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2024-06-15 21:10

1344. 【JAXAみおコラボ】プロジェクトサイエンティストに至るまでのキャリアパス【村上豪】

JAXAの水星磁気圏探査機「みお」の科学観測をとりまとめるプロジェクトサイエンティストの村上豪さん(⁠Xアカウント⁠)をゲストに、プロジェクト全容とここまでに至るキャリアをお話しいただきました。


ミッションページ

⁠https://mio.isas.jaxa.jp/mission/#mission_01⁠


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ソース


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2024年6月15日、始まりました佐々木亮の宇宙話。 今回は前回に引き続き、JAXAが進めている水星磁気圏探査機みお、こちらの
プロジェクトサイエンティストを務めている村上豪さんをゲストに、 みおに関するお話、水星探査のお話、そして
みおっていうJAXAの大きいミッションの中で、 科学観測全体の取りまとめを担当するっていうところに至った
この天文学者としてのキャリアについてのお話を伺わせていただきたいなと思っております。 今回の内容は、大学時代からキャリアのこう
一個一個鍵になっているポイント、ここが結構重要だし、 やっぱり積み上げなんだなっていうのを実感させていただける
そんな回になってるかなと思いますので、ぜひぜひ最後まで楽しんでいただけたらと思っております。 ちなみに前回はこの水星磁気圏探査機みおのミッション全体のお話も
伺ってますし、あとはこう行くまでに何年もかかる中で、 その移動中も科学探査していくよとか、
あとはヨーロッパと一緒にミッションを進めていくことの難しさとかも伺っているので、 このあたりもぜひぜひ楽しんでいただけたらと思います。
それでは本編どうぞ。 もうちょっとみおの話を
気になるポイントがあって、 周辺の磁場を観測していくっていうのがみおの
ほんとこうざっくりとした大きい役割だと思っていて、 その磁場を
磁場の状態を見ると中まで予測できるっていう、なんかそこのステップであるのかなっていう、 なんか内部構造がこうなってるのかみたいなのが外部の磁場から分かるのかな
っていうのが今ちょっと疑問に思っている部分なんですけど。 はいはい。 えっとまあみおの役割として、
磁場だけじゃなくて、そこを飛んでいるいわゆるプラズマですね。 電子とかイオン。
これを取るのも結構大きな役目としてあって、 これは完全にその彗星内部というよりは彗星の周りで起きている、まさに
磁気圏バリアでどういうことが今起きているかをその場で調べるというのが目的としてあります。 例えば、磁気圏と太陽風の
インタラクションの結果で出てくるエネルギーの高いプラズマとかがいなかったりするので、 そういうのどこの場所でどういうやつがどういうタイミングで出てきているかとか
そういうのを見るっていうのが一つ大きな役割。 それ自体ですでに
03:01
彗星に行かないとできないことなので、非常に大きな役割があります。 もう一個磁場観測の役割で今言っていただいた、彗星の中、
彗星そのものの観測としての磁場観測というのがあって、 これまず彗星がヘンテコって言って、磁場あること自体ヘンテコなんですけど、
もう一つ磁場自体ちょっとヘンテコで、 地球と似てるんだけども、中心が思いっきり偏っているんですよね。
中心が偏っている。 地球もちょっと数度傾いているとかはあるんですけど、
軸が。彗星の場合は、北に惑星半径の20%ぐらい
中心がずれてて、赤道、磁気赤道と呼んでますけど、 真ん中が北にあるんですよね。南北で磁場の強さが全然違う。
同じ意図で調べると。 そうなんですね。
そうなんですよ。これ、もうどうやったら同じ場できるかわかってなくて。 確かに。
中のコアが動いて作っているのはわかるんだけど、 何がどう動いたらそうなんのって、いろんなモデル屋さんがシミュレーションして、
一応こうやったら結果北にずれるみたいなのがポツポツ出始めてはいるんですけど、 どれも確定的なやつはなくて。
そういう意味でやっぱり地場の精密な観測が必要だというのが現状なんですね。
もっと言うと、彗星…はいはいどうぞ。 寝てるっていう状態の確認は
遠くからの観測でこれまでにわかっているって感じなんですか? どうやったら今の彗星…
ズレてる。 あ、そうですね。
これは過去に探査機、NASAのメッセンジャーっていう探査機が、 彗星で実は唯一、
彗星周回した探査機で、人類でまだ一機しか彗星周回探査機ないんですけど、
これが4年間彗星の周りで観測をして、その結果ズレてるだろうと。
ただこれも、実はメッセンジャーという探査機の軌道自体が南北に非対称で、
北半球で彗星に近づくけど南半球ではかなり遠く行っちゃうんで。 あーなるほど。
地場の観測も北だけなんですよね、実は。 なるほど。
それをこう、何ていうか、外装して線を延長していくと、 北にズレてるっていう結果なんだけども、
南半球がどうなってるかはわかってないんで、 それもやっぱり見ないとちゃんと中のことわからんと。
あくまでじゃあ今見えてる彗星の地場の構造っていうのは、 一部ちゃんとした観測、その場で観測したものもあるけど、
06:08
半分ぐらいは最もらしい推測値みたいな。 まあそうですね、その北半球から推測される結果。
で今は彗星の地場こうだよねって言ってる。 確かになんか地球、単純に地球の話で見ても、北半球だけ調べまくって、
じゃあ南半球もそれのただひっくり返っただけか、みたいな話で解釈するのはやっぱちょっと、
ちゃんと見た方がいいよねってなるから、そういう感覚ですよね。 まして偏テコだからそれが本当にそうなのかっていうところは知りたい。
ただ僕らその中のことを知るには、むしろ彗星だけの地場の情報を取り出したいわけなんですけど、
やっぱ太陽風さっきも言った通り強いんで、 めっちゃ太陽風でねじ曲げられたり、変動させられてるわけですよ。
そこを抽出するには、2機の探査機というのが非常にキーワードになってきて。
ミオはちょっと離れたところで太陽風をモニターすることができて、
MPOは彗星の近くで地場を見てると。 太陽がどういう状態になって結果MPOでこういう地場が見えてるっていうのを同時に見れるんで。
MPO側にも地場の検出ができる? 両方載ってます。
それぐらい地場重要なんで。 この宇宙の研究って、
結構深いとこまで行くと結局地場にたどり着くみたいなのがあるじゃないですか。 どこ行っても地場の話聞きますよね。
ブラックホールでも、そっちの星の方でも多分誰もが地場の話してると思う。
フレアとかも、磁力線の繋ぎ替わりがその発生原因だみたいな話とかになってるから。
ただ僕、研究するまでそんなその宇宙空間の地場とか、
あとなんかその小学校の時に習った、地球がそもそも大きい磁石っぽいみたいな話にそんな重要な背景があるとかを認識することはまあなかったんで。
だからここがなんか一番一般に浸透しない大きい壁になってるような気もしてるんですよね。 そうかも。
地場とか言い出すといきなり顔しかめられちゃうね。 そうですよね。
そこをいかに面白おかしく喋るか。 確かに腕の見せ所なんですね、研究者の。
いやー面白いなぁ。 彗星ミッションいいですね。
これなんで彗星ミッション今やるようになってるんですか村上さんって。
えっと、僕きっかけはもう大学院修士1年入った時に、そこの研究室の先生が一装置のPIで、開発担当の責任者だったので、僕実はもうM1の時からこのMIOに乗ってる装置の開発関わってたんです。
09:17
えーそうなんだ。 そう、それ2006年とかだと思うんで、もう今18年ぐらいの付き合いですけど。
あーそう、すげーこれ。 じゃあ今なんかすごい気持ちじゃないですか、その自分が。
いやー結構思い出はありますよね。 ですよね。
ただ一方でその開発はずーっとやってたけど、その裏で後からその試験を使って次のミッションの観測装置の開発とかしてたら、もうそっちが先に飛んじゃってっていうのがいっぱいあるんで。
あーそうなんですか。何やられてたんですか。 そうそうそう。
えっとね、僕一番最初に関わったのはMIOもそうなんだけど、えっとKaguyaの開発も。
そうなんだ。 そうなんですよ。N1の時にフライトモデルの最終キャリブレーションみたいなとこで。
えー。 かなり美味しい。確かに。
いいキャリア。 そうそうそう。
僕専門は実は紫外線の光の観測で。 あ、久喜とか。宇宙望遠鏡とかなんでそうそう久喜とか。
そうなんですね。Kaguyaも紫外線のカメラだったんですけど。 僕久喜の観測連携で手伝ったことあります。
え、あそうなんだ。 あの久喜、あれじゃないですか。
余った時間で他の観測できるよみたいなのが2018年とかは結構あった中で、
その当時僕あれ、NASAのゴダードにいて、 でゴダード行ってた理由が宇宙ステーションにNASAからついた
あのNICERっていう観測装置。はいはいはいはい。NICERとのあれありましたね。
あれのNICER側のアレンジを。 あ、そうだったんだ。でフレア観測して。
ありました、やりましたよね。あれの時にゴダード側にいました。 あ、そうだったんだ。
そこまでは把握してなかった。そうなんですよ。 じゃあそこでこう
ちょっとちょっとあったんですね。実はすれ違ってたんです。 あ、そっからなんだ。
日咲はもう開発からずっと。 えー、じゃあもう思いっきりですね。
NEOやって、Kaguyaやって、日咲やってみたいな。 うん、あとKaguyaに載せたカメラのまあコピー版というか改良版を国際宇宙ステーションの
希望に載せたこともあって。 えー、その辺。どのミッション?
12:00
えっとね、希望のあの 船外パレットっていうのかな。バックロブって呼んでますけど。
にこういろんな装置載せる機械があって、僕はコウノトリの3号であげたやつかな。
官王家みたいな箱にいろいろ装置載せるプラットフォームがあった。 はいはい、僕マキシだったんで。
あ、そっかそっか。マキシのちょっと後ですね。だから1個か2個後。 マキシ1個目ですよね確か。
その3個目。 2009年載ってんのかな。はいはいはい。
それの開発もやってました。 じゃあ結構あれなんですね。自分が開発した装置が宇宙に行くっていう経験が。
もう僕ラッキーで、多分このキャリアの似たキャリアの人の中でも恵まれてる方だと思うんですけど。
そうですよねー。 3つ4つ行ってますね。
なんかこう、ミオがそれの一発目っていうキャリアでもおかしくないじゃないですか全然。
本当はそう。 そうですよね。
それだとやってこれなかったかもなぁ。
じゃあもうなんか自分が作ったものが宇宙にあるっていうのが、キャリアの中で結構常にその状態であり続けながらいろんな新しいのが飛んでってるみたいな形ですよね。
そう。 でもやっぱり1個目、あの実際に1個目で飛んだのカグヤで。
で、これは関わった期間はもちろん短かったし、設計とか全くやってないんだけども、それでもやっぱり自分が手元でいじってたやつが月って。
で、今最後月面に落下して表向きにいるんで。 確かに。
今月見上げたらみんなスリムを思い浮かべますけど、それまではやっぱ僕はカグヤがあそこに落ちてんだなーって思いながら月。
これはやっぱモチベーション。 子産ですね。好き。子産組ですね。
もの作る側の身としては大変やっぱモチベーションになりますよね。
わー面白そう、経験。
僕はもうなんか観測だけやってたから、理研にいたんですけど、博士の時は。
そこから打ち上がったキューブサットがちょうど半年前ぐらいか、半年前ぐらいに打ち上がって、僕がいる頃にプロジェクト立ち上がったみたいなのを横で見てたものが、言っただけでもちょっと感慨深いなーと思ってて。
いやーそうっすねー。 作った人とかはすげーんだろうなーって思いながら、あるやつなんですよね。
忍者サットっていうそのキューブサットの特集を宇宙話でやらせてもらったりとかしたんですけど、
すごいですね。3つ4つはすごすぎるなー。
15:00
いやーこれはやっぱねーたまらんすよ。
ですよねー。
この経験は一度味わうと、もうやっぱそれで進路決めたとか、M1、M2の夏に打ち上がったんですけど、かぐや。
いやーすげー経験。
これはやめられんって。
いやーそうですよねー。
機器開発の研究の道に行ったかなー。
なんかあの尾野さんのゲストエピソード聞いていただいたっていうのがあったんですけど、
なんか尾野さんとかもこうやっぱ自分の打ち上がったのが言ってるのって感慨深いよねーとか、
あと、宇宙開発の歴史戻った時に、こうまとめられた時に、
あ、これ俺が作ったんだよーとかって言えるものが残ると嬉しいよねって言ってたけど、
いや残りますもんね。かぐやとかはだってやっぱ、今でもなんか月の映像とか出る時って、
まだかぐやの映像が結構メインで使われるじゃないですか。
いやーすごいなー。
楽しいですねー。ケリア。
いやーもちろん苦労もあると思うんですけど。
もちろんもちろん。でもまあそれをひっくり返すぐらいやっぱ嬉しいことも多いんで。
うわー面白い。
たまらんです。
えー今度ちょっとニオ以外の話も色々聞かせてください。
あーもうたっぷりあって、もう何回でも呼んでほしいなー。
ぜひぜひお願いします。
なんかサイエンティストの方に生の声で話してもらうっていうところをちょっと強めていきたいなっていうのが、
あーぜひお願いしますよ。
方針として最近思ってるところなんで、ぜひまたお願いします。
ちょっとじゃあ最後、時間もあれなので、
ニオこんなとこにこっから注目してほしいなーみたいなところあれば、
お待ちしていただければと思います。
はい、ありがとうございます。打ち上げからもう5年半ぐらい経って、
ようやく到着が見えてきたとこです。
この後残り3回の彗星スイングバイが、
今年の9月、12月、であと年明け1月と、
3回立て続けに行われるので、そこでもぜひ盛り上げたいと思ってますし、
その後はいよいよ彗星到着なんですけど、到着がゴールでは全くなくて、
特に今ミオとMPOってくっついた状態で飛んでるんですけど、
ついた後に分離して、でミオはいろいろアンテナ伸ばしてということをやるので、
そこが実はめっちゃクリティカルというか、最もクリティカルな運用になるんですよね。
そこまでは全く気が抜けないし、今それに向けて必死に準備しているので、
ぜひそのあたりもなるべく皆さんとできるだけ情報リアルタイムに共有しながら、
乗り越えていきたいと思ってますので、どうかこれからより盛り上がってく
ミオと彗星ターンサー応援お願いしたいなと思ってます。
なんかもしかしたらあれですかね、展開するタイミングでスリムの時とかみたいに、
JAXAでなんか発信とか。
僕副業でYouTube担当もやってますんで。
18:03
そうですよね。スリムの時も結構いろいろ。
スリムの時30万人が見たライブ配信。
コントロールしてたの僕だったんですよね。
すごくないですか。あんなあのペースで人集まってくる。
いやーそれは震えた。
そうですよね。
ちょっとミオもね、グライトまでは行かないかもしれないけどどうにか盛り上げたいんで。
宇宙話でも。
宇宙話でもぜひお願いしますよ。
盛り上げていきます。ありがとうございます。
ありがとうございます。
はい、ということでいかがでしたでしょうか。
結構キャリアのお話、独特というか、
いいキャリア歩んでるよなっていうのがすごい伝わったかなと思います。
しかもこういういろんなパターンですね。
月だったりとか宇宙ステーションだったりとか、
そしてさらに遠くの彗星まで行くっていうので、
こういう経験を経てるからこそ、
プロジェクトサイエンティストとしてご活躍されている今があるんだなっていうのを、
なんか実感していただけるいい内容だったんじゃないかなと思いますね。
加えてそこの経験が生かされて、
今のミオっていうのの成功をすごい感じさせてくれる、
そんな回だったかなと思うんで、
改めて前編とか聞いていただけると、
今回のベピコロンボ、そして彗星磁気圏探査機のミオ、
この辺りの期待値っていうのがみんなの中でグッと上がるんじゃないかなと思ってますんで、
ぜひぜひもう1回聞いていただくとかすると面白いかもしれないですね。
何かこうキャリアを悩んでいる学生の方だったりとか、
あとそもそも天文学とかそういうサイエンスを突き詰めてる人がどういうキャリア歩んでるのか、
この辺り知りたい人の役に立ってたらすごい嬉しいなと思ったそんな内容でした。
ということでじゃあ今回で以上となるんですが、
次回は今回彗星の磁気圏を探るっていうのが、
村上さんが何度も言葉として使っていた彗星のバリアーですね。
バリアーって表現があったと思いますけど、
じゃあ地球のバリアーってちゃんとワークしてるのかなみたいな。
この辺りちょっと研究出ていましたので、
地球を守るバリアーがどういう役割なのか、
この辺りお話ししていこうかなと思っております。
ぜひですね、明日も楽しみにしておいてください。
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21:01
それではまた明日お会いしましょう。
さよなら。
21:10

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