1. 今夜はヨーすけと語りませんか?
  2. 朗読「ゲイだから、」
2022-07-23 12:21

朗読「ゲイだから、」

映像付きはコチラ→ https://youtu.be/KaTSFXOnSZQ

noteはコチラ→https://note.com/yogurt_suke/n/nb4890d17dcc8

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朗読 ゲイだから、実はゲイなんです。
僕がそう告白した時に驚く人は、 知り合いの中でどのくらいいるだろうか。
ここ数年、メディアでLGBTQプラスという言葉を目にする機会が急激に増え、
巷ではソジという言葉をより積極的に使っていこうとの新しい動きも出てきているらしい。
当事者の一人である僕でさえついていけてないほど、 今の世の中にはセクシャルマイノリティに関連する情報が当たり前に溢れている。
一昔前はひっそりとしていた印象のゲイ界隈も、 ここ数年で一気に変わっていった。
顔を公表して活動している人気のゲイYouTuberなんて人もたくさん存在している昨今。
ゲイなんて初めて見た。本当にいるんですね。 なんて、当事者にとって心ない言葉をかける人は
とても稀有な存在なんじゃなかろうか。 ゲイだから
関係が続く友達を作れなかった過去。 僕は今年で30歳になり、様々なことについてよく考えるようになった。
将来について、 仕事について、
健康について、 親の介護について、
そして、 ゲイとしての自分について、改めて言うが僕はゲイだ。
物心ついた頃からうすうす気づいてはいたけど、 自分がゲイという事実を受け入れることができたのは
ここ数年の話である。それまでとは言うと、 思春期と呼ばれる時期の大半をひどくネクラな思想で
無駄に過ごしてきた自信があるし、 いわゆる青春というものとは無縁の人生を送ってきた。
自分がゲイだということを言い訳に、様々なことを諦め、 努力という文字を辞書に記さないような人生。
自分が何事をも諦めるのは ゲイのせいだと決めつけていた。
そして こんな自分を好きになってくれる人なんていない。
本当のことを打ち明けたら きっとみんな離れていくんだと。
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人間関係についてもないがしろにすることも多かった。 カミングアウトできていたら
今でも仲良くしていたのかな。 小学校の頃から幼馴染だったショウちゃん、フクちゃん、
カツヤマ、クサッピー。 よく遊びに誘ってくれたサッカークラブのみんな。
手紙で謝ってくれたけどひどいことを言ってしまってごめん。 小6の夏に気まずくなっちゃった小島。
卒業した後も手紙のやり取りをしてくれた河本。 中学の頃よくイケメンと言ってからかってきたけど仲良くしてくれたタックン。
漫画家かイラストレーターになってるかな。 からかわれて泣きそうになっていた僕をかばってくれた山本。
いじめられてやめちゃったけど、 もっと一緒に走りたかったな。
陸上部のみんな。 中2で隣の席になって歩み寄ってくれた木下さん。
放課後たくさんの時間を放送室で一緒に過ごした放送部のみんな。 高校の頃ずっと仲良くしてくれてたオタク仲間の佐藤。
生意気で憎めない奴だったけど、 自分を貫いてかっこよかった岡本。
進路について市民になってくれた浅野先生。 なんで入ったんだこいつ。
って思うくらいやる気なかったけど、 一緒に頑張ってくれた生徒会メンバー。
1年で中退したけど付き合いの悪い僕を仲間に入れてくれた 大学で同じグループだった子たち。
ツイッターでバカみたいに朝までつぶやいて、 みんなで規制されまくったカンクラメンバー。
いい声だねと褒めてくれた声部のみんな。 一緒に歌ってくれた歌ってみた仲間のみんな。
絵を描いてもらったことをきっかけに、びっくりするくらい打ち解けた宇田くん。 7-11のオープニングメンバーで一緒に働いたみんな。
初めての正社員雇用を応援してくれたドラッグストアのスタッフさんたち。 謎キャラとして不思議な僕を面白がってくれた無印良品のみんな。
同性同士の恋愛とか全然いいと思うと言ってくれたのに、 とっさに反応できなくてごめん。
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職業訓練校でクラスメイトだったみんな。 無口だったのに退職前に突然喋り出した僕を面白がってくれたアーバンチームのみんな。
果敢に喋りかけてくれた山本さん。 いつでも戻ってきてねと優しく言ってくれたチーフ。
正式なお返事をせずに本当にごめんなさい。 新しい職場に馴染めなかった時に何度も新部署に誘ってくれた藤崎さん。
みんなは今、どんな人生を歩んでいるのかなぁ。 30歳になった今、過去関わってきた人間関係を思い返す中で、
たくさんの人の顔と後悔の念が蘇ってきた。
本当はもっと、もっと仲良くしたいと思っていた人たち。 だけど僕は、
自分の深いところを知られるのが怖くて、 話したらきっとみんな離れていってしまうと思い込んでいて、
関わることから逃げていたんだ。 ただレバーで後悔するなんて、
生産性のないことだとわかっている。 けど最近、よく考えてしまう。
自分がもっと早くに、自分を受け入れていたら、 打ち明けていたら、
疎遠になることはなかったのかなぁと。 30歳になって、
ゲイとかノンケなんて関係ない。 そう思いたい気持ちが強くなった。
人間関係について、最近になってやっとわかったことがある。
それは、自分が思っているほど他人は自分のことに興味がないよ、 ということ。
相手が自分と異なる部分を持っていたとして、 ひどく非難してくる人なんてほとんどいない。
そんな人がもし現れたとしたら、 すぐに距離を取った方がいいということも心得ている。
そして僕自身も年を取ったからか、 以前よりも人の目を気にすることが減った気がしてきている。
今までは、相手がどう思うかとビクビクして、 何事にも躊躇することが多かったけど、
いい意味で、深く考えないで済むようになってきた。 そんなに気にしすぎなくていいんじゃない、と。
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あの人はノンケだから仲良くなれない、とか。 自分はゲイだからおとなしくしなきゃ、とか。
そんなことを深く考えずに、 この人とはもっと仲良くなりたいな、
みたいな、 その時その時の気持ちを大事に生きていきたい。
そう思った30歳の初夏。 しかしまだまだ自分の中では、
他人と深く関われるかどうかはカミングアウトの有無が大きい、 と、自ら壁を作ってしまうような思いを巡らせがちだ。
さらに言えば、相手がゲイの人でも、 この人は仕事バリバリやってそうだから話が合わないかな、とか。
この人はモテるだろうから、俺なんて眼中にないだろうな、 と、思ってしまうこともある。
100%真実の気持ちは、本人にしか分かり得ないものなのに。 そんな凝り固まった考え方も、徐々に変えていけたらいいな、と。
未来の自分に期待を寄せたいと思う。 今までの人間関係について改めて振り返る中で気づいたこと。
自分が踏み出せなかったのは、 ゲイだから、ではなかった。
自分のことを認めてあげられなかったからなんだ、 そう思えただけでも、一歩前進かな。
仲良くなりきれなかった人たちに、今さら連絡しようなんて、 思っているわけではない。
それでも、今後何かの縁が巡ってきて、 また再会することがあったら、
ゲイとかノンケとか関係なく、 目の前の人と過ごす時間を大切にしよう。
簡単なようで難しいことだと思うけど、 30歳になってふと芽生えてきたこの感情を、
焦らず、じっくりと育んでいきたい。
この朗読は、僕が配信しているポッドキャスト番組、 「今夜はヨウスケと語りませんか?」第46回
ノンケの友人との付き合い方の収録後に、 思い巡らせて書いたノートを読み上げたものとなります。
もしよろしければ、ノートの方も合わせて ご覧いただけると嬉しいです。
皆さんにとって、友達とは、人間関係のあり方とは、 どんなものですか?
人によって他人との関わり方、距離感は様々。 そんな十人十色な違いをも乗り越えて、
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今繋がれている友達やパートナー、 家族の存在は特別で、
儚く、とてもありがたいものだと、
僕にとって、そんな大切なことを改めて考えられる、 とてもいい機会になりました。
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