新入社員のコミュニケーション力
皆さん、こんにちは。FeelWorks代表取締役の前川孝雄です。
今日のですね、上司が元気になるラジオはですね、新入社員のコミュニケーション力をいかに育てるかについてお話をしたいなと思っております。
僕もですね、もう14年ですかね、青山学院大学でキャリアデザインの授業を続けております。
そんな中で、かわいい教え子たちをですね、指導して、さまざまな企業社会に送り出してきたわけですけども、
その前は僕、リクナビ編集長をね、リクルート時代にもしておりましたが、そういう意味では新卒者に求めるですね、
企業側のニーズっていうのをですね、ずっと肌身に感じて仕事をしているわけですけども、
やっぱりこう、経団連の調査なんか見ててもですね、毎年新卒者に求める能力の第1位はですね、コミュニケーション力という風になっているわけです。
そういう意味では学生たちもですね、コミュニケーション力、コミュ力をですね、高めなければいけないという風なことを
就活なんかを意識すると、みんな口々に言い始めるわけですね。
ただそのコミュニケーション力って何なんだっけっていうところが、実は曖昧としているんじゃないかなと思うんです。
そういう意味でいくと、皆さんの職場に新入社員がいらっしゃったらですね、
まずはコミュニケーションのですね、意味から教えるっていう必要があるなという風に思っています。
コミュニケーションはですね、僕がコミュ力があるっていう風に考えている学生なんかと真似するんですけど、
友達同士、気の合うですね、同世代の友人同士でコミュ力があるねっていう風に言われるのは、
社会人で求められるコミュニケーション力とはちょっと違うかもしれないねという風なことを言います。
コミュニケーション力というのはですね、自分と全く違う価値観や考え方を持っている他者と意思疎通ができる能力という風に僕は定義しているんですね。
そういう意味でいくと、自分と同じ価値観や考え方をしている人とやり取りするのは、
あうんでものごとも通じますし、そう難しくないと思うんですね。
一言えば十分わかってくれるとか、大体言っていることに対して賛同してくれるとか、こういうことになるわけですから。
でも、自分と違う考え方価値観を持っている人とのやり取りって非常に難しいわけですよ。
同じ言葉で話しても解釈が違ったりとか、否定的な反応が返ってきたりとかいう風なことが起こり得るわけですね。
その中でやり取りをして合意形成をしていくとか、自分をわかってもらうとか、
自分の主張を理解してもらうという風なことにならないといけないわけなので、
そういう意味では真のコミュニケーション力というのは、
自分と実は相入れない人とちゃんとキャッチボールができるということなんだよということをしっかり教えるということがまずスタート地点ですよね。
傾聴力の重要性
その上で何を鍛えていくかでいくと、僕は2つの力を鍛えていく必要があるなというふうに思っていまして、
1つ目が傾聴力ですね。
これはこのラジオでもですね、以前に皆さんがお伝えした傾聴の6つのステップというのがありましたが、
テクニカルの面というのはもちろん教えていかないといけないんですけど、
そもそもの前提として、自分と違う価値観や考え方を持っている人と意思疎通をしているわけですから、
相手の考え方、その背景にあるものというのをちゃんと聞き取らないといけないんですね。
そういう意味で傾聴力というのはすごく大切ですよということを教える必要がある。
特に新入社員なんかであればですね、今はデジタルネイティブのZ世代が新入社員になっていきますので、
あまりその、例えばOJT指導をしているときなんかですね、
聞いてもらっているのか聞いてもらっているのかよくわからないというふうに不安になるというふうな先輩社員や上司の方々の声をよく聞くんですけど、
そういう意味ではそれを教えていないからということもあるんじゃないかなと思うんですね。
やっぱり聴く姿勢というのはノートとメモですね。
メモとペンを持って、それは別にデジタル機器でも構わないんですけど、
相手の話をしっかり聴いてポイントを理解しようというふうな姿勢を伝えていくということからが傾聴なんだよということをまず教えていくということが大事なのかなと思うんですね。
やっぱり大学なんかでも指導しているときもですね、
前の黒板とかホワイトボードに書いてあることを写真を撮るだけでそれが記録になったっていうんじゃないよと、
ちゃんと自分が何をどう理解したのか、将来の自分のために学んだことの要点を記録している。
アナログなメモでもいいし、パソコン、スマホでもいいんだけど、それを自分でちゃんと打ち込んでいくと。
こういうことが大事なんだということを伝えていくわけですけど、
それを伝えると初めて、あ、そういうことなんですねというふうにわかるわけですね。
相手に対して聞いているよということが伝わる姿勢、これから始まるということを教えてあげる。
これは傾聴力ですね。
もう一つが質問力なんですよ。
やっぱり相手の話を聞きっぱなしというのが習慣化していくと、
わかったような気になるんだけど、いざ教わったことをやろうと思うとできないということがやっぱり往々にして起こります。
その意味でいくと、いったん話を聞いたことを自分なりに咀嚼して、
何がわからないのかというのを整理して、それを質問で相手に返していくというのをトレーニングしていく。
この質問力を鍛えていくというのがとても大事なんだと思うんですね。
やっぱり若手の部下なんかもですね、OJT指導しているときに必ず質問してねというふうに前もって言っておくと、
やっぱり聞く姿勢も変わってきていますし、質問するとなったらですね、
一生懸命やっぱり整理して質問項目を考える。
考える瞬間にもなっていってですね、理解も促進されていくということになりますから、
そういう意味でいくと質問力というのをきっちり鍛えていく。
上司や先輩の皆さんからすると、何か質問ないというふうな必ず問いかけをしていくということが
習慣化されていくことで鍛えられていくんじゃないかなというふうに思います。
トレーニングの場作り
この傾聴力と質問力を日々の仕事を通じて鍛えていくということが、
結果として真のコミュニケーション力を鍛えていくということになるんですけれども、
これをどうやって定着させていくかということなんですが、
僕はよく言っているんですけど、社会人としてのコミュニケーション力というのは、
英語と同じで、日本の教育はどうしても文法から一生懸命教えて、
結局身につかないということになるんですけど、多少文法、社会人でいうと敬語とかですね、
ビジネス的なマナーとかですね、そういうものが多少ずれていても構わないから、
まずは文法に気を使ってですね、萎縮して何もしゃべれなくなってしまうということよりも、
まずは慣れるということが大事かなと思うんですね。
そういう意味でいくと、文法より慣れる場作りということをセットしてあげるということが
トレーニングになっていくというふうに思います。
やっぱりいきなりお客様の場に行ってですね、大きな失敗とお客様に大きな迷惑をかけてはいけないので、
まずは社内の1on1とか、ミーティングの場でですね、
こういうトレーニングの場を作ってあげるということが、
結果として少しずつ新入社員のコミュニケーション力を育てていくということになるというふうに思います。
はい、ということで本日は新入社員のコミュニケーション力をいかに育てるかについてお話ししました。
ぜひ皆さんの職場の大切な新入社員、若手社員の育成にお役立ちいただければというふうに思っております。
今日はどうもありがとうございました。