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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。今回は国際宇宙ステーションの次にやってくる民間宇宙ステーションが熱い、そういうお話をしていきたいと思っております。
これまでの宇宙開発、宇宙での実験、宇宙での滞在、これはすべて国際宇宙ステーションで行われてきました。
ただ、時代がどんどん変わっていって、これからはそういった滞在場所、実験場所は民間が担っていく、そんなところを時代背景とともに深いところまでお話ししていければと思っております。
ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イギネション
2023年3月26日、始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
ということで、本日でエピソードが897話目を迎えております。
いや、すごいですね。900回が目前となってまいりました。
900回に向けて盛り上げていきたいなと思っているわけなんですけど、すごい懐かしいなと思うのは、300回、特にApple Podcastとかのエピソードって300話までしか最初の頃って反映できなかったんですよ。
300話超えると過去のやつが消えていくみたいな仕様だったんで、300話までできたらいいっすねみたいなことを言ってたら、気づいたらもう900ですね。
すげーと思って、ちょっと感慨深い気持ちにもなるなという、そんな最近Podcastライフを迎えてるわけなんですけど、今日も変わらず宇宙の話していきます。
宇宙の話、気になるタイトルで検索していただいて、そっちから聞いていただければいいかなと思いますので、今回話していく内容ですね。
今回の内容は、かなり熱量を帯びてきている民間の宇宙ステーション。
ここについて、実は多分今までまとめて話したこと、あんまなかったんじゃないかなと思うんですよね。
話してたとしても結構もう多分1年ぐらい経ってる気がしていて、熱量は世界中でどんどん上がってきているからこそ、このタイミングでまたちゃんとしっかりお話しできればなというふうに思っております。
民間の宇宙ステーションを建設する、これどういう時代背景があるのかっていうところからお話ししていこうと思うんですけど、
まず宇宙ステーションといえば、皆さん頭の中に思い浮かぶものなんですか?
多分ほとんどの人が思うのは国際宇宙ステーション、インターナショナルスペースステーションでISSって呼ばれる宇宙飛行士の方が5人ぐらい滞在してて、
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たまに地球との中継をして、例えば無重力で水ってこうやって動くんだよみたいな話とか、無重力でぐるぐる動きながらこんな感じですみたいなのワーワー見せてくれる、あそこですね。
あれを多分思い浮かべる人が多いんじゃないかなと思うんですよ。
僕も国際宇宙ステーションにもうゆかりのあるというか、国際宇宙ステーションがなきゃ達成されてないであろうプロジェクトにずっと関わらせてもらっていて、なので思い入れがすごくあるんですね。
そんな国際宇宙ステーションなんですけど、2030年をもって運用が終了するっていうふうに言われてます。
国際宇宙ステーションがあることによってできていたことってものすごくたくさんあって、例えばそもそも無重力っていう状態を安定的に供給してくれる。
そしてそこで例えば薬を作るとか、科学的な実験とかですね。
あとは実際に無重力だと地球と勝手が違うことってたくさんあるんですよ。
人体の仕組みとかも全然変わるし、あとは炎の燃え方とかも全然違うし、
っていうようないろんな実験を無重力で地球の重力下じゃない状態でやる方がこんな感じでメリットがあるみたいなことがたくさんあるんですよね。
特に科学の結合とかだと3次元でものが広がっていくもの。
机の上で横にガーッて広がっていくような科学の結合とか、生物の進化、進化というか培養みたいな形とかって、
本当に平面なのか、平面で広がっていくものなのかで言うと、そうではないんですよね。
水滴を落として水が広がっていく様子って、これは普遍なのかっていうところで言うと、
重力があるからこの状態になるみたいなことじゃないですか。
そういう基本的に僕たちは重力ありきでものをいろいろ考えていたけど、
この重力から解き放たれたら、実はもっと可能性の広がる研究、科学の実験とかってあるんじゃないのか、
っていうところをガンガンガンガン押し進めていく、いい研究場所として利用されていたのが国際宇宙ステーションなんですよ。
っていうところで結構利用価値はあるものの、やっぱり何カ国もで一緒に運用している、
そして運用のコストがめちゃめちゃかかるっていうところからいろんなバランス、そして最終的には老朽化ですよね。
もう2030年時点で、たぶん20何年とかの運用を迎えるはずなんですよ。
30年まではいかないけどみたいな。そういったところを考えても、やっぱり世代交代していかなきゃいけないというような時代背景があるんですね。
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そこに加えて、やっぱ国際宇宙ステーションで何か実験をやろうとすると、
あの限られたスペースだけだから、できることってめちゃめちゃ限られるんですよ。
しかも、あのスペースの中に世界中の優秀な研究者たちが、
俺はこうやって使いたいんだ、私はこうやって使いたいんだ、みたいな審査書みたいなのを出して、
そこに競り勝った実験だけがあそこで実験できるみたいな、
なんて表現すればいいんだろうな、
世の中に与えるインパクトの大きさとか、そういったところが重視されるような研究が多かったりするんですよね。
そんな中で、でもこれってフェアじゃないじゃないですか。
だって世の中に明らかにメリットがあるっていうような実験と、そうじゃない実験ってたくさんあって、
むしろそっちの方が多くて、でそれを宇宙でやることによって、
どんどんどんどん規模が大きくなっていって、
最終的にはそういう世界中にインパクトを与えるような研究成果を残す可能性もあるじゃないですか。
そういった意味合いも込めて、なるべく敷居が下がってくれてた方がいいんですよね。
そういういろんな課題感がある中で、じゃあNASAはどうやって動き始めたのか。
でいうと、民間に国際宇宙ステーションみたいなやつ作らせればいいんじゃないの、みたいな。
っていうところで、商業宇宙ステーション、また民間宇宙ステーションみたいな感じで呼ばれるような、
宇宙ステーションの建設に踏み切っているっていうような、そういう状況なんですよ。
で、その中でも特に注目される企業っていうのは4つあって、
これ昨日の前回のポッドキャストでも話した、宇宙服の製造を行っているアクシウムスペース。
そして、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスさんが推し進めている宇宙事業。
これブルーオリジンっていうところのやってる宇宙ステーション。
そしてあとはノースロップグラマンっていう会社と、あとシエラ・ネバダ社っていうところの4社。
ここの4社がいろいろ宇宙ステーションの構築に向けて動いているというような状況ですね。
で、ここやっぱりこの4つどういうふうにやってるか。
これ宇宙服の製造と同じような形で進められていて、
まずNASAがこういう構想がある。
宇宙ステーションは民間で作るべきだ。民間でどんどん作っていってよ、みたいなところになると。
そうしたらそれを実現できる。
俺たちはこういう技術を持ってるんだっていうようなところがガーッと集まってきて、
コンペみたいなのをして、じゃあ今回この4社に対してNASAは長期的な研究の提携みたいなのを結んで、
NASAから仕事を発注するような形でどんどん宇宙ステーションを作っていくっていうような、
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そういうことを実施しているのがこの4社なんですよね。
アクシウムスペース、ブルーオリジン、ノースロップグラマ、シエラネバダ社っていうところですね。
で、これ結構こういろんな特色がどんどん出てくるっていうふうに言われていて、
もちろん表に出てる情報も出てない情報も様々あるので、
どうしてもまだ差別化できるようなところの認識まで多分いろんな人には至ってなかったりするんですよね。
ただ例えば、宇宙ステーションをホテルとして利用できるような形でサービスを提供しようっていうところだったり、
やっぱり科学研究をやってもらうような場所にするだったりとか、
いろんな方向性で4つそれぞれが進んでいくっていうのはかなり面白い部分になってくるかなと思うんですね。
で、例えば4つ目に紹介したシエラネバダ社で言うと、
子会社にシエラスペースっていう会社があって、
で、このシエラスペースが先日ゲストに出てもらった総合商社の金松ですね。
金松の高田さんに出てもらいましたけど、金松と大分県と、そしてJALと一緒に宇宙に向けてどんどん物を飛ばしていこうみたいな、
大分の宇宙航空を使っていろいろやっていこうみたいなところの取り組みをしているんですよね。
そういったところで宇宙ステーション作るだけっていうよりも、
例えばそこに行くための宇宙船っていうところも作っていたりとかする会社があったりだとか、
あとアクションスペースはそういうこともそうですよね。
前回のお話ししたような宇宙服を作るみたいなところをやっていたりすると。
あとはブルーオリジンはもう結構有名な会社だし、あんまりポッドキャストで名前出したことないのはノースロップグラマンかなみたいなところで、
これはNASAの宇宙探査機とかを作ってたりとか、あとは軍用機とかの開発とかっていうのも参加していた企業になっていて、
技術力の底にある部分、底力みたいなところはやっぱすごいなっていうところですよ。
で、これらこういう4社が取り組んでいる宇宙ステーションは、
おおむね2030年ぐらいまでに向けていろいろ形になっていく。
もちろんどこが最初に行くかみたいなところはまた別の話になってくるんですけど、
そういったところの開発状況になっているという感じですね。
この4社がどんどんやっていくのが結構世界的にもNASAのお金使ってガンガン進めてる面白いポイントの一つになっていて、
もう一方で国内、日本国内からもそういう動きってどんどん出てるんですよね。
特にエレベーションスペースっていう東北大学から初のベンチャー企業っていうところも、
こういう民間の宇宙ステーションみたいなのを作って、宇宙空間で実験できるようなことをしようっていう話だったりとか、
結構日本国内でも出てきてるところ多いんですよ。
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そうなってくると、やっぱりいろんな国でもそういった動きっていうのは必ずあるはずで、
そういったところにも注目していきつつ、今後は宇宙に滞在してるイコール国際宇宙ステーションにいるっていうような状況ではなくて、
今回はあの人はあそこの宇宙ステーションにいるらしいみたいな話とか、
そういった行き先、宇宙でも旅行先が全然違うみたいな、滞在してるホテル全然違うらしいよみたいな、
じゃあ一緒に宇宙行っても全然会えないじゃんみたいな、そんなことにもなりかねないような世界が待ってるっていう結構ワクワクする話が多いので、
例えば宇宙ステーションでこんなことできたら面白いよなみたいな話とか、
宇宙旅行行けるんだったら、ここの宇宙ステーション使ってみたいなとか、まだそんな全然具体化できてないと思うんですけど、
そういったところとかもぜひ宇宙を楽しむっていう意味でもコメントくれたりしたら嬉しいなというふうに思っております。
そんな感じで、今回はですね、NASAを中心に民間の宇宙ステーションの建設っていうところが世界中で始まっている。
それに対して日本国内でもいろいろ出てきていて、将来の宇宙滞在、宇宙開発っていうところは、
こういう民間の宇宙ステーションが大きな戦場になってくるんじゃないかなというところを思っておりますので、
宇宙話のリスナーの皆様にはそこら辺はしっかりと押さえておいていただきたいなというふうに思っております。
ということで、今回のお話は以上にしていきたいと思います。
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