氷河の消失予測
宇宙からの人工衛星による観測が役立つ。将来、地球上の氷河は一体いつ消失してしまうのか。
様々なシミュレーションが行われた結果、21世紀半ばにそのピークを迎えるんじゃないか。
そんなちょっと悲しい見積もりの研究結果が出てまいりましたので、こちら紹介していきたいと思います。
地球全体の気候変動がかなり注目されている中で、宇宙からの観測どういうふうに役立つのか。
この目線をお話ししていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。それでは行きましょう。
改めまして始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
今日のエピソードが1903話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししているので、気になるトピック気になるタイトルからぜひぜひ聞いていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
はい、ということで続々と1900回エピソードのお祝いのコメントが来ております。
リスナーネームnaoさんからいただきました。ご無沙汰しております。1900回突破おめでとうございます。
ありがとうございます。いやー嬉しいですね。naoさんはいつもいつもコメントをいただいているので励みになっています。ありがとうございます。
ただ久しぶりですね。リスナーネームtentemさんから1900回おめでとうございますということで力強いコメントいただいております。
もうねほんとシンプルにこうやってコメントをもらえるっていうところが結構マジでモチベーションにつながってるんで、
これからももし何かのことあるごとにあなたからのコメントが来ると僕は一人で舞い上がっているというところだけ
頭の片隅に入れておいてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。
はい、ということでまあ毎日頑張っておりますが2000年に向けて気合入れて2000年じゃないや2000回に向けて気合入れてやっていきましょう。
シミュレーションの重要性
今回お話しするのは地球上の氷でできた氷河ですね。
これが消失ペースがガンガン上がっていて21世紀半ばにはそのピークを迎えるんじゃないかというような予想がネイチャーに紹介されていたので紹介していきたいと思います。
はい、ということで今回はこれこんな雑誌出てたんだって感じでネイチャークライマートチェンジという気候変動に関する情報特化のネイチャーの姉妹誌ができているんですね。
氷河、氷でできたでかい塊ですよ。観光地としても結構注目とかはされていますね。
世界中では実はこの氷河が毎年ガンガンガンガン消失しているというところでかなり警鐘が鳴らされているというか大丈夫か地球みたいになってきてるわけですね。
しかもそのペースはかなり増加していて、産業革命、革命前の温暖化レベルに応じて、今、これからどういう風な氷河の崩れ方、消失の仕方がというようなところが研究としては出てまいりました。
氷河が溶けてなくなる、でかい氷の塊で、その氷が溶けて海に流れていく。
そうすると、それによって海面上昇って引き起こされてないかみたいな、この水と氷の密度の違いも含めてね。
地球全体のこの海面の高さというところにもこの氷河の消失、氷河が溶けてなくなるっていうところはかなり影響を与えているんじゃないかというようなところが指摘されているわけです。
そんな中で、今回はスイス連邦工科大学、中理飛行、スイスにある大学ですね。
ここが研究結果を出していて、衛星観測による氷河の輪郭をまとめたデータベース、これ20万以上の氷河を解析してですね。
これの解析結果を元に数値シミュレーションを走らせて、ここから失われていく氷河っていうのがどれぐらいあるのかみたいなところを調べた研究が出てまいりました。
産業革命が起こった前から今にかけて、特に今というか今回の研究では2100年ですね。今が2025年なので75年後ですね。
産業革命より前の気温の平均から2100年までの平均がどれぐらい伸びたかというようなところを基本の指標としてシミュレーションを行っていくと。
これがしかも1.5度、2度、2.7度、4度上がった4つの温暖化のシナリオを検討してみたときに、この地球上にある氷河っていうのはどういう風に消失のペースが高まっていくのか迎えるのかっていうようなところですね。
ペースの話なので、累積でどれぐらいで、いつになったらなくなってしまうみたいなところではなくて、1年間あたりに消失する氷河の数っていうのがどれぐらいになっていくのかっていうところですね。
これを計算してみたというようなところです。
そのシミュレーションの結果、2100年までに1.5度上がっていくような温暖化のシナリオの中では、これ2041年ですね。
だから2100年に1.5度上がるペースで上がってたら、氷河はそこまでの間にいつ思いっきりなくなっちゃうのかっていうところで言うと、1.5度の場合は年間に2000個の氷河が消失するピークを2041年に迎えると。
で、逆にめっちゃハイエンドなケース。
2100年にかけて地球の温度が4度上昇していくと想定しましょう。
すごいですよね、4度。
まあでもなんかあらがちないとは言い切れないかも。
だって僕今31歳ですけど、これがそのまま100年後まで75年後まで続いていってたらどうなるんだろうってちょっと気になりますしね。
うん。
でなったら4度ぐらい上がってても全然不思議じゃないかっていう感覚にもなってきます。
で2100年までに4度があって上がっていくっていうところを見ると氷河の面積とかっていうのが長期的によりえげつない変化に変わっていく。
ということで2050年の半ばぐらいには年間の消失件数が400件にも上ると。
1.5度上がるときはじわじわじわと熱くなっていってちょっと早めの41年っていうタイミングで年間2000個消えていくっていうペースになっていくんですが、
でより熱くなっていくっていうシミュレーションの場合はピークの時期はちょっと下がるんだけどそのインパクトが異常だという非常に高くなっていて、
2050年代半ばには4000の氷河が年間で消失していくようなペースに切り替わっていくんじゃないかと。
いや怖いですね。
まあ本当今回分析したデータベースが20万以上の氷河を解析しているっていうところなので、
そいつらがどういうふうに削られていくのかなくなっていくのかっていうところを想定した研究なんですけど、これはねなかなかインパクトが大きいですね。
そうするとどういうふうになってきてしまうのか。
っていうともう本当に21世紀の半ばには今の温暖化のシミュレーションの中だったら結構な割合の氷河っていうのはやっぱなくなっていくよねというところが指摘されているわけですね。
氷河一回は見てみたいんだよなぁ。
まあそんな個人的な事情とかは関係なくやっぱりなんかこう文化遺産でもあったりするし、何なら水資源の元になっているっていう地域もある。
っていう風になっていくと、地球温暖化の影響でその文化そして生活っていうのが大きく変わる地域っていうのが出てくる。
っていうところを考えると結構やっぱインパクト大きいんじゃないかなと思うんで、ここはちょっと注目しておいてほしいポイントですね。
人工衛星の役割
そして今回のシミュレーションにも人工衛星のデータ使われましたけど、今後人工衛星のデータかなり重要になってきます。
氷河の消失されていくペースとか変化っていうのは僕たちが常に見ていてわかるような変化っていうよりは
年単位でとか数ヶ月単位でその変化を追っていくといいものなんですよね。
で、その場合地球の周りを定期的にぐるぐるぐるぐる回っている人工衛星が地球上のデータを定期的に取っていて、
それが何年も積み重なる、何十年も積み重なっていくと飛行機だったりとかドローンとかでは取れないような定期的なタイムスパンでの変化っていうのが見えて、
氷河がどうやって変わっていってるのかなんていうところまで踏み込んでいけるようになると。
つまりこれから激動の気候変動時代を迎えていく中で、人工衛星っていうのはたまたま見に行ったタイミングではなくて、
急ぎのデータ欲しいときはもどかしい気持ちにはなってしまうんだが、人工衛星は常に上から定期的に同じ場所を観測してくれる。
これがこういうデータが役立ってくるというところがポイントなので、
人工衛星なんでわざわざ飛ばすのみたいな意見にはこういったところがデータのメリットとしてあるんだよみたいな話ができるようになってくると、
宇宙話リスナーとしてはかなり上級者なんじゃないかなと思いますので、
頭の片隅に入れておいてください。
ということで今日は以上にしていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
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明日で12月31日、1年の最終更新日となってきます。
ちょっと1年間の振り返り、個人的なのも含めてしつつやっていく緩やかな回となっておりますが、
ぜひ明日のエピソードも聞いてやってください。よろしくお願いします。
ということで、2025年もついてきてくれて、そして毎日聞いてくれて本当にありがとうございます。
ここからもガンガン攻めていくんで、とりあえず明日のまとめエピソードで一区切りを一緒にしましょう。
今回の話も面白いなと…あ、違うわ。言ったわ、それ。
はい、それじゃあまた明日。お会いしましょう。さよなら。
