こちらが不安になるようなことを相手が話してきたら、その話にどのくらいの現実味があるかを確認してみましょう、という話。これができるといろんな不安を抱えずに済むことが増えるかもです!
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サマリー
今回のエピソードでは、桃さんの体験を基に、不安を抱える相手がどのような心情でその不安を伝えてくるのかを考察します。また、相手の主観に基づく情報にどう向き合うべきか、そして不安に振り回されないための対処法を探ります。特に、不安を抱える人とのコミュニケーションにおいて、その背景や具体性を尋ねることが重要だと強調されています。最終的には、相手の不安を理解し、適切な対処策を考えるための方法が提案されています。
不安の背景を考える
皆さん、今週も一週間お疲れ様でした。 公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困り事の解決に役立ちそうな心理学・カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回は、桃さんという方からいただいたお便りに回答していきます。 テーマは、不安になることを話してくる相手の心中を聞いてみよう、です。
では、カウンセラジオを始めていきましょう。 では早速、桃さんからのお便りを読み上げていきます。
わたるんさん、こんにちは。いつも家事のお供に拝聴しています。 更新が楽しみです。
エピソードシャープ11を聞いて、「わかるわかる。」となってしまいました。 私の母と祖母が、自分が感じた不安を抱えられないから、そのまま相手に伝えてしまう。
さらに、言われた相手がどう思うかを考えないタイプです。 母と祖母は、自覚なく不安を相手に分け与え、私もその不安を受け取って不安定になるので、
とても勉強になるエピソードでした。 一つ質問したいのは、与えられた情報の確からしさを検討できないケースです。
どう対応すれば、相手から与えられた情報で不安定にならないのでしょうか。 例えば、ちょっとヘビーな話なのですが、
お父さんに離婚したいと言われた、離婚するかもしれない、などと、夫婦間で結論すら出ていない話を、
思春期だった娘、私です、は母から言われたことがあります。 私の視点では、これは情報の確からしさを評価できないと思っていて、
シャープ11のエピソードで紹介された方法で対処するのは難しいのかなと感じています。 離婚するかどうかはまだ決定されていないので。
ちなみに安心してほしいのですが、この話から20年経っても母たちはまだ離婚していません。 ただ娘としてはこの離婚話にかなり悩みました。
でもあの時、夫婦間で話し合っている最中に娘を不安にさせるようなことを言って、 しかも話し合いの場に娘を同席させた母には同意できないです。
当時の母は自分の問題と娘の問題を切り離し、自分の不安を解消するために娘を利用するべきではなかったと思いますが、
まあ本人には利用した自覚はなさそうなので今更ですね。 思いつくエピソードがヘビーなものですみません。
でもこういう相手の主観に基づく情報で事実が確定していない情報にどう向き合ったら不安にならないのかなと思って質問しました。
ということでした。桃さん、まずはお便りをくださって本当にありがとうございます。 すごくモチベーションになります。
また桃さんの疑問について具体的に詳しく書いてくださったのも嬉しいです。 桃さんが今までどんな不安をどれだけ抱えてきたかがよくわかりました。
これは大変でしたね。 両親の離婚というのは子供にとっては自分の基盤になっているものが揺らぐ体験でしょうから、
常にその不安を抱えて生きてきたというのは、月並みなコメントですがやっぱり大変だったんじゃないかなと思います。
それで桃さんの聞きたいことは、相手の主観に基づく情報で事実が確定していない情報にどう向き合ったら不安にならないのかということでしたね。
それについて僕の試験も踏まえてですがお伝えしていこうと思います。 不安の対象についてはカウンセラジオのシャープ11
不安になる情報を話してこられたら、以外にもシャープ5 不安なことに振り回されないようにするには、でも触れていません。
情報の確からしさ
シャープ5の方ではこんなことを話しました。 例えば、流行りのウイルスには納豆が効くらしい。早く買わないと売り切れてしまう。とデマに踊らされてしまったりとか
もうすぐ地震が来る。どうしよう。とSNSで情報を漁るだけ漁って1日が終わったりとかして、そんな感じで不安に思うことをどうにか対処しようとして、でも結局あまり成果を得られず疲れてしまうことって皆さんあるかと思うんですが
こういう行動というのは一見ウイルス対策とか地震対策のように見えて、実際はウイルスや地震から身を守れというメッセージを送っている不安という感情を一刻も早く落ち着かせるという行動であって、微妙に問題解決になっていないことが多いんですよ。
不安に振り回されないようにするには、自分のそういう行動をよく見直す癖をつけたり、不安に振り回されている時とは逆の行動をとってみることがいいんですよ。という内容ですね。
さて、これらの例を今回のモモさんの例と比べるとどうでしょう。度合いの強さは全然違いますが、相手の主観でしかなかったり、事実が確定していなかったりという点は同じですよね。
こんな風に実は不安になるような情報って、ほとんどが相手の主観に基づく情報で事実が確定していないことが多いんですね。
流行りのウイルス、コロナウイルスのことなんですが、結局多分納得は効かないでしょうし、地震もいつかは絶対来るんでしょうけれど、それがいつかは究極わからないですよね。
それもそのはず、不安というのは対象や根拠が明確でなかったり、なんとなく未来のぼんやりしたものに対して抱くような感情だからなんです。
よく似ている感情で、恐怖ってありますが、それは、併所恐怖症、後所恐怖症というように対象が明確なんですが、一方で不安っていうのは予期不安、対人不安というように、
ちょっと何に不安を感じているのか、恐怖と比べてぼんやりしてるんですね。
対人不安というのは、人と関わること自体が嫌だというよりも、人と関わることで嫌われるかもしれないとか、怒られるかもしれないとか、そういうかもしれないという漠然とした感じを含んでいるという点で、ちょっとぼんやりしてるんです。
つまり、シャープ5でお話しした不安の例と、今回のモモさんの例は、レベルが全然違うけど、地続きではあるということなんですね。
それを踏まえて、じゃあシャープ11、不安になる情報を話してこられたら、ではどんなことを話したかというと、簡単にまとめると、気持ちが揺れるようなことを言われたら、相手がそんな風に言ってくる背景を考えると、わりかし冷静でいられますよということをお話ししました。
それじゃ試しに、この対象をモモさんの例で考えてみましょう。 お母様がモモさんに、何かあると離婚する、離婚すると言ってくるわけですね。
そこでどうするかというと、シャープ11で話したように、不安を抱えつつ、相手がそんな風に言ってくる背景を考えます。
ちなみにこれなんですが、子供時代のモモさんにそうしておけばよかったですよ、と言っているわけではないです。
これからお話しする対象は、子供にやってもらうのは酷ですし、それこそ親子関係のバランスが逆転しちゃいますから、
そうですね、まあ今大人になった我々が、そのご両親の話を聞くとしたらどうするかというシチュエーションにしましょう。
じゃあ話を戻します。 離婚するかもと言ってきた背景を想像するところでしたね。
まあいろいろな事情が考えられそうですが、真っ先に思い浮かぶのは、やっぱりお父さんと何かあったのか?喧嘩したのか?とかですよね。
でもこのまま背景を推察しているだけだと、推察に推察を重ねて結局答えが出ず、確かにモモさんの言う通り、不安をどうにかする対象としては不十分な感じがします。
じゃあどうするのかというと、一つは相手の背景を考えたら、それをより深く把握するために質問して事情を明確にするという対処が一つ考えられます。
例えば、何かあったの?もしくは状況を選びますが、いつ離婚するの?どこに住むの?などと聞いてみるとかですね。
そしたら、お母様なりの事情を話してくれるかもしれません。それで聞いていったら、実はただお母様の愚痴になっていたかもしれないし、割と現実的に離婚を考えているという話になるかもしれません。
それは聞いてみないとわかりませんが、モモさんの話を聞く限り、お母様からはお父さんからこんなことを言われて傷ついたとか、そういう話がメインになるかもしれませんね。
つまりは、お母様の離婚の話がどれだけ現実味を持っているかを確認するということです。 これですね、実は自殺をほのめかされた時にも用いるといいと言われている対処なんです。
対処法の提案
ちょっときつい話ですいませんが、そういうとてもとても大きい行動をしようとしている人に対して、何かあったの?とか、それってどのくらい具体的に考えたの?って聞いていったりすると、
相手がその行動をどのくらい切迫感を持ってしようとしているのかがちょっとわかってくるんです。 そしてそれが具体的であればあるほどその行動に近づいているので、僕ら医療者はそんな時、その人の命を守るために迅速に動きます。
今回はそのやり方を利用してみました。 相手がその行動をどのくらい具体的に考えているのか、本当に離婚しようとしているのか、
ただ不安や自分のネガティブな感情を言いたいだけなのかということを明確にするには、背景を考えた上で相手に通ってみるということが良い対処の一つかもしれません。
そこから相手の考えが明確になると、こちらが考えるのはもう少し具体的な不安と言いますか、不安というよりは、これからこうなるかもしれないからこうしようというような具体的な対処の準備になると思います。
例えばそうですね、モモさんの例だったら、お母さんはよく離婚というワードを皮切りに愚痴を話し始めるからそれなりに取り合ってあげようとか、
今回の夫婦の溝はそれなりに起きそうだから自分の身を自分で守れるようにしておこうとかでしょうか。
何度も申し上げますが、もちろんそれを子供にやってもらうつもりはなくて、もし今大人になった我々がそういう不安を煽られることを話されたらどうするかという文脈でお話ししています。
モモさんがお母様やあとは多分お婆様からも投げられた不安というのは、子供が抱えるには本当に大きい不安で辛いものだったと思います。
ただそんな中でも我々は大人になってそれなりの判断力を持つことができました。
その時に感じた不安は大人になったモモさんが癒してあげられたらと思います。
その時に不安を感じるのは仕方のなかったことだし、それをどうにもできないのは子供時代のモモさんのせいではないということですね。
さて今回はいかがでしたでしょうか。今回の話をまとめると、こちらが不安になるようなことを相手が話してきたら、それがどのくらい現実味があるのか尋ねてみましょうということになります。
リスナーの感想と振り返り
モモさん今回の解説はお役に立てましたでしょうか。もし良ければ今後もカジノをともに聞いてくださると嬉しいです。
リスナーの皆さんはいかがでしたでしょうか。度合いは様々ですが、本当に世の中不安を煽られる出来事ってたくさんあると思います。
でも不安って具体的にすると割と前向きな気持ちで対処ができることもありますので、今回の対処の仕方も参考にしてみてくださいね。
さてじゃあカウンセラジオ2024年の配信はこの回で最後になります。 皆さん今年もたくさん聞いてくださってありがとうございました。
今年も何通かお便りを頂いてきたのですが、1通ご質問じゃなくてご感想のお便りを夏に頂いたので、そのお便りを紹介しようと思います。
coco0326さんから頂きました。では読み上げます。
わたるんさんの穏やかな口調でのお話、またリスナーさんとのやりとりを聞いていると、悩んだり落ち込んだりしてしまうのは自分だけではないと、少し気持ちが楽になりました。ありがとうございます。
今年は深刻な状況になる前に自分をケアしながら、暑い季節が終わるまで何とか乗り切ろうと思います。
残暑がまだ続きそうですので、わたるんさんもご自愛ください。
ということでした。coco0326さん感想のコメントを本当にありがとうございます。嬉しいです。
ちょっとお返事が遅れてしまって申し訳ないんですけれども、人によって調子の崩しやすい時期があると思うんですが、
coco0326さんは夏なんですね。もう夏は過ぎてしまっていますが、今年は心穏やかに過ごせましたでしょうか。
coco0326さんもみなさんも、今年はどうだったかな?いい感じに過ごせた時間はあったかな?と、せっかくなので振り返っていただけるといいかなと思います。
coco0326さん、みなさん1年間お疲れ様でした。
では最後にもしよければ、このエピソードがいいなと思ったら星5評価を押していただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたら、お便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
ノトリも記事を書いていますので、そちらももしご興味あればご覧ください。
では今回はここまで。おやすみなさい。
ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
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