもちろん。
さっき言った温湿度をキープできるっていうのももちろん、荷物代は。
それ以外に、この右の写真で見てもらえば、貨物室ですね。
トラックでいう、荷物を積むところですけども。
美術品用のシートベルト。
後ろで絵であったり、仏像であったり、動かないようにシートベルトがかけられるようにすべて。
細かくキャッチがついてて、作品の大きさに合わせてピタッと留められるようになってます。
後ろで積んだ絵がこけても困るので。そういうことになってます。
一番の特徴はと言いますと、一般的にトラックは荷物を積むために運ぶので、
普通のトラックは貨物優先です。
それこそ運転席を狭めてでも、貨物室を取ろうというのが今の流れです。
たぶん人はこんなんでも、荷物はいっぱい積む。
一度にどれだけ運べるか。
でも美術品に限っては、そんなに大きな車じゃないんですけども、前三分の一以上、人が乗るとこです。
そう言われてみると、なんか広い気もしますね。
後ろに乗れるので、これでたぶん7名ぐらいですかね。
そんなに乗るんですか。
乗車人数が。
で、貨物室はたぶんですけども4メーターぐらい、そんなに大きくないです。
次のこれもそうです。
これも一般的に大きな車なんですけど、前2メーターぐらいは人が乗るためになってます。
というのも、美術品というのは、美術品だけを運ぶわけじゃなくて、
すべてクーリエって呼んでるんですけども、
美術品を監視する人。輸送に関して責任を持つ人。
だからとある美術館から、とあるどこかへ運ぶ。
もちろんいろんな人がいますよ。
持ち主の美術館の館の職員であったりとか、
逆に借りる側、展覧会を開く側の責任者であったりとか、
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あと展覧会を主催する主催者であったりとか、いろんな関係者が乗られます。
作品1点積んで2人乗るってのが別に普通です。
我々の技術的な職員も2、3人乗るので、斜めシートがあっても別に普通です。
そういう世界なんですね。
前ですけどもね、ダ・ヴィンチが京都に来たんですね。
白点を抱く女とか言うんでしたっけね。
そのときはね、1点です。ダ・ヴィンチ、それ大きくない?
あれはジュラルミンでした。さすがにジュラルミンの箱だったけども。
たぶんスーツケースの倍ぐらい、2人で持てます。そんなに重たくない。
まあええですからね。
そのときにね、クーリーへ。なんかわかんないですけど、誰がどんな責任か分かんないですけど、20人ぐらいいました。
1点空港から運ぶのに。
トラックはこんな大きいトラックじゃなくて、もっと小さなワンボックスカーに近いような小さなトラックで運んで、
それに乗れるのは7人で。
あとハイヤー。新聞社が知られたハイヤー。ハイヤーが2台とか3台ついて。
当然どこから来たのか知りませんが、海外から来たんで海外の人もいるし。
たぶん1人じゃなかったと思うんですけども、いろんな人がいて。
道路で見た人が海外の洋人が来たと思います。洋人と言えば洋人ですけど。
あれですよね。7人乗るっていうのは運転席というかその方に乗るんですよね。
荷物のところに乗るわけじゃないんですよね。
よってはね、これに限っては荷物室なんですよね。
だからいいことはドア開けると、「あ、大丈夫かな」って。
そうですよね、やっぱり。
そんな人も、この辺まで仕切ってて、後は後ろは貨物室なので、見て、「あ、大丈夫、大丈夫」って言う人もいます。
気が気じゃないですよね。
まあ乗ってる人もね、たぶん責任感に満ちた人が乗られるので。
何度も乗られたわけですよね、そういう場合に。
結構緊張感あふれる感じですか。
移動中もね、時にね。
トラックを出していただきましたけど、ちょうどお聞きしたかったんですけど、
当然輸送は国内だけとは限らないですよね。
そうですよね。
なのでそもそも国内でも海外でも陸路のところは当然トラックだと思うんですけど、
これは飛行機で海外に運ぶこともというか、飛行機で運ぶのが普通なんですか、船じゃなくて。
飛行機ですね。
飛行機に乗るものは飛行機ですね。
たぶんというか、もう絶対にです。
思ったのが、飛行機の中にもついてくるんですか、クーリエは。
飛行機にもね、ついていきます。
ちょうど空港の写真ですね。
このベルーガのほうは、ドラクロワが来たとき。
98年ですね。
東京に来たときのです。
反対にこの右側のは、自分が一緒にクーリエとして。
これは客車というか、上がお客さんで下が貨物室ということで、
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下に貨物室に入れて、こういったアンテナに収めて、
先のシートベルトをかけるとこまでは確認して、
自分はとことこ乗って、韓国へ行って、
向こうでまた降ろしてというような感じです。
ケースとして多いのは、海外作品。
これは海外からこっちへ来た作品なんですけども。
海外から日本に。
来る作品に関しては、現地では向こうのわれわれみたいな業者が梱包する。
飛行機に積みました。
難民に積んだし、もう少し取りに行ってみたいな連絡があって、
われわれは取りに行くと。
これは成田空港の貨物ヤードなんですけども、そこから引き受けるというようなところが多いですね。
そこから国内輸送になると。
作品は海外のものですけども、
輸送としては国内輸送ということになると思います。
そうすると、今お話を伺ったんですけど、
実際、仮に自分がやることを考えると、
責任の所在というか、どこからどこまでというと、
けっこうきっちりしないと、
届いたときに、やっぱりすでに傷があるかないかとかってチェックするんですか?
そうです。絶対ですね。
例えば国際線にするとしたら、
まずですね、荷物を解くと現状を確認はします。
木の箱に入ってますよね。
木の箱に。これたぶん石の作品なんですね。
だからこんな箱ですけども。
まず見て、これ外人っぽい人、エジプト人かな。
主催者、黄色い上着を着てるのは航空会社の人。
こっちが弊社の職員ですけども、
まず見て、傷があるかどうか。まず確認しますね。
わざわざ木の箱から全部というか、全部は見れないですよね。
空港では見るのは外観だけ見ます。
まず外観を見ます。
中は正直開けられないです。
開ける専門スタッフもいないし、
こんなところで開けると作品が傷むので、
空港では開けたりはしないですけども、
正直このときに傷があったんですね。
これ指差してるんですけども、
ダメージ貨物として外装に傷がある作品を日本側は受け取った。
それをついてきた外人さんは確認してるんでしょうね。
そこでピタッと線引きをして、
ここで確認しておかないと、
後であれ傷ついてとか言われたら、
国内輸送士さん誰やって話になると困るので、
しっかりと確認してもらってます。
これは逆に、返すときも同じことがあるんですよね。
それを一貫して見てるのがクーリエという人が。
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こういう写真見てると今ふと思い出した。
レンタカーを借りるときみたいですよね。
最初にレンタカーの乗り場で借りるときチェックして、
返すときもチェックしてみたいな。
そうですね。まさにそれと同じだと思います。
それも正直言うと自分がチェックするわけじゃなくて、
博物館の方とか美術館の方がチェックされるので、
チェック漏れがないようにと。
もしもそこでミスをすると、
あれ、誰が持ったんとか言われてね。
そうですね。
常にそういうある意味戦いはありますよね。
だからそういうことがないように、一緒に仕事をしてるという、
一体感の中でそういうことがないようには、
たぶん心がけてもらってると思うし、
我々も心がけてると思う。