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第11回 民法 第109条〜第118条:代理②(表見代理・無権代理)
2026-08-23 19:28

第11回 民法 第109条〜第118条:代理②(表見代理・無権代理)

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今回は前回(代理①・代理総則)に続き、「代理」の後半(第109条〜第118条)を扱います。相手方が代理権を信じて取引した場合を保護する「表見代理」と、代理権のない人がした行為をどう扱うかという「無権代理」がテーマです。


・代理権を与えたと表示した場合の「代理権授与の表示による表見代理」と、代理人が権限を超えて行為をした場合の「権限外の行為の表見代理」(第109条・第110条)

・本人や代理人の死亡などで代理権が消える「代理権の消滅事由」(第111条)

・代理権が消滅した後の取引を保護する「代理権消滅後の表見代理」(第112条)

・代理権のない人がした契約は本人の追認がなければ効力を生じないという「無権代理」の基本(第113条)

・宙ぶらりんの状態から相手方を守る「催告権」と「取消権」(第114条・第115条)

・追認すると契約時にさかのぼって有効になる「無権代理行為の追認」(第116条)

・代理人と称した本人ではなく、その人自身が履行または損害賠償の責任を負う「無権代理人の責任」(第117条)

・取消しや解除など、相手のある単独行為に無権代理があった場合の扱い(第118条)


条文を読み上げたうえで、それぞれのポイントをやさしい言葉で解説しています。

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民法明治29年法律第89号の学習エピソードです。 本エピソードの音声は、音声合成AIにより生成されています。
第109条 第1項
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、 その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした。
行為についてその責任を負い、ただし第三者がその他人が代理権を与えられていないことを知り、
または過失によって知らなかった時はこの限りでない。 第2項
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、 その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば、
全項の規定によりその責任を負うべき場合において、 その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をした時は、
第三者がその行為についてその他人の代理権があると、 信ずべき正当な理由がある時に限りその行為についての責任を負い。
第109条 第1項
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、 その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした。
行為についてその責任を負い、ただし第三者がその他人が代理権を与えられていないことを知り、
または過失によって知らなかった時はこの限りでない。 第2項
第3者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、 その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば、
全項の規定によりその責任を負うべき場合において、 その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をした時は、
第三者がその行為についてその他人の代理権があると、 信ずべき正当な理由がある時に限りその行為についての責任を負い。
第109条のポイントです。 表権代理の一つ目のパターンです。本人が実際には代理権を与えていないのに、
第3者に対してあの人に代理権を与えましたと表示してしまった場合、 その表示した範囲内でその人がした行為について本人が責任を負います。
ただし相手方が代理権のないことを知っていたか、不注意で知らなかった時は別です。 さらにその人が表示された範囲を超える行為をした場合でも、
相手方に代理権があると信じる正当な理由があれば同じく本人が責任を負います。 嘘でも代理権ありといった以上、本人にも一定の責任が生じるという規定です。
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第110条 全条第一項本文の規定は代理人がその権限外の行為をした場合において、
第3者が代理人の権限があると信じる正当な理由がある時について順序する。
第110条 全条第一項本文の規定は代理人がその権限外の行為をした場合において、
第3者が代理人の権限があると信じる正当な理由がある時について順序する。 第110条のポイントです。
表権代理の2つ目のパターンです。 今度は最初から何らかの代理権を持っている代理人が、その権限を超える行為をしてしまったケースです。
相手方がこの代理人にはこの行為をする権限があると信じる正当な理由があった時は、第109条と同じように本人が責任を負います。
世間で権限外の行為の表権代理と呼ばれる、実務でとても重要な規定です。
第111条 第1項
代理権は次に掲げる自由によって消滅する。 第1号
本人の死亡。 第2号
代理人の死亡または代理人が破産手続き開始の決定、もしくは公権開始の審判を受けたこと。 第2項
委任による代理権は前向覚悟に掲げる自由のほか、委任の終了によって消滅する。 第111条
第1項 代理権は次に掲げる自由によって消滅する。
第1号 本人の死亡。
第2号 代理人の死亡または代理人が破産手続き開始の決定、もしくは公権開始の審判を受けたこと。
第2項 委任による代理権は前向覚悟に掲げる自由のほか、委任の終了によって消滅する。
第111条のポイントです。 代理権がなくなる場面を整理した規定です。
まず本人が死亡した時、そして代理人が死亡した時、または代理人が破産手続き開始の決定や公権開始の審判を受けた時に代理権は消滅します。
これに加えて委任によって生じた代理権は、委任契約そのものが終了した時にも消滅します。
人の生死や能力の変化、契約の終了が代理権の運命に直結するということです。
06:01
第112条 第1項
他人に代理権を与えた者は代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした。
行為について代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負い、
ただし第三者が過失によってその事実を知らなかった時はこの限りでない。
第2項 他人に代理権を与えた者は代理権の消滅後に、
その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば、
全項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をした時は、
第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由がある時に限り、
その行為についての責任を負い。
第112条 第1項
他人に代理権を与えた者は代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした。
行為について代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負い、
ただし第三者が過失によってその事実を知らなかった時はこの限りでない。
第2項 他人に代理権を与えた者は代理権の消滅後に、
その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば、
前項の規定によりその責任を負うべき場合において、
その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をした時は、
第三者がその行為についてその他人の代理権があると、
信ずべき正当な理由がある時に限り、その行為についての責任を負う。
第112条のポイントです。
表権代理の3つ目のパターンで代理権が消滅した後の話です。
代理権を与えていた人は代理権が消滅したことを知らなかった第三者に対して、
消滅前と同じ範囲の行為について責任を負います。
相手方に過失があって知らなかった場合は別です。
さらに消滅した代理権の範囲を超える行為であっても、
相手方に代理権があると信じる正当な理由があれば同じように責任を負います。
もう辞めた代理人との取引でも、本人の責任が残ることがあるという規定です。
第113条 第1項
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、
本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生じない。
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第2項 善行の追認
またはその拒絶は相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。
ただし相手方がその事実を知った時はこの限りでない。
第113条 第1項
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、
本人がその追認をしなければ本人に対してその効力を生じない。
第2項 善行の追認
またはその拒絶は相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。
ただし相手方がその事実を知った時はこの限りでない。
第113条のポイントです。
ここから無権代理の規定です。
代理権を持たない人が他人の代理人として結んだ契約は、本人が追認、つまり後から認めない限り本人には効力が生じません。
この追認や追認しないという拒絶の意思表示は相手方に対してしなければ相手方に主張できません。
ただし相手方がその事実をすでに知っていた時はこの限りではありません。
無権代理は本人の意思次第で有効にも無効にもなる。
チューブラリンの状態だとイメージしてください。
第114条
前条の場合において相手方は本人に対し相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを格闘すべき旨の再告をすることができる。
この場合において本人がその期間内に格闘をしない時は追認を拒絶したものとみなす。
第114条
チューブラリンの状態のままだと相手方が困るので相手方は本人に対して相当な期間を決めて、その期間内に追認をするかどうかを格闘すべき旨の再告をすることができる。
この場合において本人がその期間内に格闘をしない時は追認を拒絶したものとみなす。
第114条のポイントです。
無権代理の相手方を守る再告権です。
チューブラリンの状態のままだと相手方が困るので相手方は本人に対して相当な期間を決めて、追認するかどうかその期間内に返事をしてくださいと再則できます。
もし本人がその期間内に返事をしなければ追認を拒絶したもの、つまり無効とみなされます。
待望権を防ぐための制度です。
第115条、代理権を有しない者がした契約は本人が追認をしない間は相手方が取り消すことができる。
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ただし契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていた時はこの限りでない。
第115条、代理権を有しない者がした契約は本人が追認をしない間は相手方が取り消すことができる。
ただし契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていた時はこの限りでない。
第115条のポイントです。今度は相手方の取り消し権です。
無権代理でされた契約は本人が追認をしない間であれば相手方の側から取り消すこともできます。
ただし契約をした時点で相手方がこの人には代理権がないと知っていた時は取り消しはできません。
事情を知らずに契約してしまった相手方を守るための制度です。
第116条、追認は別段の意思表示がない時は契約の時に遡ってその効力を生ずる。
ただし第三者の権利を害することはできない。
第116条、追認は別段の意思表示がない時は契約の時に遡ってその効力を生ずる。
ただし第三者の権利を害することはできない。
第116条のポイントです。追認をするとどの時点から効力が生じるかというルールです。
特に別の定めがなければ追認は契約をした時に遡って効力を生じ最初から有効な契約だったことになります。
ただし遡った結果すでに生まれていた第三者の権利を害することはできません。
過去に戻る効果にはきちんと歯止めがかけられています。
第117条、第1項、他人の代理人として契約をした者は事故の代理権を証明した時、
または本人の追認を得た時を除き、相手方の選択に従い、相手方に対して利好または損害賠償の責任を負い、
第2項、全項の規定は次に掲げる場合には適用しない。
第1項、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていた時、
第2項、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかった時、
ただし他人の代理人として契約をした者が事故に代理権がないことを知っていた時はこの限りでない。
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第3項、他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていた時、
第117条、第1項、他人の代理人として契約をした者は事故の代理権を証明した時、
または本人の追認を得た時を除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行または損害賠償の責任を負い。
第2項、全項の規定は次に掲げる場合には適用しない。
第1項、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていた時、
第2項、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかった時、
ただし他人の代理人として契約をした者が事故に代理権がないことを知っていた時はこの限りでない。
第3項、他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていた時、
第117条のポイントです。
無権代理をした本人ではなく代理人と称した人自身が大責任です。
他人の代理人として契約をした人は自分に代理権があったことを証明できた時や本人が追認してくれた時を除き、
相手方が選ぶ方法で契約通りの履行をするか損害賠償をするかの責任を負います。
ただし相手方が無権代理だと知っていた時、相手方が不注意で知らなかった時、
本人でない者が自分に代理権がないと知っていた場合を除く、
そしてその人自身が制限行為能力者だった時はこの責任を負いません。
嘘をついて代理人を名乗った人への重い個人責任のルールです。
第118条
単独行為についてはその行為の時において、
相手方が代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、
またはその代理権を争わなかった時に限り、
第113条から前条までの規定を順用する、代理権を有しない者に対し、
その同意を得て単独行為をした時も同様とする。
第118条
単独行為についてはその行為の時において、
相手方が代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、
またはその代理権を争わなかった時に限り、
第113条から前条までの規定を順用する、
代理権を有しない者に対し、その同意を得て単独行為をした時も同様とする。
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第118条のポイントです。
ここまでの無権代理のルールは契約を前提にした話でしたが、
この条文は相手のいる意思表示だけで完結する単独行為、
例えば取り消しや解除のような行為に無権代理があった場合の扱いです。
行為の時点で相手方がこの人には代理権がないと同意していたか、
代理権があるかどうかを争わなかった時に限り、
第113条から第117条までの規定が順用されます。
相手方の同意を得て単独行為をした時も同じです。
契約より相手方の保護を厚くする趣旨の規定です。
本日の学習はここまでです。
条文出典、E5法令検索、https://eros.e-gov.go.jp/.
本コンテンツは法律学習および条文理解の補助を目的としています。
法的助言ではありません。
実際の判断は必ず最新の条文および専門家にご確認ください。
解説は独自に作成したものであり、条文の引用元はE5法令検索です。
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