簡単に自己紹介からさせていただくと、私はユネスコの文化局、いろんな局があるんですけど、ユネスコって国際教育科学文化機関っていう2本目だとちょっと長い名前なんですけれども、その中の文化を担当している部局の中の世界遺産を担当している世界遺産センターというところがあるんですけれども、そこで今仕事をしています。
ユネスコに入ったのは、2017年のちょうど9月の終わりぐらいなので、今8年目に入ったところですかね、ちょっとカウントがわからなくなってきたんですが、8年ぐらい今ユネスコの方に勤めて、ずっと世界遺産の仕事をさせていただいています。
きっかけというのは、もともと外務省の方で、皆さんちょっとご存知かわからないんですけれども、ジュニアプロフェッショナルオフィサー、JPO制度という制度がありまして、どういう制度かというと、やっぱり日本って世界の中で見ても国連に対するお金、拠出金って言うんですけれども、それを払っている額が世界でも非常に高いんですけれども、なかなかそれに対して国連の職員の人数が足りていないという、
ことがずっと続いてまして、やっぱり国連ってどうしても入り口、なかなか競争試験をもちろん各ポストに基本応募する形になるんですけども、なかなかやっぱり応募してすぐに入るっていうのがなかなか正直厳しいっていうのが現実で、それを少しでも日本人の職員の割合を増やすという一環で、
日本の外務省の方が35歳以下、若手って言われるんですけど、35歳以下の人を2年間、最初の2年間、日本の政府のお金で国際機関に送って、そこで頑張って正規なり、そのまま引き続き国連機関で働けるようにするという制度がありまして、
私がそれに、35歳ギリギリ手前で応募をしまして、それでこちらに来たというのがきっかけになります。もしご関心があれば後ほどもっとお話できればと思うんですけれども、
今、世界遺産の世界遺産条約っていう、世界遺産を守るための国際条約っていうのがあるんですけれども、世界遺産センターというのは、そこの事務局、世界遺産条約に加盟している国が196カ国。
これは世界いろいろ国際条約ありますけど、一番最も加盟、契約国って言いますが、世界遺産条約に入っている国、他の条約見ても一番多いのが世界遺産条約になります。
実はユネスコ、今そこに全部、後で外に一緒に行ければと思うんですけれども、そこに全部ユネスコの加盟国の旗、今194カ国そこに並んでるんですけれども、ユネスコの世界遺産条約の方が実は多いんですね。196、2カ国多いんです。
どこが多いかというと、一つはイスラエル。ユネスコから実は脱退をしてるんですけれども、ユネスコ自体から脱退してるけれども、世界遺産条約には引き続き入ってるんですね、イスラエル。
あとはバチカン四国も世界遺産条約だけの加盟国になるので、ほとんどユニバーサルラティフィケーションと言われるんですけれども、世界遺産条約はほぼほぼ世界、すべての国が加盟しているという意味で、非常にそういった意味で本当にユニバーサルな、みんなが入っている、世界のほとんど、すべての国が入っている条約っていうのがまず一つ大きな特徴かなというふうに思います。
あとですね、皆さん多分ニュースとかで見られてると思うんですけど、アメリカが、トランプ大統領が残念ながらまた脱退するという表明をされて、まだ実際脱退しますと言ってからしばらく時間が置かれるので、まだユネスコには入っているので、まだ旗はある、後ほど見ていただければと思うんですけど、あるんですけれども、来年の2026年の12月にはもうその旗が、もうアメリカが脱退とともに撤去されることになるので、
皆さん今、まだアメリカが旗があるうちに、ちょっとぜひ後で見られてください。
そうですね、世界遺産のお話ももしご関心があったらできればいいなと思うんですけれども。
じゃあちょっと私のまず仕事、普段の仕事内容をお話しすると、世界遺産センターで、世界遺産って皆さんどういうイメージ、どういうイメージというか、どういう、世界遺産と言うとどういう、
あ、綺麗。
タリの皆さんが行かれた聖の火山も世界遺産なんですね。フランスはもう、
じゃあちょっと世界遺産を説明しつつ、質問を聞いていただいて、後で守らないといけないイメージ。
世界遺産を行ったことは日本とかありますか?
ちょっと本当に簡単に概要なので、質問あったらどんどん途中で止めて質問されてください。
皆さんにとって世界遺産とはっていう質問、今本当に言っていただいたんですけれども、
そうですね、私、いろいろ定義っていうものはあるんですけれども、
それを一番エッセンスをまとめると、私は世代を越えて、
さっきずっと昔からっておっしゃいましたけど、世代を越えてずっと昔から将来の世代に向けて、
世代を越えて守り続けていくべき、本当にたけがえのない人類共通の宝物っていうのが、
いろいろ私も考えた中で、これが一番わかりやすく、日本語で言うとわかりやすいのかなと思って書かせていただいたんですけれども、
世界遺産、そこに住んでる人たちにとってはもともとずっと宝物かもしれないですけれども、
世界遺産になった時点で、それは世界遺産条約に加盟している定額国にとっては、
自分の国になくても、世界遺産になった時点でそれを守る義務というものが生じます。
なので、本当に世界遺産のリストっていうのがあるんですけれども、それに入った時点で、
もうそれは世界全ての国で守っていく義務というのが生じて、いろいろ決め方とかも、もしご関心があったら説明しようと思うんですけれども、
本当に世界どこ探しても唯一無二の価値があるものしか世界遺産になれないので、
もうそれが失われるともう世界のそこからその価値が消えてしまう。そういう本当にものというので、
今、さっき196カ国加盟している定額国があると言いましたが、
現時点で世界の170カ国に1248の世界遺産があります。これ、もしよかったら、地図なのでよかったら、
これ、後で見ていただけたらと思うんですけれども、毎年基本1年に1回この世界遺産委員会っていうのが開かれるんですけども、
これ本当はブルガリアで開催される予定が急遽ちょっといろいろ政権交代とかの関係で急遽パリで、
今年の7月に開催されて、これが本当に今年、直近の世界遺産委員会で、後でちょっとお連れできればと思うんですけど、一番大きな会議場でこれが7月に開催されたので、
ちょっと後で皆さんもぜひその場を見ていただきたいと思うんですが、世界遺産委員会というのが、定額国が196なんですけれども、その中から選ばれた21カ国が、
世界遺産委員国っていう21カ国がありまして、基本その21カ国がメインというかなんですけれども、その他の国々もオブザーバーという形で、
一応発言権はあります。ただ、基本意思決定に関しては、世界遺産委員国で選ばれている国が各地域ごとに選ばれているので、
その地域の総意を代弁して伝えたりとか、必ずしも自国の利益に基づいてではなく、そこの地域の意見をまとめてそれを伝えるという形で、
一応その21カ国がメイン。前の方に座っている国が、この辺に座っているのが全部委員国で、その後ろが基本オブザーバーの国で、さらにNGOですとか、
最近は先住民の人たち、結構先住民の人たちのずっと守っている場所っていうのも世界遺産でたくさんあって、
その人たちの意見をもっと尊重していかないといけないという風潮が、さらにここ最近近年すごく強まっているので、発言とかも先住民の代表の人たちがされたりとか、そういうのも会議中にあります。
多分それも条約によって結構違ってくると思うんですけれども、世界遺産の分け方というのが、まずアジア太平洋が一つあって、
アフリカがあって、あと南米カリブが一つあって、
北アフリカのほうと、あとイランはアジアに入ります。
イランから中東、あと北アフリカ、中東が一つの区切りになっていて、あとヨーロッパと北米が一つの区切りになって、
実はその来週の月下で2年に1回、世界遺産条約の総会というのが開催されるんですけれども、
それが来週の、2年に1回の総会が来週ここで20月下ありまして、そこで半分ぐらいの委員国がまた選ばれ、
任期が4年なんですけれども、それの大体半分近くがもう1回改選されるので、ちょっとまたそこで21カ国の入れ替わりがあるんですけれども、
今、日本もちなみに委員国になっていて、大体結構アジアでいうと、日本、韓国、中国が大体順番に、
暗黙の両方で大体どこか必ず入っている感じで、ただ今はちょっとイレギュラーで、
今、日本と韓国両方委員国になっている状態なんですけれども、多分今年日本が出るので、また新たに別の国が入ってくるという形で、
結構その辺の知性学的な、そういう力関係とかも結構いろいろ見えてくるので、ちょっとそういったところが面白かったりします。
そうですね、これが今年あった世界産委員会。なので、よく世界産ってユネスコが決めるんでしょって言われるんですけど、実はユネスコ、私たちはあくまで事務局で、
条約に入っている国の人たちをサポートする立場なので、意思決定は国なんです。この世界産条約に入っている、この世界産委員の21カ国が基本、
世界産推薦されたものに対して、まずもちろんその簡単にプロセスを説明する国が、それぞれの国が推薦をして、それに対して専門家、諮問機関って言うんですけれども、文化と、あと自然。
説明しますが、文化遺産、自然遺産、両方あるんですけれども、それぞれの専門機関が行って審査をして、最終的にその結果を委員国に伝えて、それをもとに国、最終的にだから決めるのはこの国、21カ国の人たちなんですが、
本来であればやっぱり専門家の意見がそのまま尊重されるべきではあるんですけれども、最近の傾向として、どうしてもやっぱり世界産、ここにいる人たちも国を、やっぱりずっと世界産になるって本当にすごい大変な、何十年も下手するとかかるぐらいの大変なプロセスで、やっぱり地元の期待だとか、
いろんな人たちの期待を背負って、皆さんここに来られているわけで、ちょっとやっぱり専門家がうーんっていう、4段階評価があるんですけれども、ちょっとこれはっていうのでも、最近は本当にご了承って言ったら、あの言い方が悪いかもしれないですけれども、いやこれはやっぱり価値があるっていうのを、もう委員国が寄ってかかって、発言をして、最終的に専門家の意見に反して登録されるっていうケースが、
ちょっと最近やっぱり増えてきていて、やっぱりそういうのって、何かしらの課題を抱えて登録をされるわけで、事務局としてで、ちょっとすみません、前後するんですが、私はその先ほどいろいろ地域言いましたけど、その世界産条約の世界産センター、事務局のセンターの中で、
推薦、世界産になる前の案件を担当する部署、推薦の担当部署と、あと大きく、一番大きなパートはモニタリング、世界産になった後に、その世界産の価値を維持し続けるためのモニタリングをするっていうのも私たちの大きな仕事の一つで、それが各地域ごとに分かれていて、私はアジア太平洋課、
というところに所属していて、アジア太平洋の世界産になった後のモニタリングを主に今担当してるんですけれども、やっぱり最近、まだ準備が整ってなかったり、価値がちょっとあやふやだったり、いろいろ開発、
例えば、世界産、例えば自然遺産でなったけれども、そこで採掘が行われていて、もうすでに価値を守るための状況に、そこがちょっと怪しいっていうところも世界産になっちゃったりしているので、それのフォローアップが実はどんどん負担が今大変、
だっていう、ちょっとあまりオープンには言えないかもしれないんですけれども、ちょっとどんどん正直そういうので、事務局とか専門家のその後々のフォローアップの負担が結構増えてきているという現状もあります。
すみません、ちょっと元に戻りますが、今、3つ世界産種類が大きく分けるとあって、文化遺産、皆さんこれどこかわかりますかね、イギリスのストーンヘンジ、また自然遺産、235で、数的には少ないんですけど、面積的にはもっと大きくなりますね、文化遺産より。
これはネパールの一番高い山に入った坂井正国立公園というところですね。
復興遺産というのは、数的には少ないんですけど、本当に文化、自然の両方の、本当に顕著な普遍的価値で、ちょっと難しい言葉になるんですけど、本当にもうそこにしかない文化と自然の両方の価値があるものって認められたものが復興遺産というんですが、これはどこかわかりますかね。
南米のマチュピチューが結構一番代表的な復興遺産になります。その中の3つが大きなカテゴリーなんですけれども、文化的景観という、さらに下のサブカテゴリーみたいなのがあって、
例えばこれは中国のハニーというところの、ハニー族の棚田なんですけれども、こういうふうに自然と文化、必ずしも復興遺産とは認められてないんですけれども、本当に人と自然、やっぱり切り離せないんです。文化ってやっぱりそこの自然があってこそ、ずっと
どんどんどんどんその形で発展してきたっていうのもありますし、やっぱりどうしてもなかなか自然文化って切り離せないような場所、本当にこれはその代表だと思うんですけども、これも本当何千年もかけて、ずっと先住民の人たちが作り上げてきた景観、日々の生活の積み重ねでできた場所っていうのも結構世界遺産には多くて、
アジアだと棚田とか、あとフランスとかだとワイン畑とかも、ブドウ畑とかもそうですけど、結構そういったので文化的景観といったカテゴリーもあって、このロゴ、これが世界遺産条約のロゴになるんですけれども、これ本当に結構環境の条約とかある、文化の条約とかそれぞれあるんですけども、世界遺産で条約でユニークなところは、
本当に文化と自然両方扱っているっていうのは本当に他にない条約で、これがその丸がですね、自然、この自然な形を、自然を表していて、この四角が文化、ちょっと人工的な形で文化って、これが世界遺産条約のロゴなんですけど、まさにこの文化と自然の両方を扱っているっていうのが世界遺産条約になります。
で、日本って大体いくつぐらい世界遺産あるかってみんな、皆さんご存知ですか?すごいです。はい、26。26です。
一番最近は茶道の金山が一番新しい文化遺産なんですけれども、自然遺産はもうできたみたいで、日本的にはもうこれ以上自然遺産は推薦しないという意向みたいなんですけども、もしかしたらこれから文化遺産で来年、
アスカが推薦、そうですね、来年ですね。来年の7月にアスカが文化遺産になるかどうかっていう審議がされるので、ちょっと皆さんもニュースに注目して見ててください。これ皆さんわかるかな、大体どういう、わかりますか。
ちなみに富士山って文化遺産か自然遺産かどっちか。
富士山、2013年に登録をされました。富士山にサブタイトルがついて、信仰の対象と芸術の厳選というのがついているんですけれども、ある意味皆さん正解で、もともと富士山は自然遺産として推薦をされました。
そこで専門家の審査とかが入ったんですけれども、そこで富士山に自然環境とか地形的なものから言うと、富士山に似たような場所は世界の他の場所にもあるので、これは世界で一つの価値ではないという専門家の評価だったんですね。
残念ながらちょっと自然遺産では難しいという結果が専門家の方から伝えられて、日本政府はそれでもちょっと、でも富士山はやっぱり日本人としてもやっぱり大事なシンボルだし、これ皆さん浮世絵ですね。
これもですね、ゴッホの絵がそこのロダン美術館ですぐユネスコの近くの美術館に飾られているものなんですけれども、やっぱり日本だけではなく世界にもすごい影響を与えていたというところで、出し直したところ、そこに関しては評価をされて、2013年に文化遺産として登録をされました。
なのでちょっとそういったところで、そうですね、なかなか結構最近も数が増えているので、なかなか新規に価値を認められるっていうのが難しくなっているのが現状で、ちょっとひとひねり、ふたひねりしたものが結構世界遺産としても増えてきているのかなという気がします。
フランスは54位あります。世界今4位です。ちなみに世界1位はイタリアの61位。今イタリアと中国はずっと競ってるんですけれども、中国が今60位。
フランスは4位になります。
ここもパリの聖ヌカガンっていう世界遺産の一部ですし、あとは先ほどおっしゃったモンサンミシェル。これはパリからもうすぐ近くなんですけれども、マリー・アントネットの住んでいた。
ここはブルゴーニのワイン畑も世界遺産ですし、これは複合遺産、ピレネ山脈で、これは自然と文化、ずっと羊を飼って、話して、やっぱりそこに独特の文化っていうのができているので、自然と文化の両方とも、
自然と文化の両方の価値が評価されて、複合遺産になっていて、かつスペインとフランスの国境などで両方、フランスだけではなくて、これは越境遺産というんですけれども、国境をまたがる世界遺産の例の一つです。
こちらはちょっと面白いんですけれども、ローマ時代のお風呂、これ最近スパ、これフランスもその一つ、7カ国が共同で出した世界遺産で、オーストリア、チェコ、イギリス、ドイツ、ベルギー、フランス、イタリアの7カ国がローマ時代のお風呂で登録をして、これがフランスのVCという場所なんですけれども、
ちょっとそういう一風変わったというか、1カ国5カ国だとなかなか難しくなってきているので、結構他のいくつかの国が一緒に推薦を出すというケースも最近では結構増えてきているのも面白いかなと思います。
これも全体の数だと1なんですけれども、各国の数を見るときはそこが複数カウントされている形で。
これもちょっと面白いその越境遺産、これは越境に限らずさらに大陸を超えた面白い例なんですけれども、ここわかります?
そうです。国立上野の西洋美術館ということです。これはルコールビジュエティで、スイス人の建築家の方が建てたもので、こっちはサボアテで、これも本当にここから1時間かからないぐらいの、ベルサイユの北の方にあるファッシーという小さな町にあるサボアテというのも世界遺産になっていて、
これに関しては本当にこれもそうですね、7カ国、フランス、日本含めて、あとアルゼンチンとかインドとかそういったところもこのルコールビジュエさんが作った建築があって、それを全部まとめて1つの世界遺産というふうになっていて、これもちょっと面白い例かなと思って挙げさせてもらいました。
世界遺産条約の採択、数年前に50年記念をちょうどコロナ中だったんですけれども、やってたんですけれども、世界遺産条約っていうのは結構歴史も遡って1972年に採択を、これもなので後で皆さん行く部屋の昔ですね、本当にまさにここの場所で世界遺産が1972年に採択をされました。
で、今先ほど言いましたが、提案国に関しては196なので、世界で見ても本当に非常に一番提案国の数の多い条約になっています。
で、先ほどからお話ししていますが、世界遺産条約の目的っていうのは結構日本だともう推薦で、世界遺産になりましたわーで大きなお祭り騒ぎみたいなところだけが取り上げられているかと思うんですけれども、大きく5つの目的というのがあって、まずはちょっとこれ難しいんですけれども、どういうものが世界遺産になるかというと、このoutstanding universal valueと英語では言って、日本語ではちょっと顕著な普遍的な感じで
訳されていてちょっとなんじゃっていう感じのところもあるんですが、本当に簡単に言うと本当にそこも世界的に見て、もう本当にそこだけにしか価値がないもの、唯一そこに価値があるものだけが世界遺産のリストに乗るわけですが、目的としてはまずは認定する。
もちろんまずはその世界遺産として認められることが第一ステップなんですけれども、実はそこからが本当に大切で、実際世界遺産になった価値をいかに後世にわたって守っていくか。
なので、保護する、保全する、あとはやっぱり価値っていうのもわかってないとその守ろうっていう気持ちは起こってこないわけで、それをいかにわかりやすくみんなに伝えていくかっていうのも非常に世界遺産条約の大事な目的の一つとなっていて、あとは最終的な目標というのが次の世代に伝えていく。
それを守って伝えていくって先ほど皆さんもおっしゃってましたけれども、私はそこが一番大事なところかなっていうふうに思って日々仕事をしています。
誕生の目的、ちなみに先週ユネスコの新しい事務局長が選挙がありまして、前の事務局長を8年間勤めて新しい事務局長が先週決まったんですけど、エジプトの次の方になって、元文化大臣の方なので、これからちょっといろいろそういうところでもユネスコの元エジプトとか目立ってくるところがあって、
目立ってくるところがあるかなと思うんですが、もともと辿るとこのユネスコのヌビア遺跡、アブシンベル神殿って聞いたことありますかね。
これちょっと興味深いのでビデオを見ていただけたらと思うんですけれども、これアスワンハイダムって聞いたことありますか、エジプトスーダンの方にできた、ちょっとこれ英語になりますが、ちょっとこれまず見ていただきたいなと思います。
これがアスワンハイダムでその水没の危機にあったこのアブシンベル神殿を救済キャンペーンをユネスコが1960年代に行ったのがきっかけです。
これダムを作ることで水没の危機にあったものを本当に世界中の科学者とかいろんな人が協力してお金に関してはいろんな国が日本もすごく貢献をしているんですけれども、国際キャンペーンを主導したのが当時ユネスコで、
これをきっかけに世界の遺産、世界人類の遺産はみんなで守っていきましょうっていうこの機運が高まった、これで力を合わせるとみんなで山だって動かせるって最後メッセージがあったんですが、
この水没キャンペーン、先ほどちょっと最初の方を見ていただいたかと思うんですけれども、本当に1万6千ぐらいのピース、手作業で全部切り分けて、それを水没、ダムやっぱり経済発展のためにはどうしても水力発電、電気とか、農業のためにも水が必要で、ダムの建設は必要だったけれども、
ずっと昔からの遺産は守らなければならない。ただ、エジプトの国の力だけだったらそれは無理だということで、先ほど見ていただいた通り、本当にこの水が来ても沈まれないところに本当にもう切り分けて移動したんですね。
本当にそんな不可能なことも、いろんな国が協力してやり遂げたっていうのがやっぱり大きな投資になって、人類の遺産はみんなで守っていこうっていうので、この1960年のキャンペーンがきっかけで1972年の世界産条約の採択につながったっていう、実はストーリーがあって、それはちょっと皆さんにも見ていただきたいなと思って。
それが世界産の大きなメッセージなんですけれども、これ後でちょっと皆さんにお連れする。ユネスコとしても、やっぱり大きなところっていうのは、平和、やっぱり戦争とか、やっぱりいろいろお互いいがみ合いとかがあるけれども、
その文化、教育、科学の力で平和を築いていきましょうっていうのがユネスコの一番大きなミッション。世界産に限らず、他に教育関係の仕事もありますし、自然化学をやってる部署もありますし、みんなそれぞれやってることは違いますけれども、大きなことを言うと、やっぱり平和を作っていこうっていうので、これがユネスコが作られたときの、
ユネスコの憲法みたいなものの前文なんですけれども、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならないっていう、これ後でちょっと皆さんにも見ていただきたいと思うんですけれども、
ここがユネスコの大きな、世界産ももちろん繋がりますけど、ユネスコ全体の仕事に繋がる大きな根底にある部分になるかなと思います。
世界産に関しても、いろいろ今、本当にいろんな危機に瀕しているものがあります。もちろん戦争もそうですし、ウクライナも、ウクライナもロシアとの戦争が始まってから、いくつか緊急対応として世界産に登録されたものがあるんですけれども、それはやっぱり戦争に対して守らなければならないというので、
特別にというか、通常の審査過程をちょっと短縮した形で、世界産に登録されたものがウクライナにもあるんですが、戦争もですし、あとは結構最近本当に大きな問題になっているのが気候変動。
やっぱり一番大きな影響を受けているのは自然遺産、例えばグレートバリアリーフとオーストラリアに大きなサンゴ礁が本当に宇宙からも見える、ちょうどここですね、あるんですけれども、そこもやっぱり気候変動、地球温暖化でサンゴ礁が今たくさん死んでしまっていて、
そこで世界産の中に危機遺産という、特に世界産の中でも危機に瀕している危機遺産リストというのが別にあるんですけれども、今53、それが危機遺産リストに入っているものがあるんですけれども、
グレートバリアリーフに関しても、今サンゴ礁が本当にたくさん死んでしまっていて、世界産、ただオーストラリアとしては危機遺産リストには入れると、やっぱり危機遺産リストでどうしても危機遺産リストに入っちゃうと恥ずかしいという国がやっぱり結構あって、
ただ危機遺産の目的っていうのは、危機をみんなで共有することで、みんなで危機に対して解決していきましょうという目的なんですけれども、やっぱりどうしてもイメージが悪いというか、そういう恥ずかしいという意識が強くて、オーストラリアに関しても来年の審議で危機遺産リストになるべきかならないべきかという議論があるんですが、
今オーストラリアがもうすでにかなり断固として危機遺産リストには入れさせないという、結構もう圧力がすでにこっちに来ていて、ただもちろん危機遺産リスト、気候変動とかだと本当に一刻で何かできるものでもない、だし短期間で解決できる問題でもないっていうところがあって、
そういった問題はどういうふうに対処していくかという、また別の議論も出てきているんですけれども、非常に難しい問題で、なので、そういった気候変動というのが非常に大きな危機で、あとはやっぱり、そうですね、もう開発、特にアジアで多いんですけれども、やっぱりその価値を守ることは大事だけれども、やっぱりそこに住んでいる人がいるわけで、
そこの人たちの生活っていうのも、やっぱり、あの、
担保していかないと、それを未来、英語、守っていくことはできないっていうので、じゃあどうやってバランスを取っていくかっていうのも結構なかなか難しいところがあって、結構、普段やっている業務の中では、どこまで許されていいのか、まずは基準と環境に対する影響評価をして、
もう本当に、世界遺産への影響が最低限なものにしようっていうので、結構、普段から関係国とか政府とかとも、よく話し合いをやってたりするんですけれども、結構そこも難しいところだし、あと、やっぱり世界遺産になると観光客がうわーっと押し寄せて、
そういう写真も見られたことあるかと思うんですけれども、そういった、もちろん観光による利益が一番多いんですけど、それが必ずしも地元のコミュニティに還元されなかったり、
やっぱり観光客を押し寄せることによって、いろんな弊害が起こってたりするっていう問題とか、ちょっと本当に話し始めるともいろいろあるんですが、こういう、どういうふうにとにかく本当に観光と保全を両立しているかっていうところで、結構今、
日々、そういったことを議論して取り組んでいるところです。なので、実際まだそれが起こってないので、ある意味、抑止力というか、世界遺産以外の歴史的建造物とかは空爆にあったりかなり壊されているので、世界遺産になることで、そこはある意味、今のところは守られているかなと思うんですけれども、
もし、人為的に壊したりということがあった場合は、国連みたいに経済制裁とかいう形で加えることはできないんですけども、やはり世界遺産の定額、もしそういったことが起こったとすれば、ロシアに対してやっぱりそれなりの、
ちょっとすいません、実際になったことがないので、どういったところが可能かまではわからないんですけれども、ただロシアも世界遺産条約の定額国なので、ロシアとしてそれをやることは国際上、本当に国際法違反という形になるので、
なので、それがあって今のところそういったことがないのかなと。
そうです、義務でもそれは世界遺産条約にはっきりと明記をされていることなので、それは定額国としては、だったらもうそれこそもう本当に脱退で、
そうです。なので、実際世界遺産になったけれども、世界遺産リストから取り除かれたケースが3つ過去あるんですけれども、
それは戦争ではなくてですね。
このバーミアンのアフガニスタンの石物も、これは爆破された後に登録されました。今も再建を検討されているところなんですけれども、
これはただ危機遺産であって、まだ世界遺産リストから除かれていない。世界遺産の取り消しになったケースが3つあって、
1つがこのオマーンの、これは自然遺産なんですけれども、アラビオリクス保護区というのが2007年に削除されました。
なぜかというと、保護区で石油があるかもしれないっていうのが見つかって、
じゃあどうする?でも石油を優先するんだったら、もうこれは世界遺産の価値がなくなってしまうので、
世界遺産から削除されるか石油かどっちかっていう選択肢を迫られたときに、オマーン政府は石油の方を選びました。
削除されたんですけど、その後の皮肉な話が、結局掘ったけれども石油が出てこなかったっていうので、
残念ながら掘ってしまったし、もうそういう決断をしたということで、
ここのオマーンは今は世界遺産リストにはないです。もう削除されたまま。
もう一つのケースが、ドレスデン・エルベ渓谷、これも2009年に削除されているんですが、
これも非常に考えさせられる件して、
これは登録された価値っていうのが景観が主だったんですね。文化的景観で、
やっぱり景観を守るっていうのが大前提だったんですけれども、どうしてもここに橋を架けるか架けないかっていう議論で、
やっぱり不便なんですよね。ここなかなかこっちの域が。
住民投票したところ、橋を架けるっていう決断を地元住民の方がされて、この橋が作られました。
やっぱり景観が価値の、もともと一番大きなところだったので、
これも世界遺産か橋かっていうところで橋が最終的に現れたので、こちらも削除されています。
一番最近のケースが、コロナ禍のオンラインの委員会で削除が決まったんですけれども、
リバプールの、これがつい最近4年前に削除をされました。
なぜかというと、このリバプールのこういう都市開発でも、昔ながらのこの歴史的な景観っていうのがやっぱりこれも
登録された価値だったんですけれども、それがもうどんどん開発が進んでしまって、
これ当時のオンライン会議のスクリーンショットなんですけれども、
もうこういう状態で、本当に計画性なしにどんどん開発が進んでしまっていて、
これは結局、秘密投票、オンラインだったんですけれども、秘密投票で3分の2以上の得票で削除されるか削除されないかの決定があったんですが、
これが3分の2以上の得票で、結局、世界遺産の登録取消という決定が2021年にされました。
ものによるんですけれども、この世界遺産の登録取り消しかどうかっていうのに関しては3分の1、3分の2っていう規定があるので、それにのっとって秘密投票が行われて、残念ながらこれ登録削除が決まってしまったという経緯があります。なので、やっぱりそこがすごい難しいですね。
どういうふうに、世界遺産も大事だけど、やっぱり他に優先するべきものもやっぱり人によっては、そこで生活した人たちにとっては何がやっぱり生活っていうのがやっぱり大事なので、いかに両方を最大限守っていくかっていうところで、そこが非常に難しいところであるんですけれども、
そうですね、やっぱり持続可能な開発を考えていく上で、非常にこういうことを考えていくってことは重要なのかなっていうふうに思います。
再登録を、なのでもう一回出し直しっていう形です。もし本当にもう一回世界遺産にしたいっていう希望があった場合は、でもおそらくもともとの最初の状態では、もうすぐに放っちゃってるので、
特に自然遺産とかはやっぱり価値だけではなくて、やっぱりそこに住んでる動物たちが動きとか、ある程度の確保、場所の自然遺産は特に十分な生息域の確保とかも重要な要素になってくるので、それが担保できない限りは世界遺産に戻ることはできない。
なので、もしやるとすれば、別の、もう一度世界遺産の区域をラインを引き直して、そこにいた貴重な生物なり生息域を確保できるっていう担保ができて、それをまた専門家、ずっと長いプロセスを経て最終的に決めるのは世界遺産因果なんですけれども、
なので、もう一度、新しい推薦と同様の手続きを踏んでいただく必要があります。もう取り消されたらもうそのまま。