00:08
はいどうも、海猫沢です。
今日のご飯は全くノープランですね。
今日も帰っとるんやけど。
おー、ちょっともう気温がまた上がってきた?
そんな感じがしますね。
あー、今日朝からちょっとね調子が悪くてね。
この数日またね、調子が悪いんですよ。
あのー、しばらく風邪気味やったんですよ。
この放送聞いてた人には分かると思うけど。
で、風邪気味風邪気味に言うてて、で、症候状態になってから
またなんか気づいたら風が振り返してきた感じがして
昨日、今日、昨日、一昨日ぐらいがね
なんかお腹痛い熱があるかもってなって
昨日も若干ぼーっとしてて
で、昨日の夜早めに寝ようと思ったけど寝れなくて
朝5時ぐらいまで俺なんか起きてて
で、今午前中ちょっと寝てて
で、今ね、今だいぶ楽ですね。
なんかピークが越えた。だいぶ消えたかな。
抜けたかなって感じがします。ウイルスが。
まあ皆さんもね、こんな冬の時期ですから
気をつけた方がいいと思いますね。
で、俺、昨日ネット見てたんですよ。
ネットを見てた?ネットを見てるんです。常に。
現実よりもネットを見てる方が時間長いですからね。
相馬灯を思い返したら全てネットかもしれないっていうぐらいの
ネット中毒なんですけども
軍神さんっていう人がいるんですよ。ホストの。
軍神さんってネットでは有名なんですけども
ホスト業界のメンターみたいな人。教育係ですね。あれは。
それが意外と言うてることがまともなんですよね。
当たり前というかね。
相手がこう思うからこういうことしちゃいけないってことをちゃんと言ってるんですね。
非常に僕は流れてくるのを見て感心してるんですよ。軍神さんには。
軍神さんのね、動画で
オラオラ系のホストが女の子の横について
結構オラつき営業をしてた時に
いやそんな君は男だし声もね低くてそんな人がオラオラして
彼女はみんなで飲みたいって言ってるのに君とワンオンになって
怖いに決まってんじゃんって声が低くて
男っぽいんだったら逆に優しく行かないといけないって言ってて
03:06
これはね
そうだそうだと俺は納得してしまって
あのですね
わかりますか?そうなんです。
僕は今日から優しく低い声だからこそ優しく皆さんに語りかけようというね
軍神さんのアドバイスを聞いて思ったんですね。
だから今日から僕は低い声で皆さんに優しく語りかけようかなと思っています。
そしたらみんなボトルを入れてくれるんじゃないかなと思ってまして
ボトルっていうのは僕らの業界で言うと本を買うということに近いかもしれないですね。
そんなこと言うとる奴おらんけどな。
こういったね関西弁はあまり良くないかもしれない。
もうちょっと上品なラグジュアリーな感じの空気を出していけたらなと思っています。
ではラグジュアリー思い出したんですけども
今日ね朝起きてからご飯食べてずっと本読んでたんですけど
この本がね
ちょっと今日この本の話をしようかなと思いまして
何の本かというとジョン・ウィリアムス
ストーナーっていう小説なんです。
ストーナーという小説これ
翻訳大賞で1位になったから知ってる人もおられるかもしれないですね。
アトログなんかでもアフターシックスジャンクションのTBSの
アトログなんかでも紹介されまして
とても良い小説だということで
まあ知ってる人は知ってるんですけども
どういう話かというと
ストーナーって小説のタイトルなんですけど
人の名前なんですね。
ストーナーという男の一生の話ですが
これが大学の準教授として
死んでいくっていう最初にも書かれてるんですね。
去年何歳。亡くなります。
階層でこの男がどのように生きてきたのかを見ていきましょうって感じで
ストーリーが始まる。
そうするとね
すごい精度で書かれてるんですよ。脳みずにこの人の人生が。
この男はどういう男かというとですね
かなり物静かな男なんですね。
牧突な田舎の農家に生まれてるんだけど
もう農家もちょっと後先ないから先が
君は勉強しなさいというわけで大学に行くんですけど
大学では初めてちゃんと学ぶんですけども
06:04
だんだんその農業のことについてあんまり興味がなくなってきて
気づいたら英文学にシェイクスピアとかね
英文学に興味が湧いていて
英文学をずっとやるんです。
そのうち戦争が始まってきてですね
徴兵があったりするんだけども
彼は戦争にも行かないんですね。
仲間がいるんだけど仲間は戦争に行くんですね。
戦争に行って帰ってくるとやっぱり
それは立場的にはいいですよね。英雄的な扱いですよね。
行かなかった人間はやっぱりちょっと
かたみ狭い思いをすることになるっていう状況があったりして
そういう戦争とかも踏まえ
彼の人生の本当に素朴な一代記
三人称って書かれているんですけど
すごく淡々とそれが描かれていくんだけども
アカデミックノベルっていう風に言われるんですけども
つまり大学が舞台なんですよね。ずっとこれって
大学が舞台である意味モラトリアム小説なんですね。
モラトリアム小説
このモラトリアム小説っていうのは
少年少女たちの特権だと僕は思っていたんですけど
気づくとこの人一生あまり外には出ない
すごく狭い人生を歩んでいった人だっていう風な
結論になっていくんですね。
だがしかしですよ。それが
やっぱりその経歴にまとめるとものすごくつまらないものなのに
顕微鏡とか虫眼鏡で見ていくとすごくそこには複雑な
そして美しかったりあるいは悲しかったり
そういった模様がいっぱいあるっていうのがわかる
本当にちょっと僕
今年読んだ中で今んとこベストかも
本当に不思議な小説ですねこれは
ストーリーは本当にストーリーに起伏は特にないんですよ
敵もないしただ淡々と進んでいってるのに
ものすごい引き込まれてるんですよ気づいたら
今夕方の6時過ぎですけど
僕4時過ぎぐらいに帰ろうと思ってちょっと読み始めてたら
気づいたら1、2時間経ってて
ちょっと結構珍しいんですよこういうこと
びっくりしましたねめちゃくちゃ好きですねこの小説僕は
09:02
ただこの本についての
俗人的な感想になるんですけども
どういう人にお勧めかというとこれは
どうだろうなある程度年を重ねた人間の方がわかるかもしれない
つまりやっぱり少年期があって
成年期があってだんだん結婚生活などあって
子供が生まれてねっていう人生になってきた時に
やっぱり自分のたとってきた
道年齢みたいなものがある人間の方が
あの時こうだったんじゃないかっていう後悔とかすごい心に
ちょっと傷が残ってたりいいこともあるし
そういった部分で別の人間が別のルートを歩んでいるっていう
別ルートを見た時に考えるものがすごく多いんですよね
呼んでて本当にね
いやーなんかねしみじみねえ
うってこうえぐられるえぐられるんじゃないな
なんか傷をね傷であったり
やっぱ人生今まであった過去のいろんなことが呼んでいく中で
こういうことあるよなーってめちゃめちゃ
共感というかね全然共感というか
境遇が違いどもやはり人間の感情の
起伏日々であったり
感情ってのはやっぱり限りがあるものですけど
その複雑なものはね
自分と交往して
お前も頑張ってんなみたいな
そんな気持ちになってくるんですよね
特にね結婚生活の部分とか
皆さん特にねこれ読む方おられたら
あまりうまくいってない人が読むと
いいかもしれない
なんていうのかな
自分がうまくいってない時に
いいものを読んでもいいなとは思うんだけど
やっぱり悲しくなるんだよね読み終わると
でもやっぱなんかそういうのに耐えしのぐみたいな
だけどそれもいいじゃないかって肯定してくれるような部分があるって
やはりこれはね小説のいいところでね
自分自己肯定ではないんだけどそれは
なんというんだろうな
それも味だなって思えるよねそれはそれで
12:02
なんか受け入れられるっていうのに近いですねそれは
肯定とかではなくては
まあそういうこともあるなと
受け入れるということですね
なんかこの小説を読んでいて僕は
受け入れるっていうことについてすごく考えましたね
なるほどなと小説の役割の一つとして
そういう何かを
人の人生を一つ書き出す
それをただ
わざとらしく肯定するっていうことじゃないんですよ
自然にものすごく
カメラが
その舞台を美しく美しくっていうか
切り取り方が
カメラワークというのかな
映像的ではないんですよこの文章
だけどその文章の
持っている格式の高さみたいなもので
語られると
すごく
グッとくるんですよ
この間関心領域って映画見たんですけど
この関心領域って
タンポポハウスちょっと見た
これ古着屋なんですよ
タンポポハウスに入ろうとしたら電話がかかってきまして
今ちょっと色々ありまして
歌詞を変えたところですけども
引き続きストーナーの話なんですけども
この小説は非常に長くて
人の人生をすべて書き切っているんで
それは長いだろうなという話なんですけども
特にどの辺が良かったのかというとですね
おそらくこれ読む人によって本当に
自分が人生のどこにいるかによって
全然授業の仕方が違うと思います
やっぱりその人の年齢に近い部分
その部分部分で共感があるような本じゃないかなと思うんですよ
例えば僕はつまり今50歳なんですけども今年
そうすると50歳までの人生っていう
その過去にすごくこういうのあるよなって
共感するし今現在僕が50歳である
この今の時期においてもこういう時期ってそうだよね
どっちかというとやっぱり1929年ぐらいかな
戦争ヒトラーの時代も書かれてたから
おそらくまあ昔の時代の人なんですけども
僕と同じ50代の時にかなり
15:03
白髪になっていたっていう描写があったと思うんですね
なので昔の人の方がやっぱり年を取っているっていう印象がありますが
それにしてもそうか50歳ってそういう年かっていうのを
ものすごく意識させられました
でその後の人生も娘ができたりするんですけども
それもね全てが全てうまくいくっていうことがないんですよね
でもそのうまくいくっていうことじゃないんだけれども
淡々と人生が進んでいくっていうことに対して
エモい割れの感情が湧いてきまして
なんかある種の強さみたいなものをそこに感じ取ってしまって
この小説をほんと気づいたら徹夜で読んでまして
ものすごい喰らってしまって
メンタルがちょっと沈んでしまって
1日体調が悪かったんですけど
こんなことってあんまりないんですね
特に最近漢字を移入して読める本っていうのはすごく少なかったんで
久しぶりにこんなにのめり込んで読んだ本でしたね
それがこんなに暗い本というのも
なんかちょっと複雑な感じはしますが
でも最近ファサンの中年が終わって
パーティーが終わって中年が始まるっていう
少し中年本、後年期本みたいなものが
人生の黄昏本がね
僕ら段階の世代、段階ジュニアの世代って
人口が一番多いらしいんですよね日本で
人口比の一番多いかな一番多い世代
多分そうって言われてるな
そこがみんな同じぐらいの年になっていて
中年になっているんですよね
その中でこういう中年の危機の話が出てくるのはすごくわかるし
ストーナーっていうのはその先を行ってるし
その真っ只中でもあり読むところによって
全然人によってね違うとは思うんだけど
やっぱり終わっていくということについて考える本なんですよね
それがただ悲しいだけでもなく
喜びだけがあるわけでもなく
まるごと書き切っていて
本当に割り切れないまま
ゴロッと差し出されているっていう
その筆地とかもね
いや本当に
こういう小説を書いてみたいなと思わされると同時に
18:01
消化しきれなくて自分で未だに
もう一回また読もうと思ってますね
これ手元に本当に本棚に図書館で借りたんですよね
図書館に借りたから絶対買おうと思って
買って何度も読み返そうと思ってますね
これはぜひ読んでほしいんですけど
ただね僕これ
読めない面白くないっていう人もいると思うんですよね
特に10代の人とかはわからないかもしれないですね
あとアメリカで売れなかった原因がこれもともと
やっぱり派手な成功であったり
成り上がりストーリーっていうのはないんですよこの中で
でもただ耐えてひたすら長い時間耐え続ける男の話なんで
そりゃまあ海外であまり評判良くなくて
日本人好きだなってちょっと偏見かもしれないけど
思ってしまいましたね
実際それで好きなんですね
Q.アメリカで最終的な劇場作品は?
A.アメリカで何をしたのか
A.アメリカで最終的な劇場作品は
本当に最後の一枚はやくました
結局最後の一枚がやくしなくなったのかな
本当に最後の一枚はやくしてたんですけど
最後の一枚をやくしてないんですけど
結局最後の一枚はやくするんだ
されてなかっただけで荒役はしてたんじゃないかなと思うんですよね 最後の1枚
でもそのストーリーも相まってね本当にいろんな意味でねこれはメタ外部 外部外の
なんていうんですかね 形式的な意味でも内容的な意味でも素晴らしいんですよね
形式的 やっぱりおじいちゃんのね英文学者が死ぬ間際に訳してこれを訳してたっていうのは
胸に迫るものがありましたね僕は大学アカデミズムの人間では全くないけども やっぱりその日本人の古い田舎で育っているとやっぱり職人的な
生き方みたいなものにね 何らかの
思うところあるわけですよ自分の親がやっぱりそうなんですよね やっぱりなんかそういうものを見てきたっていうのもあって
やっぱどっかでクソ真面目なところがあるんですよね でもこれ日本人ドイツ人も似てるって言うじゃないですかよく日本人とドイツ人の
気質がねドイツでもちょっとヒットするんかなしてるのかなぁ 考えましたけど
でもこれぜひもうある程度年が入った 読者の方々には読んでほしいですね
21:02
ただねこれは女性の方は どうだろう
僕の周りで女性の方で大学の先生をやっている方がおられるんですけどその方はもう すごい好きだっておっしゃってましたね
だからそういうアカデミックなものに対して少しでも なんか関係があったり憧れがある人はおそらくこれは好きなんだろうなと思うんですけども
全くそういうのに興味がない女性の方は案外 ピンとこないかもしれないですね
やっぱりその昔の時代なんで女性の描かれ方っていうのがね ちょっとちょっとなんて言うんだろう
事実事実としてゴロっと提示されてるからね でもどうなんだろうなぁでも読んでいて
ある程度主婦的な仕事も僕はしてるんで この奥さんの気持ちも分かるなぁという部分もありましたよ
すごいあの昔だと ヒステリーって病気だって言われてたじゃないですか昔って
でもやっぱりそのそういうことではなくてさ女性なんかねフロイトとかからするとさ 女性全体がやっぱり病気なんだみたいなひどい言われようが昔はあったぐらいですからね
でも それは
ね 整理の周期とかもあるしねあのこの間僕はの夜明けのすべてって映画を見たんですね
この夜明けのすべてて映画は日本の小説が原作になっている映画なんですけども 片方の2人の男女
物語なんですよ でその男女ってのは別恋愛関係ないんですけども片方の男の子が
パニック障害でもう片方の女の子が pms っていう 整理前になるとちょっとすごい感情がガタガタになっちゃうっていうのでそれがひどい
やつなんですね で
本当に切れ方がひどくて 紙白石もねかもかかどっちかさんが演じられてるんですけど
コピーコピーなんて取らないみたいなめちゃくちゃ切れたり いつもは気にならないようなことがものすごいつっかかってきて
どういうことってフォローしたら私がめんどくさいと思ってそういうこと言ってるんでしょ みたいな切れ方をすごい切れ方するんです
それをパニック障害の男の子は pms の勉強してあーちょっと待ってください pms の症状出てますよって言って
それでフォローしてお互いフォローし合っていくっていうケアの 小説でこれまたすごく良かったんですけど
なんかそういう pms みたいなものに対する薬って今あるんですけど例えばピルを飲む とかね
そういったことでコントロール可能になっているんですけど昔ってそういうのできなくて 本当に
24:06
高年期とか 原因わかんなかったと思いますね全然なんとなくそうなるもんなんだろうっていうイメージで
やってた やっぱり抑圧されてるしさ
社会的にもね やはりそこもよく描かれていると思いますね
娘を置かれた状況とかもね なんか塞ぎ込んじゃうんですよね
まあそういう ストーナー非常に
非常に胸に迫る小説でした ぜひとも皆さんゆっくり
夜のな時間をとって ゆっくり
お茶でも飲みながら何日かかけてストーナーの人生を追体験するように読んでいくのが こういいのではないかなと思います
読んだら是非感想をお聞かせください では皆さんおやすみなさい
小説家の海猫座めろんでした