心頭滅却の教え
はい、1240、5回に1回シミポタとは離れた話もさせていただいていますが、本当に連日暑い暑い日々が続いておりましてですね、
なんかこの言葉がですね、頭をめぐって離れないんですけども、それは何かというとですね、
心頭滅却すれば、火もまた涼しい。
聞いたことあるでしょうか。心頭というのは心と頭と書きますが、滅却すれば火もまた涼しいというね。
これ調べてみますと、中国の詩人というか、絵の方が歌で歌った言葉に由来する、
唐の時代の話、格言だそうでございまして、ご存知の通り、心を無の境地に至らせれば、
どんな苦痛や困難も感じなくなるという意味合いでございましてね。
あまりにも暑いんですけど、心頭滅却すると火も涼しくなるっていう、
無の境地に至る雑音をすべて取り払うみたいなね、意味なんですけど、
暑いよね、でもね、どうやっても暑いんです。
言葉をこうやって取り扱ってると面白くてですね、
心頭というのは心の中とか胸の内を指してですね、滅却というのは何も残らないように、
すべてなくす、消し去るという意味だそうでございます。
だから同じような言葉で、明鏡止水、邪念がなく澄みきった心境のことを明鏡止水と言いますし、
無念無相、一切の雑念がなく無我の境地であることを無念無相という4文字熟語でありますが、
同じような意味かなというふうに思います。
これ心頭滅却すれば火もまた涼しくなる、今言った無念無相も明鏡止水も、
雑念がなく、邪念がなく、すべて消し去るみたいな意味なんですけど、
無理ですね、これね。
人間である限り、その雑念を、煩悩をすべて消し去るということはできないのでございまして、
これは仏教でも解いてますけどね、煩悩を消し去ることはできない。
煩悩を消そうと思って修行するのが仏教の教えの一つではあるんですけど、
それは小乗経と言いまして、少しの人しか救えない教えで、
さらにその上の大乗経という教えでは煩悩は滅却できないということを教えるわけです。
じゃあどうするかというと、その煩悩、いわゆる雑念や邪念も薪にしてですね、
次の炎、エネルギーにするっていうね、そういう変化というか仕方を教えるわけなんですけど。
暑いとね、いろいろ考えてしまいます。
皆さん、心頭滅却できるでしょうか。