1. 佐々木亮の宇宙ばなし
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2023-11-22 19:05

1139. 天の川銀河のブラックホールが限界で回転しまくってる

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ソース

https://academic.oup.com/mnras/article/527/1/428/7326786?login=false

https://www.space.com/milky-way-supermassive-black-hole-cosmic-speed-limit

Credit : NAOJ

サマリー

今回は、天の川銀河の中心にあるブラックホールが限界のスピードで回転していることを紹介いたします。新たな研究によると、ブラックホールは最大で限界速度の96%のスピードで回っている可能性が指摘されています。ブラックホールが天の川銀河の中心に存在し、それによって天の川銀河が回転していることが指摘され、さらに2019年にはノーベル物理学賞も受賞されました。また、赤い輪の写真も撮影され、1994年にもその存在が確認されております。

00:01
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙ばなし。
ブラックホールの回転速度
今回は、僕たちが住んでいる天の川銀河の中心にあるブラックホールが、限界のスピードでぐるぐるぐるぐる回っているんじゃないか、
そんな研究結果出てまいりましたので、こちら紹介していきたいと思います。 ぜひ最後までお付き合いください。
2023年11月22日、始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1139話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
現在は絶賛ブラックホール特集中というところで、 最新のブラックホールの研究だったり、そもそもブラックホールってどうやって理解されてるのかなーっていう、
そういうお話だったりっていうのをしているので、 ぜひですね、特集の最初の方から聞いていただいてもいいですし、もう全然1個1個結局は完結してるんで、好きなところから聞いてもらっていいかなっていうところですね。
で、前回はブラックホール、めちゃめちゃ急成長しているブラックホールの周りの環境ってどんな感じになってるんだろうなーっていう話をしました。
で、その前とかは、僕が理科学研究所の研究室にいた頃のフルスの研究室ですね。 ここから打ち上がった人工衛星に関する特集とかもしていて、
結局は観測対象ブラックホールだから、ブラックホール特集としてちょうどいいなーみたいな感じでお話ししておりましたので、
この辺りも気になるところあったら、ぜひどんどんどんどん聞いていただけたら嬉しいなぁと思っております。 よろしくお願いします。
そんな感じで、じゃあ今日はどんな話をしていくかというとですね、 僕らの環境を作り上げているとも言っていい、
天の川銀河にあるブラックホール、 イテザエスターと呼ばれるものの回転のお話をしていきたいと思います。
昨日のエピソードでもちらっとお話ししたんですけど、 ブラックホールどこにあるんだろうみたいな、いろんなお話してきたと思うんですね。
そんな中で、僕たちは実はブラックホールの周りをぐるぐる回っているというようなお話をさせていただきました。
天の川っていう、 夏の夜空で帯のように見えてるのって、あれ実は銀河を見てるんですね。
銀河っていうのは何億っていう星が一箇所に集まったような、なんか渦巻きを巻いてるぐるぐるしたやつですね。
英語にするとギャラクシー。 実は僕たちもその銀河の中にいると。
しかもそれのことを天の川銀河って呼ぶんですよ。 どっちが先なのか僕はよく知らないんですけど、天の川銀河っていう銀河の中にいます。
その中の太陽系とかがあるのって結構橋の方で、ぐるぐる回っている円盤の結構外側あたりになるんですけど、
その円盤の中心には太陽の重さのだいたい400万倍ぐらいの重さを持つブラックホールが存在しているんですよね。
で、このブラックホールが存在していて、そのブラックホールの重力によって周りに存在しているのがこの天の川銀河っていうような状態。
こういうのがざっくり今いる現状なわけですね。 そんな中でこの中心のブラックホールのことを
イテザエースターって呼ぶんですよ。 イテザエースター。
夜空の中で言うとイテザの方向に見えるからっていうのでイテザっていうのがついてて、それに対して中心のブラックホールに対してはエースターというような名前がついている。
で、じゃあブラックホール、今回の研究の中で言うとどのぐらいのスピードで回ってるんだろうみたいな。
そこが今回の研究の注目ポイントになります。
ブラックホールっていうのはある程度回ってるっていうところは考えられている要素の一つなんですよね。
これは例えば、そうだな、天の川銀河は、 銀河の姿ってみんな頭の中で想像すると渦巻きを巻いているような感じになってますよね。
あれも結局は真ん中のブラックホールの回転が一部反映されているっていう見方もできるし、
あとそもそもブラックホールってどうやってできるのかっていう話を考えたときに、
ブラックホールっていうのは星が進化した後にできる死骸みたいな感じなんですよ。言い方悪いですけどね。
太陽みたいな星よりももっともっと重い星たちっていうのが宇宙空間に生まれて、でそれが死んで、
で、超新星爆発を起こした後に残るのがブラックホールだったりすると。
で、そいつらが合体し合ってより大きなブラックホールを作ったり、 あとはまあ、もっと違う過程で進化をしていったっていうところも考えられていたりすると。
いうところで、まあ現在ブラックホールの進化っていうのを研究するのは熱量高く、そのまっただ中で実は行われているっていうそんな背景があります。
で、まあそういう背景はあるんだけど、もともと星だっていうふうに考えたら、 太陽も自転してるし、自転って自分でぐるぐる回ることね。
で、地球もぐるぐる回っているし、それのおかげで1日24時間で朝と夜を迎えるみたいな状態じゃないですか。
まあそんな感じで、 星はぐるぐる回ってるし、それのなれの果ての姿だから、
まあブラックホールもぐるぐる回っているだろうと。
で、ただそのスピードっていうのは結構早いことが予想されていて、 なぜなら例えばこう巨大な物体、巨大な星とかから爆発して小さいところにギュッと集まったものがぐるぐる回ってるっていうのは、
アイススケートとかイメージしてくれたらいいと思うんですけど、 アイススケートってこうグルーって手広げながら回ってたら、手をギュッと絞めた瞬間にスピードがぐるぐるぐるぐるって速くなるじゃないですか。
まあこういうのなんか公園でぐるぐる回る遊具とかでも結構感じられると思うんですけど、 その半径がいきなり小さくなると回転している速度、回転が保存されるからエネルギーが。
で、その分小さくなった分早く回るみたいな状態になると。 っていうので、ブラックホールはかなり高速で回っているということも考えられているんですよね。
研究チームの取り組み
じゃあ、僕たちがいるこの天の川銀河の中心にあるブラックホールはどんぐらいのスピードで回ってるんだろうというようなところを考えて、今回研究に挑んだ研究チームがありました。
実際には過去にもたくさんこういう研究っていうのは行われているので、 この研究が初めての取り組みっていうわけではないですね。
ただ、今回の研究っていうのがよりいろんな計算から考えられる回転速度とかもなんとなく一致しているような感じもするし、
ようやくリーズナブルなデータが出てきたんじゃないかなっていうような理解がされているので注目度を集めているというような感じですね。
今回使われたのが2つ。僕が専門でやっていたX線天文学っていう分野の人工衛星、こちらはチャンドラと呼ばれるものですね。
アメリカのX線天文学の人工衛星になります。 もう一つがこれラジオ、電波の観測装置っていうのを使って、
この2つを組み合わせることでこの回転の速度っていうのを見積もってあげようっていう研究を行ってあげました。
そうするとですね、この僕たちが吸い込まれているというか、ぐるぐるその周りを回っている ブラックホールの回転の速度っていうのが
マックスが1だとしてね。マックスが1、つまりこの天体がどれだけ早く回れるかの最高値っていうのが1だとして、全く回ってないのが0だとしてみたいなところで言うと0.9っていう数字を叩き出したんですよ。
0.9プラスマイナス0.06という数字で最大で、誤差を踏まえると最大で0.96、つまり成し得る回転速度の96%もの速度でぐるぐるぐるぐる回っている可能性があるっていうのが指摘されたんですよね。
すごいですよね。で、ただこれって過去にもっと小さい数字とかで結果が出ていたものと比べると比較的大きい数字にはなってるんですけど、他の研究とかといろいろ見比べるとやっぱりこの今回の結果っていうのは受け入れやすい数字というか、さすがにこのぐらいの回転で回ってるよねみたいなところが思われていて、論文にも掲載されたと。
ブラックホールっていうのは周りにあるガスとか塵とかあとは星とかそういったところを吸収しながら成長していっているっていう特性があるので、そいつらをどんどん飲み込んでいくとそれだけエネルギーを得ると。
ブラックホールの進化と研究の展望
で、それだけエネルギーを得ていくとブラックホールっていうのはそれだけどんどん速く回っていくだろうということで、ブラックホールが進化していく過程の中でブラックホールっていうのはどんどん速く回るようなそういう変化を見せてくると言われてるんですね。
なのでじゃあ、今このぐらいのスピード感で回っているブラックホールっていうのがこれからどういうペースで速くなっていくのか。そしてその速くなっていくのに合わせてブラックホールがどうやって成長していくのか。
はたまた今、だいたい限界速度の96%最大でぐるぐる回っているって言ってるんだけど、じゃあ本当にでき始めた頃から今にかけてどういう速度の変化が起きたのか。
さっき言ったみたいに速度の変化を起こすのは周りからものを吸い込んだりっていう結果からなるものなので、じゃあ銀河がどうやって進化してきたのか、変化してきたのか。
そういったところの研究にもつながりそうっていうところが今回の面白ポイントというか、天文学がこれから次の研究のフェーズに移るんじゃないかっていうところの期待を込めて論文が掲載されていたというようなそういう感じに見えるんじゃないかなと思いますね。
ブラックホールってそもそも黒い点だし、何が回ってるんだっていうのはあると思うんですけど、実際は周りの物質の動きとか見ると意外と回ってるんだなっていうのもわかるし、
その回っている様子とかを研究してみると、実はブラックホールの歴史に踏み込んでいけるっていうのはなかなか面白い観点だなと思ったので、
みんなに今回覚えておいてほしいのは、僕たちはブラックホールに吸い込まれながらというか、ブラックホールの円盤の縁にいて、
その縁の中にいるけど、真ん中のブラックホールっていうのは周りの物を吸い込みながら成長していて、なおかつものすごいスピードで回ってると限界値近いんじゃないのみたいな、
そういったところだけ頭の片隅に入れておいてもらうとですね、なんかすごい宇宙好きというかクロートみたいな人がいたときにいい感じに自慢できるトピックになるんじゃないかなというような感じですね。
だからブラックホールってやっぱ星なんだよなみたいな捉え方ができるとかなり見え方変わってくると思うので、ちょっとそういう意識を持ってみると面白いんじゃないかなと思います。
ということで、なんか今日すごいスピーディーに喋っちゃった気がするんですけど、分かんないとこあったらまたね、聞き返してみてください。
なんかすごい喋りやすくなって、あれなんですよ、家の、僕リビングの端っことかで細々と毎日撮ってるわけなんですけど、
新しくですね、昇降デスク、上に上がったり下がったりするデスクを買って、そこで収録してるんですよね。
今まではよし撮るぞって言って、マイク準備して、椅子に座って、よし喋るぞみたいな感じだったんだけど、
もう立ってそのままポチッみたいな感じで喋るから、なんか喋りやすいというか、喉が開いてる感じ?
体がまっすぐだからなのかな?分かんないけど、そうやって喋りやすくなった気がしていると。
もしかしたら昨日ぐらいから雰囲気が変わったように聞こえてたら、それのせいって感じがするかなと思います。
いいですね。体がものすごく痛いんで仕事しすぎで、ちょっとスタンディングデスクっていうものに手を出してしまいました。
この2日ぐらいはもう座らずに仕事してますね、ずっと。ちょっと疲れます。
はい、そんな感じで。じゃあちょっといただいているコメントを読んでいきたいと思います。
Spotify の方にいただいたコメントですね。リスナーネームこれは最後のところにかしこって書いてあるからかしこさんなのかな?
それともなんかSpotify の名前を読み上げるべきなのか悩んだんですけど、一旦かしこさんでいきますね。
違ったらまたコメントください。
こんにちは、こんばんは。いつも夕飯の支度をしながら聞いています。ありがとうございます。
ブラックホールの特集続いて嬉しいです。不思議な存在で何度でも聞いてしまいます。
ところで、昔は銀河の真ん中にブラックホールがあるとは言われてなかった気がします。
いつから、どんなきっかけでそう言われるようになったのか、知ることができたらまた楽しいと思いました。
お時間がありましたらお話しくださればありがたいです。よろしくお願いします。というところで、ありがとうございます。
ブラックホールの発見と研究
いい質問ですね。で、これ確かにその通りなんですよ。
で、今回のこのかしこさん、ちょっとおいくつの方なのかっていうのがわからないので何とも言えないんですけど、
昔でいうと確かにそんなことは言われてなかったですね。
例えば、ブラックホールが銀河の中心にあるだろうっていういわゆる予測みたいなのが立ち始めたのは1969年の話で、
で、そのぐらいのタイミングから銀河っていうのがなんかすごい活発に動いているものがいくつもあると。
そうすると、そのエネルギー源っていうのはブラックホールで説明しないと説明つかないんじゃないのっていうところから始まったりとか、
ただあくまでこれはなんかこう存在の可能性とかの話だったはずですね。
で、そこからどんどん研究が進んでいって観測技術が発達してっていうので、
1990年代にようやくこう存在っていうのが認知され始めるっていう段階にきます。
で、これは天の川銀河、今日言ったサジタリウスエースター、
何だっけ、日本語の名前をすっかり忘れてしまった。
イテザか、イテザエースターっていうのがあるだろうと。
で、天の川銀河の中心にそういうのがあって、
で、それのおかげで天の川銀河が回っているだろうみたいなところを、
それぞれいろんな研究者の視点でそこの存在っていうのが指摘され始めてっていうところがあるんで、
一般的に知られたのは2000年入るちょっと前ぐらいって感じなのかな。
そこでようやくこう存在が、証拠が初めて見つかったっていう感じですね。
ノーベル物理学賞と赤い輪っかの写真
で、そこから日付はもろもろ経ってきているのかな。
というので、2019年のノーベル物理学賞を受賞したっていうところで、
4年前か。最近ようやく一般的に知られるようになっていいレベルになったんじゃないかなと思いますね。
で、あとはブラックホールの写真を撮ったっていうM87っていう銀河あったの覚えてますか。
赤い輪っかのやつです。
あの赤い輪っかになっているものっていうのも、1994年にそこにブラックホールがあることの存在を確認されたというふうになっていて、
やっぱり2000年に入るちょっと前っていうのがキーポイントになりそうですね。
っていうような感じです。
いやでもやっぱいい視点ですよね。すごくいい視点でブラックホールのところに着目してくれてる方がいて本当に嬉しいなと思いました。
で、ちょっとじゃあ今回の質問いただいたところからもうちょい深掘りしようかなと思うんで、
僕たちのこの天の川銀河の中心にブラックホールがあるっていうことを発見した研究、今話したやつですね。
で、まあこれが結局2019年のノーベル物理学賞につながっていったりするので、
ちょっとここ、明日のエピソードでお話ししていこうかなと思っております。
ぜひですね、楽しみにしておいていただけたら嬉しいです。
そんな感じで今回のエピソードは以上にしていきたいと思います。
かしこさんコメントいただいてありがとうございました。
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それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
19:05

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