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2024年4月30日、始まりました佐々木亮の宇宙話。
今回はスペシャルゲスト回ということで、昨日に引き続きNASAジェット推進研究所 JPLで勤務されている技術者ですね、小野雅裕さんに来ていただいております。
現役のNASAのエンジニアということで、大活躍の小野さんなんですけど、
今回は小野さんがこれまでに経験した苦い思い出とは何だったのか。
ヨーロッパっていう星に対するミッションでやるはずだったのにできなかったこと。
アメリカならではのお金事情。このあたりを伺っておりますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。どうぞ。
宇宙話。あれガイアが惑星サーチできるんですか?
ガイアで見るときにコードの細かいチェックとかが多分できるっぽくて、コード変動を捉えやすい。
もともと目いいから位置検出というので、僕も細かい検出方法はわかんないんですけど、
ガイアのツイッターのアカウントから一応イーサーのページもリンク飛ばしながら、
ガイアのフォースカタログで、そこに大きい貢献あるかもよって自分たちで言ってて、
いやそれはもうあるんじゃんみたいなところで僕は今結構期待してる。
もともとガイアよりはそんな目的がなかったと思うけど、実は使えるんじゃんっていう話ですよね。
まあ偶然ガイアが出るときにトランジットがあれば。
そうですね。でも何回か見て多分アストロメトリちゃんと位置把握するとか、データが蓄積されていくし、
2016年ぐらいから多分に打ち上がったんだっけな。
だから結構データも溜まってきてるから、過去の状況と照らし合わせて、
なんか前通ったみたいなのもしかしたら見れるのかなとか、ちょっと想像したりしてましたね。
実はね、話がそれだけど、ガイアちょっと悔しい面があって。
え、なんですか?
20年前のですね、僕の放題時代の卒論がですね、ナノジャスミンだったんですよ。
ほうほう、はい。
その頃は国立専門大がガイアに対抗しようって言って、国立専門大のアストロメトリの衛星を放送してたんですね。
はい。ヒッパルコスがめっちゃ活躍してた時期。
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そうそうそう。超小型衛星で、キューブサッドよりもちょっと大きくらいのサイズの衛星で、
ヒッパルコスの精度を超えようと。それがナノジャスミンって言って、それで技術秘書も変えて、そっから大きなジャスミンに持っていこうっていう。
ジャスミンっていうのは国立専門大独自のガイアみたいなアストロメトリの衛星で。
それでですね、ナノジャスミンは僕の卒論の頃の原型はほとんど残ってないけど、ちゃんと衛星は作ってあって、
打ち上げ待ってるはずなんですよ。もう10年くらい前から。
何だっけな、ものすごい不運な理由でまだ打ち上がってないはずなんですよね。今ウィキペディを見てるけど。
ウィキペディ情報です。当初は2011年8月にブラジルのアルカンタラ社長からウクライナ製のロケットで打ち上げる予定だったと。
ロケット側と社長側の財政問題のスケジュールは遅延してたと。
で、ウクライナ蒸気製で何かもう遅延しちゃったのかな。
で、ああ残念。しかし衛星の製造から年月が経過し劣化が済んだことや、小型ジャスミンの開発については打ち上げは断念され、機体は岐阜、
鎌原航空発電所に常設展示されてる。そう、非常にもったいないですね。
打ち上がったら。これあれなんですか?学部生の頃なんですか?大学院生の頃。
そう、学部生の頃。僕はエンジニアなんで、アストロメトリーって、
要はその星の位置を正確に測るものじゃないですか。はい。だからものすごい綺麗なスピンが必要なんですよ。
で、リアクションホイールとか回しちゃって衛星が振動すると、もうそれでノイズが乗っちゃうんで。
じゃあ、どのくらいこの超小型衛星で、姿勢の安定性があるのかなっていう解析をしたのが、僕のもう20年前の
卒論ですね。ああ、そうなんだ。今から考えればオンボロな研究でしたけどね。
不意の行動で書いて、懐かしいなぁ。
そうなんですね。じゃあ結構そこからだと、でももう大きく出てるのはその後ガイアぐらいですもんね。
引っ張るコスト。そうですね、そうそう。僕は星の観測屋さんだったので、そこの精度がちゃんと綺麗に求まる。
求まりつつあったタイミング、ちょうどガイアのカタログが第1弾第2弾が出たぐらいで、
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書いてた論文の星の距離が一気に修正されて、うわーって言いながら修正するみたいな。
あと半年待ってくれたらこのまま出せたのにな、みたいな。
そういう時代の移り変わりになっても、まあ引っ張るコストが嫌ぐらいだから、
ジャスミンあったら面白かったですね。ねえ、一番悔しかったのは国立専門大学のゴーラ先生ですよ。
ああ、今ちょうど。まだ元気なのかなぁ。
彼ね、あのジャスミンがやっと上がるって言ったら、国際情勢とかで話になっちゃうんですもんね。
そうですね。でもなんか時代に左右されちゃったみたいな感じなのかなって、今の
ビキペディア情報からだと思って、今だとやっぱ車上に困るって
少し緩和されてるじゃないですか、当時に比べると。だからなんかタイミングっていうのも大事なのかなと思いますよね。
いや、これですね。そもそも最初は、やっぱり超小型衛星って超小型予算でやってるんで、打ち上げ費が結構重いんですね。
で、このロケット初打ち上げだったんで、無料で試験ペイロードに乗っけてもらうって話だったはずだったんですよ。
ああ、試験機扱いだったんだ。
そう。
なるほど、なるほど。
もしかしたらね、今だったらライドシェアかなんかで乗っけてもらったらよかったかもしれないけども、
これ非常に不運な衛星でしたね。もし上がったら、これでもうすごい成果あったんでしょうかね。
いや、そうですね。やっぱアストロメトリーの中に日本がそこを一回繋いだよみたいなところが出てきたら、結構存在感を出せたんじゃないかなと思いますね。
ね、ほんとほんと。
面白いな。
なかなかね、僕もJPL入った直後に最初にアサインされてもらった仕事が、ARM、アステロイドリダイレクトミッションかなってご存知です?
いや、初めて聞きました。
あのですね、キャンセルしたんですけども、小惑星を大体10メートルくらいかな、小惑星をですね、結構巨大な探査機なんですけども、その頭の先に巨大なゴミ袋みたいなのがついてるんですよ。
はい。
で、そのゴミ袋にですね、10メートルクラスのアステロイド、小惑星をスポッと入れて、ギュッと蓋をして、それを月の逆光軌道まで持ってきてですね、アルテミスのアストロノートが小惑星まで行って、探査しようっていうね。
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あ、そんなミッションがあるんですね。
そうそう、それが初めてあったミッション。でもそれがですね、まあいろんな理由で、結局目的が変わり、キャンセルされてしまって、なかなかね、やっぱ宇宙って多いですよ。
あともう一個は、これは本に書いたんですけども、エウロパランダってあったんですね。
はい。
あの、もうすぐ今年1月のエウロパクリッパーなんですけども。
そうですね。
クリッパーはね、エウロパのフライバーするときじゃないですか。
そうですね。
ダケツの影響も。で、最初はですね、じゃあエウロパクリッパーに小型の活水輪にホイヘンスが乗ったみたいに、クリッパーにランダー乗っけられないかって話から始まって、
いやでもランダー出かけたら違うミッションにしようっていう風になって。
で、もうクリッパーを追うような形で、もう一個のフラグシップのエウロパランダーというのが立ち上がったんですよ。
はい。
これが5、6年前の話で、まあこれ何するかというと、エウロパに着陸して、で氷を掘って、表面は放射線がすごいから有機物が多分壊れてるんで、
10センチくらい掘って、その下の氷をピックアップして、生命炭酸しようというミッションですね。
ただね、このミッションがね、どうやっていきなりそんなのができたかというと、
一人ですね、テキサスか何か選出の共和党の議員で、何か知らないけども、地球外生命炭酸に熱狂的に抜き抜き応援してくれた。
そんな方がいるんですね。
ジョーン・コルバートっていう。
で、彼がですね、いや、なんでか、まあ多分彼は純粋にね、本当はサイエンスと生命炭酸に興味があったんですよ。
で、テキサスだし、共和党だし、全くJBLとは縁の向きもないんだけども、もう強烈に応援してくれてて。
彼がですね、やっぱりですね、連邦議員ともなれば数百億円の予算で自己分からできるっぽいんですね。
で、彼が、彼の力でヨーロッパランダの予算つけてくれたんですけども、2018年の中間選挙でね、共和党が大敗して。
で、まあ共和党が負けたとしても僕は嬉しいんですけども、僕はもう完全なデモになってたんで。
でも彼が落選してしまってですね、それでヨーロッパランダの予算も止まってしまってっていうね。
あのタイミングでそんな裏でガラッと変わった時があったんですね。
どうしてもね、ナーサーの国営の国がやるのはそういう政治に作用されて側面悪くてますよね。
あの選挙の後に、あれなかったですか?施設ストップした時なかったですか?
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前かな?2回ぐらいね、危ない時があって。
2018年?19年の時かな?
あれです。あの打ち上げの時だ。
メイブンの打ち上げの選挙ですね。いつだろう。
あの火星の大気を調べるメイブンっていうのがあって。
はいはいはい。
いつかな。えっとですね。2013か。
連邦予算が決まらなくて、ガバメントシャットダウンがあって、ナーサーはガバメントの一部なんで、シャットダウンすると職員は出勤禁止になるんですよ。
そうですね。実は僕も経験してるんですよ。
あ、この後ですか。
はい。
あ、そうですか。いつのですか?2013ですか?
2019ですね。
19か、あったっけ?
トランプ政権の時にトランプ大統領が科学予算削るぞって。
はいはいはいはい。
なんだかんだその時最長だったって聞きましたけどね。1ヶ月くらい。
うちはですね、JPLは厳密に言うとですね、ナーサー直属ではなくて、パルフォルニア工科大学の一部なんですね。
で、ナーサーのコントラクターなんで、僕は実は連邦職員じゃないんですね。
公務員じゃなくてコントラクターなんです。
だからその立場を上手いこと利用して、我々はね、シャットダウンでも出勤できたんです。
おー。
で、ナーサーからのお金は貯まっちゃうんだけれども、カリフォルニア工科大学が貯めていたお金を出して、だからまあ何ヶ月かのシャットダウンは耐えられるようになってます。
あ、そうなんですね。
メイブンの打ち上げの時にシャットダウンしてたよ、2013年のね。これどうしよう、つって。
で、どうしても、例えばアメリカの重要なアセットを守るためとか、そういう言い訳をつけられれば、出勤しておくって。
そうですね。
使った言い訳は確か、メイブンがないとアメリカの大事なアセットである火星ローバーのオペレーションに支障を来すとか、そういう理由をつけて、打ち上げの直前の作業をさせてもらったという話を聞きました。
そうなんですね。僕は行けなかったんですよ、1ヶ月まるまる行けなくて。
あ、そうですか。
行けなかったんですよ。だから全然9ヶ月ぐらいしかいない中で、1ヶ月。
あ、そりゃしんどいですね。
家から仕事するんだったら日本行っても一緒じゃんみたいな感じで、家でずっと分析とかをしてたんですけど。
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その時に、ちょうどだから今クリズム打ち上がってるのの、望遠鏡のミラーの部分の製造はもうすでにその時ゴダードで始まってて。
そのミラーだけは長期的なミッションの成功を左右するからって言って、ミラー製作のチームは出社できてましたね。
なるほどね。
いやでも、ガーメントシャットダウンは、カリフォルニアのあそこら辺の周りがどうなってるか僕あんま事情わかんないんですけど、
僕ワシントンDC住んでたんですよ。メリーランドのCGTに行くのにワシントンDC住んでて。
で、ワシントンDCの中ってもうガーメントの人たちばっかりじゃないですか。
まあそういう街ですからね。
昼間やたら街に人いるし、みんな仕事止まってるせいで、やっぱ施しの精神なのか、お店で社員賞みたいなの見せたらピザもらえるとか飲み物もらえるとか、
そういうキャンペーンとかすごくて、食費はめっちゃ浮いたんですけど、でも全然仕事できないじゃんみたいな。
ショットダウンの思い出あるから、アメリカの政府機関あるあるですよね。みんな何かしらで煽りを受けたことがあるんだろうな。
まあ日本ではないですからね。
そうですね。
ちょっと本に近いところの話をもうちょっとしたいなと思うんですけど、火星の研究がバーってメインで進んでた後に、
宇宙話。
いかがでしたでしょうか。これで第2部は以上となります。
ほんとね収録一瞬でしたよ。ただ宇宙好き同士で喋っているだけみたいな。こんな宇宙の話あるんだけど面白くないみたいなのを、
永遠にお互い喋り続けるだけで収録が終わった、すごい楽しい会でしたね。
そんな小野さんでもやっぱり苦い思い出をした経験とかはいろいろあってっていうのが今回伝わったんじゃないかなと思います。
ということで次回、次回が最後になります。次回は小野さんがやっていきたいミッションっていうのは最終的にどんなところを目指したいのか、
そのあたり伺っておりますのでぜひ明日も楽しみにしておいていただけたら嬉しいです。
小野さんのこの新版宇宙に命はあるのか、こういう書籍にたどり着いたらめっちゃいいですよね。
宇宙話の書籍かみたいな話だったりとか、あとはね、周囲者のウェブメディア読みたいで連載させていただいているものも、
なんかこういう本とかにつながったらすごいいいなぁと嬉しいなぁと思ったりはするので、
ぜひぜひ、小野さんきっかけで今回新しく聞いてくれた方もいるかなと思います。
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概要欄にあったやるウェブ連載、ぜひこちらもチェックしていただけたら嬉しいです。
最新のエピソードでは、日本が世界を牽引しているX先天文学、こちらに関するお話をしておりますので、連載の方もぜひぜひチェックしてみてください。
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それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
