00:01
3、2、1、イギネション
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙ばなし。
今回は、イプシロンロケット6号機が打ち上がるというところを目前にして、JAXAとのスペシャルコラボをお届けしていきたいと思います。
本日のゲストはJAXAの架橋優弥さんです。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。JAXAの超小型・小型衛星宇宙実証研究ユニットという長い名前の文書で小さい衛星の開発を行っています。架橋と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今、事前に収録させていただいているところで、今の放送のタイミングから見ると来週とうとうイプシロン6号機打ち上げになるかなと思うんですけど、架橋さんはミッションの部分をご担当されていると思っているので、
今回はその中のミッションだったりとかっていう中身について伺わせていただきたいなと思っているところでございます。
早速質問させていただきたいなと思うんですが、今回イプシロンロケットにたくさんのミッションが搭載されているというふうに伺ってます。事前に。
その中で革新的衛星技術実証っていうのがあると思うんですが、こちらって一体どんなものなのかっていうところを伺わせていただいてもよろしいでしょうか。
革新的衛星技術実証3号機は7つの部品や機器の実証でも搭載した小型実証衛星3号機、レイズ3と3機の50kg級の超小型衛星、5機のキューブサップの9機の衛星で構成されております。
そのうち今回のイプシロンロケット6号機において小型実証衛星3号機レイズ3と5機のキューブサップが打ち上げられます。
今回のこの革新的衛星技術実証っていうこの枠組みをもしかしたら聞いてる方知らない方いるかなと思うんですけど、具体的にどういうことを実証しようと思っていて、最終的にそれがどういうところにつながっていくのかみたいな話をちょっと伺わせていただいてもいいですか。
はい、まず革新的衛星技術実証プログラムというものは大学や民間企業などに対して新しい革新的な技術の実証機会を提供するプログラムになっております。
実証テーマとしましては大学や民間企業の方が自分たちの実証をしたい機器であったりとか衛星を持ってきていただくのでJAXAはそれをまとめて打ち上げる実証機会を提供するということをやっております。
03:01
これ実はポッドキャストの方にもここに搭載されているミッション一つの担当の方出ていただいたことがあって、今回この技術実証の中で水推進の機能がついてると思うんですね。
Pale Blueっていう会社の、そこのCEOをやられている浅川さんに実はゲストに出ていただいたことがあって、そこで水推進、どれだけの今後の期待値があるのかとか、どれだけチャレンジングなことなのかみたいなのを語っていただいて、
ものすごい未来につながる部分がすごいあるなっていう、今までのマーケットを変えるというか、今まで当たり前にやられていたところにネスを入れていくみたいな角度がすごい面白いなと思って聞いてたんですけど、今回載せられるそういう実証テーマみたいなところっていうのは比較的そういうところにつながる要素の強いミッションたちが多いんですか。
そうですね、特に心境形成実証プログラムではチャレンジングかつハイリスクな実証を行う実証テーマを搭載しております。先ほどお話ししていただいたヒールという水推進系の実証テーマは推進系の実証テーマでして、これまでそういった推進系というようなチャレンジングのミッションを実証する機会がないかったこともありますけど、
革新的形成技術実証プログラムにおいてはそういったチャレンジングの実証テーマも搭載して実証機会の提供を行っております。
これちょっと今の話で気になった部分が一つあって、今までそういうチャレンジする機会がなかったみたいなところのお話があったと思うんですけど、今まではそうするとチャレンジングなテーマってやっぱ門が狭かったというか、むしろあんまりチャレンジングなことはできなかったっていう状況をJAXAが間口を広げて、
みんなでチャレンジしていこうよっていう流れを作り出したっていうことなんですか、この技術実証っていうテーマについては。
これまでも大変性そのものを仕上げるというような事業が行っていましたけども、部品や機器単体で実証を行うことは行われておりませんでした。
特に推進系や展開機器といった安全上の制約であったり、衆衛生に影響を与えるようなものはなかなか実証が難しくて、そういったものも搭載できるというのがこのプログラムの特徴です。
展開系っていうのは、例えば太陽電池のパネルを広げるとかそういうことですか、展開系って。
そうですね、宇宙に打ち上げる際にはロケットのフェアリングの大きさが限られておりますので、その中に収納するということで、
06:08
ただ一方で宇宙に行ってからは発電効率を良くするために大きな大面積を加工するために展開するといったようなことが行われていますので、そういう展開系の実験。
それがダメになっちゃうと他のミッションがどんなにうまく回ってても衛星すぐ死んじゃうから、ちょっとチャレンジしづらかったなっていうのが背景としてあるみたいな。
そうですね、他の衛星にぶつかってしまうとかそういったところもあると思うので。
じゃあ結構今回載せられるものって、革新的衛星技術実証3号機の中には7個のミッションギュって詰まってるっていう状況で一つの人工衛星になってるわけですよね。
はい、ちょっと細く説明させていただくと、革新的衛星技術実証3号機は衛星の名前ではないですね。
革新的衛星技術実証3号機の中に7つの部品コンポーネントを載せた一つの衛星、小型実証衛星3号機を他に衛星そのもので実証をするという3機の50キログラム級の超小型衛星と5機のキューブさんが含まれています。
そういうことなんですね。
それら9機の衛星で合わせて革新的衛星技術実証3号機と呼んでおります。
ああ、そういうことなんですね。すいません、僕が多分勘違いしてた部分が。
いや、非常に分かりにくい複雑になっていますね。
なんかそうですよね、素人目とかで見てもパッと見四角い箱をたくさん並べられてホームページを見ても外から見ても何やってるんだろうっていう形になりかねないかなと思ってて。
ミッションのチャレンジ度合いみたいなのを見ても別にその7個のコンポーネントで一つになってるってものもそうだし、他で個別の衛星が飛んでいくっていうところもそうだし、全部結構チャレンジングなテーマが採用されてるっていうことになるんですかね。
そうですね。
この中でちょっと僕、全部気になるんですけど正直言うと。
多分本当に全部面白いミッション載ってるなと思ってるんですけど、ちょっと2つ今回ピックアップを個人的にさせていただきたいなっていうふうに思っていて。
1個は多分そのコンポーネントとして一つで打ち上がるものの中に三菱電機のGeminiっていうミッションが入ってると思うんですね。
こちらっていわゆるエッジコンピューティングみたいなところの分野かなと思っていて、このエッジコンピューティング聞いてる方に簡単に説明すると、今まで人工衛星ってたくさんデータを取得して、
09:06
けどそれを全部地上に下ろすっていうのはやっぱ通信の問題とかで難しかったりするっていうところのデータの処理とか無駄な部分を省くとか、逆にここはいいから絶対に残そうみたいなのを人工衛星上でガッとやってしまおうみたいなところがざっくり言うとエッジコンピューティングっていう技術なのかなと思っていて。
僕、データサイエンティストっていう仕事をやっているんですよ。なので、そういったデータがどうやって効率よく下ろされるかとか、あとはそのデータがちゃんと処理されてるのかみたいなところが気になるなっていうのが、僕個人としての興味であって。
このジェミニーの注目ポイントとか、かけはしさん的にここを今後伸びるぞみたいなところとか、何か気になる部分あれば教えていただきたいんですが。
まずジェミニーのミッションの概要を簡単に説明させていただきますと、ジェミニーは人生用GPUの軌道上実証を行うものです。
今までの衛星の場合は、軌道上で取ったデータをそのまま地上にダウンリンクして、地上のサーバーなどで処理を行っていました。
けど最近小型衛星、コンステレーションなどの高頻度の観測によって観測データ量が増えてきておりまして、地上で行っていたデータ処理の一部を軌道上の衛星で実施していくニーズが増えてきております。
そこで従来の宇宙用のCPUやGPUは高い信頼性を持つ一方で、性能はいまいちといったところがありましたので、
民生分野の技術をうまく使っていこうと、軌道上でデータの処理をしていこうということを確かめる実証になっております。
これって今お話しあったみたいに、結構チャレンジングな部分としては、今までデータ処理の能力が足りなかったところをぐっと伸ばしていこうみたいなところだと思うんですけど、
もうこれうまくいったら今後宇宙開発こう変わりそうだよなみたいなのってあったりするんですか?
そうですね。やはり近年超高型衛星では民生品をうまく活用していくという流れがありますので、その一歩として注目をしております。
じゃあ民生品が乗っていく、これでも結構最近アメリカとかは特にそうだと思うんですけど、民間がどんどん入ってきて、むしろNASAは一種プラットフォームみたいな、
宇宙開発したかったらNASA通してやってよみたいなぐらいのところでお金を配ったりとか機械を提供したりっていうふうにあると思うんですけど、
12:06
そういったところにJAXAの立場としても近くなっていくっていう感じになるんですかね?
そうですね。JAXAの関わり方、役割も変わってきているとは思っていて、まさに科学新提供衛星技術実証プログラムは民間の企業であったり大学が今後事業家であったりとか商品化を狙う投資をしていくプログラムになっております。
いいですね。今回ミッションたくさんある中で、大きく分けると僕の印象としては3つぐらいの宇宙開発の民間の方たちが関わっているような印象があって、
今回のジェミニーは三菱電機っていう、言っちゃえば昔から宇宙に関わっている巨大企業っていうところがあって、さっき水推進の話チラッと出たと思うんですけど、いわゆる宇宙ベンチャー、宇宙スタートアップみたいなところ関わっていて、
さらには今度個別の人工衛星も飛ばすっていう、小型の衛星飛ばすって言ってたのも、あれ結構大学レベルっていうところまで落ちていてとかっていうので、結構幅広くなってきてるなっていう印象があって、ここって最近のJAXAの方針というか関わり方的にもこのバリエーションって大事だよなっていう温度感はあるんですか?
そうですね。おっしゃる通り、先ほどお話も出ましたけど、海外でスタートアップが盛んにできている中で、日本も新しいスタートアップが立ち上がったり、レガシースペース、大企業についても新しいことにチャレンジをしていっているという認識ですので、そこも手助けをしていきたいと。
うーん、その中で今回もう1個気になるやつがあって、これ宇宙スタートアップの方の話なんですけど、アクセルスペースのディーセイルっていう機能が実証の中の1つに組み込まれているなと思っていて、これってやっぱ結構話題に上がる宇宙デブリに関わる部分かなと思ってるんですけど。
そうですね。近年、高型衛星コンステレーション等による高頻度の観測が行われておりまして、宇宙空間は非常に広いんですけど、実際に利用している軌道はある程度近いところ、同じようなところに固まっていますので、衛星が渋滞しているという状態になっています。
軌道上で使用しなくなった衛星、運用を終えた衛星は、なるべく早くその軌道を離れるという運用をしています。
15:00
その軌道を離れるお手伝いをする機器として、ディーセイルというオービット、軌道を離れる機構の実証を行う予定です。
これって、じゃあもう最後はちゃんと落ちようねっていうコンセプトがあるってことですよね。
そうですね。ディーセイルは自然にも宇宙空間微小に大気がありますので、その抵抗力でどんどん衛星が落ちてくるんですけども、そのスピードを速くして、できるだけ早く大気圏に突入させようという試みです。
今までの衛星って、そういう機構ってついてなかったんですか?
これまでは自然に落ちてきそうだなと解析で分かるものについてはついていないものもあります。
意図的に軌道を離脱させるものについては推進系といわれるスラスターをつけていることが多かったです。
一方で衛星が小型化していて、推進系の装置をつけることがなかなか難しくなってきていまして、
よりスペースが小さい、質量も軽くて、推進系ですと圧力容器が必要ですが、そういったものも不要というところでディーセイルが新しい落とし方の実証をしています。
これってじゃあプシュプシュって吹き出して、一気に強制的に地球の大気圏に落とすみたいな発想じゃないってことなんですね?
はい。今回実証するものは2メーターくらいの幕を展開しまして、宇宙空間にある微小な大気による抵抗力を受けて、
徐々に周回速度を減速させて衛星の軌道高度を低下させるという実施を行います。
じゃあ船の発想の逆みたいな。
そうですね。空気を使ってその力でどんどん降りてくる。
パラシュートか。パラシュートと同じ感じってことですね。空気つかんで減速するっていうていう、ざっくりとした見方をすれば。
これ僕のリスナーから聞かれたことがあるんですけど、このポッドキャストの。地球に落とす以外の衛星の処理方法ってあるんですか?
低い軌道ですと地球に落としますけど、静止軌道と呼ばれるもっと高い軌道にいる衛星は地球に落とすのは難しい。距離が離れているので、
渋滞している軌道から外れるだけで、基本的にはそこにずっと留まるということをしています。
じゃあ留まるのか。
18:02
飛んでいる道路から外れるというところです。
脇道でずっと待ってるみたいな。
そうですね。脱気、電感は来ないので、使い終わった衛星が道路の横に止まっているというような感じです。
ちょっと血あんまるイメージがありますね。
それがどんどん増えてきてはしまっています。
じゃあ今後こうやって宇宙開発進んでいくとそこも問題になってくる可能性ありみたいな。
そうですね。こういったディーセールみたいな、自分自身がネグリにならない、宇宙ゴミにならないように対比するというものと、
同時に積極的に使い終わった衛星を取りにいくというような実証を近年も行っております。
面白い。ちなみに明日ちょっと後編という形で駆け足さんには今までどんなミッションに携わったかみたいな話を伺おうと思っているんですけど、
今まで自分が関わったミッションが燃え尽きていく姿って見たことあるんですか?
いえないですね、今のところは。
地上とかから燃えていく姿が見れたらちょっとセンチメンタルな気分になるのかなっていうのが気になって伺ったんですけど。
そうですね。今のところはないですね。
そうなんですね。面白いな。僕関わっていた衛星とかは宇宙空間でいつの間にか信号も途絶えていなくなってしまったみたいな過去が。
なので、最後まで見届けるってどういう気分なんだろうなっていうのがあるんで、もし今度誰か他に衛星やってる人いたらまた聞いてみます。
ということで今回は前編という形でどういうミッションが搭載されるのかとか、そもそもイプシロンロケットの中にどんなものがあるのかみたいなところを、
軸として伺わせていただいたんですけど、明日はさっき話したみたいに駆け橋さんのちょっと宇宙を志した理由とかっていうちょっとした背景とか、
あとこれ事前にこういろいろお話を伺ってたら、僕が今までやっていた研究ともちょっとオーバーラップする部分があって、
この話結構ワクワク楽しみにしてるんで、引き続き明日もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
はい、ということで前編としてJAXAと民間がつなぐ未来の宇宙技術というところをテーマにイプシロンロケットのミッションの内容というところを伺わせていただきました。
本日はありがとうございます。
ありがとうございました。