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2024年4月29日。始まりました、佐々木亮の宇宙話。今回はスペシャルゲスト会というところで、NASAのジェット推進研究所JPLで働かれている小野雅裕さんをゲストにトークをお届けしていきたいと思います。
今回お話しする内容は、火星時間で働くってどういうことなのか、40億年前の生命を探査するっていうのはどういうことなのか、このあたりについて小野さんとお話しさせていただいております。
小野さんはNASAで火星の探査機、パーサビアランスの開発とかを担当されていた方なので、そういった生の声が聞ける、かなり面白い会になっていると思います。ぜひ最後までお付き合いください。どうぞ。
佐々木亮の宇宙話。今回出ていただくタイミングで、この新版の宇宙に命はあるのかが出たタイミングで、前の新版じゃない本を見させてもらってたんですけど、今回めっちゃ追加されたところってやっぱ最新の注目すべきポイントっていうのがかなり熱量高く書いてあるような気はしてるんですけど、
これどうしても追加したかったんだよねみたいな要素ってどこだったのかなとかが。
やっぱりあれですよね、6年前に旧版が出たんですけども、6年前って言ったら2018ですか。僕の仕事的に一番大きいイベントはパーサビアランスが、火星ローバーのパーサビアランスが着陸したと。
そこから運用に入ってたんですね。僕運用の仕事は初めてだったんですよ。結構僕JPLに入ってすぐにパーサビアランスの仕事が始まって2年くらいですかね。フェーズAからB、C、Dって全部やって。
開発ところは大体大きな仕事は自動走行のプログラミングだったんですけども、オペレーションに入ってトレーニングとかいっぱい受けて、ツールの使い方を覚えて、やっぱり自分が作ったのが本当に火星走ってるってこの感覚はすごい楽しかったですよね。
今までのあれなんですけど、パーサビアランスの前とかは自分で作ったやつ飛ばすとかっていう、実際に宇宙で動いてるっていうミッションとかだったりするんですか。
唯一あるのが、昔中塚県にいたことにキューブサットをやってて、僕がやったのがどのくらい実際のものにいったかちょっと分からないですね。あんまないんじゃないかな。僕がやった仕事が宇宙に実践するの初めてだったんですね。
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それは感覚すごいって言いますよね。
なかなか実感が湧かないんですよ。日々運用のシフトに入って、今日もシフトかーっつって、特に最初の3ヶ月、2ヶ月かな、火星時間での運用だったんで、毎日毎日起きる時間が変わるんですね。
確かに。1日5分くらい変わるんでしょうっけ。
いや、40分ですね。火星って1日が20分か。
20分か40分なんで、毎日毎日仕事の始めが40分ずつずれていくんですよ。変でしょ、火星時間。ちょっと話はそれけど、妻がその時に仕事の人と電話してて、妻の方ね。
妻がなんかミーティングなんかスケジュールしてたんですよ。で、向こうが多分この時はどう?って言って。で妻が、実はですね、今旦那が火星時間で働いていて、その時はちょっとすごいって言ったら、向こうが?マークが10個ぐらい。ちょっと待って、旦那さんが火星時間って教えました?って言って。
面白いなあ、それ。
だから、終時でミーティングを入れようとしたら、来週はダメだけど、再来週はいけるみたいな。40分ずつずれてるから。
ちょっとその日はね、火星時間の都合上、旦那が変な時間に働いてるんでみたいな。
面白そう。伝わらない人にはどんなに説明してますかね。
伝わらない。前置きが非常に必要ですよね。
教養が試されますね、それ。受け手側の。
教養というか、普通ね、火星時間で働いてくるなんていませんかね、地球にね。
確かに。ちょうどあれですよね、今の話、この収録する、なんかどんぐらいだ?2週間ぐらい前なんか、月時間ちゃんと整定しようみたいな話がニュースで。
あーそうですね。
出てたから、他の惑星の時間とか衛星の時間ってちゃんと気にしながら運用するんだって時に、火星時間のズレの話を聞いて、運用の人ってどうやってやってるんだろうと思ってたんですよ。
最初のうちはね、そうなんですよね。今はもう地球時間で運用してるけど、タイミングが合わなかったら、ベストのケースはローバーが夜でこっちは昼なんですよ。
ローバーって基本的に昼に動くんで、ローバーが寝てる間にこっちで全部データ受信して、解析して、コマンド組んで、ローバーが起きる前に送るんですね。
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ローバーが起きて、それを実行して、寝る前にまたそのデータを地球にダンプ送って、寝たら、カリフォルニアが起きた時にデータ解析できるんですよ。
それはベストケースなんですけども、ワーストケースはこっちの昼とローバーの昼が重なった時で、ローバーが寝た時に地球に送ったら、その時ちょうど地球時間寝ちゃうんで、一日寝てるじゃんですね。
なるほど。
だから、着陸直後はやっぱり、チェックアップを早くしちゃいたいっていうのと、あの割があったらすぐに対応しなきゃいけないっていうんで、最初の3ヶ月は火星時間っていうお約束なんですよ。
あ、そうだったんだ。じゃあそれで安定してきたから、もう地球時間でいいかみたいになってくる。
そうそうそう。この3ヶ月っていうのは結局2ヶ月強で地球時間に戻りましたけどね。
あ、そうなんですね。
まあでも、その頃でよかったのはですね、話がどんどん遅れますけども、この話も起こらないといけない。火星時間であるがゆえに、例えば夜の2時とかに行って朝の何時かからやるわけですよね。
はい。
で、もちろん食堂も何も開いてないんで、その頃はですね、もうオペレーションによる部屋の横にキッチンがあって、冷蔵庫開けたらもうね、弁当がずらーっとちゃんと用意してあったんですよ。毎日。
あ、そんな手厚い。
そう、手厚い。で、そうなんです。ところがしばらくしたら、まず地球時間に戻って、まあでも土日運用はやってて、土日の時だけ弁当がないようになってて。
えー。
今はですね、もう普通に平日オンリーで地球時間なんで、ただ飯がなかったしまった。
あーそれは確かに、いいなあ。合わせるのもいいなあって今話聞いてて思って、僕あの、この収録の前に宇宙ステーションにある装置の分析とか運用をやってたっていう話をさせていただいたんですけど、
それがもうずっと稼働して、しかもリアルタイムでデータを取って、で90分で宇宙1枚の写真撮るみたいな。
はいはいはい。あ、そうなんですか。
取りっぱなしなんですか?
あ、そうです。取りっぱなしです。
取りっぱなしで90分に1回タイムポストですか?
そうですね。イメージそんな感じ。あのなんならもうちょっと短いスパンでデータを下りてきて、まあ1日90分積分したものもそうだし、1日積分したものもそうだし、みたいないろんなデータが揃ってくるって感じなんですけど、
ブラックホールの増工とか、高性フレームの増工とかのトランジェント見つけたら世界発信しなきゃいけないっていう。
なるほど。
で、なので。
それはあれですか、世界中の望遠鏡はすぐにそっちに向け止めですか?
あ、イメージそんな感じですね。
で、トランジェント用の世界発信のメイリストというか速報論文のアストロノマーズテレグラムっていうサイトがあるんですけど、そこに投稿しなきゃいけないっていうデューティーが1ヶ月半に1回チームメンバーに3日ずつ回ってくるんですよ。
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それは自動化されてないんですか?
自動化したものを最後、どういう対応天体があってとかって文章化してまとめる部分はちゃんと人の目でやらないと。
あ、そうなんだ。
っていう形になっていたので、24時間誰かしら1人張り付いてるみたいな状態で、僕たち以上になると夜当番になるから、夜9時から朝9時まで見てなきゃいけないみたいなのが1ヶ月半に1回来るんですよ。
ああ、あれですか、大学院生の時使うパターンですよね。
一応、うちは結構フラットだったんで、スタッフレベルというか、教授レベルの人もやってましたね。
ああ、そうですか。それは素晴らしい。
でもなんか、定期的に来るの分かってるから、僕はあんま気になってなかったんですけど、リズム変えればいいだけだったんで。
40分でずれていく方が個人的にはなんか大変そうな気がしましたね。今話聞いて。
僕は大変なのは家に子供がいるんで、娘がいて。
で、娘は着陸児はまだプリスクールだったけども、実勤小学校。
まあいいや、でも娘は毎朝問答病院に7時に起きるわけですよ。
確かに。
それは家族もみんな家庭時間にならないから、7時にみんな起きるわけですね。
当然僕は目が覚めてしまうわけで。
家では地球時間で仕事では火星時間っていうか、毎日毎日、別に行き来してくるまで15分ですけど、2つの惑星の間を通勤してる感じがして。
宇宙の中にいるって感じですね、本当に。
まあでもいい思い出ですよ、今から思うと。
今はじゃあもうパーサビアランスとかの定常運用フェーズに入って、そのデータまとめたりとか運用入ったりとか、そんな感じなんですか?
ええ、だからもう最近あんまり運用入ってなくて、違う仕事が急がなくなったんで。
そうなんですね。
だいたい月1ですね、ちょうど今週の月曜にステップスターのシフトがあって行ってきて。
あれってあとどのぐらい動く予定なんですか?公式発表って。
いや、ともに決まってませんよ。まだ元気なんで。まだピンピンしてるんで、終わり予定は。
サンプルリターンも一環なんで、サンプル集めて、お迎えが来るまで頑張らなきゃっていう。
イーサーからお迎えが行くんですよね?
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いや、お迎えのニュース見れなかったかもしれないけど、実はカテンサンプルリターンのチャブ大会議室があって。
あれ?
そう、今週のですね、先週の月曜か。
はい。
あの、ラスあの、省きますけども、まあ、よく話、予算超過と遅延がすごそうで、何か斬新なアイデアはないかって公募したんですね。
はい。
大きく変わるかもしれないけど、現在のところのあれは、本に書いたんですけども、まずラスの射撃機が行くんですよ。
で、それにローバーが入って渡して、サンプルを。
で、ちょっと戻って説明すると、ローバーが今、岩のサンプルを集めてるんですね。
なんでかっていうと、40億年前に湖だった場所で、そこにね、昔の地球外生命がいるのかもしれない。
で、そのサンプルをほいって渡して、ロケットドッカンって打ち上げて、で、カプセルを火星軌道に投入するんですね。
で、火星軌道でキャッチして地球に持て帰ってくるのがヨーロッパのスペースクラフトです。
あー、そっかそっか。
ただ、サンプルをキャッチして、で、カプセルに詰め込むまでの機械は、うち担当で。
そこがまたね、非常に複雑なんですよね。
そこのさん、ご担当なんですか?仕事の内容としては。
いや、僕はね、サンプルデータのほうがかかってません。
あ、そうなんですね。
ファーストエリアさんですね。
じゃあ、別チームが動いてるみたいな。
そうそうそう。そんな感じです。
でも、最初の質問に戻ると、あ、どうぞどうぞ。
あー、いや、大丈夫です。どうぞお願いします。
そう、あのー、そんなパースヴィランスに着陸して、いよいよサンプルリターンが盛り上がってきたんで、
だからそこをね、審判にたくさん追記したのと、
あとあれですね、その4章の後半に書いたイールスですね、
エンキラドスの地底の海の魂をするだろうロボットのね、
あのー、あれもここ数年、ここ数年僕が一番力入れてたのはそれだったんですね。
そう、僕、これSNSで見ました。なんかフォルム、面白いフォルムだなーと思って。
ねー、なんか悪役ロボットってあるでしょ?
いや、ほんとに、あんまり味方っぽくはない。
そう、ヘビ型ロボットなんですよ。
これ、面白いですよねー。
見かけのインパクト大きいですよね。
はい。
この形に合理性があるってことなんですもんね。
まあね、あのー、それだけじゃないかもしれないけど、
まあでもそのエンキラドスの方の割合ってね、どんぐらい広いとか細いかわからないですからね。
もしかしたら何メートルあるかもしれないし、もしかしたら10センチかもしれないし。
うん。
ならば細い方がどこでもいけるだろうと。
なんかちょっとこう、災害現場に使われるロボットとかと同じ発想というか、いろんな大きさに対応できる。
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そうです、そうです。
未来のミッションの話が充実したなっていう実感はありましたね。
あとはそこら辺だと火星移住とかの話もあって、新しく入ってたところだと。
一番大きく変えたのはやっぱそこですよね、地球外生命断層ですよね。
はいはい、いやもうだってこの6年だいぶ状況変わりましたもんね。
ねー、いろいろとね、予算状況も変わったし、消えたミッションもあり、進んだミッションもあり、いろいろですけども。
まあでもね、全体的には一番着実に前に進んでる分野かな。
だって、確か今って境外学生存在ちゃんと認識できてるところで5500とかでなってたやつも、
こないだNASAのページでちゃんと確認したらここ10年で5000個ぐらい見つかってるって感じなんですよね。
ねー、ケプラーがザクザク見つけたのが10年ぐらい前ですか。
そうですね。
で、最近はね、トランジットのスペクトラ見て大気の蘇生がわかったーなんてニュースがね、出てきましたよね。
そうですね、かなりペースは上がってきてるなっていう感じがあって、
で、今これお話しする、いつだっけな、3日前ぐらいにNASAのガイア衛星っていう、
アストロメトリーで星の位置を確認する衛星が。
あれすごいですね。
あれが、なんかあの、惑星検出、次のカタログにめちゃめちゃ載せるよっていう話を予告していて。
あれガイアが惑星検索、惑星サーチできるんですか?
宇宙話。
いかがでしたでしょうか。1本目はこんな感じになっております。
明日も引き続き小野さんに来ていただいて、NASA JPLで働いている中で見えている宇宙の描像とか、その辺りをお話ししていこうかなと思っております。
特に、小野さんのこれまでの宇宙開発の経験の中で、苦い思い出となった、そんなミッションだったり、
あとは、エウロパの探査、実はやろうとしていた、そんなところまで深掘っていこうと思っておりますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
そしてですね、本編の中でもお話、チラッと出ました。宇宙に命はあるのかっていう書籍が小野さん出されているわけなんですけど、
この新版が今回発売されたということで、ぜひですね、9番読んでないよっていう方はおすすめですし、僕も持ってましたね。
新版、どんな感じになっているのかなっていうと、今回話したみたいな新しい要素、特に最近の宇宙開発の要素が加わって、かなりパワーアップした内容になっておりましたので、
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こちらもぜひ皆さんチェックしていただけたら嬉しいなと思っております。次回もお楽しみに。
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