1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回は、僕たちのいる天の川銀河、その銀河の中心には、太陽の重さの400万倍もの重さのある星、ブラックホールが存在します。
そのブラックホール、昔からあるってわかってたっけ? そんな疑問から、そのブラックホールを発見した歴史、こちら紹介させていただこうという、そういうエピソードになっております。
この発見は、なんと、ノーベル物理学賞を受賞した研究でもあって、業界に非常に大きなインパクトを残した研究になっておりますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
2023年11月23日、始まりました佐々木亮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1140話目を迎えております。 まあ基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルから
ぜひ聞いていただけたら嬉しいなぁと思っております。 まあ最近はずっとやっております、ブラックホール特集ですね。
宇宙好きな人っていうのは漏れなくブラックホールが好きで、そしたらそんな人のためにブラックホールの特集でもやってみようかというようなところで、自分の勉強も含め、
あとやっぱブラックホールの研究ってたくさんあるから、これだったらネタに困んないなぁみたいな、そういうね、ちょっと癒やしい気持ち、ちょっとみんなのため、
ちょっと自分のためみたいな、そんな感じでやっておりますので、ぜひ最初の方からブラックホール特集ね、楽しんでいただけたら嬉しいです。
で、ちなみに前回お話ししたのは、僕たちが住んでいるこの地球、太陽系っていうのが、天の川銀河っていう銀河の中で存在してるんですけど、
その銀河の中心には太陽の400万倍以上重いブラックホールっていうのが存在しているっていう話の、そのブラックホールの回転の話だったり、
あとは、その1個前とかだと、急成長中のブラックホールがモリモリご飯を食べる姿みたいな、そんなところの研究のお話をさせていただいたり、
で、それの前は、ちょっと人工衛星特集とか、そういったところ明けだったので、今週ね、発売されたプレイボーイでどんな話をしたのかっていう、
プレイボーイで今回あれなんですよね、ジェームスウェップ宇宙望遠鏡が残した綺麗な天体画像を写真付きでいろいろ紹介するっていうのを、
水着、水着、水着、僕、みたいな状態でやってるので、ちょっとそんなところの話をしています。
ぜひね、カラーページで特集してもらってるので、こちらのプレイボーイチェックしてみていただけたら嬉しいですね。
そんな感じで、じゃあ今日どんなお話するかっていうと、昨日のエピソードを聞いてくれた人は、今日何するかわかると思ってます。
昨日の最後、エピソードの最後に紹介した質問で、
まあこれそもそも、天の川銀河の中心とか、銀河の中心にブラックホールがあるっていう話って、昔から言われてなかったよね、みたいな質問が来たんですよ。
そういう鋭い質問がね、飛んでくるのが、宇宙話これいいところ来てるなーってすごい思ったんですよ。
で、そうしたら、あることに気づいちゃったんですよね。何かっていうと、なんか天の川銀河の中心にブラックホールあるよ、みたいな、
まるで当たり前かのように話してたけど、そもそも、どうやってそれ見つけたんだろう?いつ見つけたんだろう?みたいな、そういう話をしてなかったなぁと思ったので、
これはね、今回質問いただいたところに合わせて、連動企画としてお話ししていければというふうに思っております。
なので今回は、僕たちがいる天の川銀河の中心にあるブラックホールに関するお話、それをどうやって発見したか、
そういうところのお話をしていこうと思っております。 で、これどうやって見つけたか。
簡単に言うと、そのブラックホールの近くを通った星が、ブラックホールのせいで、ぐるっと曲がったんですよね、軌道が。
あれ?みたいな。 こんな変な動きする天体なんてあったかな?っていうようなところから発見されたのが、この天の川銀河の中心の
ブラックホールなんですよ。 ちょっとそこの細かい話していきますね。
で、ここにアプローチしてたのが、実は世界中で同時期に2チームあったって言われていて、 で、この2チームが大体同時期ぐらいに天の川銀河の中心にブラックホールがあることを観測的に証明した。
観測して、これでブラックホールがあるって言えるよねって言った時期が、まぁこれ、えーと、大体1990年代後半ぐらいのところのタイミングですね。
で、大体2002年とかぐらいまで経ってるのかっていうような状態です。 で、この発見って先に言っとくと、ものすごくインパクトがあって、
どれだけインパクトがあったかで言うと、このブラックホールを発見したっていう論文、 そしてこの研究成果に対して、
2018年、2019年、 ノーベル物理学賞が授与されているというようなぐらい、とにかくこのブラックホールの発見っていうのは、
この人類の物理学にとって非常に重要であった発見だったと言われてるんですよね。 なので今回は、そういった
最終的にはノーベル物理学賞にまでつながった研究の内容っていうのを紹介していく。 僕たちの天の川、僕たちが住んでいる天の川銀河の中心にどんな
ものがあるのかを発見した研究ということですね。 まず一つ目の研究チーム、これはドイツの研究チームですね。
ドイツにある、外にバイクが通ってますね。 まあもうこれも毎日ポッドキャストを撮ってる弊害だと思ってあまり気にしないで撮っていくんですけど、
ドイツの研究チーム、これゲンツェルさんとエッカルトさんたちの研究チームは、1990年ぐらいからチリにある
ESO、欧州南半球天文台っていうところの望遠鏡を使って、僕たちがいる天の川銀河の中心方向にある星たちの動きっていうのを調べてあげたんですよ。
で、ここらへんの星たちっていうのは基本的には地球がぐるぐる回りながら、それに合わせた動きをみんな同じようにしますよね。
左から右に動くんだったらみんなが、どの天体も同じように動いていくと。 そうですよね。なんか星空見てて、あの星は右行くんだ、あの星は左に行くんだなんていうことはなくて、
基本的には同じ方向にみんなが動いていっている。 まあそういう状態なわけですね。
で、なので、何にもなければ、銀河の中心を見ようと、銀河の外側を見ようと、関係なく星たちは同じ方向に動いていくというふうになっていたんですけど、
まあその中心により近い天体っていうのを見ていったところですね。 なんかこれ、
おかしな運動をする天体があるぞと。 普通に動いているものとは違う動きをする天体がある。
なんでだろう、っていうところの発見をしたんですよね。 で、ここでこの動きの違うことを、じゃあどうやったらこの動き説明できるんだろうっていうのを計算して
あげたところ、近くにこのブラックホールっていうのが存在していて、 そのブラックホールによる引力、ブラックホールが引っ張ったことによってその軌道が変わって
いっているっていうふうに考えられた。 っていうのがこのドイツの研究チームが導き出した結論ですね。
で、なのでここで発表された研究っていうのが、 だいたい1990年以降ぐらいで、90年後半ぐらいで出てきた研究です。
で、ただこの研究でも、確かにブラックホールありそうだよね、みたいなところが 言われ始めていたところでした。
で、それに対して同じ時期に別の研究チーム、 こっちはハワイにあるマウナケアさん。
マウナケアっていう山があるんですよ。 ハワイ島ですね。ハワイ島にある。で、そこにある結構10メートル望遠鏡という、
人間の目よりもちょっと光の弱い近赤外線、 まあ赤外線ですね。
このポッドキャストって結構年代上の方が聞いてるんで、 僕でも触ったことあるこの赤外線の一番大きい例で言うと、
やっぱ柄系ですよね。柄系の通信とか、ああいうのはやっぱ赤外線だったから、 ああいうのを使って宇宙を見てあげるみたいな、そういう研究を行ってあげました。
で、今回その時も同じように銀河の中心方向の星たちの動きっていうのを観測してあげて、
2年間で90個の星のその星の動きっていうのを見つけていった。 そこからさらに1999年まで、
つまり1995年から4年間っていうところの観測を追加して、 90個の星の動きっていうのを
で、まあそういったところを乗り越えて、観測技術が発達してきて、その1990年代後半から2000年にかけてっていうところでしっかりと観測証拠っていうのが得られたんですよね。
で、なんでここまで天の川銀河の中心のブラックホールが見つからなかったのかみたいな、 っていうところで言うと、これはやっぱり観測技術の
高さがどうしても足りていなかったっていうのが背景としてあります。 こんなに巨大なブラックホールで、しかも天の川銀河の中心にあるから、
ほんとめちゃめちゃ近くにあるわけですよ。 めちゃめちゃ近くって言っても結構遠いんですけど、
まあそういった距離にあるのに見つけられないのは、なんでかっていうと、 まあ銀河って星を作る工場だよっていう話、今までポッドキャストでたくさんしてきましたね。
で、星の工場ってことはその材料がそこら中にあって、星の材料っていうのはガスだったり、塵だったりっていう宇宙空間にふわふわ浮いてるものだったりするんですよ。
で、それとかがたくさんあったり、とにかく物質いろんなものがあるせいで、 銀河の中心を見ようとした時に、どうしても僕たちの目で見てる、この可視光って呼ばれる光だと、
そのガスとかが邪魔しちゃって、全然遠くまで見えないんですよね。 モヤがかかりすぎちゃって、奥の方が全く見えない霧の中のドライブみたいな状態です。
そういった状態だったからこそ、他の観測技術、 さっき言ったみたいに近赤外線みたいなところだったり、電波みたいなところだったり、
そういう他の技術が発達してきて、そして精度が上がってきて、ようやくいろんな天体を詳細に見ることができるようになってきたからこそ、
こうやってブラックホールの発見というところに至っていったというような、そういう背景があったりするんですよね。
だから今では、それこそ天の川銀河の中心のブラックホールを撮ったっていう写真も出てます。
これ昨日のポッドキャストのサムネイルにもしてるので、ぜひ赤い輪っか見てほしいんですけど、
そういったところもあるし、 あとはその後ね、X線天文学っていうのがどんどん発展してきたおかげで、
X線でその銀河の中心のブラックホールの観測がされたりとか、結構いろんな角度から研究がされてきて、今ではもう間違いなくブラックホールあるというふうになっていて、
その裏付けがしっかり取れているからこそ、ノーベル物理学賞っていうところにもつながったみたいな、そういう感じですね。
こんな感じで、実は僕たちの近くにすごい巨大なブラックホールがあって、それを観測するには、まあいろんな技術だったり時代背景っていうのが必要だったんだな、みたいな、
そういったところを頭の中に、頭の片隅に入れておいていただけたら嬉しいなというふうに思っております。
まあ、ということで今回は、昨日のエピソードでは、天の川銀河の中心のブラックホールがどういうスピードで回っているのか、
もう限界ギリギリなんじゃないかっていう話をしながら、あのね、コメントでいただいた、そもそも銀河の中心にブラックホールあるって何?みたいな、
そんな昔言ってなかったじゃん、みたいな、そういったところとの掛け合わせのお話を今回させていただきました。
もうね、こんな感じでみんなからもらったコメントを軸に、ポッドキャストのエピソードを一緒に作っていきたいんですよ。
だからもう積極的にどんどんみんなのコメント拾っていきたいなと思っているので、ぜひですね、概要欄のお便りフォームだったり、いろんなところからコメントを送れるようにしてあります。
ぜひ皆さんからのコメントお待ちしております。質問もじゃんじゃん送ってください。よろしくお願いします。
そんな感じで、今回の本題は以上にしていきたいと思います。結構喋っちゃったな、今日。
もうですね、一個めちゃめちゃ紹介したいことがあったんですよ。あのですね、このポッドキャストを聞いてくれてる、で、ツイッターでよくコメントくれる
しんさんっていう方がいらっしゃるんですよね。で、スタンドFMで音声配信もやられてて、なんとそのしんさんが
スタンドFMで宇宙話の話をしてくれたと。で、しかも娘さん、めちゃめちゃ好奇心の強い5歳ぐらいの娘さんと一緒に聞いたり、
それのおかげで宇宙の話題がめちゃめちゃ増えてるみたいな話してくれたんですよ。この話がマジで嬉しすぎて、あのちょっと明日のエピソードで
結構熱量高く喋っちゃうかもしれないですけど、ちょっとね、このあたりも紹介していこうかなと思っております。
本当にしんさんいつもありがとうございます。そんな感じでちょっと宇宙話はね、聞いてくれてるデータとかを見ると年齢で言うとやっぱ40代とかから以降とかの方が多いんですよ。
けど、まあ一定数若い方もいたりして、っていうのでバランスも結構面白い感じになってるんですよね。
で、その中でもやっぱりポッドキャスト聞き始めた理由みたいなのが、お子さんきっかけっていうのが多いっていうコメントをたくさんいただくので、
なんかもうちょっとね、変なこと言わないようにしようみたいな。今日の冒頭でもなんかプレイボーイの水着水着とか言っちゃったけど、
そういう話はちょっと控えていかなきゃいけないかもしれないですね。まあでも、なかなかね、そういった話をすぐに切り替えられるほどできた人間でもないので、
ちょっと優しい目で見守っていただけたら嬉しいなと思っております。
ということで、今回のお話は以上とさせていただきたいと思います。今回の話も面白いなと思ったらお手元のポッドキャストアプリでフォローボタンの近くにある星マーク、
こちらからレビューいただけたら嬉しいです。番組の感想や宇宙に関する質問については、ツイッターのハッシュタグ宇宙話、
またはスポティファイのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りフォームからジャンジャンお寄せください。
明日祝日、今日か、今日祝日ですね。皆さんぜひ楽しんで祝日過ごしていただいて、金曜日仕事の方は、僕も仕事なんですけど、頑張ってまた土日迎えましょう。
それではまた明日お会いしましょう。さようならー。